酒田建築士会の2012年度総会にお招きいただきました。
1時間ほど何でもいいから話をして欲しいということでしたので気楽に引き受けました。しかしあとで分かりましたが、今年は60周年という大事な節目だったようで、私の話でよいのか少々心配になります。しかも会場は香梅咲さんという由緒ある料亭です。
緊張感の高まる中、ぶらぶらと酒田駅から香梅咲まで歩いてみました。
途中の泉流寺に、酒田のまちを開いた奥州藤原氏遺臣三十六騎に守られて平泉から逃れてきた徳尼公を祀る廟があります。
この屋根瓦は赤瓦でした。赤瓦は日本海側の多雪で凍害の多い地域の屋根を特徴付けています。燻しの銀瓦や漆黒の黒瓦もいいですが、風雪の中でまだらに色あせた赤屋根は独特のやわらかさややさしい雰囲気をこの地域の風景にもたらしています。
この赤瓦は何時頃のものでしょうか。庄内の赤瓦は越前がわらの系譜にあるということは分かっています。北前舟で日本海を北上したものと思われます。また江戸期には越前瓦の製法に倣い遊佐(後に松山に移転)で庄内がわらの生産が行われていました。
鶴岡致道館の赤瓦には越前三国産を示すへら書きが残っていたそうです。ちなみに致道館の赤瓦はもともと鶴岡城で使われていたものの転用です。酒井家のかたばみの家紋がついていると聞いています。しかしここの軒丸瓦には三巴。それほど珍しいものではないように思えます。しかしこの三巴のかたちにも時代的な特徴はあるはずです。おそらくどなたか詳しい方はいらっしゃると思いますが、少し調べて見たいと思っています。
ともあれ、覚悟を決めて香梅咲へ、向かいましょう。
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