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 玉川上水の木漏れ日の下

 ワヤン・トゥンジュク梅田一座のメンバー katakura のブログ  since 2013

二人で馬車に

2013-08-03 | ワヤンのお稽古

馬車に乗るアルジュナとスプラバ。二人水入らずで馬車に。

 先日の藤枝公演の会場でのリハーサルの時、急きょ一カ所だけ演出を変更しました。
 公演当日会場での演出変更は珍しいのですが、その時はみんな、「あッ!この方が俄然良いね。わかりやすい。影もきれいだし。これで行きましょう!」と、とてもスムーズに演出が変更されました。
 公演会場でクリル(スクリーン)を張り照明をセットした状況で改めて「影側からのチェック」をすると、繰り返し上演した演目でも、いままで見えていなかった新しい発見があります。
 場面は、アルジュナとスプラバが馬車で移動する場面。話の展開としては「アルジュナとスプラバ」そして従者「トゥワレンとムルダ」が「天空を駈ける馬車」に乗り敵地に乗り込む場面です!
 今までの演出では「アルジュナとスプラバ」そして従者「トゥワレンとムルダ」の四人が一台の馬車に乗って移動する設定でした。この四人が一台の馬車に乗っての演出は、実はそうとうに高難度な技術でした。
 「トゥワレン」の人形が大きいのです、大きいだけでなく透かし彫りの細工がありません。他の人形を重ねても重なっている事がわからない、ダランは人形が重ならないように「アルジュナとスプラバ」の人形をかなり高い位置に掲げるようにしなければなりません、すると今度はダランの腕の影が映る心配がでてきます。この苦労を乗り越えながら4人同乗場面の公演を重ねてきたのですが。
 今回の藤枝公演のリハの時に何故かポロッと「それだったら馬車二台に分乗すればいいジャン!」「ハハ、馬車を分ければ良いんだ~!」と目からウロコ的発想が浮かんだのでした。「何だ~なんでこんな簡単な事にいままで気がつかなかったのかな~?」「馬車二台にすればイイジャン!」「このほうが影もきれいに映るし、わかりやすいシ!」「楽だシ」と長年の問題は一気に解決したのでした。
「これ?ガリレオの卵だよね~」「ちがう!コロンブス」「アッ!ブスってい言った」「そのブスと卵がど~したのヨ?」「も~だまれ!!」
 この話からもおわかりになるように、梅田一座は決して妥協をせず、公演ごとに改善を加え!より良いワヤンをめざし!ワヤンの正義と真実を守るため!日々努力を続けているのであります!(か)

 
 四人同乗したときの影。
 ダランはすごく大変でした。
 私はダランのすぐ後ろにいるので、思わず手を貸したくなります。
 でもこの時、私の両手もパングルでふさがっています。
 
 
 藤枝公演より。
 従者「トゥワレンとムルダ」も二人乗りに。
 それでも馬車は重たそうですね。

ポムカの練習

2013-07-15 | ワヤンのお稽古

シャッタースピードを1秒で撮影、ものすごく巧い人のように一見みえます。

 昨日、一座のグンデル隊の練習がありました。久しぶりに「ポムカ」と呼ばれるワヤン上演の始めに必ず演奏される長~い曲を練習しました。
 ワヤン開始の合図は、ダランが人形の入った木箱の蓋を「トントントン」と軽く三回叩いて重たい蓋を「ガバッ!」と開けて始まります、このタイミングを合図に「ポムカ」の演奏も「ドカッ!」と開始されます、この曲が演奏される中、ダランは木箱から次々に人形を出してスクリーンの前に並べて行き、ワヤンの準備が始まります・・・。それからはダランの様々な所作に対応しながらの演奏になります。伸縮自在の曲の構成なので上演ごとに全体の長さが変わります。短めで終わる事もあるし30分におよぶ事もあります、全てはダランの合図に合わせた演奏です。
 練習後の皆さんの改めての感想、「ホント長いね~」「不思議な構成だよね」「なんでこんな長いんだろう?」「だれがつくったんだろう?」「年寄り向きではないね~」「きまって弾けないとこあるシ」「その箇所になるとみんなに注目されるシ」と、まあ毎回同じグチのような事を言い合うのでした。それでも昨日は少し短い構成での練習、完全版で弾くともっとグチが増えそうです。
 藤枝公演までのメンバー全員そろっての練習は昨日で最終、各自使い慣れたパングルをもって帰りました。(か)
 
 
 ボトルケースにパングルを差すと小動物のような表情になり、
 むじゃきに喜ぶ一同でした。
 本番に忘れない事!

クリルを下ろす

2013-07-07 | ワヤンのお稽古
   稽古終了後、クリルを下ろしました。すこし寂しいですね。

 今朝はよい天気です。
 関東では梅雨が開けたようです。各地で大雨の被害が出ていますが、東京では梅雨らしい雨がほとんどふらなかったですね、水不足が心配です。
 昨日稽古がありました。稽古終了後、約一ヶ月間設営していたクリルを下ろしました。「藤枝公演」本番までのクリルを張っての稽古は今日で終了です。本番は約3週間後になりますが、これからの時期、一座のメンバーはそれぞれにいそがしくなり、ほかにもいろいろな活動が入っているので、「藤枝公演」の通し稽古は今日が最終となりました。ワヤンの内容としてはとても凝縮された良い構成になったと思います。あとはグンデル隊の演奏の練習は公演間際まで続けられますが、ワヤン全体としての合わせは今日で最終です。
 ワヤンの稽古は、毎回思うのですが、稽古をすればするほどきりがないし、あまり稽古で細部までの演出や細かなタイミングを決めってしまっても、本番でその通りにはいかないし、ほどほどの打ち合わせのほうが本番ではかえって緊張感があって良い結果になる場面もあるようです。
 藤枝公演の演目「天女スプラバ使者に立つ」は、われわれ一座の演目としては、既に昨年末から何回となく公演を重ねている演目なので内容的には問題ないのですが、今回の藤枝公演は主催者側からの意向でワヤン全体を約一時間に納める調整をしなくてはなりませんでした。この演目は本来二時間ほどの演目なので、一時間に納めるのは大変だったのですが、ご安心ください、今日の稽古の最終調整で完全な形で一時間に納める事ができました、正確に言うと63分でしたが完璧な構成です。もちろん「デレムのバリス」もちゃんと入っています。みなさんご期待くださいね。
 稽古の後の打ち上げは国分寺のいつもの中華屋さん、「よしッ!今日はいままでオーダーしたことの無いものでいくぞッ!」とみんなでメニューをくまなくチェック、その甲斐もありテーブルの上はいつもと違う新鮮な景色となりました、料理が運ばれてくるたびに一同「オ~!」とか「ワ~!」とか歓声を上げて喜ぶのでした。でも手に持っているのはいつのも「生ビール」、これだけは「いままでオーダーしたことの無いもの」には置き換えることは出来ませんでした。(か)

 
 本番のときの人形の立ち位置、進行、動き、
 伴奏を絡めて確認して行きます。

 
 台詞も全て本番同様に確認しながらの通し稽古。
 大変ですが、とても大切なチェックです。

 
 おやつには(に)から「さくらんぼ」」の差し入れです。
 素晴らしく美味しかった。旬の物は爽やかでいいですね。
 パングル二本を箸のように使って食べるのは・・・無理でした。

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藤枝公演情報はこのブログ
カテゴリー「上演情報」
投稿記事「7月27日公演のおしらせ(藤枝)」2013年06月01日投稿
をご覧ください。

なつかしい台湾のお菓子

2013-07-01 | ワヤンのお稽古
  
   太陽堂の太陽餅
  「重現太陽的光輝!」堅持太陽餅入口即化、層層酥香的技巧。
   なぜかバリの楽器と共通する色彩感覚。
   バリの楽器の上に並べてもまったく違和感がありません。

 先日、一座の稽古が「梅スタジオ」でありました。
 「・・一座の稽古が『梅スタジオ』で・・」などと、まるで自分たちの持ち物のように気安く呼んでいますが、われわれ一座は、実は一座の座長(う)のご実家の「離れ」を(う)のご両親の寛大なお心に甘え、練習場所としてお借りしている全くの居候一座なのであります。かれこれ18年にもおよぶ年期の入った居候です。この居候達は「三杯目にはそっと出す」どころか、公演が近くなると「離れ」から人形箱やクリルや楽器などワヤンに必要な様々な道具を、全員が手にてに持ってまるで「蟻の引っ越し」のように庭をトコトコトコトコと往復して、大胆にも「母屋」に運び込んでしまうのです。居候達は、この「母屋」の12帖ほどの広さの部屋に道具を運び込むと、今度はクリルを組立て木箱をセット、楽器を並べ、まるで「ワヤン小屋」の状態にして占拠してしまうのです。長いときはこの「母屋ワヤン小屋化占拠状態」が一ヶ月近くにおよぶ事があります。
 こんな状況でも、建物のオーナーの(う)のご両親はいつも寛大にもやさしく許してくださいます。それどころか、稽古場の蛍光灯が切れそうになると変わりの蛍光灯を用意してくださったり、寒い時期の練習日にはわれわれが着く前に暖房を入れて部屋を暖めていてくださったり、雨の日などは「皆さんの履物が濡れないようにこれを使いなさい。」といってメンバーの靴を入れるビニール袋までご用意していただいた事もあります。「いつも良くしていただきまして本当にありがとうございす。いつもとても感謝しております。これからもよろしくお願いします。」・・座員一同!キオツケ!鷹の台の方向に向かって「礼!」
 練習に行った時にメンバーがいつも癒やされるのが(う)パパのお手入れの行き届いた「お庭(*)」です、季節ごとに様々な素晴らしい花を楽しむことができます。と思うと、いまの季節などは片隅で野菜を育てていたり、自由自在にお庭を活用されていて、とても参考になります。庭でお会いするとわれわれにも分かりやすく植物のいろいろなお話もしてくださいます。
 先日の稽古のときは、こんどは(う)ママからの差し入れまでいただいてしまいました。それが上の写真。(う)ママは古くからご縁のある台湾に最近行かれていたそうです、そのときのお土産をいただきました。「太陽餅」台中地域の銘菓です。その日のわれわれのおやつは他にも焼きたてメロンパンとかチップ菓子とか駄菓子が沢山あったので、太陽餅は「ヘ~?珍しいお菓子だな~」と思うぐらいで、袋も開けず、ありがたく持ち帰りました。
 そして今日、「食べてみようかな~」と袋から出してお皿に置いてみて「あれッ!これってすッごくよく知ってる!なつかし~!」と突然私の記憶がよみがえりました、パラパラした外側の食感や噛んだときのほんのりとした甘さまで記憶がよみがえってきたのです。
 私は20年ほど前にこのお菓子をとても良く食べた時期がありました。仕事の関係で台中よりもさらに南にある「嘉義(シャイー)」という都市に、一年ほど、月一回ペースぐらいで通っていました、そのとき打ち合わせの休憩時間になると必ずこのお菓子が出されていました、「おいしいな~」と毎回思っていたのですが、「どうせ来月またくるから、まあいいか~」とその時はお菓子の名前も聞かず、空港の土産店で探す事もせず、そして時が経ち気がつくと台湾の仕事もいつのまにか終わっていました、そのお菓子の事もすっかり忘れてしまいました。
 台湾ではいつも袋から出されてお皿にのった姿しか見ていなかったお菓子なので、パッケージの記憶が全くなかったのです。でも今は完全に記憶のよみがえった「なつかしい台湾のお菓子」です。
 美味しい食べ方は、数秒間だけ「チン」をして、温かいジャワティと一緒にいただくと、も~「バッチリーリトナーな美味しさです!」(う)ママ、ありがとうございました。ごちそうさまでした。またお願いします。(か)
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その日の稽古の後は、私だけ「太陽餅」の入ったカバンをかかえ、
立川でのマイケル・イベントの「ムーン・ウォーカー」に直行です。
 
  「重現太陽的光輝!」
その日はマイケルの命日に絡めたイベントでした、
イベント開催の映画館のホールに設置された「献花スペース」です。
周囲はマイケルが好きだった花「ひまわり」で溢れていました!
あッ!太陽餅のパッケージも「ひまわり」だ!これすごい偶然。
あ~献花台に太陽餅のパッケージだけでも置いてくればよかったな~。

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(*印)一座のメンバー(う)のプログ「Pの世界」>5/14「実家の庭」をお読みください。
(右の帯、ブックマークでリンクしています。)

夢のハワイ

2013-06-28 | ワヤンのお稽古

ワイハのお菓子

 先週末、一座の稽古がありました。久しぶりに会ったメンバーの一人(こ)がずいぶん日焼けした顔での参加でした。(こ)はメンバーからは「ノリチャン」と呼ばれています。『メンバーの中』ではとびぬけて若く(注:一般的にではない)。設立から時間だけがいたずらに過ぎマンネリ化していた状況の一座の中に、一人だけ後から入って来てくれた勇気ある新人なのです。(こ)の参加を契機に一座の活動はにわかに活性化し、ここ数年は公演回数も画期的に増えてきたのでした。そんなこんなでメンバーのみんなからとてもかわいがられています。あごの下をなでられると「ゴロゴロ」と喜びます。(ウソ)
 この日はクリル(*)を立てたり、楽器を移動したりの準備作業がたくさんあったのでいつもよりとても忙しく、健康自慢やムダ話に花が咲く余裕も無く、クリル設置完了後、稽古はバタバタと始まりました。
 稽古のときのポジションは実際のワヤンを想定して座ります。(こ)は私の右横に並んでグンデルを弾きます。ダランは私の左に背中を向けた状態で座り人形を操ります。したがって私の顔はいつも左を向いて人形の動きを見ています、右を向くのはズ~っと左を向いていて首が痛くなって来たときの「コリをほぐす柔軟運動」のときぐらいなのですが、この柔軟運動で右を向いた時に改めて(こ)を見てみると「じぇ!」顔や腕がすっごく日焼けしているのである。「どしたの?ゴルフでもはじめたの?」とも稽古中なので話かけるわけにもいかず。「どうしたのかな~?」と、稽古中も不審者をみるような視線をチラチラと送っていました。
 稽古も一区切りつき、メンバーが持ち寄ったお菓子を食べながらのいつもの休憩時間です。
 「あの~これ、お土産なんですけど~、どうぞみなさんで」と(こ)が出してくれたのが、上の写真のお菓子です。なんと!とてもカラフルで可愛い「ワイハのお菓子」ではありませんか!
 「・・・ハワイに行ってきました。」と恥ずかしそうに言うノリチャン。
 ・・・一同「じぇ!」「ビックリーメンシュナイダー!」。
 「マジ~ブイヨン?」「ワイハ行ったんだ~!」「すげ~!」「だから前回の練習来れなかったんだ?」「何日ぐらい行ってたの?」「いままで俺たちだれも行ったことないよワイハ」「夢のワイハ旅行!」「海きれいだった?」「天気よかった?」「フラダンスみた?」「何食べたの?」「分厚いステーキとか食べた?」「うまかった?」「”ビトン”とかブランド買いまくったの?」「芸能人とかいた?」「トンネルズいた?」「テレビで見たけど、すッごくでかいショッピングセンターとかあるんだよね?イイナ」と、”常夏の島”と言えばどうあがいても絶対に”バリ島”しか発想することできない清貧のメンバーたちは、おろかにも口々にバカ質問をするのでした。
 するとノリチャン、「あの~・・母と姉と一緒にいったんです。・・母と姉なんです。」と誰も聞いていない質問に突然答えるのでした。
 ・・・一同、声を揃え「だれもそんなこと聞いてないよ!」・・あれ?・・ハハ。
 ノリチャンありがとう。お菓子とてもおいしかった、夢のハワイの味がしました(行った事ないけど)。また「お母さんとお姉さんと一緒にハワイにいったら買ってきてね。」
ーーー
と、ここまで書いて、気がついたら明日は土曜日、稽古日なのである。一週間なんてあっという間ですね。「今週中にやっておこう」と思っていた事が何も出来ていないのです、いつものことだけど。
「老人さらに老い易ク、学ぜったい成り難シ、それにつけても金の欲しさヨ。」(か)

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(*印)クリル:人形の影を映し出す幕、スクリーン。
運びやすいように直線材のパーツに分かれている木枠を現場で立体的に組み立てます、
この木枠にロープなどを使って大きな白い布を「ピン」と張ります。この「ピン」が重要。
公演のときは「クリル(幕)」と「ダラン(人形遣)」の間の中空に「光源(電球または本火)」が吊るされ、
人形の影がクリルに映し出されます。

 
  「あれ?・・いまのでイイの?」

自転車に乗って

2013-05-20 | ワヤンのお稽古
写真:寝ているクンバカルナ(*)をなんとか起こそうと必死のサングト(*)。


 われわれ一座のワヤン公演には何故か毎回「自転車」が登場します。
 公演が決まり、演目も決め、演目個別の稽古をはじめる頃には、毎回決まって「今度はもう、自転車はやめておきましょうね。」「僕たち、ちょっと最近自転車に頼りすぎている感じだシ~」と一座全員で冷静に話し合って確認をします。
 最後には「もう僕たちも大人だから、今度の本番こそは自転車に頼らないでワヤンをやりましょうね!」と、メンバー互いに目を潤ませ、固く誓い合うのですが・・・、結局本番になると何故か自転車が登場してしまいます。
 「今回は自転車はナシね!」と決めておいても、本番の直前になって誰かが(おもに前列中央の人だけど)「やっぱり、ここで自転車出したいんだけど、どうかな~?いいかな?」とボソリと言うと、待ってましたとばかり全員笑顔で「それイイね!」「やっぱ出しましょ!」「自転車がないとなんか盛り上がらないシ~!」と全員一致で自転車登場がにこやかに決まります。
 自転車はワヤンに登場する場合いろいろなキャラクターとともに登場します。
 ムルダ(*)が馬車と間違えて乗ってきたり。最近人気急上昇のスラットマ(*)が狂気のように自転車で登場!爆走のあげく樹に激突そのまま昇天!。いつも人気のサングト(*)が自転車に乗って出てくる時は、一座は必ず高田ワタルの「自転車に乗って」の合唱になります。「自転車に乗って~ ♪ 自転車に乗って~ ♪ ちょいとそこまで歩きたいから~ ♪ リンリン ♪ 」
 (*印)はワヤンに登場するキャラクターたちです。みなさんにはなじみがないと思いますが、追々このブログでもご紹介していきますので、みなさんお楽しみに!リンリン ♪ (か)