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通好みの「中盤力」でフランスが勝利。それでも不安が漂うのはなぜか

2018-07-11 20:01:18 | サッカーロシアW杯
7/11(水) 13:32配信
通好みの「中盤力」でフランスが勝利。それでも不安が漂うのはなぜか
サミュエル・ウムティティのゴールを守り抜いて決勝進出を決めたフランス photo by Sano Miki
 ロシアW杯準決勝第1戦は、フランスがセットプレー(コーナーキック)で得た1点を守り抜き、ベルギーに辛勝した。
 少なくとも完勝ではなかった。フランスとベルギー。両国の立ち位置はそれぞれ、優勝候補とそれを追う第2グループということになる。強者はフランスでベルギーはチャレンジャー。しかし、その差はわずかだ。サッカーの特性に照らせば、差はあってないようなものだ。
 ベルギーの布陣を見てそう思った。4-2-3-1。マイボール時には右サイドバックのナセル・シャドリが高い位置に張るように構え、3-2-4-1気味になる、3バックと4バックの可変式だ。前戦のブラジル戦で見せた布陣とは少し異なるものの、チャレンジャー精神を感じさせる攻撃的な布陣である。
 ブラジルはその波に飲みこまれた。フランスも危ないのではないか、という読みは的中した。フランスは立ち上がりから一方的に攻め込まれた。開始11分まで、ベルギーゴールに攻め込むことさえできなかった。フランスは明らかに面食らっていた。ベルギーの全容を掴みかねている様子だった。
 とりわけフランスが手を焼くことになったのはエデン・アザールだ。左サイドにウイング然と張って構える彼に、そこでポイントを築かれ、さらにドリブルで内へ切り込まれて、慌てた。16分、19分には、決定的なシュートを浴びる。もしこれが決まっていたら、結果は違ったモノになっていたに違いない。
 相手にサイドに起点を作られると、ボール支配率はおのずと低下する。フランスは、ベルギーにゲームを掌握された。絶対負けられない戦い。勝って当然の立場に置かれていたのはフランスで、精神的に受けに回っていた可能性も高い。
 ところが、ベルギーペースで推移した流れが、徐々に傾いていく。フランスは、前半30分を過ぎた頃からペースを回復。その間、ベルギーに訪れたビッグチャンスが1回だったのに対し、フランスは5回を数えた。カウンターしかできなかった当初とは異なり、ゲームを支配することができるようになった。
 流れを変えた原因は何かといえば、それはフランスの中盤にある。ボール・ポグバのプレーにはあいかわらず冴えを感じなかったが、目を見張ったのは他の2人だ。エンゴロ・カンテとブレーズ・マテュイディ。
 勤勉でシャープ。俊敏で頭脳的。彼らの洗練されたプレーが随所に光るようになったのだ。パスカットや小気味のいいショートパスを決め、チームにリズムをもたらした。
 前戦ウルグアイ戦は、マテュイディが累積警告で出場停止。代役として、コランタン・トリッソが出場していたが、両者の差は歴然としていた。カンテとともにフランスの屋台骨を支える重要な選手であることを、欠場してあらためて気づかされることになった。
 この日、比較対象に求めたくなったのはベルギーの中盤だ。ムサ・デンベレとマルアン・フェライニ。マテュイディとカンテのプレーは、このベルギーの大型選手たちに勝っていた。気の利いたプレーができていた。”山椒は小粒でもピリリと辛い”と表現したくなる、通好みの味だ。