はいほー通信 短歌編

主に「題詠100首」参加を中心に、管理人中村が詠んだ短歌を掲載していきます。

一日一首

2012年09月11日 18時48分42秒 | 日詠短歌

8/13(月)
   野菜の牛馬が、門の内に頭を向ける。
   そんな家を、何件も見た。

 縁石へ「蜥蜴」の文字を描く少女流れる雨に足をひたして


8/14(火)
   正直、冷製パスタを侮っていた。

 空仰ぎにわかの雨を受けとめる口腔内のすこやかな赤


8/15(水)
   家族親戚と会食。
   祖母とも久々に会えた。

 一本に立つ山百合の大きさをこわごわ覗くスカートの青


8/16(木)
   お盆でも来庁者の数は変わらない。いや、だからこそ、か?

 送り火の燻りの香をゆうらりと巡らせてゆく東の風は
 (燻り=くすぶり)


8/17(金)
   掃除のおばさんからおみやげ。
   郡上踊りに行ってきたと。

 清流の袖をしぼるも忘れては濡れるにまかせ踊るかがり火


8/18(土)
   久々のビアガーデン。
   大学時代の友人と。

 何回も脱ぎ替えられるシャツだからジョッキの露に触れたところで


8/19(日)
   有りありて吾は思はざりき暁の月しづかにて父のこと祖父のこと
     (『山谷集』 土屋文明)

 証裏には臓器提供意思表示5時半にもう陽は沈んでた