◎京城帝国大学法学会叢刊は計7冊が刊行された
この間、紹介してきた藤本直著『断種法』(1941年3月、岩波書店)は、「京城帝国大学法学会叢刊」のうちの第五冊であった。では、京城帝国大学法学会叢刊としては、ほかに、どんな本が刊行されていたのだろうか。
「国立国会図書館サーチ」で調べてみると、次のようなことがわかった。
○京城帝国大学法学会叢刊として刊行されているのは、計七冊である。
○第一冊の奥平武彦著『朝鮮開国交渉始末』(1935)のみ、刀江書房刊。他の六冊は、岩波書店刊。
○第三冊の尾高朝雄著『国家構造論』(1936)は、戦後になって、「再版」が出ている(「はしがき」に「再版」という言葉がある)。ただし、この再版には、「京城帝国大学法学会叢刊」の標記はない。
以下に、京城帝国大学法学会叢刊の各冊のデータを挙げておく。
1)『朝鮮開国交渉始末』 奥平武彦著 刀江書房刊 1935・3・25 定価1円80銭
2)『羅馬元首政の起源と本質』 船田享二(ふなだ・きょうじ)著 岩波書店刊 1936・11・5 定価2円80銭
3)『国家構造論』 尾高朝雄(おだか・ともお)著 岩波書店刊 1936・2・25 定価3円20銭
4)『履行補助者の研究――履行補助者の過失に因る債務者の責任』 松坂佐一(まつさか・さいち)著 岩波書店刊 1939・4・18 定価2円30銭
5)『断種法』 藤本直(ふじもと・ただし)著 岩波書店刊 1941・3・25 定価3円50銭
・奥付には、「著作権者 京城帝国大学法学会/代表者 船田享二」とある。
6)『手形交換法論』 西原寛一(にしはら・かんいち)著 岩波書店刊 1942・3・30 定価3円50銭
・奥付には、「著作権者 京城帝国大学法学会/代表者 船田享二」とある。
7)『実定法秩序論』 尾高朝雄著 岩波書店刊 1942・3・30 定価4円80銭
・奥付には、「著作権者 京城帝国大学法学会/代表者 船田享二」とある。
番外『国家構造論』(再版) 尾高朝雄著 岩波書店刊 1948・9・20 定価350円
調べていて気づいたが、インターネット上に、平田賢一さんの「京城帝国大学法文学部の出版活動と岩波書店」と題された論文がある(『アジア太平洋研究センター年報』2016-2017)。貴重な労作だと思った。参照をおすすめしたい。
※都合により、明日は、ブログをお休みします。