阿部ブログ

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米国:2014年度国防予算

2013年04月17日 | トルコ
当ブログで『米国の2014年予算教書』を掲載したが、国防総省が2014年度(2013年10月~2014年9月)国防予算を公開している。総額は5,266億ドル。

しかし予算コントロール法によって、国防予算は、2013-17年度の5年間で総額2590億ドル、2012-2021年度の10年間では4870億ドル削減されるので、すんなりと予算が通過するとは思えない。既に2012年1月「米国の国際的な指導力の維持―21世紀の国防の優先順位―「Sustaining U.S. Global Leadership: Priorities for 21st Century Defense,January 2012」と題された 新国防戦略を立案しており、2020年までのグローバルな世界軍事環境を勘案した国防の青写真を描いている。

米国の国防戦略の基本は、アジア太平洋地域及び中東地域への戦力や投資を再配分し、現行の空母11隻の体制等は維持する。2030年までに海軍戦力の60%を太平洋域に配備する。NATOからは、陸軍の2旅団を削減し、現陸軍兵力も削減するが、予備兵力は強化する。また従来の二正面作戦からアジアを重視した一正面作戦に大きく戦力構成を変え新たなアプローチに転換する。

国防戦略の大幅な見直しと予算削減は、削減し易い軍支援部門の経費が削減され5年間で340億ドルとしている。因みにこの支援経費も含め、総額2,110 億ドルの経費節減を目指している。逆に対テロ戦やサイバー戦分野など、新しい脅威に対する技術開発に対しては投資を継続する。

戦術通信を担当していた事もあり、気になっているのは指揮・統制・通信、即ちC4ISR (Command, Control, Communications, Computers, Intelligence, Surveillance and Reconnaissance) 産業への影響が大きい事。2012年は755億3,000万ドルだったが、2017年には450億ドルに縮小すると予測されている。特にRDT&E (Research, Development, Testing, and Evaluation) の分野が大きく縮小する。

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