まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

大阪めぐり2015(その2)

2015-07-28 09:19:13 | 建築まち巡礼近畿 Osaka, Kansai

総会終了後、懇親会までの時間を利用して再び灼熱の太陽の下、まちに出ます。早速気になっていた錦橋(伊藤正文設計、1931)へ。やはり部分を見てもすばらしいバランス。モダニズム建築です。先ほどは表から見た登録有形文化財の建物は土佐堀川から見てもきちんとした表情を成立させています。

 

隈研吾氏のABCホール。ひとつのテーマを貫く、わかり安さが魅力でしょう。

フェスティバルタワーの前を通ります。ホールの上に高層オフィスビルを載せています。中間階のスーパーフレームを翌日見学できるとは、このとき思っていませんでした。巨大建築ですが、ディテールの緻密さもあります。

 

会場に向かって歩いていくとなにやら不思議な建物があります。中を撮ろうとしたら管理人さんに制止されました。この方も文化財のような年輪を感じさせる趣でした。

次は弁護士会館。それにしても日建設計が多いですね。

大型タイルで端正なグリッドを表現しています。足元のスケールも好もしいものでした。残念ながらこの日は5時で閉館。中には入れませんでした。この周囲は天神祭りの陸渡御の行列が通ります。

会場です。土佐堀川の河川敷にデッキを張り出しています。


大阪めぐり2015(その1)

2015-07-27 20:59:53 | 建築まち巡礼近畿 Osaka, Kansai

JUDI都市環境デザイン会議は私たちの生活の場である都市環境のデザインにかかわる設計者や研究者の集まりです。今年の総会の参加のため久しぶりに大阪へ。天神祭りの当日ということで、単独では宿の予約が取れません。ANAのパックでやっと確保。ということで、伊丹からモノレールと阪急で梅田に向かいました。

まずは梅田スカイタワー。空中庭園で結ばれた連結超高層。テーマに沿った明快で潔いフォルム。そして、含意に満ちた部分の挿入。原広司氏の面目躍如・・・と同時に、何かすごく大阪的な風景のような気もします。自由に存在感を主張する「部分のパワー」のせいでしょうか?構造家、木村俊彦先生のことも思い出されます。いずれにしても、ほかの超高層にはない建築家の手の跡と思い入れがはっきりと刻印されているところに好感を持ちました。

足元には、今流行のこんな昭和のまちがあります。懐かしいミゼットってこんなに小さかったのですね。

駅の南北通路も広場のようになっており、大きなトラス屋根で覆われています。下のホームと吹き抜けています。私は何本もの線路を超える跨線橋から下を通る列車を見るのが子供のころからお気に入りです。ここもいいですが、ホームのシェルターが邪魔ですね。とは言いつつハイネッケンをいただきながら、雑踏の風景を楽しみました。

この後はお初天神を経て、御堂筋を南下。淀屋橋へ。翌日のJUDI関西岸田さんの説明ではコンペ審査員だった武田五一先生が自ら設計にも加わったとか・・。ある意味では不明朗なコンペ。昭和10年築。この橋はアールデコの趣ですが、武田五一はクラッシックからアールヌーボー、アールデコなどいろんなスタイルをこなします。

向こうに見える橋が気になります。次の日にJUDI関西の方にお聞きすると錦橋、伊藤正文の設計です。これは橋というよりも水上の建築物です。水上から、また橋上からのエレベーションがきちんと意識されてつくられています。バランスもよいです。この橋はJUDI総会後、懇親会前の時間を利用してもう一度見に行くことにします。

このあと土佐堀通りのほうまでぶらぶら。今も現役の近代建築や金光教の教会(いずれも登録文化財でした)などに遭遇。

その後は当時の巨大オフィスビル住友本館。それから中ノ島図書観の玄関と玄関ホール。

中央公会堂、ライオン橋(難波橋、宗兵蔵設計、1915)を経て会場へ。途中に、なんと言うこともないけどちょっと気になる橋爪の喫茶店。

会場です。

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