阿部ブログ

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イスラエル軍のガザ侵攻~プロテクティブ・エッジ(Operation Protective Edge)」作戦の結果~

2014年08月10日 | 雑感
イスラエル国防軍がパレスチナ自治区ガザ地区で実施した「プロテクティブ・エッジ(Operation Protective Edge)」作戦の結果。

パレスチナパ保健省の発表によると死者は、1869名、負傷9570名としている。国連は死者の68%は民間人と推測しているが、イスラエル国防軍は、パレスチナ人の死者1768名と発表。ハマスなどパレスチナ戦闘員の死者は、ハマス253名、イスラム聖戦147名、その他65名、所属不明603名が死亡している。合計1068名。負傷者は不明。
パレスチナ保健省は、戦闘員/非戦闘員を問わない死者を地区別に発表している。
・Khan Yunis  501名
・Gaza City   421名
・Beit Lahia  290名
・Rafah     264名
・Deir al-Balah 241名

プロテクティブ・エッジ(Operation Protective Edge)作戦に従軍して死亡したイスラエル軍人は64名、負傷者463名。民間人は3名死亡、負傷は83名。
ガザ地区の損害は、破壊された家屋は、10690、学校141が破壊され、5つの病院も機能喪失状態で閉鎖されている。電力網は発電&変電設備が破壊され稼働率は20%程度で、電力網に依存しないディーゼル発電機などからの電力供給がメインとなっている。水道施設も破壊されており、これはジュネーブ条約違反だ。避難民は、48万5000人に達し、被害総額は、40~60億ドルと推定されているが、時間が経過すると被害総額は増えるだろう。まだ空爆も続いている。

イスラエル国防軍は、プロテクティブ・エッジ(Operation Protective Edge)作戦においては、4762箇所を攻撃。
内訳は、
・ハマスのロケット発射場1678箇所
・ハマスなどの指揮統制センター977箇所
・イスラエル軍も阻止する監視施設933箇所
・侵攻するイスラエル軍に脅威となる施設548箇所
・パレスチナ自治政府関連施設237箇所
・ハマスの武器工場や部品工場など191箇所
・パレスチナ自治地区の重要インフラ144箇所
・イスラエル軍の作戦作戦遂行のため96箇所

これに対し、ハマスなどパレスチナ側は、イスラエルへロケット弾を3356発射し対抗。
・2532発のロケットは、イスラエル領内の空き地に落下し、無害
・578発のロケットは、アイアンドームによって撃破され無害
・119発のロケットは、発射失敗や推力不足でイスラエル領に達する事無くガザに墜落
・最終的に116のロケットは、イスラエルに着弾。民間人3名、83名の負傷。

ハマスは、イスラエル侵攻前、約1万発のロケットを持っているとされていたが、3356発を発射したものの、残りの3000発はイスラエル軍が破壊している予測されており、ハマス保有のロケット弾は3000発程度とみられる。

イスラエル国防軍は、プロテクティブ・エッジ作戦の主要目的だったハマスのトンネル32を破壊し、作戦目的を達成したとして地上軍はガザから撤退している。召集された予備役8万2201名は逐次任務終了につき、帰宅しつつある。応援にかけつけた北部軍のゴラニ旅団(一部)と第7機甲旅団も衛戍地へ移動。作戦終了でガザ旅団と第80旅団、第366機甲旅団など南部軍主力による警備警戒に移行。

北プロテクティブ・エッジ作戦における空爆期間は28日、地上戦は19日。但し、前述の通り空爆は続いている。イスラエル国防軍は、作戦中1856台のトラックで40550トンの水・食料など物資をガザ地区に搬入したとしている。しかし、今回のガザ地区での作戦は、第二次世界大戦のワルシャワ蜂起を想起させる。まともな軍事力を持たない市民軍を一方的に攻撃して大量殺戮している。ワルシャワは戦時下だったが、平時にあってハマスがテロリストなのか、イスラエル国防軍がテロリストなのか、判然としないが、結局、ユダヤとアラブと名前は違えども、結局同じ民族で殺し合っている。

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