はいほー通信 短歌編

主に「題詠100首」参加を中心に、管理人中村が詠んだ短歌を掲載していきます。

一日一首

2012年03月01日 21時20分36秒 | 日詠短歌

2012/2/6(月)
   湿度が高い。空気の味も変わった。

 近すぎる私とあなた せっせっせ 掌を鳴り合わすことができない


2/7(火)
   気味が悪いほどの生ぬるさ。なのに春一番ではないらしい。

 ゆく人の傘みな西へ傾いて雨のきさらぎ汗滲むなり


2/8(水)
   ノジマに並んでいたレコードプレーヤーは高値、もしくはJUNK値。

 後悔をしてからすればよいものを空のレコード棚に目をやる


2/9(木)
   本当に久しぶりにオリオン座を見上げた、ような気がした。

 ストーブに着替えをかざす朝が来て湯ぶねの栓を抜く夜が来て


2/10(金)
   「わが家の堆肥はよい匂い」(モンテーニュ)
      『新輯 けさのことばⅢ』(岡井隆)からの孫引き。

 白壁にうつる日射しが眩しさを増してきたのでさあ、春よ来い


2/11(土)
   休日出勤、車の定期点検、アパートの契約更新、図書館に本の返却と借出。事務的な一日。

 人は地図 人は灯台 まなざしと言葉を俺の羅針と成して


2/12(日)
   里山公園の畑に、麦の苗が植わっていた。

 鳥がまたなにか失ったのだろうぬらぬら揺れる葉椿の枝