阿部ブログ

日々思うこと

トリウム溶融塩炉が取り上げられているメディア

2012年04月25日 | 日記
以前、からトリウム原子力に注目してきた。それはレアアースなど金属資源にも係わるからだ。
特にトリウム溶融塩炉は、高レベル放射線廃棄物の減量処理が可能だとされる点。しかし最大はやはり小型で安全な原子炉である事。

このトリウム溶融塩炉は、水などで常に冷やし続ける必要がある「固体核燃料」ではなく「液体核燃料」であり、原子力開発黎明期にオークリッジ国立研究所内に溶融塩炉の実験炉を構築し実験し、4年間安全に運転して終了している。
しかし米国はワインバーグの溶融塩炉を本格的に展開する事は無かった。やはり1950年代は軍事優先。ウラン235、プルトニウム239が必要とされたためだ。

このワインバーグを顕彰して2011年9月「ワインバーグ財団」が創設された。日本からは亀井敬史氏が参加している。
ワインバーグは文鮮明の統一協会信者だと言う筋もあるが、彼の原子力分野における功績は関係ない。

さて、ワインバーグのトリウム溶融塩炉について最近メディアが立て続けに出ている。
例えば前述のワインバーグ財団に参加されている亀井敬史氏は「トリウム溶融塩炉で野菜工場をつくる-北海道中川町の未来プロジェクト」を出版している。
この本は共著で、高見善雄氏は元自衛隊OBで、西川有司氏は日本メタル経済研究所の主任研究員。西川氏は、2010年11月10日、NHK「クローズアップ現代 放射性物質“トリウム”最前線」の冒頭に同僚の幡野氏と共に出ておられる。

それと復刊した『WIRED』Vol.3に「Atomic Dream~ワインバーグ博士とありえたかもしれない原発の物語」が掲載されている。これは面白く、一気呵成に読ませるイキが良い記事だと思う。

この記事の後には、古川和男氏の遺志を継いだ「NPOトリウム溶融塩炉国際フォーラム」理事長である吉岡律夫氏へのインタビュー記事もある。吉岡氏は東芝OBでフクイチ(福島第一原発)の3号機と5号機の炉心を設計された原子力の専門家だ。

それと『WIRED』はトリウムに関する電子書籍黙している。「WIRED シングル・ストーリーズ」の第8話「もうひとつの原発」である。
著者のリチャード・マーティン氏は、トリウムをテーマにした『Superfuel: Thorium, the Green Energy Source for the Future』を2012年5月に刊行されている。

亀井氏の「平和のエネルギー―トリウム原子力 ガンダムは“トリウム”の夢を見るか?」や「平和のエネルギートリウム原子力II 世界は“トリウム”とどう付き合っているか?」なども書店やアマゾンなどで購入可能なので是非ともご一読頂き、フクイチ以後の原子力を考えて頂ければ幸いである。