(Obviousの共同創業者Pierre Fautrel氏と「Edmond de Belamy, from La Famille de Belamy」
提供:Timothy A. Clary/Getty Images )
① ""AIの出力した肖像画が約4800万円で売れる。まさかのアンディ・ウォーホル超え""
中川真知子 2018/10/29 11:30
米国時間10月25日に行われたオークションで、人工知能(AI)によって描かれた絵画が50万ドル近い値で落札された。
The New York Times(NYT)によると、この絵画は「Edmond de Belamy, from La Famille de Belamy」というタイトルで、ニューヨークのChristie'sで手数料を含め43万2500ドル(約4900万円)で落札されたという。Christie'sはオークションでの落札予想価格を7000~1万ドル(約79万~112万円)としていた。落札者は電話で入札しており、匿名のままだという。
でも、アルゴリズムの製作者は憤慨。
AIプログラムが出力した絵が、ニューヨークで開催された、競売会社クリスティーズのプリント・アンド・マルチプルアートオークションで43万2500ドル(約4800万円)で落札されました。
もともと、7,000ドルから1万ドル(約80万から110万円程度)で取引されるだろうと予想されていたので、この結果には驚くしかありません。
BBCによると、「エドモンド・ベラミーの肖像(Edmond De Belamy)」と呼ばれるこの絵画は、パリのアートコレクティブ「Obvious」が開発したアルゴリズム「Generative Adversarial Networks」テクノロジーを使って描かれた肖像画で、14〜20世紀の間に描かれた1万5000の肖像画データを学習させて出力させたものです。
ニューヨークタイムズ紙によると、「エドモンド・ベラミーの肖像(Edmond De Belamy)」の近くにはアンディ・ウォーホルとロイ・リヒテンシュタインの作品が吊り下げられ、それぞれに約840万円、約1000万円の価格がつきました。AIアートは、7分間のオークションで、有名アーティストふたりによる作品の取引額を足した額よりも高い値がつけられたことになります。
AI肖像画を製作した「Generative Adversarial Networks」テクノロジーには何人かのアーティストが関わっていますが、そのアーティストのひとりであるロビー・バラットさんは、Obviousが自身が書いたコードを公にリリースしたと納得いかない旨をツイートしています。
※ Generative Adversarial Networks (通称GAN);wikipedia
🌸 敵対的生成ネットワーク
敵対的生成ネットワーク (てきたいてきせいせいネットワーク、英: Generative adversarial networks、略称: GANs)は、2014年にイアン・グッドフェローらによって発表された教師なし機械学習で使用される人工知能アルゴリズムの一種であり、ゼロサムゲームフレームワークで互いに競合する2つのニューラルネットワークのシステムによって実装される[1]。
🌸 概要[編集]
GANsは生成ネットワーク(generator)と識別ネットワーク(discriminator)の2つのネットワークから構成される。例として画像生成を目的とするなら生成側がイメージを出力し、識別側がその正否を判定する。生成側は識別側を欺こうと学習し、識別側はより正確に識別しようと学習する。このように2つのネットワークが相反した目的のもとに学習する様が敵対的と呼称される所以である。
※ このGANについては、日経ソフトウエアの11月号の特集1に「人工知能で画像生成」
で概要の説明があります。