【カイロ秋山信一】チュニジア内務省は18日、首都チュニスの国会議事堂に隣接する国立バルドー博物館が武装集団に襲撃され、外国人7人を含む観光客8 人が殺害されたと明らかにした。国営メディアが報じた。死者の大半は欧州出身者との情報がある。武装集団は2~3人とみられ、さらに10人以上の観光客を 人質にとって博物館に立てこもった。議事堂に向けても発砲し、治安部隊と銃撃戦になっている。
内務省や地元メディアによると、武装集団は18日午前11時(日本時間午後7時)ごろ、博物館を襲撃し、3時間半以上も博物館に立てこもっている。自動 小銃を所持し、軍服で変装して、博物館に侵入。1人が治安部隊に拘束されたとの情報もある。襲撃当初、博物館内には100人以上の来場客や職員がいたが、 大半は屋外に避難した。残った人質の数や国籍は明らかではない。在チュニジア日本大使館によると、日本人が巻き込まれたとの情報はないが、引き続き確認を 急いでいる。
国会議事堂やバルドー博物館は、チュニス中心街から約4キロ西にある。同博物館は古代ローマ時代のモザイクのコレクションで知られ、外国人観光客に人気の観光地。
チュニジアでは2011年の民主化要求運動「アラブの春」でベンアリ独裁政権が崩壊した後、南西部の山岳地帯や南東部のリビア国境などでイスラム過激派 の活動が激化しているが、首都の治安は比較的安定している。ただ昨年10~12月の議会選と大統領選で、政教分離主義の世俗派が勝利したことにイスラム過 激派は反発を強めていた。
チュニジアは「アラブの春」の先駆けとなり、イスラム過激派組織「イスラム国」(IS=Islamic State)の台頭など混乱が続く中東で、民主化のモデルとしての役割が期待されている。
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