阿部ブログ

日々思うこと

シリア情勢とドイツ連邦情報局の活動など

2012年12月16日 | 日記
ドイツ連邦情報局(BND)長官は、シリアのアサド政権は長く持たないと明言しているが、これは確度の高い情報である。
現在、ドイツ連邦情報局は、情報収集船を地中海に派遣しており、通信傍受や準軍事要員によるの潜入工作活動を行っており、シリアの反体制派グループを様々支援している。またアダナのNATO軍基地を拠点にしてシリア政府軍の部隊配備や政府内部の動向調査を行っている。ドイツはシリア政府中枢に情報情報提供者を複数名アセットしており、連邦情報局員が非公式に接触している。
シリア情報について言えば、アメリカ、イギリス、イスラエルよりもドイツが有力な情報を収集し得る位置にあり、前述の長官発言の重要性はここから来ている。

ドイツは、現在、イスラエルの諜報機関、及び軍情報部の要員と連携しながら、シリア軍の化学兵器の探索を行っている。特にアレッポ近辺を重視しているようだが、政府軍は化学兵器部隊をその装備を移動させているようで、現在まだ所在は明確ではない。
それとイギリスSAS部隊は、スカッド部隊の特定と破壊を目的に潜入している模様で、湾岸戦争時のイラクにおけるスカッド狩りの実績があることから、イスラエルなどは脅威の排除に期待している。勿論イスラエルの縦深偵察部隊が連携支援している。

アメリカについては、武器支援を開始している。これは旧リビア軍の武器弾薬を自由シリア軍に供給するもので、エジプトやトルコを経由して提供される事とになるだろう。それともし化学兵器の使用をアサド政権が認めた場合には、米軍が直接軍事介入する事態となる。
このような欧米諸国の動きを受け、ロシアも黒海艦隊の巡洋艦など6隻を東地中海に派遣しており、当初のガザ紛争の激化がトリガーとなって艦隊の派遣となっていたが、今はシリア情勢の緊迫化から積極的な情報収集活動に従事している模様。

さて、ドイツやアメリカ、イギリスなどからの支援を受けている自由シリア軍はアレッポ近くの歩兵111連隊基地sheikh suleimanや、軍事行政学校を制圧しており、歩兵学校については政府軍を基地内に押さえ込んで封鎖している。
シリア政府軍の情勢は急速に悪化しつつあり、軍人の離反も相次いでいる。特にシリア情報局調査部長も自由シリア軍に投降しており、ドイツ連邦情報局長官の発言の通りになりそうだ。

最新の画像もっと見る