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【ITmedia NEWS】 10月29日15:17分、""少量の血液でがん発見するシステム開発へ ディープラーニング活用、DeNAがPFNと共同研究""

2018-10-29 23:05:00 | 最先端技術 ; (金融)工学、 医療、新技術/新サービス、新製品 :ロボット…

(図内のExRNAは体液中のRNA(ここでは主にマイクロRNA)のこと。これを計測してがんの判定を行う)




① ""少量の血液でがん発見するシステム開発へ ディープラーニング活用、DeNAがPFNと共同研究""

2018年10月29日 15時17分 公開

ディー・エヌ・エー(DeNA)とPreferred Networks(PFN)が共同設立したPFDeNAは10月29日、少量の血液からがんの有無を判定するシステムの開発を目指して研究を始めると発表した。ディープラーニング(深層学習)によって胃がんや肺がん、乳がんなど14種のがんを判定する仕組みを作り、2021年の事業化を目指す。

 近年の研究で、がんになると体液に含まれる「マイクロRNA」という物質の種類や量が変動することや、罹患した臓器によってマイクロRNAの発現に違いがあることなどが分かっている。開発するシステムでは、採取が容易な血液からマイクロRNAを計測。計測結果と臨床情報を使ってディープラーニングを行い、14種類のがんの有無を高精度で判定できるようにする。

少量の血液採取でがんを発見できるようにし、患者の負担が少ないがん検診の普及や早期発見につなげる狙い。研究に使う血液や臨床情報は、国立がん研究センターが提供者の合意のもと研究用に収集したものを、個人が特定されない形で使用する。医薬品医療機器総合機構の承認を得た上で、2021年を目標に事業化する計画だ。

 PFDeNAは、DeNAとPFNが2016年に共同設立したベンチャー企業。国立がん研究センターとともに、がんの診断精度を高めるシステム開発に取り組んでいる。

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【msn/GIZMODO】 10月29日11:30分、""AIの出力した肖像画が約4800万円で売れる。まさかのアンディ・ウォーホル超え""

2018-10-29 22:47:18 | 📲 インターネット、サイバー犯罪、SNS、量子パソコン、アプリ・プログラム

(Obviousの共同創業者Pierre Fautrel氏と「Edmond de Belamy, from La Famille de Belamy」
提供:Timothy A. Clary/Getty Images )




① ""AIの出力した肖像画が約4800万円で売れる。まさかのアンディ・ウォーホル超え""

中川真知子 2018/10/29 11:30

米国時間10月25日に行われたオークションで、人工知能(AI)によって描かれた絵画が50万ドル近い値で落札された。

 The New York Times(NYT)によると、この絵画は「Edmond de Belamy, from La Famille de Belamy」というタイトルで、ニューヨークのChristie'sで手数料を含め43万2500ドル(約4900万円)で落札されたという。Christie'sはオークションでの落札予想価格を7000~1万ドル(約79万~112万円)としていた。落札者は電話で入札しており、匿名のままだという。

でも、アルゴリズムの製作者は憤慨。
AIプログラムが出力した絵が、ニューヨークで開催された、競売会社クリスティーズのプリント・アンド・マルチプルアートオークションで43万2500ドル(約4800万円)で落札されました。

もともと、7,000ドルから1万ドル(約80万から110万円程度)で取引されるだろうと予想されていたので、この結果には驚くしかありません。

BBCによると、「エドモンド・ベラミーの肖像(Edmond De Belamy)」と呼ばれるこの絵画は、パリのアートコレクティブ「Obvious」が開発したアルゴリズム「Generative Adversarial Networks」テクノロジーを使って描かれた肖像画で、14〜20世紀の間に描かれた1万5000の肖像画データを学習させて出力させたものです。

ニューヨークタイムズ紙によると、「エドモンド・ベラミーの肖像(Edmond De Belamy)」の近くにはアンディ・ウォーホルとロイ・リヒテンシュタインの作品が吊り下げられ、それぞれに約840万円、約1000万円の価格がつきました。AIアートは、7分間のオークションで、有名アーティストふたりによる作品の取引額を足した額よりも高い値がつけられたことになります。

AI肖像画を製作した「Generative Adversarial Networks」テクノロジーには何人かのアーティストが関わっていますが、そのアーティストのひとりであるロビー・バラットさんは、Obviousが自身が書いたコードを公にリリースしたと納得いかない旨をツイートしています。

※ Generative Adversarial Networks (通称GAN);wikipedia

🌸 敵対的生成ネットワーク

敵対的生成ネットワーク (てきたいてきせいせいネットワーク、英: Generative adversarial networks、略称: GANs)は、2014年にイアン・グッドフェローらによって発表された教師なし機械学習で使用される人工知能アルゴリズムの一種であり、ゼロサムゲームフレームワークで互いに競合する2つのニューラルネットワークのシステムによって実装される[1]。

 🌸 概要[編集]

GANsは生成ネットワーク(generator)と識別ネットワーク(discriminator)の2つのネットワークから構成される。例として画像生成を目的とするなら生成側がイメージを出力し、識別側がその正否を判定する。生成側は識別側を欺こうと学習し、識別側はより正確に識別しようと学習する。このように2つのネットワークが相反した目的のもとに学習する様が敵対的と呼称される所以である。

 ※ このGANについては、日経ソフトウエアの11月号の特集1に「人工知能で画像生成」
   で概要の説明があります。

【気象庁】 10月29日21:45分、""台風第26号 (イートゥー)の実況と進路予報""

2018-10-29 22:21:25 | 日本;自然災害、台風 熱帯低気圧、実況と予報、被害状況…

(全体図)




(地域図)




(拡大図1)




(拡大図2)




(拡大図3)




① ""台風第26号 (イートゥー)の実況と進路予報""

    平成30年10月29日21時45分 発表

★ <29日21時の実況>
大きさ -
強さ 非常に強い
存在地域 フィリピンの東
中心位置 北緯 16度50分(16.8度)
東経 124度10分(124.2度)
進行方向、速さ 西 15km/h(9kt)
中心気圧 950hPa
中心付近の最大風速 45m/s(85kt)
最大瞬間風速 60m/s(120kt)
25m/s以上の暴風域 全域 130km(70NM)
15m/s以上の強風域 北西側 440km(240NM)
南東側 330km(180NM)

★ <30日09時の予報>
強さ 強い
存在地域 ルソン島
予報円の中心 北緯 16度35分(16.6度)
東経 121度30分(121.5度)
進行方向、速さ 西 25km/h(13kt)
中心気圧 965hPa
中心付近の最大風速 40m/s(75kt)
最大瞬間風速 55m/s(105kt)
予報円の半径 70km(40NM)
暴風警戒域 全域 190km(100NM)

★ <30日21時の予報>
強さ -
存在地域 南シナ海
予報円の中心 北緯 16度35分(16.6度)
東経 119度25分(119.4度)
進行方向、速さ 西 20km/h(10kt)
中心気圧 985hPa
中心付近の最大風速 30m/s(55kt)
最大瞬間風速 40m/s(80kt)
予報円の半径 90km(50NM)
暴風警戒域 全域 190km(100NM)

★ <31日21時の予報>
強さ -
存在地域 南シナ海
予報円の中心 北緯 18度00分(18.0度)
東経 117度00分(117.0度)
進行方向、速さ 西北西 15km/h(7kt)
中心気圧 985hPa
中心付近の最大風速 30m/s(55kt)
最大瞬間風速 40m/s(80kt)
予報円の半径 180km(95NM)
暴風警戒域 全域 280km(150NM)

★ <01日21時の予報>
強さ -
存在地域 南シナ海
予報円の中心 北緯 19度55分(19.9度)
東経 116度10分(116.2度)
進行方向、速さ 北北西 ゆっくり
中心気圧 985hPa
中心付近の最大風速 30m/s(55kt)
最大瞬間風速 40m/s(80kt)
予報円の半径 240km(130NM)
暴風警戒域 全域 330km(180NM)





【気象庁】 10月29日21:25分、茨城県沖で最大震度2!!

2018-10-29 21:58:11 | ☀防災・自然災害/環境対策; 地震.津波.警報、気象・天気、…

(全体図)




(地域図)




(拡大図・茨城)




(拡大図・福島)




(拡大図・千葉)




 ① ""各地の震度に関する情報""

平成30年10月29日21時29分 気象庁発表

29日21時25分ころ、地震がありました。
震源地は、茨城県沖(北緯36.4度、東経141.0度)で、震源の深さは約50km、地震の規模(マグニチュード)は4.1と推定されます。
この地震による津波の心配はありません。

この地震により観測された最大震度は2です。

[震度1以上が観測された地点]
*印は気象庁以外の震度観測点についての情報です。


茨城県  震度2  水戸市金町 水戸市千波町* 水戸市内原町*
          日立市助川小学校* 日立市役所* 土浦市常名
          常陸太田市町屋町 常陸太田市高柿町*
          高萩市安良川* 高萩市本町* 笠間市石井*
          ひたちなか市南神敷台* ひたちなか市東石川*
          常陸大宮市北町* 常陸大宮市山方*
          常陸大宮市上小瀬* 常陸大宮市野口*
          鉾田市汲上* 茨城町小堤* 城里町小勝*
          東海村東海* 大子町池田*
     震度1  日立市十王町友部* 土浦市田中* 土浦市藤沢*
          石岡市柿岡 石岡市八郷* 結城市結城*
          龍ケ崎市役所* 下妻市本城町*
          常総市水海道諏訪町* 常陸太田市町田町*
          常陸太田市金井町* 北茨城市磯原町*
          北茨城市中郷町* 笠間市中央* 笠間市下郷*
          笠間市笠間* 取手市寺田* 牛久市中央*
          つくば市天王台* つくば市研究学園*
          つくば市小茎* ひたちなか市山ノ上町
          茨城鹿嶋市鉢形 茨城鹿嶋市宮中* 潮来市堀之内
          常陸大宮市中富町 常陸大宮市高部* 那珂市福田*
          那珂市瓜連* 筑西市門井* 坂東市山*
          坂東市役所* 稲敷市江戸崎甲* 稲敷市伊佐津*
          稲敷市須賀津* かすみがうら市上土田*
          かすみがうら市大和田* 桜川市岩瀬*
          桜川市真壁* 桜川市羽田* 行方市山田*
          行方市麻生* 鉾田市鉾田 鉾田市造谷*
          小美玉市小川* 小美玉市堅倉* 小美玉市上玉里*
          大洗町磯浜町* 城里町石塚* 城里町阿波山*
          美浦村受領* 阿見町中央*


栃木県  震度2  真岡市石島* 茂木町茂木*
     震度1  宇都宮市明保野町 宇都宮市中里町*
          佐野市高砂町* 日光市鬼怒川温泉大原*
          真岡市田町* 真岡市荒町* 大田原市湯津上*
          那須烏山市中央 那須烏山市大金* 下野市田中*
          下野市笹原* 下野市大松山* 益子町益子
          茂木町北高岡天矢場* 市貝町市塙*
          芳賀町祖母井* 栃木那珂川町小川*
          栃木那珂川町馬頭*


福島県  震度1  郡山市湖南町* 白河市郭内 白河市新白河*
          白河市東* 白河市大信* 大玉村南小屋
          天栄村下松本* 泉崎村泉崎* 棚倉町棚倉中居野
          矢祭町戸塚* 玉川村小高* 浅川町浅川*


群馬県  震度1  沼田市利根町* 渋川市赤城町*


千葉県  震度1  千葉中央区都町* 野田市鶴奉* 成田市名古屋
          習志野市鷺沼* 柏市旭町 柏市柏*
          八千代市大和田新田* 鎌ケ谷市新鎌ケ谷*
          白井市復* 香取市佐原平田 香取市役所*
          香取市仁良* 芝山町小池*

【msn/ITmediaビジネスonline】 10月29日10:30分、""『ジャンプ』伝説の編集長は『ドラゴンボール』をいかにして生み出したのか ""

2018-10-29 21:11:13 | アニメ・漫画・ゲーム➡日本の文化を社会を変える!そして世界も…

(1)




① ""『ジャンプ』伝説の編集長は『ドラゴンボール』をいかにして生み出したのか ""

2018/10/29 10:30

『ドラゴンボール』『Dr.スランプ アラレちゃん』――。漫画家・鳥山明さんの名作は今や国内にとどまらず海外の市場を席巻している。その鳥山さんを見いだしたのが2018年に創刊50周年を迎える『週刊少年ジャンプ』の元編集長・鳥嶋和彦さんだ。鳥嶋さんは「Dr.マシリト」というキャラクターで『Dr.スランプ』にも登場している。
 第1回の「前編」では、漫画を読んだことがなく、『ジャンプ』が嫌いだった新入社員時代、鳥嶋さんがいかにして読者アンケートで1位を取ったのか、その方法論を聞いた(関連記事を参照)。今回は後に次々と名作を生み出すことになる鳥山明さんをどのように発掘し、『Dr.スランプ アラレちゃん』『ドラゴンボール』をいかにしてヒットさせたのか、その舞台裏に迫る。


――鳥山明さんとはどのように出会われたのですか。
 たくさんの作家からなぜ彼を選んだのかということですね。当時、編集者が作家、つまり新しい才能と出会うには3つの方法がありました。1つは漫画家のアシスタントの中から探す方法。2つ目は原稿の持ち込みですね。完成した原稿を持って、出版社をとにかく回っている作家もいました。『ジョジョの奇妙な冒険』の作者・荒木飛呂彦さんもこのタイプでしたね。そして3つ目が鳥山さんを見つけた「漫画家からの投稿」です。
 鳥山さんは朝早く起きることができない人でした。それで会社も辞めてしまっていたのです。それでも彼は絵を描くことしかできなかったから、イラストレーターになるか漫画家になるかどっちかしかないと思っていました。東京にいれば、まだいろんな選択肢があったのかもしれないのですが、当時鳥山さんは名古屋にいたので、どうすればイラストレーターになれるのかも分からなかったのです。
 しかし、喫茶店で偶然手に取った『週刊少年マガジン』を読んでいたら新人賞の作品募集の記事を見つけ、漫画を描き始めました。彼は最初ギャグ漫画を志したのです。その理由はストーリー漫画とギャグ漫画は賞金が一緒なのに、ページ数が半分だったから。ギャグ漫画は15ページ、ストーリー漫画は31ページで、ギャグ漫画の方が楽だと思ったのです(笑)。

――あの鳥山さんが最初ギャグ漫画を描いたという事実は驚きですね。
 はい。ただ原稿は仕上げたのですが、マガジンは半年に1回しか募集がなかったのでタイミングが合いませんでした。一方、当時の『ジャンプ』は新人賞を毎月募集していたので、その応募してきた原稿を、僕が読んだのです。
――どういう印象を持たれましたか?
 原稿がきれいだなと思いましたね。当然面白いとも思ったのですが、賞は出せない原稿だったのです。内容が『スター・ウォーズ』のパロディーだったので、規定で賞の対象になりませんでした(笑)。だから選外だったのです。
――その後どのように関係を作られたんですか。
 すぐに電報を打って「才能があるから僕と一緒にやろう。すぐに絵コンテを作って送ってほしい」と頼みました。その絵コンテを、当時の編集長がすぐに気に入ってくれたので、新人用のコーナーに載せたのです。読み切りの『ワンダー・アイランド』という作品でした。満を持して発表したのですが、これがね……。読者アンケートでぶっちぎりのビリになってしまいました(笑)。




●鳥山さんとの「賭け」から生まれたアラレちゃん
――いつも最初はマイナスからのスタートですね。
 最初からうまくいくなんてことはまずないですよ。不思議島(ワンダー・アイランド)をさまよう元特攻隊の老兵士が何とか空を飛んで日本に帰ろうと試みる話ですが、今思えばウケるわけがないですよね(笑)。そしてそこから、約1年半をかけて鳥山さんとやりとりをして『Dr.スランプ』が生まれるわけです。
 この1年半は僕も鳥山さんも新人だったので、どうすれば面白い漫画を作れるのかを、徹底的に打ち合わせて試行錯誤しました。後に鳥山さんは『Dr.スランプ』の連載をすることになって家を引っ越すことになります。荷物を整理していると押し入れから僕にボツにされた原稿が出てきて、数えてみると500枚もあったそうです。プロの漫画家を作り上げるには、それだけの時間も労力もかかるのです。
 もともと『Dr.スランプ』では、鳥山さんは自称天才科学者の則巻千兵衛を主役と考えていて、キャラクターも気に入っていました。だから少女アンドロイドの則巻アラレは1話しか出てこない予定だったのです。でも、僕はアラレを主人公にした方が良いと思ったので、鳥山さんとある「賭け」をしたんです。女の子を主人公にした漫画(『ギャル刑事トマト』)を描いて、読者アンケートが3位以内だったらそのまま続ける。もし4位以下だったら鳥山さんの言う通り「アラレを1話だけで消していい」と言いました。そして結果は3位だったのです。
 僕が賭けに勝ってアラレが主人公になりましたが、鳥山さんも頑固だから則巻千兵衛を表す『Dr.スランプ』というタイトルだけは変えなかった。テレビアニメでは『Dr.スランプ アラレちゃん』というタイトルになりましたが。




●人の話を素直に聞ける作家は伸びる
――鳥嶋さんは以前メディアのインタビューの中で、作家は「原稿が早い作家」と「原稿が遅い作家」の2種類に分けられると述べられていました。両者にはどのような違いがあるのですか。
 原稿が遅い作家は周りの人も含めて全てを不幸にするんですよね。作家は追い詰められるし、関わる編集者はデートもできないし、家族サービスもできなくなる。印刷所も待たなきゃいけなくなるのです。早く到着した原稿との入れ替えで、副編集長が決めた漫画の台割(編集部注:だいわり。雑誌の制作で、どのページにどんな内容を入れるかを示した設計図)も変更せざるを得なくなります。
 原稿が早いか遅いかを決めるのは結局「諦められるかどうか」なのです。週刊誌なら面白くても1週間ですし、つまらなくても1週間です。だから「どこで決断するか」が重要なんですね。作家が絵コンテをどれだけ早く描けるか。面白くしようと粘ると、1週間という期間をはみ出してしまうのです。
 でも、読者はその週の回がつまらなかったら読み飛ばしますが、もし次の週が面白ければ読んでくれるんですよ。例えば『ジャンプ』でも(『ジャンプ』の目次ページを広げながら)、この号でどれが面白かったかを毎回覚えていると思いますか? 
 読者アンケートでは面白い漫画を3つ選びますが、全部の漫画を読んで点数を付けて公平に評価するわけではないのです。好きなもの、あるいは印象に残っているものを3つ、という感じで選びますよね。だから漫画は、ストーリーがイマイチでも、最低限15~19ページの中で目に付くコマさえあれば読み続けてくれます。目を引くカットをきちんと押さえておけばいいのです。

――確かに全部の漫画を読む子どもはいないですね。
 【前編】でも言いましたが(関連記事を参照)、新入社員時代に小学館の資料室でいろいろな漫画を読みました。なぜこのコマがここにあって、このアングルなのかということを分析しながら19ぺージの漫画を50回以上読んだのです。その結果、漫画には2種類あると分かりました。読みやすい漫画と読みにくい漫画です。
 読みにくい漫画は手が止まるんです。一方、読みやすい漫画だと思ったのが、ちばてつやさんの作品でした。痛感したのは「漫画はコマ割りでできている」ということです。コマ割りこそが漫画の文法なのです。その方法論を鳥山さん含め新人漫画家に教えると、漫画がどんどん上達していきました。漫画の文法を説明できるようになって初めて、感想だけではない、きちんとした漫画の打ち合わせができるようになったのです。
 僕は良く新人編集者に対して、「面白いか面白くないかという感想を言うだけなら小学生の方が確かだよ」と伝えます。なぜつまらないのか、どうすれば面白くなるのか、その作家が持っている「現在の漫画力」はどの辺にあるのかを分析して鍛えていかないと、編集者の仕事とはいえないのです。



●作家は友達じゃない
――漫画家と作品を作り上げるのは根気のいる作業かと思いますが、鳥嶋さんは何を心掛けていらっしゃいましたか? 私も編集者の端くれですが、なかなか苦言を呈すのは難しいといつも思っています。
 気持ちは分かりますが、作家に対して意見することから逃げると、作品が終わってしまいます。だから緊張するかもしれないですが、言いにくいことでもきちんと伝えなければならないのです。
 漫画家は連載を続けることができなければ、フリーターになってしまいます。お金を稼げなくなるのです。だから編集者は、作家に面白い漫画を描く力を付けさせ、読者に届けられる作品に磨かないといけない。友達ではないのです。好かれる必要はありません。

――伸びる漫画家と伸びない漫画家にはどんな違いがあるのですか?
 こちらのフィードバックを聞いて、「修正」ができるかできないかです。素直に話が聞けるかどうかでしょう。読者に伝わるためには分かりやすさが必要です。先ほど申し上げた通り「読みやすい漫画」でなければ手が止まってしまうからです。漫画の吹き出しは「7字×3行」ほどの話し言葉で、やりとりをしています。その会話を絵と一緒に展開しているので、読者は読むんじゃなくて「見る」のです。だから相当なスピードで読み進められるものであるはずなのです。



●人気が下がったドラゴンボールの「転機」
――ドラゴンボールを進める上での「転機」はどこにあったのですか?
 あるとき、読者アンケートの順位がどんどん下がるという現象が起きていました。どうしてなのかを鳥山さんと話して分析した結果、「悟空にキャラクターとしての魅力がない」という結論が出たのです。鳥山さんと議論して分かったのは、悟空は「強くなりたい」というキャラクターだということ。だからそのキャラクターを際立たせるために、師匠である亀仙人と、修行仲間のクリリン以外のキャラクターを、全部捨てることにしました。
 この3人だけに絞り、ともに修行に励ませることで作品のテーマを明快にしたのです。ただ、あまりに修行の期間を長くしては子どもが飽きる可能性があるので、「天下一武道会」という舞台を設定しました。天下一武道会を目標に修行をして、悟空がどのくらい強くなったのかを成果で見せたら、一気に人気が上がったのです。
――作品作りにも、どこかで原点に立ち返ることが必要なのですね。
 人気が下がるということは、読者から評価されていないことを意味するので対策が必要です。




●「成功体験を捨てる」ことの怖さ
――その後はどんな困難がありましたか。
 実は鳥山さんが「連載をやめたい」と言い出したことがありました。このころの悟空は3頭身くらいだったのですが、キャラクターを大きくしないと「もう描けない」と言ってきたのです。
 漫画の中で激しい戦闘シーンが出てくるようになり、3頭身ではアクションが描けないということでした。だから戦いの最中になると、頭身を微妙に伸ばして描いていたのですが、「もう限界だ」と言われました。これから先の戦いを描くには、頭身を上げて、筋肉も付けて、もっと大人のキャラクターにしないと描けないと言われたのです。
 ところが僕はこれに大反対しました(笑)。天下一武道会を設定して、ようやくキャラクターを読者に定着させられたのに、今度はそのキャラクターを捨てたいというのです。どうにも困り果てて編集長に相談すると、「作家がそう言うならいいんじゃないの」という簡単な返事でした(笑)。僕は悟空の頭身が変わる回が掲載された『ジャンプ』の発売日が、とても怖かったのを覚えています。
――鳥嶋さんでも「成功体験を捨てる」ことは怖かったのですね。
 積み上げてきたものを捨てなきゃいけないというのは、やっぱり怖かったですね。状況が良くないときに新しいことを試みることはあっても、うまくいっているときに新しいことは、極力やりたくないのですよ。結果的に今振り返ると、変えたことは正解でしたけどね。

●「社外の人」と付き合う意味
――鳥嶋さんは『ドラゴンクエスト』の堀井雄二さんなど外部ライターを起用して多くの成功をされました。なぜ社外の人と積極的に付き合われたのでしょうか?
 もともと僕は社内の人間と付き合うのは大嫌いでした。取材費を使って会社の人間とご飯を食べ、社内の人間関係などうわさ話をする。四六時中顔を合わせている人とご飯を食べてもつまらないし、こんなにくだらないことはありません。だから常に社外の人と話をしたいと思っていました。するといろんな話が出てくる。退屈するのがイヤなのです。
 『Dr.スランプ』が人気だった当時、『週刊プレイボーイ』に鳥山さんのインタビュー記事を載せたいという話がありました。当時『セブンティーン』のライターだったさくまあきらさん(後に『桃太郎伝説』シリーズの監督を務める)からの話だったのです。そうこうしている間に、当時の副編集長が読者投稿のページを僕に「担当してくれ」と頼んできました。読者投稿は新入社員が担当するページだったので、僕は「やりたくない」と断ったのですが、「編集部の人数が足りないから頼む」と言われ、1つ条件を付けました。

――どんな条件を付けたのですか?
 それまで付き合いのあった編集プロダクションをやめて、さくまさんにページを担当させて欲しいという条件です。これが実現したのが「ジャンプ放送局」です。今まで4ページだったものを8ページにし、イラストレーターに土居孝幸さん(後に『桃太郎伝説』などで作画を務める)を起用して、絵が目を引きやすい形にしました。コンセプトは「漫画が描けなくてもハガキ1枚書けばジャンプに載れる」です。
 ネタは、漫画やテレビで話題になっているものにツッコミを入れるというものでした。これなら子どもも参加できます。「ジャンプ放送局」は読者アンケートでいきなり10位くらいになり、半分の漫画を抜いてしまったのです。
 だけど当時の編集部が「小さいな」と思うのは、アンケートなどの情報が漏れたら大変だから、さくまさんなど外部の人間を「編集部に入れるな」と、同僚や年下の社員が言ってきたことです。結局、会議室を借りて、そこに僕が読者の投稿ハガキを持っていき、作業をすることになりました。そのときつくづく「くだらない」と思いましたね。
 つまり何が言いたいかというと、狭いところだけで仕事をしていると、自分たちが見ている世界がそのまま「世界の全て」になってしまうということです。外の空気が入らないから。



●想像力を持てるか
――鳥嶋さんが会社の論理にとらわれずに働くことができたのは、他の社員とどんな違いがあったからなのでしょうか。
 僕はそもそも漫画が好きじゃないので、「ジャンプがすごい」「漫画がすごい」「何万部売ったのがすごい」といわれても、「全部ウソだ」と思っていたからだと思います。本当に漫画がすごいのか。違います。漫画がすごいのではなくて、子どもが支持する媒体で他に読むものがないから消去法で漫画を読んでいるだけなのです。そしてそもそも漫画を描いているのは編集者ではなく漫画家です。
 だから雑誌がすごいわけでも編集者がすごいわけでもないのです。そんなことは考えれば分かることです。そういうことを偉そうに言うこと自体が愚かなことです。想像力が足りないのです。
 そもそも僕は漫画がやりたくて会社に入ったわけではないのです。だから言いたいことを言った結果、漫画編集を外してもらえれば「ラッキー」くらいに思っていました。

――だからこそ言いたいことを言えたのかもしれませんね。
 資本主義なので数字さえ出せばいいんですよ。編集部の中で一番上は編集長かもしれませんが、それ以上の立役者はヒット作を担当している編集者です。作家を握っているのだから。編集長が事故にあったとしても、仮に異動になったとしても、雑誌は発行できます。でも作家がいなくなれば雑誌は出せません。最前線で結果を出す人間が最も尊いのです。
――10月30日公開予定の【後編】では、鳥嶋さんの現在の漫画雑誌に対する思いや、白泉社社長として考える組織論、そして12月以降の社長退任後の展望についてお話しいただきます。お見逃しなく。