礫川全次のコラムと名言

礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。

国家の維持について頼る所は国民を残すことのみ

2020-04-18 02:28:07 | コラムと名言

◎国家の維持について頼る所は国民を残すことのみ

 雑誌『自由国民』第一九巻二号(一九四六年二月)から、迫水久常の「降伏時の真相」を紹介している。本日は、その十六回目。

 この陛下の御言葉は悉く掲げて終戦時の御詔書にある。どうかもう一度御詔書を読み返して欲しい。陛下は日本国家を維持するについて、頼る所は国民を残すことのみである、と思召して国民を信頼し給ひ、玉砕もつて君国に殉ぜむとするを止め給うて、生きて日本国家を維持すべきことを命じ給うたのである。しかも陛下の御言葉の中には他日の復讐を期すといふ御心持は全く拝しなかつた。広大無辺の御仁慈は一に〈イツニ〉臣民の康寧を冀ひ〈コイネガイ〉給ひ、また将来日本が国際社会の一員として世界平和の確立に大いに寄与すべきことを希ひ給ふのである。即ちポツダム宣言の履行を命じ給ひ日本が新しき民主主義の基礎に おいて、道義の香り高き平和な国家として輝かしく再建することを冀ひ給ふたのである。陛下はこの大いなる御悲願のために、陛下御自身の御事を全く御考へ遊ばされることなく今回の御決意を遊ばされたのである。
 閣僚一同は御前を退下した後に、異口同音に歓喜に声を震はせて、今度程、陛下を我等臣民の中に拝したことはない、陛下は我等の陛下であり、陛下は陛下の御言葉の通り我等臣民と共にあらせられるのだ、有難いことであると話し合つたのであつた。
 しかして陛下は更に一般の国民には今まで何も知らせずにをつたのであるから、突然この決定をきく場合動揺も甚だしいであらうから、自分がラジオを通して親しく諭してもよい、陸海軍将兵にはさらに動揺も大きいであらうから、自分が自ら親しく説き諭しても構はないと仰せられた。(此の事については其の直後更に侍従武官をもつて陸海軍大臣に御沙汰あらせられたが、米内〔光政〕海軍大臣は余りにも畏れ多いことであり、海軍大臣が全責任をもつて処置致すべき旨を以て御辞退申上げ、陸軍側も之に做つた)そして、政府に対しては、速かに終戦に関する詔書の草案を作製し、御手許に差出すやうに、との御下命があつた。【以下、次回】

今日の名言 2020・4・18

◎国民の皆様に心からおわびを申し上げたい

 安倍晋三首相の言葉。安倍首相は、4月18日におこなわれた記者会見で、現金給付をめぐって方針転換をおこなったことについて、「混乱を招いたことは私自身の責任であり、国民の皆様に心からおわびを申し上げたい。」と述べたという。4月17日18:33配信の毎日新聞ニュース。ただし、ヤフーヘッドラインによる。

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