
馬車に乗るアルジュナとスプラバ。二人水入らずで馬車に。
先日の藤枝公演の会場でのリハーサルの時、急きょ一カ所だけ演出を変更しました。
公演当日会場での演出変更は珍しいのですが、その時はみんな、「あッ!この方が俄然良いね。わかりやすい。影もきれいだし。これで行きましょう!」と、とてもスムーズに演出が変更されました。
公演会場でクリル(スクリーン)を張り照明をセットした状況で改めて「影側からのチェック」をすると、繰り返し上演した演目でも、いままで見えていなかった新しい発見があります。
場面は、アルジュナとスプラバが馬車で移動する場面。話の展開としては「アルジュナとスプラバ」そして従者「トゥワレンとムルダ」が「天空を駈ける馬車」に乗り敵地に乗り込む場面です!
今までの演出では「アルジュナとスプラバ」そして従者「トゥワレンとムルダ」の四人が一台の馬車に乗って移動する設定でした。この四人が一台の馬車に乗っての演出は、実はそうとうに高難度な技術でした。
「トゥワレン」の人形が大きいのです、大きいだけでなく透かし彫りの細工がありません。他の人形を重ねても重なっている事がわからない、ダランは人形が重ならないように「アルジュナとスプラバ」の人形をかなり高い位置に掲げるようにしなければなりません、すると今度はダランの腕の影が映る心配がでてきます。この苦労を乗り越えながら4人同乗場面の公演を重ねてきたのですが。
今回の藤枝公演のリハの時に何故かポロッと「それだったら馬車二台に分乗すればいいジャン!」「ハハ、馬車を分ければ良いんだ~!」と目からウロコ的発想が浮かんだのでした。「何だ~なんでこんな簡単な事にいままで気がつかなかったのかな~?」「馬車二台にすればイイジャン!」「このほうが影もきれいに映るし、わかりやすいシ!」「楽だシ」と長年の問題は一気に解決したのでした。
「これ?ガリレオの卵だよね~」「ちがう!コロンブス」「アッ!ブスってい言った」「そのブスと卵がど~したのヨ?」「も~だまれ!!」
この話からもおわかりになるように、梅田一座は決して妥協をせず、公演ごとに改善を加え!より良いワヤンをめざし!ワヤンの正義と真実を守るため!日々努力を続けているのであります!(か)

四人同乗したときの影。
ダランはすごく大変でした。
私はダランのすぐ後ろにいるので、思わず手を貸したくなります。
でもこの時、私の両手もパングルでふさがっています。

藤枝公演より。
従者「トゥワレンとムルダ」も二人乗りに。
それでも馬車は重たそうですね。