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福田恆存と國語問題

2013年11月07日 | 歴史
福田恆存と國語問題
小堀桂一氏の講演録より書き起こし

福田さんの國語問題に関する最初のご発言は昭和11年のことでありました。「新文学」という雑誌の8月号に「漢字恐怖症を廃す」と言う論文を書かれています。
この時福田さんは数えで25才の若さでありました。大学を出たばかりで就職もまだであった時です。文体も一人称に「僕」を用いている大変初々しい論文でです。
この論文の中にはすでに「常用漢字」と言う語もあり、「漢字制限」という語もあります。つまり問題は戦前に生じていたのだということが分かります。
表題の通り、これらの問題を「漢字恐怖症」という語で排撃しています。当時「漢字制限」の案が閣議にかけられていました。
それを察しての若き福田さんのご批判であったのです。ところがその漢字の制限自体は「別に我々に痛痒を感じさしめるものではない…」とおっしゃっています。
つまり戦後に出た案ほどには枠の狭い物ではなかったようです。福田さんは漢字使用を制限する意図そのものに反対なのです。
 「政治が文化を支配下に置こうとするその魂胆に自分は警戒を抱くのだ」
戦後の伝統文化擁護運動の旗手としての福田さんの面目が十分に窺われるところです。結びに近いところで大変重要な一句を大変若い福田さんが公然と言い放ちます。
 「僕は断言して憚らぬ。学問の衰退を来したと、その同じ怠惰と安易とが『漢字制限』を試みようとしているのである」
この時、行政側において非常に陰険な恫驚があったのだろうと後で忖度できます。
これとは別に、
 『学会の側でこれに同調する動きがあるのはいったいどうしたことなのか?』そこを福田さんは突いておられます。
 『それは所詮学問人としての怠惰と安易さではないのか。ここに戦後における國語國字の改革と称する改悪というよりはむしろ破壊活動そのものだ』
その心理的動機が言い表されています。

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