先週 、ひな祭り期間中の岩槻を歩いてきた。人形の町と言われるぐらい人形店の多い岩槻、そこのひな祭りだから今まで行った千葉勝浦や鴻巣などのひな祭りよりもっと見ごたえがあるだろうと期待していったのだが……。
駅のすぐ近くにあった人形店のはめ絵
岩槻は江戸初期以来日光御成街道の宿場町として栄えた町で現在はさいたま市の岩槻区になっている。
街を歩くと味のある面白い建物が多かったので、いつの間にかひな祭りはどうでもよくなってきた。
高速道路利用センターと埼玉協同住宅と寿し割烹店の3つがコンパクトな建物にまとまって同居していて、「この店でいいとは思いませんが、努力してますわたしたち」というコメント、何と控えめなんだろう、
「ユアーズショップ岩槻」超狭いワンルームアパートのような店構え、タイガーバーとコーン、普通は裏に置かれる室外機が玄関先に置かれている。
堂々としたファミリー’酒蔵界’。建物が傾いているのではない、坂に沿っているのでそう見えるだけ。二階のラーメンの丼模様のフェンスもイカしてた。
どういうわけか、一つの建物に二軒の店という作りが多かった。今では後ろの建物ともども廃屋になりつつあるようだ。
暫く歩いていたら人形歴史館の前までやって来た。普段は入館料300円のところ、ひな祭り期間中は100円になるといいうので入ってみた。
どういう経緯で送ることになったのか。男雛が日本の国旗を持ち、雌雛がアメリカの国旗を持っているのは日米友好ということだろうが……。
首だけだとちょっと怖い、なお右にあるのは心霊写真ではありません。
奥の部屋には大きな雛壇があり、思わず圧倒された。
それにしてもこの街には人形店が多い。
加盟店だけで22店あるのだとか
祭りの間は民家の古いお雛様も随所に展示されている。私はあいにく月曜日に歩いたので、閉まっているところが多く残念だった。
ひな祭りはさておいて、再び興味のひかれた建物を求めてぶらついた。
大衆割烹「便利屋」、この意表を突くコラボ的なネーミングセンスには思わず脱帽した。
シンプルな外観と「お口の恋人」のコピーに思わずパチリ!商いはお菓子だけではありません、文房具も売っていますよ、それとも売ってましたよか。
岩槻郷土資料館。石造りの建物なのだが、妙に平面的に見える変な建物。
建物にも味があったが、その前を通るおばあさんが。赤い服に紺の頭巾、青いズボンとまるで赤ずきんちゃんに出てくるおばあさんのようで何とも良かった。
そのおばあさんがやって来たのは「八百屋安兵衛」というお店。
かべ将とは壁屋さん?屋根の瓦の鍾馗さんは今まで見たことがなかった。
老舗のお菓子屋さん、ここの屋根にも鬼を足蹴にした鍾馗さんがいる
一見普通の民家に見える屋根にも乗っかっている
この家は二階の窓が目のように見える「顔建物」で、壁の色がシックで優しいまなざしに見られているような感じを受けた。
中央の建物はとてもらしくない自転車屋さん
横丁に入るとそれはまた楽しそうだったが、今回はちょっと眺めただけ
岩槻名店街の入り口には二つの立てカンがあった。
右側の看板には「建物老朽化に付き、通行禁止とします」とあり、左側の看板には「右側の看板は管理会社がテナントを追い出すために勝手に建てたもので、危険性は全くありません、安心してご来店ください」とあった。
ここも老舗のお菓子屋さん。右側の「高橋犬猫病院」の浮彫看板もナイス。
因みに時の鐘はこちら、はいり口を見過ごして一回りしてしまった
この街では、懐かしいトタン塀もまだまだ現役であちらこちらで見かけた。
種屋さんと学習塾、どちらも未来志向ということで……
今や存在自体が珍しい剥製屋さん
両側に床屋さんの例の飾りがあるということは……。それにしても二階の囲いがザンシンだ!
少しは観光巡りも。岩槻城址公園の一角にあった 人形塚
これはコピーにひかれた。曰く「あなたの町のお直しショップ」。直すのは何だろう。右端は「機械と工具 ナショナルマシン」と気宇壮大な看板。
民家の一室には「カラオケステージ 団塊」、連夜の酒盛りとほとばしる汗と大音量の熱唱の光景が目に浮かんでくるようだ。
落ち着いたたたずまいの古民家、これは文句なしにいい雰囲気の建物だ。
ガンダムの顔のような建物は服屋さんのようだ。屋号の「足袋一」も粋な名前だ。
シメはこれで。
それにしても久々の町めぐり、あーあ楽しかった。