練習オタクの日々

3日ぼうずにはしたくありません!この日記とピアノのお稽古。練習記録とその他読書などの記録をつけておきます。

『床下仙人』 原宏一

2008-02-17 | 読書
「床下仙人」
やっと手に入れたマイホームは会社からはるか遠く、帰っても寝るだけ。
ある日「仙人」のような男が我が家の床下に住み着いていることに気がついた。

「てんぷら社員」
九州から転勤してきた田所さん。どうもパッとしないおじさんなのに、急に管理職になったかと思うと、社内の不正の○秘情報をつかんでいるらしい。てんぷら社員の意味とは・・・。

「戦争管理組合」
マンションが戦争管理組合の管理下に置かれてしまった。女性の権利を獲得するための戦争なんだそうだ・・・。女が一致団結して男社会と戦うための片棒をおれは担がされる羽目になってしまった。

「派遣社長」
派遣社員ならぬ派遣社長がやってきた。お試し期間とは言うけれど、派遣社長のポリシーに振り回される社員たち。そしてお試し期間が完了したら、今度は次の派遣社長がやってきた。

「シューシャイン・ギャング」
会社からも家庭からもリストラされた男と家出少女が始めたのは、渋谷の町でゲリラ的に靴磨きをして稼ぐ新手の商売だった。

どれもサラリーマン社会を風刺している、面白おかしくありえない話だ。
ラストもとてもありえなく終わっているので、チャンチャンと笑って終わらせることもできるけれど、
そんな笑いの中に、ヒヤッとするようなするどい警告が隠されている。