今ちょうど20世紀絵画についての本を読んでいるので、生マティスを見て理解を深めようと行ってまいりました。
「マティスの時代」
ブリヂストン美術館
2009年4月21日(火)~7月5日(日)
(なんとか会期終了前にアップできました・・・)
館内に入って5分ほどした頃でしょうか?
「学芸員によるギャラリートークがあります」とのアナウンスがありました。
面白そうなので(無料だし)参加してみました。
これは、学芸員の方が企画展示について、その日にお話なさるポイントを絞り、そのテーマに沿って主要な展示作品を詳しく解説して下さる、という企画です。
今日のテーマは、マティスの画風、作品アプローチの変遷、です。
マティスは晩年のシンプルでカラフルな作品がこと有名ですが、
そこに至るまでに様々な思考錯誤を繰り返していたようすが今回の展示でよくわかります。
ルオーも師事したグスタフ・モローの影響からはじまり、人間の肉体を描写するための研究、そして何より「色」に対する独自の考えかた、表現方法はマティスの大きな特徴であることがわかりました。
新印象派と呼ばれる、色彩学(補色の効果など)に基づく絵画の流れの中にあって、マティスは論理的な色の学問を理解した上で、それとは一線を画し、色というものをもっと人間の感情を表現するマテリアルとしてとらえるようになりました。
つまり、見えているように色を描くのではなく、人間の内面の気持ちを表現するためにもっと自由に色を描くようになったとのことです。
海の色をピンクに表現した作品など、とても印象的です。
また、マティスの色になくてはならない色は黒だそうです。
印象派の作品には決して表れない黒と言う色をマティスは実に効果的に使って、印象派の大家をうならせたそうです。
しかし、マティスが色の持つ論理的効果をまったく無視していたわけではないことが、晩年の「ジャズ」にみられる色と形の融合作品に表れています。
ほぼ同じような形の白と濃いブルーの形を表現する際に、「同じ大きさに見せるためには白はブルーよりも小さく描かれなくてはいけない」との彼の言葉があります。
これ、すなわち膨張色の理論ですね。
理論を深く理解した上で、それを壊してゆく、そこがマティスの魅力である、と感じました。
学芸員の方のお話もとても面白く、そして、突然に私に話が振られるというハプニング
(学芸員さん)この静物画、だれかの影響をとても強く感じますよね、誰だと思いますか?
(私)セ・・・セザンヌ・・・?
もあり、とてもスリリングな体験ともいえる、ギャラリートーク。
今日は200%楽しませていただきました!
7月5日(日)まで展示されています。
「マティスの時代」
ブリヂストン美術館
2009年4月21日(火)~7月5日(日)
(なんとか会期終了前にアップできました・・・)
館内に入って5分ほどした頃でしょうか?
「学芸員によるギャラリートークがあります」とのアナウンスがありました。
面白そうなので(無料だし)参加してみました。
これは、学芸員の方が企画展示について、その日にお話なさるポイントを絞り、そのテーマに沿って主要な展示作品を詳しく解説して下さる、という企画です。
今日のテーマは、マティスの画風、作品アプローチの変遷、です。
マティスは晩年のシンプルでカラフルな作品がこと有名ですが、
そこに至るまでに様々な思考錯誤を繰り返していたようすが今回の展示でよくわかります。
ルオーも師事したグスタフ・モローの影響からはじまり、人間の肉体を描写するための研究、そして何より「色」に対する独自の考えかた、表現方法はマティスの大きな特徴であることがわかりました。
新印象派と呼ばれる、色彩学(補色の効果など)に基づく絵画の流れの中にあって、マティスは論理的な色の学問を理解した上で、それとは一線を画し、色というものをもっと人間の感情を表現するマテリアルとしてとらえるようになりました。
つまり、見えているように色を描くのではなく、人間の内面の気持ちを表現するためにもっと自由に色を描くようになったとのことです。
海の色をピンクに表現した作品など、とても印象的です。
また、マティスの色になくてはならない色は黒だそうです。
印象派の作品には決して表れない黒と言う色をマティスは実に効果的に使って、印象派の大家をうならせたそうです。
しかし、マティスが色の持つ論理的効果をまったく無視していたわけではないことが、晩年の「ジャズ」にみられる色と形の融合作品に表れています。
ほぼ同じような形の白と濃いブルーの形を表現する際に、「同じ大きさに見せるためには白はブルーよりも小さく描かれなくてはいけない」との彼の言葉があります。
これ、すなわち膨張色の理論ですね。
理論を深く理解した上で、それを壊してゆく、そこがマティスの魅力である、と感じました。
学芸員の方のお話もとても面白く、そして、突然に私に話が振られるというハプニング
(学芸員さん)この静物画、だれかの影響をとても強く感じますよね、誰だと思いますか?
(私)セ・・・セザンヌ・・・?
もあり、とてもスリリングな体験ともいえる、ギャラリートーク。
今日は200%楽しませていただきました!
7月5日(日)まで展示されています。