阿部ブログ

日々思うこと

重希土類会議がバレンタインデーに開催

2012年02月16日 | 日記
バレンタインデーの14日、株式会社マテリアル・トレイディング・カンパニーが主催する「RARE EARTH MEETUNG SERIES 2012 TOKYO」が開催された。

中国のレアアースやバナジウム・チタン磁鉄鉱などの資源管理強化により、先進国におけるハイテク産業に重大な影響を及ぶ結果となっており、座視できない状況が継続している。特に中重希土の安定供給が欠かせない日本にとっては喫緊の課題となっている。そんな中でのシンポジウム開催である。
今回は、豪州のNorthern Minerals社社長Mr George Baukの来日を期にシンポジウムを開催する事となったもの。
特にNorthern Minerals社の鉱石からは、ハイテク産業が喉から手が出るほど欲しい中重希土類の含有量が高い(Y:69%、Dy:8%、Gd:3%、Tb:1%)もので、今後の開発に期待がかかる、今注目されているレアアース企業である。

当日は、2000円を払って資料を2部入手。
会場ではマテリアル・トレイディング・カンパニー小滝社長の奥様と名刺交換が出来たのも嬉しいが、今後も同社による同様のシンポジウム開催により大いに情報発信をしてくれるともっと嬉しい。

頂いた小冊子の資料によると、冒頭挨拶は、経済産業省・製造産業局非鉄金属課の川渕課長補佐、来賓挨拶として日本包鋼商事・劉営業部長。
講演は、最初に東京財団の平沼さん。平沼さんは、NHKクローズアップ現代でレアアースとトリウムについての番組にコメンテーターとして登場。その後は、著作を発表されているが、個人的には同僚の畔蒜(あびる)さんとの共著「原発とレアアース」が情報量も多く、時節柄にマッチしたもので有益であった。勿論、私費にて購入した。

2番目には蛍光体同学会の山本会長、次は日立金属 NEOMAXカンパニー技師長の松浦氏、最後にメインイベントの Northern Minerals社長のGeorge Baukが講演している。

George Bauk氏が社長を務める Northern Minerals社は、西オーストラリア州北部にある Brown Range重希土類プロジェクトを手がけ本社はパース。このBrowns Range プロジェクトでは、大規模な重希土類 鉱化物の存在が確認されている。

そもそもBrown Range重希土類プロジェクトは、ジスプロシウム(Dy)、イットリウム(Y)のターゲット鉱種としており、現在の計画では2015年の生産開始を目指している。
またBrown Range重希土類プロジェクトの周辺地域にも食指を伸ばし、昨年12月6日には、ウラン資源ジュニアのToro Energy社の保有する隣接地7鉱区の権益を取得することで、両社が合意に至っている。
この合意によれば、Northern Minerals社は、7鉱区(1,403 km2)において3年間、400万オーストリアドルの探鉱費用を拠出し、51%の権益を取得する。また2年間で200万オーストラリアドルを拠出すること、及びBankable FSを実施することにより80%までに権益を拡大できるオプションの権利をも得ている。ただ採掘されるウラン鉱の権益はToro Energy社が継続して権利を保有する事となっている。

何れにせよNorthern Minerals社が産出する中重希土類は貴重な資源であり、脱REE化を進めるにせよ当面はレアアースの安定供給が欠かせない状況であるため貴重なものである。

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