我が社は中国企業、韓国企業と契約を交わし、ビジネスを試みてきた。中国企業の中には比較的真面目な経営者もいるが、最も真面目な社長でさえ相当の違和感が有る。1時間前に約束した事が簡単に覆される。中国人に聞くと前の事に拘らず、新しい話題についてゆくしかないと言う。
つまり、日本側に金が有るか、ノウハウを持つか、優位な場合でやっと対等になれるかどうか。中国企業も中国人もまともには付き合えない。
韓国は日本と中国の中間ぐらいか。何とか許容範囲ではあるが、バックグラウンドの差は常々感じる。経営者はせっかちで、兎に角、自己中心、手前勝手で強引で雑で早急な利益を求める。
だから、韓国国内で成功した韓国企業がその感覚で日本に来ると悉く失敗している。実はアメリカでも失敗しているのである。
私は韓国人に対して、あえて竹島の問題などは話題にしない事にしている。普段は温和な人でも、ホットになる危険性を感じるのだ。以前聞いたところ、韓国人の80%は日本嫌いだった。今なら90%か。
韓国は2010年ぐらいから日本を見限り始めたと感じる。理由は色々有って、大きいのは中国が経済で日本を追い抜いた事。韓国は規模が小さく、資源が有るわけでもなく、北朝鮮との合体どころか、常に北朝鮮からの核の脅威にさらされている。
更に言えば、中国が軍事力でアメリカを凌駕する事は時間の問題のように思えた。前の李明博大統領下では、アメリカの凋落も深刻に捉えられた。我が社と協力関係にあった企業は殆どが李一族で李明博大統領とは近い筋だった。
次に、サムソン電子から見て、日本企業から吸収、もしくは盗むノウハウが無くなってきた。パナソニック、ソニー、シャープ、東芝、日立から安価なヘッドハンティングや現金でノウハウを吸収しつくしたのだ。
日本人および日本企業の優秀性・有能性の濃淡は非常にはっきりしている。製造現場は極めて優秀で、世代交代で劣化してきた現在でも世界一。ところが経営陣が世界最悪。従って、製造現場が築いた世界一のノウハウが世界最悪の経営陣のお蔭で流出し続ける。
日本企業トップの間抜けぶりは超ど級で、機密情報流出が分かっていながら手を打たず、利用され続け、世界一の韓国電気系企業の育成に貢献し、自らを水面下に沈めてきた。
日本を利用し、莫大な利益を享受した国は①アメリカ、②中国、③韓国の順であり、韓国は日本のノウハウ取得で利益をあげた。アメリカは株式市場、ビジネス現場から巨額の資金を得、中国は中国に進出した日本企業から資金、工場、ノウハウなどをタダ取りしてきた。
最後に、日本政府の間抜けぶりや戦略の無さが、韓国をして日本が将来性の無い国と判断させるに至ったのである。日本ではTPPやFTAが進まず世界から取り残されると考えられていた。アベノミクスでTPP参加が進み韓国は慌てている。
韓国はアメリカとの同盟を維持しつつ、中国をアジアのリーダーと認めその傘下に入るべく舵を切ってきた。日本は衰退するのみ、対立しても日本は間抜けだから影響は少ないと考えた。
元々、韓国では国内の問題や不満をガス抜きするために、攻撃するターゲットを求める傾向が有ったが、中国がのし上がり、日本が落ち込むことにより、日本は格好のターゲットになった。中国の傘下に入るべく、中国との関係強化を図った。
日本には絶対に気付かれない秘密の話が相当中国と韓国の間で交わされたことであろう。慰安婦問題は飛び切り、世界に訴えやすく、理解を得やすく、日本にとって対応の難しい問題だ。
アメリカに慰安婦の銅像を1体建てる毎に、韓国は中国からの評価を十万ポイント、百万ポイントも稼ぐのであろう。アメリカはこの事(中韓関係)を神経質に警戒している。安倍首相の靖国参拝は韓国のこうした不合理な動きを促進する事になった。
日本で右翼やタカ派が活躍し、中国を刺激し、あるいは飛び跳ねて勇ましく語る間は、日本の発展が阻害される。中身は右翼でもタカ派でも良い。表面は真面目で抑制された優等生を装うことだ。
経済成長すればそれだけ軍事力を増強でき、中国に対抗できる。何よりアメリカの 協力を得ることが出来るのだ。決して忘れてはならないのは、アメリカが為替を制御し、日経平均を制御している事だ。
アメリカの力でも日本の社会や政治を動かすことは容易ではない。しかし、日本経済は容易にコントロールできる。株は麻生漫画親父の言うように上がったり下がったりしている訳ではない。アメリカが自国利益のために為替や日本株を上げ下げしている。
現状ではアメリカは日本を信用せず、経済発展も限定的だ。今は叩きすぎた状況を反省し(中国とのアンバランスがひどくなった)、日本の発展を少し許しているだけである。アベノミクスが予想外に成功した場合は必ずブレーキをかける。