宇宙・生命・日本 1000年後のあなたに語りかけたい

巨大ブラックホールの衝突が新宇宙を形成⇒循環宇宙論、有機物質から人間への進化メカニズム(循環論理の評価)⇒戦略的進化論

ライジングサンよ再び!

2011年05月06日 19時59分52秒 | 思考空間

 先の日本の原点でも記述したように、現在の日本の社会や日本人の精神の基本的フレームは江戸時代に形成され、形や状況は変化しつつも継続されている。つまり、日本は元々非発展系の社会構造、意識構造である。

 それでは何故、日本は戦後の焼け跡から、奇跡的な発展を遂げて、世界のトップに立てたのか?第一の理由はアメリカが日本を世界の工場にする戦略を立てたことである。日本に対して、資本注入や投資、技術やインフラなどの情報提供、朝鮮戦争でも見られた優先的な発注などが実施された。

 次に、日本人は農業をベースとして職人肌。製造業に向いている。日本人の優れた理解力、完成度を高める創意工夫、基本的なまじめさ、協調性などが総合的に機能して、日本は製造全般にわたってトップレベルの技術を確立した。文字通り世界の工場として、経済規模でもアメリカをしのぐほどに強大になった。

 ハーマンカーン博士は「21世紀は日本の世紀」とした著書を発表し、筆者も飛びついて読んだ。ライジングサンと言われた日本は向かうところ敵なし、日本企業や日本人は、三菱地所によるロックフェラーセンタービルの買収に象徴されるように、アメリカを片っ端から買いあさった。

 バブル期、日経平均は36000円を超えたが、大蔵省の一部局が独断で、何の戦略も持たず総量規制を強行した後に、雪崩を打って経済はしぼみ始めた。部分的には財政出動で成長の片りんを見せることは有ったものの、結局のところ、巨額な国債を増やしただけで、実質的な浮揚力を形成したことは無かった。

 この、最も大きな要因は、アメリカが世界の工場を日本から中国に移す戦略に転換したことだ。何故、戦略転換がはかられたか?

①日本の経済暴走は、アメリカにとって冷戦で対峙してきたソビエト以上の脅威となってきた、

②アメリカにとって、日本が何をめざし、何を考えているかが理解できなかった、

③日本の無神経なアメリカ買い、勝ち誇ったような日本での報道はいたくアメリカのプライドを傷つけた。

 アメリカと日本は軍事同盟国であり、中国は対立する共産体制の国だ。常識では考えられない転換は、それだけ、アメリカにとって日本は鼻持ちならぬ理解不可能な国だったということ。つい先ごろまで、アメリカ人は「中国人大好きと」言ってはばからなかった。要は、日本人は大嫌いと言う裏返し。

 ビル・クリントン大統領は、冷戦崩壊で役割が縮小したCIAを経済政策に組み込んだ。世界のあらゆる情報を集め、分析して経済政策に活用したが、とりわけターゲットが日本になった。かつて、日本の商社は世界中のビジネスを手がけたが、諜報活動により賄賂型を暴かれ、悉くアメリカや旧英連邦に持って行かれた。

 CIAの組織は日本政府の組織全体にあまねく浸透し、高度機密情報を得ただけでなく、官僚組織を動かせるようになった。アメリカは今でも、政府、企業、個人の電話を盗聴し、インターネットをチェックしている。電話で話すことは、「どうか、この会話は盗聴し利用してください」と宣言するに等しいとは日本以外の常識。

 これに対して、日本政府、日本企業はあまりにも無防備。日本の有力企業が何故、多額の賠償金を取られるのか?トヨタがやり玉に挙げられ、売り上げを減少することになるのか?何故、韓国の現代自動車やサムソン電子はアメリカから叩かれることなく快進撃を続けられるのか?改めて言うまでもない。

 韓国からの確かな情報では、米韓は大統領どうしが緊密連携。現代自動車はいくら製造しても間に合わないという状況らしい。

 アメリカは日本政府や企業の高度機密情報を常時キャッチ・分析し、官僚を直接動かすことによって、日本を掌の上で転がすことができるようになった。また、日経平均が上がってくると、大量の空売りをかけたうえで、入手した悪情報を流し、格付けを下げて、暴落させた後、買い戻してごっそり日本の資金をさらうことができた。

 日本の官僚(実質的に日本を支配してきた)は極めて優秀ではあるが、それは教科書・前例が有った場合の話。アメリカが世界ルールを変え、グローバル化し、変化が加速する中で、官僚システムは機能しない。戦略とは真逆の動きと機能が官僚組織と考えたほうが理解しやすい。

 官僚組織では東大法学部の学歴エリートをトップに据えるために、人事評価では粉飾が行われる。また、官僚は新しい問題、困難な問題を先送り、棚上げ、隠ぺい・封印してしまう。つまり、本来の業務である課題解決をせず、易しい仕事に限定して完璧に遂行する。この結果、官僚組織ではより重要度の高い事実が曲げられ、失われてしまう。

 官僚はアメリカの戦略に全く歯が立たなくなり、大きく方向転換して、自らの既得権維持拡大に走り始めた。日本がどうなろうと知ったこっちゃない。自分たちさえよければそれでよいと言う無責任さまるだしだ。例えば、現在の財務省の最大の願望は消費税増税。そのためには当面、日本の経済成長はマイナス要因と考える。

 冒頭にも書いた通り、現在の社会構造は江戸時代のフレームを継続させているのだが、似て非なる地形的な欠陥を持つ。それは、官僚には責任が無いということ。彼らの重要な業務は予算をぶん取ってくること。その結果に対しては無関心で責任も負わない。つまり、騙しの作文テクニックが重要視される。このことが、実は東大法学部を頂点とする、既得権構造をより強固なものとして、日本発展の最大のがんになっている。

 官僚は勝手に自分たちがトップレベルの頭脳を有し、日本を支配するのは当然と考えている。一般国民を見下す。同じ人間だとは思っていない。ところが、リーダーとしてこんなアホ・バカ・間抜けな連中は世界の歴史上かってないぐらい。知識偏重型の頭は、論理思考が弱く、正確な判断力に欠ける。自ら解決する能力に劣り、しばしば暴走する。頭は良いが能力が無いことに気付いているので、そのコンプレックスが尊大ぶった態度になる。

 オバマ大統領にとって日本はあまり関心のない国。日本が大統領選挙でも、共和党を支援してきたことも影響している。その上、民主政権は約束を反故にするし、鳩山はハチャメチャで腹立たしい。日本が再び、発展軌道に乗るには、アメリカの協力が絶対条件になる。トップどうしの腹を割った会談が必要だし、ビジョンと戦略を共有する必要があるだろう。

 その前に、高度機密漏えい防止法(スパイ防止法)の施行、諜報機関の設立が必要。前者が無い日本は、国家の形、条件を満たしていない。世界の情報を集めるプロ組織なしに、経済さえも軍事戦略で動いている世界の中では戦えない。