画像や表現に不自然な点があるなどと指摘されている新たな万能細胞「STAP細胞」の論文について、共著者の一人、若山照彦・山梨大教授は3月10日、「信用できなくなった」と語り、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市中央区)の小保方晴子・研究ユニットリーダーら他の著者に論文を撤回するよう呼び掛けたことを明らかにした。
「STAP細胞」とは
体を構成するさまざまな細胞になる能力を持つとされる「万能細胞」の一種。
理化学研究所の小保方晴子氏らが作製に成功したとして、今年1月に英科学誌ネイチャーに発表した。
マウスのリンパ球を弱酸性の溶液に浸し、培養して作製したという。
同様の万能細胞で、遺伝子を入れて作る人工多能性幹細胞(iPS細胞)より作製手法が簡単だとして、世界的に注目を集めた。
その後、論文の画像が他の実験の画像と似ているなど、不自然な点が見つかったほか、引用を明記せずに別の論文を引き写したような記述があるとの指摘があり、理研が調査している。
論文に対して、2月以降、画像に不自然な線が入っていることや、別の論文から無断で文章を引用している疑いがあることなどがインターネットなどで指摘され、理研とネイチャー誌が調査。
さらに論文を独自に確認しようとした研究者らからSTAP細胞を作製できないとの声が上がり、小保方氏らは3月5日、STAP細胞の詳細な作製法を公開していた。
世界的な注目を集めたSTAP細胞研究は、重要な役割を果たした共著者が論文撤回を求める異例の事態となった。
若山氏らは保有している細胞を第三者研究機関に提供し、詳細な分析を依頼することも明らかにした。
理研は「現時点で、論文の根幹は揺るがないと考えているが、引き続き調査する。論文の取り下げには共著者全員の同意が必要で、今後の対応を検討中」としている。
もしこの論文を取り下げるとしたら、研究者の面目丸つぶれであるが、今しばらく対応を見守りたい。
「STAP細胞」とは
体を構成するさまざまな細胞になる能力を持つとされる「万能細胞」の一種。
理化学研究所の小保方晴子氏らが作製に成功したとして、今年1月に英科学誌ネイチャーに発表した。
マウスのリンパ球を弱酸性の溶液に浸し、培養して作製したという。
同様の万能細胞で、遺伝子を入れて作る人工多能性幹細胞(iPS細胞)より作製手法が簡単だとして、世界的に注目を集めた。
その後、論文の画像が他の実験の画像と似ているなど、不自然な点が見つかったほか、引用を明記せずに別の論文を引き写したような記述があるとの指摘があり、理研が調査している。
論文に対して、2月以降、画像に不自然な線が入っていることや、別の論文から無断で文章を引用している疑いがあることなどがインターネットなどで指摘され、理研とネイチャー誌が調査。
さらに論文を独自に確認しようとした研究者らからSTAP細胞を作製できないとの声が上がり、小保方氏らは3月5日、STAP細胞の詳細な作製法を公開していた。
世界的な注目を集めたSTAP細胞研究は、重要な役割を果たした共著者が論文撤回を求める異例の事態となった。
若山氏らは保有している細胞を第三者研究機関に提供し、詳細な分析を依頼することも明らかにした。
理研は「現時点で、論文の根幹は揺るがないと考えているが、引き続き調査する。論文の取り下げには共著者全員の同意が必要で、今後の対応を検討中」としている。
もしこの論文を取り下げるとしたら、研究者の面目丸つぶれであるが、今しばらく対応を見守りたい。