去年に引き続き、しかもほぼ同じ時期に山梨の日向山に登ってきた。前回と違う所は単独行でなく連れ合いと一緒ということと、そしてコースを逆にして登ったこと位。
朝早く出たので登山口の矢立石に着いたのは8時を回ったばかり。休日だったので登山口付近はもうすでに十数台の車が止められている。
地名の由来となっている矢立石の脇を登っていく
原生林の中の登山は夏の強い日差しが入らず快適だ。標高は少し登ったところで1200mぐらいか。
キバナアキギリ、ヤマジノホトトギスといった低山の秋を代表する花が目立つ。
これはなかなか出合えない、センジュガンピだ。ナデシコ科に属し、薄暗い深山の林下に生える多年草。花弁の先が裂開しているのを千手観音の手に見立てたようだ。
一時間余りの緩やかな登りで頂上に到着
前方にある急激な落ち込み
その先には八ヶ岳連峰が望める
風化した石灰岩の織りなす奇景、去年と違って空は見事に晴れ上がっているのが嬉しい。
こんな砂漠のような過酷の環境だが、結構花の種類は多い。
コゴメグサの群生
ハナイカリ
ホタルブクロ
トモエシオガマ
これは枯れかかっているのが惜しい、ミヤマモジズリのようだ。
タカネナデシコはナデシコと比べて背が低い
何といっても嬉しいのは南アルプス特産のタカネビランジが見られることだ。
デッドツリーが僅かに風化を止めている。
風化した白砂は深い谷底へと落ちていく
奇岩の中には人のように見えるものもある。
日影に座り込んで、暫く言葉を忘れて、空の青と白砂と山の緑のコントラストに見入った。
殆どの人が来たコースをピストンで帰るようだが、我々は錦滝へと降りるコースにした。下りはやや難コースだが、車の通らない林道歩きも楽しめる。
オヤマボクチは淡黄色のアザミ
カシワバハグマはキク科でコウヤボウキの仲間
アキノキリンソウ
一時間の下りでやっと錦滝のある東屋に着いた。
タマアジサイが咲き残っている。
崖にはたくさんのタカネビランジの群生があるのだが、高くて近づくことができないのが残念。
トラガに似ている
フシグロセンノウ
林道のゲートが近づいてきた。もうすぐ矢立石の登山口だ。
登山口に戻ってきたのは、12時40分ごろ。休憩も含めて3時間半の山歩きだった。昼食を車でとってから、すぐ近くの日帰り温泉”尾白の湯 ”に寄ろうとしたのだが、駐車場にすら入れない満員状態なので諦めることにした。それでも汗を流したいと連れ合いが言うので、甲州街道を少し行った先の”武川の湯”に変えた。ここは地元民300円、その他は700円と地元優先の日帰り湯なので観光客はほとんどおらず、のんびりと湯につかることができた。とりわけ露天の冷鉱泉が登山でほてった体を冷やしてくれた。帰りは混んでいる高速を避け、大菩薩ライン経由で4時間かけて帰った。