阿部ブログ

日々思うこと

マックスウェルのオリジナルの方程式の復権

2011年09月17日 | 日記

リーマンは、1827年に発表されたガウスの曲面論を n次元の場合に拡張してリーマン計量という概念を提示し、所謂リーマン幾何学の構想を確立した。この構想は1854年6月10日、ゲッティンゲン大学の講義で披露された。
これはより高次元の不可視の次元が存在する事を示唆する数学的論拠を示したことになる。

この講義の背景には、リーマンがゲッティンゲン大学への就職の為に作成した1951年の論文を、審査官であったガウスがこれを高く評価し、彼の曲面論の拡張については、ガウス自身がリーマンに要望したものであった。
リーマンは、論文で n次元の曲面を「連続な多様体」(Stetige Mannigfaltigkeit)と表現しているが、これは現代数学で言う多様体(Manifold)の事である。

このリーマン幾何学の影響は、数学者だけでなく物理学者にも影響を与えた。

この影響をもろに受けたのが、マックスウェルである。
マックスウェルは、リーマンの高次元の存在を示唆する幾何学を基礎として、ファラディーの「場」の概念を数学的に表現する際に、1840年代に導入された超複素数である四元数(Quaternion)を用いて磁力、電磁力、重力という3つの力を定式化し20個の方程式で表した。
オリジナルのマックスウェル方程式は、一般共変性を持つ非線形の方程式群である。

ハミルトンの四元数の特性は、非群的と言うか非線形的であり、「AB ≠ BA」、Non-abelian である。
つまりオリジナルのマックスウェルの方程式は解析的に解くことができないので、線形化が必要となるが、これはマックスウェル自身がやろうとしたが、寿命が尽きて出来なかった。

現在の我々が学ぶマックスウェル方程式は、実はオリバー・ヘビサイドと言うスカラーポテンシャルとベクトルポテンシャルの混在するオリジナルの方程式を酷く嫌った学者が線形に書き換えたものだ。このヘビサイドが書き換えた方程式を「マクスウェル-ヘビサイド方程式」若しくは「マクスウェル-ヘビサイド-ヘルツ方程式」呼ばれる事があるのは、このような背景による。

現在、「マクスウェル-ヘビサイド方程式」では説明がつかない現象。たとえば逆ファラディー効果と呼ばれる光磁気効果。この現象は、非線形なオリジナルのマックスウェル方程式で導くことが出来る。

これ以上書かないが、電磁気の非線形性がでなければならない現象が現れてており、今将にオリジナルのマックスウェル方程式の復権が必要である。