前回のギフチョウの時もそうだったが、今回も地名やそれを類推させる言葉は載せないでおこうと思う。それは場が荒れることを防ぎたいからに他ならない。私が初めて来たときにはほとんど登山者に出会うことはなかった。がその後、ネットで多くの人が紹介し、道には手製の道標や赤テープが張られ、多くの人が押し寄せるようになった。今回はザックを持たない軽装の二人連れや、ラジオを鳴らし犬を連れてくるおじさんまで見かけるようになってしまった。このままで行くとあと2,3年のうちにイワウチワもヒカゲツツジも踏みつぶされて消え失せてしまうに違いない。
奥多摩の川岸は今が新緑の盛り。水面の煌めきが心を浮き立たせてくれる。
キイチゴも咲きだした。
薄暗い小沢ではヤマネコノメやハナネコノメもとうに咲いている
時折原色のミツバツツジが飛び込んできて目を楽しませてくれる
登り始めて1時間足らずでヒカゲツツジの咲く崖にやってきた
春の訪れが早かったせいか、まだ4月初旬なのに旬には間に合わなかったようだ。残念ながら花弁が枯れ落ちてしまっている木が多い。
それでもヒカゲツツジの下では崖に寄り添うようにイワウチワが群落を作っている。
急な斜面にはイワウチワの大群生
フリルのついた花弁が何とも可愛らしい
花弁の色は白からピンクまで
まだ蕾もみられる
今年は一気に春が来たからか、同時に咲いている花の種類も多かった。
タチツボスミレ
切れ込みのある葉が特徴のエイザンスミレ
ピンクの強い株
花の香りに誘われて小さな虫もやってきている
ナガバノスミレサイシン
スミレのプリンセスと呼ばれることもあるヒナスミレ
これはフモトスミレか
沢沿いにはヒカゲスミレも咲いている
紫がかった葉の色で識別が容易なスミレだ、もっともこのスミレも高尾山で見かけるとタカオスミレとなって、私にはその区別がつかないのだが……。
少し登った斜面には わずかだがカタクリも見られた。
山登りの帰りは林道歩きが長かった。車の通らない林道(途中でがけ崩れのため通行禁止になっている)なので、気持ちよく歩ける。道沿いに見かけた花は
センボンヤリ
ヤマエンゴサク
クサノオウ
セントウソウ
咲き始めたばかりのニリンソウ
そしてキブシの花
小一時間かけて集落を抜け、多摩川まで戻ってきた、川岸の桜がため息が漏れるぐらいきれいだった。
あーあ今日も楽しませてもらった、この辺で。