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福田恆存と國語問題ⅩⅥ

2013年11月22日 | 歴史
 実例としてこの國語問題協議会におきまして、一昨年になりますが6月に京都で、12月に仙台で講演会があり、両会とも演題に立ってつたない話をしました。
その録音テープが外注に出されて筆記録として手元に来ました。それをテープから文字に起こしたのはアルバイトの方ではないかと思います。
プロと違うところはただ忠実に起こせば良いというだけの現実しか知らないということです。
言い間違いでも、言いよどみでも念押しの反復でも無意味な間投詞でも、私はよく『まあまあ』といったらしいのですが、それを全て文字にしてしまっています。
そのように聞こえたのならこれは私の発音が悪いのだから仕方ないですが、とにかく起こしてきた速記原稿が使い物になりません。
点検して直していく内に私はもうくたびれてしまい、もうこれはだめだ、見切りを付けて新しく書き直した方が良いと判断し、
ノートに頼って、また新たに語り口風の文章を書き下ろし、会報の編集係にお届けしたのでした。届けられた速記原稿はゴミ箱行きとなってしまいました。
その速記起こしの製品に対してその作成に事務局が報酬を払われたのかは分かりません。
 どれほどまでに使い物にならなかったか、詳細は記憶にありませんが、
福田さんが金田一博士への反論の中で「表音的仮名遣いは仮名遣いにあらず」と言う一説を設けて論じている例をちょっと拝借してお話ししましょう。
「歳は取りたくないものだ」を表音式に綴るとしましょう。東京人は早口に物を言うので「歳やー取りたかねーもんだ」と聞こえる。
もし、表音主義の原則を貫くと「としやとりたかねえもんだ」となる。これでは文章として成立しません。仮名遣いとしても成立しません。
江戸末期の戯作者達が町人の下世話な発音をわざとそのおかしさがリアルに出るように写音した戯文調の文章があります。
そういった文章ならまだいいが、そんな物が続いてしまっても到底読むに堪えません。

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