叔父が特攻隊員だったが、終戦が数日遅かったら出撃していた。勿論、出撃したら生きて帰ってはこれない。特攻に限らず人命を消耗品として扱い、命令を出した連中が責任をとった話は聞いたことが無い。
ミッドウェイ攻撃の大失敗に伴い、上陸部隊は情報隠ぺいのためガダルカナルへ転送された。訓練が不十分で武器弾薬が無いのに、日本からは早く敵陣に突っ込め、早く突っ込めと毎日命令が出されていたらしい。丸裸同然で、待ち構えている敵陣に突っ込んでは全滅を繰り返していた。
ミッドウェイの失敗で50%敗戦、フィリピンをアメリカに奪還されたところで100%敗戦だが、御前会議では陸軍、海軍共に降伏を提案しなかったらしい。例えば、沖縄戦前に降伏していたらどれだけの日本人が助かったことか。
降伏に関して、ソビエトが仲介しなかっただとか難しい話をしているが、簡単なことだ。例えば、沖縄の海岸で全員が白旗を掲げて降伏し、日本側の降伏意図(東条首相の書簡など)を伝えれば済むこと。
先の大戦では300万人の日本人が死亡している。この戦争を指揮した者は当然、切腹覚悟で臨まなければならなかったはずだが、A級戦犯は敵国から死刑を宣告されるまで、生き残っている。兵士に死んで来いと言うのなら、自らも率先して責任をとるべきだ。
国内で正式な裁判を実施していないので、国内的な判断がなされていないが、A級戦犯の顔ぶれを見て、日本を戦争に導き、国を荒廃させ、多大な人命を失わせた責任者であることは明白だろう。
戦陣訓を守り、捕虜にならず自ら命を絶った軍人、特攻などで死亡した人は、命令しておきながら、責任を取らず生き残っている指導者と一緒に弔われるのは避けたかったに違いない。私は固くそう思います。
前回は麻生大臣他が靖国神社を参拝している。前述した理由に加えて、中国や韓国が反対する中で、参拝を強行する意味が理解できない。今や、中国人、韓国人の90%が日本に不信感を抱いている状況だ。参拝で日本が発展するなら、まだ許されるが、重要な隣国との関係が悪化しとてつもないダメージを受ける。
私も戦後生まれで、戦争中の近隣諸国との関係については分からない。しかし、どう考えても深刻な迷惑をかけている事だけは確かだ。韓国には補償として1080億円の経済援助金を渡して済ませていると言うがいかにも官僚的で冷たい。ドイツと比べて分かるように、国民的レベルで誠意をもって謝罪したとか、協力や支援で埋め合わせできたとの話は無い。
オバマ大統領も閣僚の靖国参拝には反対に違いない。同盟国の賛同も得られない。閣僚であれば、参拝を再び強行する前に、何を目的とするのか、どのような結果を招くのか覚悟の具合も含めて十分国民に説明し、理解を得るべきだろう。
少なくとも、国民が不在のところで、重大な事柄が進行してきた。
安倍首相の指導力で、日本の未来を危うくするような閣僚の靖国参拝は中止する方向にして欲しい。