野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

国分寺殿ヶ谷戸庭園の春

2011-03-17 | 公園
 大震災以来、久しぶりに自転車で遠出をして来た。両手にトイレットペーパーや水を抱えた人に追い越されながらも、私の住んでる所からはゆっくり走って一時間足らずで、国分寺駅傍の殿ヶ谷戸庭園に着くことができた。


 駅の慌ただしさが嘘のように、園内は人気もなく静まり返っている。



 



 はっとさせるような色の寒緋桜が咲きだしていた。






 遅咲きの梅はもうこれで今年最後の演出だ。



 入口脇に植栽されていたユキワリイチゲは、陽が差さないからか一向に花弁を開こうとしない。



 この趣のある瀟洒な洋館は資料館となっている。 




 紅花のコブシはもうすぐ開花を迎えそうだ。



 マンサク



 高い枝先ではイカルの群れが甲高く鳴き交わしながら食事中だ。



 カンスゲの花



 咲いては見たもののあまりの寒さに震え上がっているアズマイチゲ



 狭い園内を半周し、竹林を過ぎた所でお目当てのカタクリを見つけた。












 咲きだしたばかりのカタクリの花からは、懸命に生きようとする野の生き物の必死さが伝わってくる。




 国分寺崖線の湧泉



 傍らのカンアオイ



 湧きだした清水は雪吊りのあるこの池に注いでいる。



 アセビの花が見ごろを迎えている




 随分と長い花穂



 ぐるっと一回りしてきた出口に近い所で、低木の花が幾つか咲きだしていた。

 ヒュウガミズキ



 一回り花の大きいトサミズキ



 こちらは春先の山地を淡く彩るキブシ、その花の形からかキフジともいわれる。






 水仙の花はトイレ脇に咲いていたのだが、これは一種の洒落なのだろうか。



 この辺で。


再び北本自然観察園の野鳥たち

2011-03-14 | 探鳥
 東北地方の大震災、およびその影響で大変な時間を過ごしている方々に少しでも、心労を癒す和みになればと思っています。


 今年既に3回目の北本観察園、少しずつ緑の色が増してきているようで、春の到来を感じさせてくれています。






 張っていた氷や霜も融けた土の上で可愛らしい仕草でホオジロが餌を探しています。






 枝先に移るとちょっとすまし顔に変身。



 これは怖いお兄さんみたい






 藪の中を飛び回っているのはカシラダカ。とてもすばしっこくてなかなかカメラの視野の中に収まってくれません



 高尾の池ではいつものようにマガモとコガモ。バンやカイツブリも時折姿を現わします。



 コガモの雌、近づいても全く気付きません






 ヤマガラがやって来て梢で囀りを始めました。






 奥の方まで歩いて行った時、藪の中にキジを見つけました。こちらが気付いたことを察知したのか、なかなか藪から出てこようとしません。5分ほど待ってやっと出てきたところ何とか撮ることができました。



 ジョウビタキの雌



 今回はオスのほうがモデルを務めてくれました。






 凛としています。野に生きる命です。



 緩んだ水には早速カエルの卵が産みつけられていました、緑色の塊がそれでどうやらニホンアカガエルのようです。



 アオジ






 桜堤をぐるっと回って来ました。地面に何かの黄色い繭が落ちています。



 ポカポカと暖かい一日でした。陽当たりのよい斜面にタチツボスミレの花を発見、今年初めてのスミレです。



 一周して戻ってきたら入口の橋のいつもの場所にカワセミがいました。ちょっと痩せ細っている個体です。







 お終いにガビチョウとアリスイの写真を

 このガビチョウは入口付近で番で忙しなく囀っていたものです。カメラを持ち出したら藪の中に入り込んで出てこなくなりました。



 
 分かりにくい写真ですが、中央にいるのが同じくあわてて藪に入り込んだアリスイです。

 
 この辺で。


11 梅言葉遊び

2011-03-10 | セレクト
 深大寺植物園から始まり、小金井公園、小石川植物園、府中郷土の森公園、小田原フラワーセンター、百草園と、今年も一月下旬から一ヶ月半にわたってたくさんの梅園を訪ねた。野の花の少ないこの時期、梅の花には随分目と心を楽しませてもらっている。
  感謝の意を込めてウメコトバ遊びをしてみよう 




 まずは序曲春色セレナーデから



 一番は私よ



 身を委ねる(まだ咲かぬナノハナ畑をバックに)



 斜に構えては見たものの



 定まらぬ緋の流れ



 姑獲鳥の思い



 私はここよ



 初めての夜遊び



 五つ子を産んでしまった若いお母さん



 梅達磨



 ならばこれは梅垂水




 抑えきれない好奇心





 もやもやとした思い



 稚歳梅



 平安の宴



 春愁



  梅の古名。風待草、風見草、匂草、木花と書いてこのはな等。



 相反する思い



 風裂



 湧きあがる慕情



 発条仕掛



 幼さを悲しむ



 飴細工



 根拠なき自信が人を成長させる。



 馬、海、有無、梅、鵜も



 あからさまな慕情



 解かれたDNA



 予定された遷移



 梅花皮は何と読むのか



 頬笑み返しはキャンディーズのラストシングルだった



  縺れ髪



 締めくくりは、老婆三姉妹




 あーあ面白かった。

武蔵丘陵森林公園

2011-03-07 | 探鳥
 梅が見頃ということなので、久しぶりに森林公園に出かけてきた。

 到着したのは9時半の開園から10分ほどたった午前9時45分。園の入り口前の私設駐車場に車を止めた。こちらは一日200円、園内の駐車場は600円と高い。



 木製のとんがり頭の人形が出迎えてくれた。



 南口から梅園までは徒歩10分ぐらいで着く。



 思ったより花の数が少ない。開花後の寒気のせいで花期は長持ちしたものの、花付きはもう一つのようで、華やかさに欠け見栄えがしない。






 梅の木の下にはフクジュソウが植えられているのだが、こちらもほとんどが見頃すぎ。
 これはまだ見られた秩父錦という品種のフクジュソウ







 去年来た時もいた、人形と梅の写真を撮っているおばさんに今年も出合えたのには驚いた。



 ホオジロが鳴いている。



 マンサクとサンシュユ






 梅はあまり見るところがなかったので野草コースへ



 入口に時期の過ぎたフクジュソウとクロッカスが咲いている



 これはキクザキイチゲ



 カタクリの葉を確認したが、少しは期待したセツブンソウも枯れていて、咲き残っているのは数輪のみ。さっさと中央口から植物園方面に向かった。

 途中モミジ園の辺りにユキワリソウの露地植えを発見。













 野生のものでこんなに色形が変異しているのだからすごい



 植物園に到着。









 ここでやっといろいろな花に出会うことができた。
スノードロップ



 紅花のアセビ。



 様々な色のクリスマスローズ、いずれも蕊がきれいだ。






 イカリソウ



 植物園のイベントとしてユキワリソウ展が開かれていた。訪ねた日が6日でちょうど最終日だった。






















 よくもこんなに一つの花が千変万化して咲くものだと、ほとほと感心すること頻りだった。


 帰りは彫刻園の方に回った。

 背の低い原種シクラメン






 白花のクリスマスローズ



 中央口付近の山田大沼にはカワウのコロニーがあり、親鳥が巣に餌を運びこむのに忙しない。周囲は白い糞ですっかり景色が変わってしまっている。




 今回は花だけでなく野鳥との出会いも期待して行ったのだが、生憎期待外れだった。見られたのはエナガとシジュウカラとモズとホオジロのみ。それも数は異常に少ない。囀りも聞こえなかったので絶対数が少ないのか。夥しいほど生息しているカワウが他の野鳥の少なさに影響しているのだろうか、一体どうなっているのだろう。

野川マヒワの群れ

2011-03-05 | 探鳥
 立春がとうに過ぎ、節季は雨水から啓蟄に移り変わった。が霜が下りたち、吹き過ぐ風は一向にゆるむ気配を見せない。
 とはいうものの春の歩みは確かに近づいて来てはいるようだ。


 野川公園の土手の柳は枝先を緑に染め始めている。



 コゲラの枝をたたく音も何時にもまして忙しなく高く聞こえる。



 その下の枯れ葉をシメが熱心にほじくり返している。少し近づいたら愛嬌のある表情でこちらに目線をくれた。



 観察園の池も2週間ほど前に来た時は張っていた氷がすっかり溶け、水底にはカエルの卵塊がひっそりと息づいている。



 コサギが足先を小刻みに震わせながら池の中をうろついている。



 二週間前には2、3輪ほどしか見られなかったウグイスカグラも今ではたくさんの花を咲かせている。



 フキノトウやシュンランも枯れ葉の中から顔を出し始めた。彼らはどのように春の到来を地中から感じ取っているのだろうか。






 例年芽を出す場所でフデリンドウを探していたら、嬉しいことに何とか見つけることができた。






 昼を過ぎて暖かくなった河原をゆっくりと散策する。



 たくさんの鳥が芝生の上で群れている。初めはスズメかカワラヒワの群れと思ったのだが、双眼鏡でのぞいて見るとマヒワのようだ。それもかなり大群だ。






 慎重に驚かさない様に近づく。






 暫く眺めていたらすぐ近くを通り過ぎた自転車に驚いて飛びあがった。



 それでも逃げ去ったわけではなく、傍らの高い枝先に群れをなして止まっている。















 頃は良しと再び下りてきて餌探し。



 




 今度は犬を連れた通行人に驚いて飛び立った。









 春の午後の緩い日差しを浴びながら、黄色い羽を煌めかせてマヒワの大群が何度も地上と梢を行き来する様を、時の過ぎるのを忘れて眺めていた。