詩 の 雫

人生の喜怒哀楽を <冠 句> に深め・・・ 

“春夏秋冬の囁き”を 爽やかな風 にのせて・・・

     

亡母が残した心のうた

2019年03月20日 13時48分02秒 | Weblog

母のお参りに行き、母の遺した ” 冠 句 帳 ” を、私が貰ってきました。

積み上げた大学ノート、紐で綴じた和紙の句帳、栄誉の巻頭(三光に輝いた秀逸吟)、

一句一句に、母の命の言葉が深く残されています。

今、母と同じ 「冠句の趣味」 を持つことに、当時は分かち合えなっかた母の気持ちに

寄り添えることが嬉しくもあり、又寂しさも日々に感じます。

 

    在りし日の、母の残した<冠句>です。

 

       新しく 風に犇く悲願絵馬

       昼ひとり 人語に飢えて飴しゃぶる

       好きな曲 風鈴ゆっくり揺れる窓

       募金箱 豊かさに慣れ人驕る

       裸木の街 納骨軽き夫抱く

       流れゆく 行方あてなき落椿

       砂の文字 尽きせぬ挽歌碧く揺れ

       束ね髪 紅うすくさす哀しい日

       みんな嘘 女切ない薬指

       通り雨 えにし深める虹あかり

       ねむの風 笑顔でいよう母の日は

              、、、、、、、、、、、、 (母の句帳より抜粋しました)

 

 

           

 

 私の父は早く亡くなりました。 

 思えば計り知れない、寡婦の苦労があったと思います。

 時にそれらが、周囲の幸せを羨む気持ちになっていた事もありました。

 晩年、認知症を患い、母の描いた思い通りの人生で無くなりました。

 要介護 5  生活の全てを人に委ねる厳しい環境になりました。

 5年余り待って、半年前、やっと念願の施設に入所が叶いましたが、、、

 自分の子供の認識も出来なくなって、会話も難しくなって、、、

 10月に、私の名前を大きな声で 「〇〇子」 と言ったのが母の最期の言葉でした。

 姉と妹の区別も付かず、何か言いたげに、口をもぐもさせるだけでした。

 

             そして、 3月12日 静かに眠りました・・・

 

 今頃、きっとあの空で、ずっと待っていた父と、一杯話をしていると思います。

 母の遺品 「千の風になって」 のCDも、貰ってきました。

 母が大好きだった 氷川きよしさんのCDも 箱に一杯入っているのを貰ってきました。

 

 長年の難しい介護も本当に大変だったので、

 「淋しいけれど、やっと楽になって、、、ある面、ほっとしたでしょう」 と

 友人が労わりの言葉をかけてくれましたが、、、 葬儀が終わってから

 父が亡くなった時とは違う気持ちが押し寄せ、ずっと泣けて、泣いて自分を責めて、

 中々優しく寄り添えなかった悔いが、残りました・・・

 

 日が経つにつれ、

 今は、病院にも施設にも、母がもう居ないということの実感があります。

 無くして判ることが、ありました・・・

 

 七日毎の法事、母を偲び、お参りしたいと思います。

 

 

 控えていた、ギター教室のミニ演奏会、 ギター講座の発表会、 

 共に葬儀にかかり、出られなくなりましたが、、、

 友人たちから、温かいラインが沢山届きました。

 

 コーラスも欠席しました。 来週、年度替りの引継ぎが待っていますが、

 多くの友人からの励ましの言葉を貰い、苦手だったグループ長の大役も

 無事、終えることが出来そうです。 1年間、やはり大変でしたが、

 慌しい日々に一区切りが付けば、少しほっとできるかな~と思います。

 

 

  母への挽歌に、、、

 

       溢れ出す 万感胸に念む挽歌

       研ぎ澄ます 僧の説法無になりて

 

       葬儀の後に聞かせて頂いた僧侶のお言葉に、

       改めて、大切なことを教えてもらいました。

       今ある命は、両親から、4人の祖父母から、そして8人の祖祖父母から、、、

       誰一人として、必要でない命は無いということ。

       自分の命がまた次の世代へ繋いでいくということ。

       命は、疎かにしてはいけないということ。

       心にしみじみと刻みました。

 

      皆さま、今日もありがとうございます・・・

 

 

 

 

 

 

 

  

 

        

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