阿部ブログ

日々思うこと

クシュナーの中東和平案〜イスラエル主導による中東再編はロシアと衝突惹起

2019年05月18日 | 雑感
トランプ大統領の娘婿でユダヤ教徒のクシュナー上級顧問は、現在、中東の和平案を作成中。この和平案は、イスラエル政府との緊密な連携のもと、協働して作成作業が進められている。事実上イスラエルの対米外交を担っているのがモサドのワシントン支局長である。クシュナーの中東和平案は、イスラエル国内でも異論があり、エイゼンコット元参謀総長は、仮に和平案を公開すると西岸地区で暴動が発生するとの懸念を表明している。そりゃそうだ〜現在の西岸地区の入植地が、そのままイスラエルの主権下に置かれるのだから。これは間違いなく紛争を助長する。クシュナーはそれを重々承知。イスラエルは戦争してでも、周囲の反イスラエル勢力に打撃を与え占領地域を広げたいのだ。

イスラエルの国家意思がが顕著に現れているのが、イランである。イスラエルの意向を全面的に受け入れ対イラン政策を強硬しているトランプ大統領だが、イラン国民の生活を圧迫しており影響は深刻だ。イランのロウハニ大統領は、今の経済制裁がイラン・イラク戦争時よりひどいと発言している。イスラエルの罪は極めて大きい。
イランの革命防衛隊などイスラム勢力中枢を破壊したいイスラエルと米国は、イランとの開戦を求めて盛んに謀略工作を行っている。アラブ首長国連邦の4隻の民間船が攻撃されたと報道されているが、負傷者は無く犯人はわからない〜いつもの手口だ。イランはこの手の挑発にはのらないだろう。が、イランが攻撃したと欺瞞して、ペルシャ湾で先制攻撃したいのだ。米国防総省は、USS Abraham Lincoln (CVN-72) を旗艦とする空母打撃群を湾岸に派遣。またドック型揚陸輸送艦 USS Arlington (LPD-24)が随伴し、陸軍の パトリオット部隊も展開を完了している。

イスラエルの不穏な動きは、アラブ諸国に漏れ伝えられており、国連のムラデノフ特使がガザを訪問した際、イスラエルがガザに侵攻すると発言。ガザ周辺での暴動が、イスラエル軍をガザに導き入れる原因となる。また、ヒズボラのナスララは、今年の7月にイスラエルと戦争状態に陥り、自分達も殺される運命にあると語っている。避けようとしても、防ぎきれないと。

ロシアは、シリア内戦の終息に向けて最終掃討戦に乗り出しており、イドリブ県では、内戦最悪の状況が発現している。クルド民族軍もシリア・ロシア連合軍から攻撃され、トルコがそれに乗じて攻勢作戦を展開している。

何れにせよイスラエルとロシアとの国家的権益が衝突するのは眼に見えている。

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