まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

新しくなった川﨑東口

2011-12-24 03:13:26 | 建築まち巡礼関東 Kanto

都市環境デザイン会議(JUDI)忘年会の帰りに川﨑駅前の都市環境デザイン事例を見ました。本当に短時間でしたが、なかなか上手いデザインだと思いました。

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大胆にガラスを使用していますが、「ただガラスを使いました」というのではない、洗練された巧みさを感じます。翌々日羽田空港に行く途中朝早くですがもう一度広場を通ってみました。

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DPG工法でガラス天井を、張弦梁の含む架構が更に上の大屋根から吊られている。やはり、相当な技術力デザイン力が見え隠れします。

バス停なども素直で好感が持てます。

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天井面のガラスに汚れが付いたらどうするのだろうという疑問は残っていますが、ここまで、潔くガラスを使い切るという意志には脱帽します。

やはり、箱根のガラスの美術館(ポーラ美術館)でも楽しませてもらった安田幸一さんのデザインでした。今本箱から出してみると新建築にも出ていたのですが完全に見逃していました。

やたらに駅前の作品が多い号で、パラパラッと読み飛ばしてしまったのでした。


重化学工業のど真ん中川﨑臨海部

2011-12-24 02:37:40 | 建築まち巡礼関東 Kanto

都市環境デザイン会議の見学会で川崎臨海工業地帯を訪れました。戦後の日本の重化学工業を支えてきた京浜工業地帯のど真ん中です。

テーマはライフイノベーションの特区、メガソーラー、そして震災公園を見ることでしたが、まずは素直に日本の重化学工業の中枢が今もきちんと機能している様子を目の当たりにしたことが収穫でした。

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確かに多くの企業が生産の拠点を海外にシフトしていますが、ここには最先端の技術力を集約するタイプの工場と研究所などが集まっているそうです。

やはり東京に近い、(国際空港である)羽田に近いということが地方の工業地帯とは違う立地条件なのでしょう。しかしながらこれからどのくらい特権的な地位を保持できるのか・・・・それは地域の自治体、企業などの戦略などにもかかっているのでしょうが、正直なところ厳しいところも多いでしょう。

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やはり、日本はヨーロッパの先進国のあとをずっと追いかけてきているわけで、重化学工業を国内においておくのは早晩きつくなると思います。第二次世界大戦中のドイツがロンドンの次に空爆の標的にしたいと考えた程の重化学工業の集積地帯、イギリス東北部の廃墟のような工場地帯をみた時には、日本もこうなるのだろうと漠然と納得させられました。もちろん違うシナリオもありえるでしょうが、相当の先見性を持った対応が必要となるでしょう。多摩川沿いでのライフイノベーション特区などはその先鞭を打つということでしょう。

ところで、今工場風景が人気だそうです。煙や炎を噴出す煙突と配管ジャングルジムの工場もよいですが、その前にある運河とあわせた景観もなかなか味があります。海(川)の色も青いような緑のような、そして少し赤いような深みがあります。

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ターミネーターⅡに出てくる溶けた鉄のプールがありそうだとか、ブレードランナーの未来都市みたいだなど、皆さんの会話がこの現実の風景を映画のシーンのように捉えていたことが印象的です。それくらい非日常的である種アーティスティックな感動を与える力をこの風景は持っているということでしょうか。