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財務省と国民の歴史健忘症Ⅴ

2012年07月06日 | 政治経済
 大蔵省は1980年から1990年にかけて財政政策に明らかな変化が見られます。その底流にあったモノとはなんだったのでしょう?
そこには2つの「歴史知らずが存在する」。1点目は財政法の話。2点目は査定についての話です。

 財政法4、5条において、「但し書き」の所でしか特例公債(赤字国債)と国債の日銀直接引き受けは認められていません。
これは後に事務次官になる石野真一氏、後の太陽神戸銀行頭取で、森永貞一郎とともに森石ラインと呼ばれた人物、大蔵事務次官の中でもドン中のドン、が作りました。占領下で憲法が施行される直前に、財政を運用するために財政法を作りましょう、これは大蔵省財務省の憲法です。
戦前、広田内閣以降、はちゃめちゃな財政を行ってしまいました。この反省のため、「財政規律」というモノをはめました。
生産力を超えるようなお札を刷って、ハイパーインフレをやってはいけないとしたのです。
ただ、何が何でもやってはいけないとしたら不況に対応できません。
そのための「但し書き」なのです。
柔軟に動けるようにしておいたわけです。これははっきりと大蔵省資料、財政史資料でいっています。
これを今の財務省の人は読んでいるのでしょうか? 「但し書き」だからやってはいけないではなく、「但し書き」だから、財政規律が乱れそうになったら、あるいは日本経済全体が沈みそうになったときはやっていいんだと考えなければいけません。
高度成長期はやらなくてもうまくいきました。
確かにそれはすごいですが、それが崩れたらやっていいんです。
しかもデフレ不況に大震災が重なったのにやっちゃいけないとしたらいつやるのでしょうか。そう言った意味で歴史知らずなんです。

 もう一つの歴史知らず、査定の話です。財務省の日銀に対する要望家の批判、今財務省はパイが少ないほうが査定がしやすくて他の省庁への支配権があるんだ、だから利権を離さないんだと言う前提で話をしていますが、これが違うのです。
高度成長が終わって田中角栄がその遺産を食い潰し始めたときの議論として、こんなむちゃくちゃなばらまきをやっていたらいずれ配れなくなる、赤字国債発行しなければいけなくなる、そして増税しなければならなくなる、そうなるとさらに配れなくなるので自分たちの権限が失われます。
その中でも大蔵省の人は高い地位を守ってきました。
大蔵省財務省の省益という観点からも、できるだけパイが大きい方が他の省庁へ貸しを作れます。
国民からも感謝されるわ、自己満足度も高いわ、省益にも国益にもなります。
小さなパイを配っていたらそれは飴じゃなくて本質的に無知なのです。恐怖支配。国家が破綻するでしょう。
しかし、最近40年を見ているとそれが財務省の伝統になったように見えてしまいます。
40年前、「配れる飴が少なくなってきたから、少ない飴を配らざるを得ないから大変だ、大蔵省の凋落だ」1970年代にそう言われていたはずです。
この180度逆の議論が成立するのはなぜなのでしょう。
歴史を見ないでいるからではないでしょうか、忘れているのではないでしょうか。

 法人税でなく所得税の増税案があります。
2点、歴史教科書的に昭和初期の不況時に金解禁を井上税制の民政党で行いました。
 それを高橋大蔵が一日にして変えてしまいました。それで日本は景気回復軌道に乗ったのです。
このとき大蔵省は井上にも高橋にも付いていったのです。事務次官は慣例として政権とともに交代します。
主計局長の藤井さん、この人は井上財政を推進した人です、高橋さんは藤井さんをこのまま続投させ、次官を自分の後継者に育てていくのです。
井上財政という高橋と真逆のことをやった人をです。高橋は正しいことをやっているのです。「井上さんのやっていることはおかしい」、大蔵省の人もだんだん分かってきます。当時の井上大臣の権威は絶大でした。それでも「大臣おかしくないですか?」と言うようになってくるのです。
高橋大蔵大臣になった時に今までの井上財政をやっていた藤井主計局長を続投させ、組織の一体性をやりました。大蔵省はそれで困りません。
国民にとってもいいことだったのです。これをやれない組織なら財務省は滅んだ方がよいでしょう。
そうなれば一緒に日本も滅ぶでしょう。財務省がそれをできるのなら日本は救われるでしょう。

☆お知らせ
営業日の午後12時~午後4時は、手術、治療業務のため留守番電話にしている場合があります。
フィラリアの予防を開始しましょう。


7月の予定


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