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 玉川上水の木漏れ日の下

 ワヤン・トゥンジュク梅田一座のメンバー katakura のブログ  since 2013

2013年練習納め

2013-12-25 | ワヤンのお稽古

グンデルの上に並んだクリスマスのお菓子。メリ~クリスマス!
メンバー(お)からのクリスマスのプレゼントです。ありがとうサン。

 今年の最終の練習が梅スタジオでありました。「スクティ」という曲を練習しました。グンデル部(に)部長の指導のもと、曲の細部の確認をしていきました。「ヘ~?そこのコテカンそうなってるだ~」「そこがそうだとすると、ここはこうでは変ではないですか?」「その音とこの音がぶつかるけどイイの?」「ここはこの音を抜いた方がイイと思う。」とか、(に)部長に、教えてもらうメンバーからもいろいろと質問や意見が出ます。練習しながら意見を出せるほどわれわれもずいぶんと成長して来たな~と思いました。意見は出すけどまだ弾ける様になった訳ではないのですが、ハハ。
 意見が煮詰まったころ、(に)部長が「ん~?ちょっと確認してみるね~」と、トゥンジュク村のオジサンたちの演奏録音をイヤホーンで再確認します。「あッ!なんだ、ここはみんな好き勝手にいろいろ弾いてるんだ、ノリでいいんだ。」というような真実(?)も、いろいろと判明してきて、楽しいですね。それでは我々としては一応こうしましょう、と整理をしていきます。グンデル演奏に向かうなんと真摯な姿勢ではないでしょうか、素晴しいですね。ハハ。
 練習の後は国分寺「新中華」での宴会(今回は忘年会)。今年一年でこのワンパターンをいったい何回繰り返した事でしょうか?「一年が本当に早いね」「光塾のワヤンが終わるとあっという間に年が終わる」「来年の光塾ワヤンもすぐ来るね」「今年も一年お疲れさま~!」と言う事で、乾杯!!新中華を出る時はお店のオバサンとも「マタライネンモヨロシクネ」と中華なまりの言葉を交わし。国分寺駅でのメンバーお別れの挨拶は「良いお年を!」「良いお年を!」でした。今年もいよいよ終わります。
 梅スタジオの「お父さん、お母さん」、今年も本当にお世話になりました。来年もよろしくお願いします。「良いお年を!」。メンバー一同より。(か)

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『 玉川上水の木漏れ日アーカイブス 』
 カテゴリー>ワヤンよもやま話>2013.06.16>《スクティ Sekti 》への想い より
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 この曲は、私がバリ島のタバナン県トゥンジュク村の人達と演奏した曲の中で一番弾いた曲だと思います。村で演奏していた当時は、ワヤン(影絵人形芝居)での演奏についていくことや、曲をに覚えることに夢中であり、あまり意識していませんでしたが、今振り返ると、この曲は結婚式やポトン・ギギ(歯を削る儀式)などの儀礼時はもちろん、ワヤンの前奏曲では必ず演奏していました。
 影絵が始まる前に器楽曲を演奏するのですが、私がワヤンの演奏に参加していたときは、大曲を2曲演奏した後に、このスクティを必ず演奏していました。というのは、この曲、伸縮自在の曲なのです。大曲よりも演奏形式が少なく、長く演奏したければ伸ばせますし、早く終わらせたいときも短縮できる便利な曲です。
 ちなみに、わが一座では、「大曲」のことは、演奏時間が長く、長いギノマン(曲の頭部分)があり、ギノマン以降からの曲の構成が3パターン以上から成り立っているような曲を言っています。
スクティは「中曲」の位置付け。長いギノマンがなく、2パターン以上から成り立っているような曲のことです。大体ですが。。

 日本の公演では、ダラン(人形遣い)は始めからスクリーン裏に演奏者と一緒にいてスタンバイしていますが、バリでは、最初、グンデル演奏者だけがいて器楽曲を弾いていました。私が演奏参加してた時は、ダランはスクティの曲の途中でスクリーン裏に登場していたことが多かったです。ダランが出そうなタイミングを見計らって、このスクティの曲を演奏していたように思いました。2曲目が終わった時点でダランがスクリーン裏に登場して来なかったら、スクティを弾き、ダランが現れるとスクティの曲が終わりに向かっていく、という感じでした。そして、この曲が終わると、ダランが人形の箱を3回叩き、人形達が箱から出てきて、ワヤンの世界の扉が開かれます。
 人間の世界から人形の世界への境目、ダランと人形の存在を感じさせる曲です。
 ワヤンの始まりではいろいろな曲を演奏しましたが、スクティはこんな感じで必ず演奏していたので、いつしか、「スクティ=ワヤンの曲」をいうイメージが強く着いてしまっていました。そして、ダランのテーマソングみないだなぁ~とも。

 ワヤンの始めにやる曲は彩りがある大曲が多いですが、それよりずっとシンプルで村の素朴な感じがし、私にとっては、なによりトゥンジュクのワヤンの雰囲気を思い出させてくれる特別な曲です。
 今でもこの曲を弾くと、ダランが現れて、ワヤンの世界が始まる感じがしてワクワクします。
 それもあり、この曲をいつか日本で演奏できるといいなぁ~、という想いを密かにずーっと思い続けて、苦節(?)××年。
 やっと、みんなでこの曲に取り込むことができて、正直嬉しいです。(に)
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通し稽古

2013-12-02 | ワヤンのお稽古

光源も本番のまま「裸電球一つ」、本番さながらの「通し稽古」。

 昨日稽古がありました。今週の金曜、土曜の渋谷光塾公演に向けた最後の稽古です。「今日は何があっても途中で止めたりしないで最後まで通すからね。」とのダランの固い決意に、「でも地震が来たら逃げるからね。」「火事もやだからね。」と、やはり固い決意で答えるメンバー達、そんな、一座が一体となった気持ちのこもった「通し稽古」です。
 グンデルの前弾きの曲からはじまり、箱から人形を出して並べ、「カヨナン」が踊り、歌が歌われワヤンが始まります。すべての「台詞」、すべての「冗談」、そして大切な「教え」を入れて、本番のままの「通し稽古」です。毎回、公演の直前は「上演時間」が気になるところですが、今回は全てコミコミで「2時間ピッタリ!」。もしこのような「時間ピッタリ!」を競い合うワヤン大会があれば優勝してしまうのではないかと思うぐらい「2時間ピッタリ!」でした。さすがダラン(う)です。完璧です!(とおだてる)
 このような「通し稽古」を行うと。ワヤンを本気で一公演したのと同じように疲れます。ダランはそうとう疲れてダランとなります。あまり「返す」ところもなかったのでその日の稽古はここまで。みんなで「おやつ」を食べた後は。「影」からのチェック、クリルと人形との距離、場面ごとの人形の立ち位置の確認などを行い、終了。本番当日の運搬のための道具の荷造りとなりました。
 荷造りをしながら「早いねもう光塾の本番だね」「一年て早いね」「年取るはずだね」「今年一年はいそがしかったな」「ワヤンばっかやってたな」「来年も良い年になると良いね」「来年もワヤンの予定がたくさんあるね」とか、まるで大晦日の大掃除のような雰囲気の中、道具をまとめ、掃除機をかけ。梅スタの玄関から外に出てみると外はもう真っ暗、師走の夜です。別れ際にみんなで「それでは良いお年を!」と手を振りながら別れました。と言うのはウソで、そのまま国分寺の「和民」に突入、トリアエズビールから始まって、サラダ、ブリ刺、モツ煮、カキフライ、アジフライ、ミニ餃子、馬刺、厚焼き卵、カブの漬け物などなど・・そして赤ワイン、と一気に「通し」ました。完璧な「通し稽古」の日でした。(か)

 
 この日の最高のおやつは「イチゴ!」グンデル部長(に)からの差し入れでした。甘くておいしかったゾ!ごちそうさん。
 イチゴを食べながら、(う)が「イチゴ・ゴリラ・ラッパ・パンツ・・・・」と始めましたが、内容がないので省略します。

チョコレート

2013-12-01 | ワヤンのお稽古

明治ミルクチョコレート

 昨日、梅スタジオで稽古がありました。おやつに沢山の「明治」のお菓子をご実家からいただきました。その中に「明治ミルクチョコレート」もありました。このチョコレートを見るととても懐かしい気持ちになります。もちろん現役なのですが、このパッケージの醸し出す雰囲気、とてもいいですね、格調高いですよね。
 このチョコレートは1926年(大正15年)から発売され、現在のパッケージデザインは、2009年に38年ぶりにデザインリニューアルされたそうですが、私が子供の頃に憧れたあのシンプルな「板チョコ」の雰囲気はきちっと踏襲していてとても好きなデザインです。私が子供の頃、遠足の時のお菓子は金額の制限がありました(今もかな?)。そんななか「明治の板チョコ」はとても高価なものでした、このチョコを買ってしまうと予算をほとんど使い切ってしまうので、これを横目で見ながらもっとチープでカサのある駄菓子を袋に入れたのを覚えています。特別な時にしかなかなか食べられない憧れのチョコレートでした。
 私は、このチョコレートのパーケージをみると、関西の阪急電鉄の車両を思い出します。この車両も大好きです。「色」が素晴らしいしディテールも良く内装もキレイです。この車両デザンもとても長い時間を生きている優れたデザンだと思います。「阪急電鉄の車両」と「明治ミルクチョコレート」、これからもこのすばらしい雰囲気を継承していってほしいですね。(か)

 
 阪急電鉄2000系車両
「伝統的に外装にはマルーン色、内装は木目調の化粧版とゴールデンオリーブのシートが採用され、路線・形式に関係なく統一されている。」そうです。キレイですね。

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阪急電鉄の系列会社に「阪急阪神ホテルズ」があります。
そ~です。あの元祖「誤表示さん」です。
 昨日、いつもの様に稽古の後にワンパターンの新中華に行きました。メニューを詳細に見てみると、「エビ」の前の一文字がホワイトで消されていました。
 がんばれ!新中華。阪急阪神ホテルズになんか負けるな!

 
 ホワイトで訂正済みのメニュー

ラクササ

2013-11-29 | ワヤンのお稽古

魔王「ガジャワトラ」の手先のラクササ(魔物)達。
左から二番目の「白いラクササ」、自転車に乗っての常軌を逸した登場で人気急上昇!
ワヤンの人形では珍しく口元が動くので声を発し話すことができます、
最近では「マティ~!マティ~!マティ~!」と甲高い奇声での登場が人気です。
頭のテッペンの尖った「毛」が、デレム、サングトに通じる面白さを醸し出しています。
私はこの決意に満ちた「表情」が大好きです。

 ワヤンの稽古では毎回、戦闘シーンでのラクササ達の登場の順番を確認します。写真では右から左への順に登場します。小物から次第に大物という設定ですね。通常のワヤンだとこの「順番」は、登場してそして死んで行く順番とも言えます。そう考えてしまうとかわいそう。ラクササたちにもそれまでの慎ましい一生があるわけだし、愛する家族だっているかもしれない?そんなことを思い始めると「殺してしまう」のが毎回つらいのですが、今回は違います。誰も死ぬ事のない「不殺生の教え」のワヤンだからです。今回はなんだか平和なワヤンで気持ちが穏やかだな~。
 ワヤンでの戦闘はさておき、東シナ海上空の「防空識別圏」での突発的な事件が起きない事を祈ります。ピース!(か)

 
魔物「ガジャワクトラ」
ガネーシャ神から力を授かったので「象」の顔をしています。


「ガジャワクトラ」登場の場面構成を検討するダラン。
登場人物それぞれの「立ち位置」などを確認して行きます。
だんだんワヤンができてきます。

ザッハートルテ

2013-11-28 | ワヤンのお稽古

「ワ~!ワッフルだ~!凄いナ~!こんなに種類があるんだ。
どれ選んでもいいの?マジ~ブイヨン?どれも美味しそうだな~?」

 ダランの特権で、持ち寄りお菓子をメンバーの中で初めに選ぶ事が出来ます。毎回同じ単純なパターンで「悩み」「喜び」ます。「よし!ザッハトルテにしよう~。ザッハトルテだ!」。今回は選んだ後、食べながら「昔の話なんだけど、沖縄にザッハさんという名前の人がいてね、その人とあった時に・・・」という話が続きましたがあまりにも内容がない話なので省略します。
 日曜日、一座の稽古がありました。年末の渋谷光塾公演「不殺生の教え、スタソーマ物語」に向けた通し稽古です。台詞も含めた演目全体が初めて「通り」ました。ダラン(う)はこのところ、ものすごく忙しかった様で、演目全体をまとめるのは大変だったと思います。とても良くまとまっていて面白い話になっていると関心しました。(とおだてる)
 この日、演目全体を通して合わせてみると、一座のメンバーからもいろいろと意見が出ました。「やっぱ自転車は必要でしょう。」「ラクササにも人権があるとおもうな。」などなど。ダランは「よくわかりました。指摘の箇所、来週の稽古までに検討して改善しておくね。」というとても前向きな雰囲気で稽古は終了。反省会の国分寺新中華へと向かいました。
 と、こんな記事を書いていて気がつくと次の稽古はもう明後日です。早いですね。
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 今回の「ワッフル」はグンデル部部長(に)からの差し入れでした。とても柔らかくて美味しかったゾ。ごちそうさん。そうだ「ごちそうさん」で今思い出した!のですが。
 新中華で朝ドラ「ごちそうさん」の話題になった時、わたしが「杏ちゃんって渡辺謙の娘なんだね、じつは最近知ったんだ~。」とおろかな発言をしてしまい、みなさんのヒンシュクをかってしまったとき。ノリちゃん(こ)が「ワタナベケンってだれですか?」とボソっと言った。上には上があるものですね。
(か)


ザッハートルテの父フランツ・ザッハーさん。

聖なる儀式「七等分の儀」

2013-11-18 | ワヤンのお稽古

「七等分の儀」

 昨日、玉川上水の木漏れ日の脇の梅スタジオで練習が行われました。この日はダランは不在でしたが、一座の出演メンバーが集い、21日後の渋谷光塾ワヤン公演の成功を祈り、ささやかな儀式が執り行なわれました。ワヤン上演メンバー七人にちなみ「七等分の儀」と古くから呼ばれている神聖な儀式です(*印)。
 本来はダランにより執り行なわれる儀式ですがダラン不在だったので、この日はダランの次に神聖な霊力があるとメンバーから尊敬されているクテンコン(は)によって行われました。七等分が霊力が最もある完全な分け方ですが、この日参加のメンバーは六人。「六等分のほうが多くてエエヤン!」と、まだ大阪巡業から気持ちが切り替えられない(か)の発言もあり、きれいに六等分されましたネン。とても「濃厚」な素晴らしいチーズケーキでした。「やっぱおれたち濃厚民族だね~」とか言いながらハグハグ美味しくいただきました。ごちそうさまでした。(か)

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この日の練習の内容といいますと、いつものように
「ここのコテカンなんかきちっと合わないんだよね」
「ソウソウ」
「なんかボワンとしてるよね」
「ホントホント」
「このコテカン難しいよね」
「ソウソウ」
「・・あの~じつはここのコテカンよく分かってない気がする?」
「ホントホント」
「え?マジーブイヨン?」
「ソウソウ」
「それ早く言えよな!」
「ホントホント」
まあ、そんな内容でした。
いつも緩くてすみません、でも楽しくやってます。
本番まであと21日です、最善をつくします。

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「六等分のチーズケーキでした。」


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(*印):すでにお気付きのようにこんな儀式はありません。スミマセンでした。

アンカタン2「曲の名前」

2013-10-29 | ワヤンのお稽古

アルジュナとスプラバは天空を駆ける馬車に乗り敵地へと向かう。
ここでアンカタンの演奏。
(演目「スプラバ使者に立つ」より)

 ワヤンの劇中で演奏される「道行きの曲」アンカタンには正式な「曲の名前」がありません。
 アンカタンはトゥンジュク村には数十曲ほど伝えられているそうです、私たちはまだ15曲ほどしか覚えていませんが、15曲でも「曲の名前」がないと、なにかと不便です。
 トゥンジュク村のおじさん達のように、リーダーが弾き始める曲を全員が「スラ~」っと自然に弾けてしまえば曲の名前など必要ないのでしょうが、私たちはそうはいきません。演目の稽古を進める中で「この場面では、このアンカタンにしよう。」と打ち合わせをしてアンカタンの順番などを整理しておきます。この整理の過程でも「名前」があると便利です。
 後日楽器だけの練習の時に、あるアンカタンを表現するのに「アルジュナとスプラバが天空を駆ける馬車に乗って敵地へ向かう時に使う曲」とか言い合うのは大変です。そこでこのアンカタンは自然と「馬車」という名前で呼ばれる様になります。こうしてわれわれグンデル隊の間だけでのアンカタンの「曲の名前」が付けられています。
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「曲の名前」を一部ご紹介します。
(秘密にしておいてくださいね。)
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「パヤシ」:トゥンジュク村の名人ヤシじいさんが得意だった曲だから。この呼称は有名です。
「パヤシみたいな」:パヤシによく似ているから。
「三下がり」:出だしに同じフレーズがポジションを下がりながら3回でてくる。
「馬車」:天空を駆ける馬車の場面で使ったから。その後は龍など飛翔するものにも使われる。
「神様」:物語の最後に、神様がありがたそ~に降臨する時に必ず使う。
「リスト」:超絶技巧が必要でとても演奏が難しいから。
「ソラニゲロー」:戦闘の場面、退却して逃げ回るときに使うから。
「でてくるでてくる」:そんな場面で使ったから。
「地獄のアンカタン」:そんな場面で使ったから。
「天国へのアンカタン」:そんな場面で使ったから。
「あっちいったりこっちいったり」:そんな感じがしたから。
「いがいとつかう」:この曲を教えてくれた(に)が、この曲トゥンジュク村のワヤンでも意外と使う。と言って教えてくれたから。
(か)

アンカタン1「ダランの不在」

2013-10-28 | ワヤンのお稽古

ダラン不在のクリルと人形箱

 昨日、梅スタジオの母屋をお借りして渋谷光塾ワヤンに向けた練習がありました。予定では物語に沿った、人形の動きに合わせた稽古のはずでしたが、急遽ダランの都合が悪くなり、ダラン不在の練習となりました。
 しかたが無いので、この日の練習参加メンバーもちょうど四人だったので、卓を囲んで小さな積み木をして過ごしました「ポン」、というのはウソでちゃんとグンデルの練習をしました。
 ワヤンの物語の中で演奏される「アンカタン」と呼ばれる曲の再確認です。アンカタンは劇中に使われる「道行きの曲」の総称です、トゥンジュク村には数十曲ほど伝えられているそうです。道行きの曲とは登場人物たちが「A地点からB地点へ移動する場面」「さあ!行こうぜ~」的なノリの時に演奏される曲です。今回の演目では10曲ほど使用予定です、今回は結構多いですね。なぜこんなに多いのか?と言いますと、一演目の中で「同じ曲を二度使ってはなりませぬ。ならぬことはならぬのです。」という掟があるからです。したがって10回「さあ!行こうぜ~」的な場面があると、10曲が必要となります。
 本番で、打ち合わせ通りではなく「さあ!行こうぜ~」が11回になると、何かまた違う曲をその場でみつくろって弾かなければなりません。この場合はグンデル隊のリーダーが弾き始めた曲に、あとの三人は合わせる事になっています、もし自分の知らない曲が始まると人の手元を横目で見たり、弾いてるフリをしてごまかしたりしながら、「あ~この場面、早く終わらないかな~」と思いながらすごすことになります。本番はできるだけ打ち合わせ通りであることを望みます。(か)

 
その日のおやつは「第六十二回神宮式年遷宮記念菓子」
さっぱり系のサブレーでした。とても上品でした。

不殺生の教え

2013-10-21 | ワヤンのお稽古

「不殺生の教え~スタソマ物語」いよいよクリルをたてた練習が始まりました。
練習の前に沖縄の妻からの便り「不摂生の戒め」をうれしそうに読むダラン。(ウソ)

 先日、玉川上水の近く、梅スタジオの母屋をお借りして、年末恒例渋谷光塾ワヤンに向けたクリルをたてた練習が始まりました。これから約一月間、母屋の「ワヤン小屋」占拠状態が続きます。梅スタジオのお父さんお母さん、ご迷惑をおかけします、よろしくお願いします。
 この演目「不殺生の教え」。以前にも公演経験のある演目ですが、今回はさらに充実した内容を目指してダランの構想もまだまだ手探りのようです。でも、どの演目でも毎回この手探りの状態の時からメンバーのみんなで意見を出し合ったり、冗談を言い合ったりして進めて行くうちに、だんだんと演目として仕上がってくる感じが楽しいですね。
 今回のテーマはなんと言っても「不殺生」です。今までの物語は、たいてい最後にドバドバドバー!っと、もの凄い戦いになって沢山の犠牲者が出て、結局悪玉が殺され善玉が勝って、終了!・・のパターンなのですが、こんどはそうはいきません。とにかく全編にわたって貫かれている精神が「不殺生」なのです。とても深いテーマです。
 静粛に。心を静かに。「誰も殺してはいけません。なにも殺してはなりません。ならぬことはならぬのです。」そんなありがたいお話の稽古に入ったその時です。・・後ろの方で「バチッ!」とするどく手を合わせる音。つぎに「やった!うるさかった蚊!やっとしとめた!」と誰かさん。「オ~!」「凄い!」「よし!」とのメンバー達からの歓声。
 ・・?・・あの~みなさん盛り上がっているトコロすみませんが・・これから稽古やるんですけど・・テーマは「不殺生」なのね!そこんとこヨロシクお願いします。(蚊)


  チラシのテスト版もできてきました。すばらしい!

  おやつは「ずんだまんじゅう」。ありがとう。

  ダランからのお土産。ロンボクのカイン。

 ダラン(う)からメンバーへのロンボクのお土産、バリとは全然違った感じで面白いですね。
 素朴な現地の「小屋」の図柄がモチーフの色もきれいな素晴らしいデザインです。
 「インベーダーゲームみたい。」とメンバー(に)が私につぶやきました。
 その表現にはとても共感できたし懐かしかったな~、でもたとえが古すぎないか~?
 イヤイヤイヤ・・。(か)

踊るスグリワ

2013-10-11 | ワヤンのお稽古

・・・ 踊るスグリワ ・・・
浜松公演(10月14日)と大阪公演(11月2日)の演目「 武将クンバカルナの戦死」に登場する
「猿王スグリワ」

 とてもいいキャラです。数万の猿の大軍を率いる王でありながら、陽気で踊り好き!登場する時には必ず踊ります。ワヤンに登場するキャラクターのなかでも、この猿王は自らのテーマ曲を持っている希少なキャラクターです。ほかには「デレム」登場のときのバカ踊りのテーマ曲は定番ですが、あとは無いですね。「神様系」が天空からチャラ~っと降臨する時のテーマ曲はあるけど複数の神様での共有の曲だしな~、「ビマ」が怒り狂ったときにだけ演奏される曲はあるけど、ビマ登場の時にはその曲で踊ったりはしないシ。
 この人形が登場する時には、決まって「スグリワのテーマ」が演奏されます、このテーマ曲にのってさっそうと現れるのです。ちょうど「燃える闘魂イノキのテーマ」で現れる「あんときのイノキ」のノリですね。さらにスグリワは登場するなり、なんと!踊り始めてしまいます。
 ここでのスグリワの踊りは今回の演目の中での見せ場の一つです。スグリワはゆっくりと踊りはじめ、早くなったり遅くなったり、急に止まったりまた始めたり、自由自在に踊りを披露します。ガムランの演奏に合わせて踊っている様に見えますが、実は人形の微妙な動きに合わせてガムランが演奏されているのです、ここの掛け合いもお楽しみに。(か)
 
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10月14日 ( 月 祝 ) アクトシティ浜松・音楽工房ホールにて「梅田一座」と「ギータ・クンチャナ」による、バリの影絵人形芝居ワヤン・クリッのコラボ上演が行われます。是非お越し下さい。

演目:「武将クンバカルナの戦死 」ラマヤナ物語より
日時:2013年10月14日(月祝) 13:30開場 14:00開演
場所:アクトシティ浜松 音楽工房ホール(浜松市楽器博物館2階)
料金:一般:2,500円 学生:1,000円 幼児:500円

「お申込み方法」
チケット取り扱い : 楽器博物館、アクトシティチケットセンター、 浜松市文化振興財団オンラインショップ
問合せ/チケット予約 : 浜松楽器博物館 電話:053-451-1128

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「ダラン(う)のラジオ番組のお知らせ」 明日10/12:21時「FM haro!」

(ダランのブログ>Pの世界>10/11記事 より)
 ひと月一度のペースでゲストとして出演させていただているFM haro!のロック向上委員会ですが、今月の出演は明日です。バグース長谷川さん、チャンティック亜沙美さんとともにすでに収録を終えています。21時からの「ザ・インドネシア」コーナーから1時間出演しています。浜松周辺以外の方は以下のインターネットサイマルラジオでお聞きになれます。
http://www.jcbasimul.com/
 明日の放送では月曜日に上演するワヤンのこと、いろいろ話をしています。もしリスナーの方で私の話を聞いて、月曜日、見に行ってみようという方がいたらうれしいですね。

人形自慢

2013-10-06 | ワヤンのお稽古

「ほら、ここ!わかる?きちっと継いであるでしょ?
ここここ!・・ほらッ!ノリちゃん、ちゃんと見てるの?
ここの細工が難しいのだよ、良い仕事でしょ?トゥンジュク村の前のダランの手仕事。
凄い人だったよね、なんでも自分で器用に直してしまう。
ここがしっかりしていると戦いの場面でもバシバシと激しく操る事ができるのですね。
ダランだからこそ分かる工夫なんだよね。ね!良い人形でしょ?わかってるの?
ホラ!ノリちゃん!下向いて携帯ばかりいじってないで少しは人の話を聞きなさいね!」

 昨日の稽古の時に人形たちの撮影会がありました。年末恒例渋谷光塾ワヤン「スタソマ物語」に登場する、人形たちの撮影会です。これから制作する宣伝チラシに使う写真ネタです。撮影も終わり箱からドバ~ッと出された人形達を、こんどは丁寧に箱に戻して行くのですが、一つ一つの人形を手にするたびにダランの「人形自慢」が始まります。始まると止まらない。ヤメラレナイトマラナイ状態の撮影会でした。(か)

  虎の親子も無事撮影できました。

 
「ほら、この暗い緑色!良いでしょう。私が塗りました。悪そうな感じがしていいんだよね。
それでね、ちょっと見るだけだと見逃してしまうけど、こっちの赤のボカシ加減が・・・・
ノリちゃん聞いてる?」
人形自慢はまだまだ続くのであった。

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 浜松からお土産は「田舎みそまん」浜松春華堂。
 銘菓「うなぎパイ」で有名なお店、もともとは和菓子のお店だそうです。
「田舎みそまん」美味しかったです。ごちそうさまでした。

おはぎ

2013-09-22 | ワヤンのお稽古

「おはぎ」(御萩)またの名を「ぼたもち」(牡丹餅)
「棚からぼたもち」
「ダランからぼたもち」
「グンデルの上にも三個」

 昨日、一座の稽古がありました。年末恒例渋谷光塾ワヤンに向けた打ち合わせが始まりました。ダラン(う)から、上演演目「不殺生の教え~スタソマ物語より」の大まかなストーリーの説明がありました、先日バリに行きバリのダランからもいろいろとお話を聞いて、物語を固めて来たようです。
 不殺生の教えを説いた、とても「徳」のある物語で、法事で、お経の後にお坊さんからの「ありがたいお話」を聞いた時のような気持ちになりました。他のメンバーも感動のあまり目をウルウルさせて聞いていました。中には「涙目」を人に見られるのが恥ずかしいのでしょうか、その場を離れ、庭に出てタバコを吸う者もありました。
 ありがたいお話のあとには、さらにダランから、ありがたい「ぼたもち」まで施され、メンバーはさらに感動!これがまた美味かった!
 こうしてワヤンの時にはダランの合図に的確に反応する様に、メンバー達は日頃から手なずけられていくのでした。「トマレ」「マテ」「ヨシ」・ワン。
(か)

 
「彼岸花」(ヒガンバナ)またの名を「曼珠沙華」(マンジュシャゲ)
梅スタジオに向かう玉川上水の木漏れ日の中、きれいな花が咲いていました。
この花を見たとき、何故か「おはぎ」をそこはかとなく感じたのでした。
予知能力なのでしょうか?

「藤稔」と「抹茶もみじ饅頭」

2013-09-03 | ワヤンのお稽古

日曜日に練習がありました。差し入れの「藤稔」と「抹茶もみじ饅頭」

 藤稔「ふじ みのる」さんではなく、「ふじみのり」と読むそうです。
神奈川県藤沢市で育成された品種でとても高価、平民のバリガムラン関係者では普段はとても口にする事ができないような高級ブドウです。とにかく粒の大きさがものすごくでかい!巨峰よりでかい。超巨峰。ブドウの中で最大級であるとのこと。さっぱりとした甘さで、とても美味しかった。藤沢市在住の名家のお嬢様(に)の差し入れでした。
 一緒に写っているのが「抹茶もみじ饅頭」。抹茶が入っていてるさっぱりとした皮の部分と、甘さを控えた粒あんとが相まって、とても上品に仕上げられた逸品でした。通常の「もみじ饅頭」よりかなり高価だそうです。こちらは、広島出張から練習当日に帰ってきた、新潟の名門ご出身の(は)の差し入れ。二人ともごちそうさまでした。
 われわれ平民にとっては、ものすごくセレブ感のあるおやつでした。今日だけは、われわれも帰路の西武国分寺線はグリーン車で帰りたいと思います。(か)

 
 現場で急ごしらえの「ぶどうの皮入れ」。
 何でも利用する、キャンプのノリですね。
 セレブ感はないけれど、実用的でした。

アイスクリーム

2013-08-19 | ワヤンのお稽古

「ワ~!アイスクリームだ!凄いナ~!ワ~どれにしようかな~?どれ選んでもいいの?
マジ~ブイヨン?いろいろあるんだ~?どれも美味しそうだな~?どれも捨てがたいナ~」
ダランの特権でメンバーの中で初めにおやつのアイスクリームを選ぶ事が出来ます。
でも悩むこと悩むこと・・・。
待つ事3分。
みんな待ちくたびれてそれぞれのことを・・・。

 先週土曜日、一座の練習がありました。一座が集まるのは横浜公演から10日ぶり。しばらくは本番がないのでみんなすこしのんびりした感じでグンデルの練習をしまいた。最近弾いていなかった曲を試しに弾いてみるとやはり忘れています。新しい曲を覚えることと今までの曲を忘れないようにすること、両立させて行くのはなかなか大変です。だってどの曲もとにかく長いんだから。みんな頑張れ!
 しばらく練習して、いつものようにメンバーの皆さんが持ち寄ったお菓子で休憩タイム、この日もいろいろなお菓子がありました。ラスクの銘菓「グーテ・デ・ロワ」神戸のお土産「神戸ぶっせ」定番「ポテトチップ」「醤油せんべ」、めずらしいところでは「シューアイス」よく冷えていて夏の感じがして美味しかった。ごちそうさまでした。(か)

 
 「よし!決めた!陸前高田のシューアイス!よし!これにしよう!」
 「まだなの~どれでもいいから早く選びなさいよ~~」

 
 迷ってしまうほど色とりどりのアイスクリーム。

 
 「神戸ぶっせ」と「グーテ・デ・ロワ」
 どれも美味しかった。
 ごちそうさまでした。

頑張れスラットマ!

2013-08-04 | ワヤンのお稽古

「リンリンリンリン!リンリンリンリン!」


「アルジュナ~!!マティー!マティー!マティー!」


ドッカ~~ン!!!と樹に激突。


あれあれあれ~~。


アレ~・・・。と、絶命してしまいます。
リン・・。

 「リンリンリンリン!リンリンリンリン!」「マティー!マティー!マティー!」と、意味不明は言葉をわめき散らし!狂気のように自転車のベルをならしながら!憎ッくきアルジュナを倒すべく!戦場へとものすごいスピードで突進して行くラクササ(悪役側の)一兵士。
 この兵士!自転車を懸命にこぎながら無茶苦茶に突進するのですが、特に何も活躍することもなく、目立った功績もなく、自転車に乗ったまま自らの無謀な勢いで樹に激突!・・まったく無駄に死んでしまいます。わずか30秒ほどの、なんとも悲しげな戦いでした。虚しいですね。
 でも、すこし視点を変えてみると、このラクササ(悪役)にもかわいい子供、愛する妻がいたのかもしれません?でも戦争だからしかたありませ。魔王ニワタカーチャ軍からの招集を受け、軍隊に入り、自分の使命を全うすべく彼なりに最大限の努力をしたのです。最後、彼はきっと魔王ニワタカーチャのためではなく、愛する家族を守るために全力で自転車のペダルをこいだのでしょう。そして戦場での不良の事故死。戦いとは悲惨なものです。
 実はこの可哀想な人形、ワヤンの中では顎が動くので言葉をしゃべることの出来る数少ない人形です。他の演目「ビマ・スワルガ」では地獄の番人長官「スラットマ」として大活躍します。キャラも秀逸でとても人気があります。だからわれわれも笑いながらこの場面を見る事が出来ますが、今回のこの場面だけで思うと、「戦争のもつ狂気の象徴」のような気がして、とても悲しい気持ちになります。
 頑張れ「スラットマ」!みんな君を応援しているゾ!!(か)