「詠草」
LEDになったとたん街灯は まあ、いいんだけど。白いし
片手ぶらの二人乗りなんだ一度くらい海に花束を投げたいじゃないか
もうそろそろぬいぐるみに似せた犬たちが人を伴い来る頃合いか
鶺鴒は振り向きもせずまた土を食む遠くまで逃げればいいのに (☆)
里山の手入れは解るしかし もう出来ない闇に匂う切株
「うたう☆クラブ」
飛び箱の踏み切り台が最大の障害だったころと同じか
日本が以前していたことをしているのか そうか嫌だったんだ
流行語〈暑い〉は森の中にいて木綿のシャツを肌から剥がす
雨粒がカップに溜まる白茶けた7番ホールのピンを伝って (☆)
真鶴の魚付林をおそらくは目指して西下する鳥十一羽
(☆)のついているものが、取られた歌です。
「詠草」の5首が妙に律に乗っていないのは、そのころ自由律や新短歌の作品を読んでいた影響でしょうか。
まったく、すぐに影響されてしまうのは困ったものです。
でも、本家本元を読んでいると、フリーダムと思われる中にも何らかの法則(暗黙の了解)があるようにも思われます。
それは何か?
それが分かれば、苦労はしませんよね、本当の話。