宇宙・生命・日本 1000年後のあなたに語りかけたい

巨大ブラックホールの衝突が新宇宙を形成⇒循環宇宙論、有機物質から人間への進化メカニズム(循環論理の評価)⇒戦略的進化論

原子力発電所は必要です

2011年05月12日 20時41分26秒 | 思考空間

 別に私が、電力OBだから言う訳ではありませんが、日本に限らず、原子力発電所は欠かせません。太陽光発電も風力発電も、積極的に設置すべきです。しかし、太陽光や風のあなた任せなので、ベースの電力供給にはならない。直交変換インバーターのノイズが設備を壊す課題もある。ベースにするには大型のバッテリーが必要になり、コスト的に合いません。火力発電所でベースを賄うと、これもコストが高いし、枯渇が見えている石油が暴騰する。

 現在の石油が極端な暴騰をしていない背景には、日本ほかが原子力発電所を多数採用してきた背景があるんです。フランスでは原子力が当たり前。もし、原子力が無かったら石油価格が10倍ぐらいになっていた可能性はある。また、世界にはプルトニウムを発生しない、安全性の高い原子力もあるようで(中国、インドが研究しているらしい)、それも検討の余地がある。

 電気を使わない、自然に任せた昔のような質素生活をしたいとおっしゃるあなたは、是非そのような国に移住すべきです。世の中、きれいごとでは済まない。例えば、軍隊は無い方が良いが、日本からアメリカ軍が撤退したら、中国は尖閣諸島や沖縄どころか、日本全土を支配してしまうのは現実。

 原子力発電所の安全性をクリアできないようでは将来人類は生き残れない。実施すべきは、情報をオープンにした状況での徹底した安全性チェック。電力会社は極端な隠ぺい体質。電力社員でさえ、本当のことを知らされておらず、客観的な議論がなされていない。福島原発で、最大震度を5にしたなどと言う話は、お粗末すぎて話にならない。

 この、ブログでも再三指摘しているが、電力会社には多くの問題がある。この際、全部を改革できたらと願うが、どっこい、改革と言う名前の作業の中で、しっかり既得権体質、隠ぺい体質は残っていくと思う。それは従来と同様だ。

 震度や津波が想定外などとのたまうのは、官僚の逃げ言葉。何が有っても最低限度の安全性を保てるようにするのが、国と電力会社の務め。


マイホームの建設!4.快適・エコ住宅

2011年05月09日 20時08分52秒 | 思考空間

 お金をかければ高級でエコで快適な設備ができるのは当たり前。我が家では金をかずに、凄い設備を実現したので、紹介したい。ご存じない設備も出てくるかもしれないのでご参考に!(ロックウール断熱、ヒートポンプ床暖房、セントラルクリーニング、ディスポーザー、24時間換気、大型エコキュート)

 まず、エコな住宅にするには断熱材が欠かせない。種類はウレタン、グラスウール、ロックウールが有る。このうち、住宅の断熱材には殆どグラスウールが用いられる。私は、グラスウールよりはロックウールをお勧めする。何故なら、断熱効果や融点が高い高級素材である。確かに価格は少し高いが、材料費の差なので建設費に比べれば僅かなものである。

 断熱材は厚さに比例して、断熱効果が大きくなる。普通の住宅では、グラスウールの35mmが多いところ、我が家はロックウールの75mmとした。屋根は通常が75mmまでのところを150mmとした。この差がどのように出たか?通常、夏の屋根裏は暑くて入れないが、我が家では快適だった。空調費にも大きな差が出てくる。

 家をオール電化にするかどうかは大きな選択。このたびの東日本大震災では、東日本で計画停電になったので、電気の印象が悪いが、私は総合的に考えて、オール電化が良いと思う。理由は何と言っても安全性。ガスや灯油では火災や爆発のリスクが10倍以上高くなる。また、ガスストーブを焚くだけで、室内は煤塵(目には見えない)だらけになる。将来、家庭用のガスコウジェネ(燃料電池)が普及した場合には考慮する必要がある。

 我が家の場合、全く火を使わない。母の家には仏壇があるが、ロウソクや線香に火をつけない。今の家は、外壁にも木を露出させないので、内部から火が出ない限りは、火事にはなりにくい。 

 最もやりたかったのはヒートポンプ床暖房。2階の我が家と、1階の母の家は床暖房を入れた。どう考えてもヒートポンプ床暖が良い。これは喜んでもらえたし、十分満足できるものだった。

 従来の床暖房には、1.灯油を燃焼させて、床に湯を回す方法、2.電気ヒーターを床に埋設する方法、更に3.ヒーターと一緒に蓄熱材を埋設する方法などがある。1の灯油方式は燃費が安いし、灯油を燃焼させるのは寒い地方では有効である。しかし、灯油を充てんしなければならず、油平も年々上昇してくる。2は電気代が高く、3は電気代は安いものの設備費が高く、温度調節に難がある。

 ヒートポンプ床暖は、電気代の安いヒートポンプで液体(ブラインかな)を温め、液体を床下に循環させる。コンプレッサー(機器本体)は空調と共有。温度を自由に調節できるし、燃費は安い。問題は、設備費だが、我が家の場合には、エアコン、ヒートポンプ床暖、エコキュートを全体で物件扱い(ビルなどで一括購入する方法で、非常に安い)にして貰い、コストを下げた。

 セントラルクリーニングは、屋外にバキュームポンプを置き、各部屋に配管し、ホースとノズルを突っ込んで掃除する方法。掃除機を持ち運ぶ必要なく、排気が室内に出ないので、理想的。ただし、ホース(部屋の隅までカバーするので結構長い)とノズルを格納する場所の問題はある。

 建築したばかりの家の中を生ごみをもって歩くのは嫌なので、無理してディスポーザーを設置した。これも、床暖同様、大変喜んでもらった。何しろ、生ごみが一切出ない。シンクの排水口に生ごみをどんどん入れれば処理される。ただ最初は家内が何度か金属を入れてしまい、トラぶった。

 暖めたり冷やした空気の熱を回収(全熱交換器)して、外気と入れ替えるエコ方式に24時間換気があります。我が家には3台設置しており、常に空気が入れ替わっています。電気代はあまりかかりません。難点は、ドアの下の隙間が大きいので、音が少し漏れやすいこと、外からの空気の取り入れ口の場所によっては冬に寒い場所などができること。

 我が家は2世帯住宅なので、2階と1階に0.5トンのエコキューとを2台設置した。元々、超省エネのヒートポンプ加熱気を使う上、電気代の安い深夜に貯湯するので、ランニングコストは非常に安い。毎日安心して、風呂に入れる。冷えた湯の再加熱のできる。難点は、バスの栓がしてあることを確認して給湯しないと、湯を捨てることになる。栓の自動確認にはなっていない。

 インターネット環境は、NTTの光契約で、2CHをハブで多段分配し、各部屋に持って行った。事務所も含めて、常時10台以上のパソコンが繋がっているが、全く問題ない。工事費を安くするため、通信工事業者でなく、電気工事業者を呼び、電気コードのようにLANケーブルを配線してもらった。多分、工事費は3分の1ぐらいになった。何故、カッコよく、無線LANにしないのか?と言う質問が出てきそうだ。実は無線LANは信頼性が悪く、特に業務では使えない。

 電話は事務所用のビジネスフォンに家庭用の電話機も繋いで、使い分けるようにした。ビジネスフォンは、信頼性がダントツに高く、色々機能が多い。オプションで自動録音をつけ、玄関のドアフォンもどの電話機でも取れるようにした。携帯への自動転送もできるし、受話の音を変えて、回線の聞き分けをできる。

 トイレは後に、今流行の自動開閉式にした。挨拶はしてくれないが、人間を察知して、ふたを開けてくれるし、終了して去る時に水を流してくれる。小の方は、スイッチを押すと更に中のふたが開く。夜中に、寝とぼけていても、目標となる容器の中を証明が照らすので、失敗しにくい。


ライジングサンよ再び!

2011年05月06日 19時59分52秒 | 思考空間

 先の日本の原点でも記述したように、現在の日本の社会や日本人の精神の基本的フレームは江戸時代に形成され、形や状況は変化しつつも継続されている。つまり、日本は元々非発展系の社会構造、意識構造である。

 それでは何故、日本は戦後の焼け跡から、奇跡的な発展を遂げて、世界のトップに立てたのか?第一の理由はアメリカが日本を世界の工場にする戦略を立てたことである。日本に対して、資本注入や投資、技術やインフラなどの情報提供、朝鮮戦争でも見られた優先的な発注などが実施された。

 次に、日本人は農業をベースとして職人肌。製造業に向いている。日本人の優れた理解力、完成度を高める創意工夫、基本的なまじめさ、協調性などが総合的に機能して、日本は製造全般にわたってトップレベルの技術を確立した。文字通り世界の工場として、経済規模でもアメリカをしのぐほどに強大になった。

 ハーマンカーン博士は「21世紀は日本の世紀」とした著書を発表し、筆者も飛びついて読んだ。ライジングサンと言われた日本は向かうところ敵なし、日本企業や日本人は、三菱地所によるロックフェラーセンタービルの買収に象徴されるように、アメリカを片っ端から買いあさった。

 バブル期、日経平均は36000円を超えたが、大蔵省の一部局が独断で、何の戦略も持たず総量規制を強行した後に、雪崩を打って経済はしぼみ始めた。部分的には財政出動で成長の片りんを見せることは有ったものの、結局のところ、巨額な国債を増やしただけで、実質的な浮揚力を形成したことは無かった。

 この、最も大きな要因は、アメリカが世界の工場を日本から中国に移す戦略に転換したことだ。何故、戦略転換がはかられたか?

①日本の経済暴走は、アメリカにとって冷戦で対峙してきたソビエト以上の脅威となってきた、

②アメリカにとって、日本が何をめざし、何を考えているかが理解できなかった、

③日本の無神経なアメリカ買い、勝ち誇ったような日本での報道はいたくアメリカのプライドを傷つけた。

 アメリカと日本は軍事同盟国であり、中国は対立する共産体制の国だ。常識では考えられない転換は、それだけ、アメリカにとって日本は鼻持ちならぬ理解不可能な国だったということ。つい先ごろまで、アメリカ人は「中国人大好きと」言ってはばからなかった。要は、日本人は大嫌いと言う裏返し。

 ビル・クリントン大統領は、冷戦崩壊で役割が縮小したCIAを経済政策に組み込んだ。世界のあらゆる情報を集め、分析して経済政策に活用したが、とりわけターゲットが日本になった。かつて、日本の商社は世界中のビジネスを手がけたが、諜報活動により賄賂型を暴かれ、悉くアメリカや旧英連邦に持って行かれた。

 CIAの組織は日本政府の組織全体にあまねく浸透し、高度機密情報を得ただけでなく、官僚組織を動かせるようになった。アメリカは今でも、政府、企業、個人の電話を盗聴し、インターネットをチェックしている。電話で話すことは、「どうか、この会話は盗聴し利用してください」と宣言するに等しいとは日本以外の常識。

 これに対して、日本政府、日本企業はあまりにも無防備。日本の有力企業が何故、多額の賠償金を取られるのか?トヨタがやり玉に挙げられ、売り上げを減少することになるのか?何故、韓国の現代自動車やサムソン電子はアメリカから叩かれることなく快進撃を続けられるのか?改めて言うまでもない。

 韓国からの確かな情報では、米韓は大統領どうしが緊密連携。現代自動車はいくら製造しても間に合わないという状況らしい。

 アメリカは日本政府や企業の高度機密情報を常時キャッチ・分析し、官僚を直接動かすことによって、日本を掌の上で転がすことができるようになった。また、日経平均が上がってくると、大量の空売りをかけたうえで、入手した悪情報を流し、格付けを下げて、暴落させた後、買い戻してごっそり日本の資金をさらうことができた。

 日本の官僚(実質的に日本を支配してきた)は極めて優秀ではあるが、それは教科書・前例が有った場合の話。アメリカが世界ルールを変え、グローバル化し、変化が加速する中で、官僚システムは機能しない。戦略とは真逆の動きと機能が官僚組織と考えたほうが理解しやすい。

 官僚組織では東大法学部の学歴エリートをトップに据えるために、人事評価では粉飾が行われる。また、官僚は新しい問題、困難な問題を先送り、棚上げ、隠ぺい・封印してしまう。つまり、本来の業務である課題解決をせず、易しい仕事に限定して完璧に遂行する。この結果、官僚組織ではより重要度の高い事実が曲げられ、失われてしまう。

 官僚はアメリカの戦略に全く歯が立たなくなり、大きく方向転換して、自らの既得権維持拡大に走り始めた。日本がどうなろうと知ったこっちゃない。自分たちさえよければそれでよいと言う無責任さまるだしだ。例えば、現在の財務省の最大の願望は消費税増税。そのためには当面、日本の経済成長はマイナス要因と考える。

 冒頭にも書いた通り、現在の社会構造は江戸時代のフレームを継続させているのだが、似て非なる地形的な欠陥を持つ。それは、官僚には責任が無いということ。彼らの重要な業務は予算をぶん取ってくること。その結果に対しては無関心で責任も負わない。つまり、騙しの作文テクニックが重要視される。このことが、実は東大法学部を頂点とする、既得権構造をより強固なものとして、日本発展の最大のがんになっている。

 官僚は勝手に自分たちがトップレベルの頭脳を有し、日本を支配するのは当然と考えている。一般国民を見下す。同じ人間だとは思っていない。ところが、リーダーとしてこんなアホ・バカ・間抜けな連中は世界の歴史上かってないぐらい。知識偏重型の頭は、論理思考が弱く、正確な判断力に欠ける。自ら解決する能力に劣り、しばしば暴走する。頭は良いが能力が無いことに気付いているので、そのコンプレックスが尊大ぶった態度になる。

 オバマ大統領にとって日本はあまり関心のない国。日本が大統領選挙でも、共和党を支援してきたことも影響している。その上、民主政権は約束を反故にするし、鳩山はハチャメチャで腹立たしい。日本が再び、発展軌道に乗るには、アメリカの協力が絶対条件になる。トップどうしの腹を割った会談が必要だし、ビジョンと戦略を共有する必要があるだろう。

 その前に、高度機密漏えい防止法(スパイ防止法)の施行、諜報機関の設立が必要。前者が無い日本は、国家の形、条件を満たしていない。世界の情報を集めるプロ組織なしに、経済さえも軍事戦略で動いている世界の中では戦えない。


日本の原点

2011年05月01日 13時20分05秒 | 思考空間

 日本を形作ったもの、①それは大陸から来るには非常に厳しい海域環境と広すぎない島国、②徳川家康という極めて忍耐強い天才の出現だと指摘したい。

 私は歴史に弱いことを断った上で、申し上げるが、古代の日本は間違いなく、アイヌ人など先住民族が活躍した時代で、現在の日本人の大勢を形作っているのは、その後、朝鮮や中国などから渡ってきた民族の混合だ。縄文文化にしても、卑弥呼にしても、現在の日本との関連性は薄い。

 戦国時代の武将として、織田信長、豊臣秀吉も挙げられる。ところが、織田信長や豊臣秀吉が栄華を誇った安土桃山時代と徳川時代は明らかに異なる。自由で群雄割拠、徹底管理と安定と言う明暗の差。信長のおかげで秀吉が天下統一し、その後を家康が上手に奪い取ったことは明らかであるが、社会構造的には徳川時代を築くプロセスになったと考えるべきである。

 というか、徳川幕府が日本を統括してきた260年の時代がそれまでの日本人や日本文化をすっかり変えてしまったので、それ以前の歴史的な関連性が小さくなってしまったというべきだろう。それほど、徳川時代の統括・管理が徹底していたともいえる。

 徳川以前の日本人はもっとおおらかで、自然な笑いが見られたらしい。徳川以降、日本人は、管理され、周りを見ながら、笑ってよいかどうか判断するようになった。感情を抑えることが当たり前になった。それは現在に続いている。

 分かり易い例がある。歌舞伎だ。歌舞伎は江戸時代以前からあり、伝えられてきたもので、ほのぼのし、おおらかで、動作がゆったりしていて、現在のせっかちで、許容力の少ない日本の中で、際立った差を見せる。

 今でも徳川のフレームは残っているから、日本人が徳川家康に親近感を覚えるのは自然である。しかし、歴史を裏側から見ると、実は徳川時代は、全てが徳川家の繁栄と存在のために、全員が多大な犠牲を強いられてきた時代だった。

 徳川時代は長い平和が続いたが、それは対抗勢力を徹底的に弾圧し、発展の芽を摘んできた結果だ。言いがかりをつけては藩の取り潰し、縮小化、配置換えなど実施した。各藩を経済的に消耗させるため、参勤交代を強いた。

 最も悲惨だったのは農民だった。農民は生かさず殺さず、食料生産者だが戦力になりえる農民を生死のぎりぎりまで追い込んだ。当時農民は85%とされており、日本人の殆どの祖先が食うや食わずだった。

 最も身分的に上位にいた武士も決して、楽ではなかった。藩主から命令が有れば、理由に関係なく腹を切らなければならなかった。葉隠の記述の中に武士は死ぬことと見つけたり、と言う言葉がある。恵まれているはずの武士にとっても生活は質素・貧困で、生きてゆくことは精神的にも厳しいものだった。

 特筆すべきことは、徳川家をトップとする支配体制の中で、上席の管理者に対する無条件服従を良心に訴えたことだ。巧妙に忠誠心を植え付け、精神的支配を成し遂げた。同じ封建時代でも、ヨーロッパが契約で上下関係を作ったのとは全く異なるものだ。(1973年ごろ私はそのことをある冊子に書いた)契約を交わすとは対等な関係を意味し、21世紀の日本でも契約の対等性は満たされていない。

 つまり、徳川家支配が日本人の精神にまで浸透したことで、日本人は決定的に変貌した。ただ、一方で、当時の江戸(文盲率30%)は100万人を超え、当時100万人未満だったロンドン(文盲率80%)、パリ(文盲率90%)をしのぎ世界一の都市だったことが報告されている。日本人の勤勉性や優秀性は当時のロシア捕虜の書籍でも報告されている。

 何故、このような民族の大転換が、天才とは言え、たかが徳川家康の一人で出現で可能になったか?冒頭の地理的条件に戻る。李マネージャー(韓国の企業を誘致し事務所が広島にある)が言うには、陸続きの朝鮮は100回侵略されたらしい。ところが日本は、大陸ではないから、ライバルの出現は限定される。海がバリアになって簡単には侵略されない。比較的優位が日本では絶対的優位になる。

 ここまで読んでいただいた方に覚えていただきたいのは、現在の日本社会や文化や気質の基本構造は実質的に徳川時代に形成されたこと。つまり、例えば、日本は発展する社会構造か?と言えば、実は非発展系・安定系なのだ。徳川家にとって発展系の社会は強敵の出現につながり脅威となる。そのような脅威の芽は徹底的に摘まれた。

 例えば、日本に来る文化や技術は、海(渡るには難しい)がフィルターになって、レベルやポテンシャルの高いものに限定されるようになる。日本は自然に翻訳型になる。海外の文化や技術を取り入れては、独自の創意工夫で、熟成させ完成度を極めることになる。世界の製造業にとって日本は欠かせないものになった。しかし、そのノウハウも、かなりの部分を中国に渡してしまった。

 徳川家康もアメリカが軍艦を引き連れて開港を迫るとは考えていなかっただろう。アメリカの力づくの開港が日本を発展社会に誘導することになったが、150年を経て、日本が発展の頂点を極めた挙句に、また、日本では非発展系の仕組み・文化が露出することになった。

追記:悪口に聞こえてもいけないので、冒頭に挙げなかったが、実は日本の城の脆弱さも指摘しておきたい。日本の城は、木が主要な構成材料であり、表に露出し、城内には紙が多く使われていることから、火矢や砲撃に耐えられなかったこと、および、城内で長期間、食糧確保できなかったことが、日本に絶対的な支配者の出現を許した。

 例えば、大阪城が3年ぐらい攻撃に耐えることができたなら、歴史は変わっていた。3年と言うスパンは状況が激変する要素を含み、妥協が求められる。中世のヨーロッパの城は露出部が石なので、簡単に火矢や当時の砲撃で陥落することは無かった。侵入を防ぎ、農業を営み食料を確保できただろう。それもあって、対等な関係が築きやすく、契約が成立した可能性はある。