正さん日記

世の中思いにつれて

自衛隊の海外活動が拡大、自公が安保法制改正で合意

2015-03-21 20:36:43 | 政治

 一連のいわゆる安保法制が自民、公明両党の合意で陽の目を見るようになりそうだ。いよいよ日本は敗戦後、憲法第9条によって武力行使をしない国から、時と場合によっては、アメリカなどと一緒に武器を用いて戦闘を行う国になりつつある。

 その前提になるのが、昨年7月、安倍晋三政権が閣議決定をした憲法解釈の変更による集団的自衛権行使容認だ。集団的自衛権行使に必要な3要件を定め、日本が直接他国から攻撃された場合に武力行使ができるとされる個別的自衛権行使に加え、直接攻撃をされていなくても、①我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が脅かされ、②これを排除するために他の適当な手段がないこと、③必要最小限度の実力行使にとどまるべきことを条件に武力行使ができることにした。

 安倍首相は、この事態について具体例としてホルムズ海峡が戦闘によって封鎖され原油が日本に届かない場合を例に上げたが、これで国民は理解したのか極めて疑わしい。

 この集団的自衛権行使を錦の御旗に立てて、具体的な対応を決めたのが今回の安保法制の整備ということになる。重要部分は、今までは日本に脅威を与える場所の範囲を日本周辺としていたが、これを重要影響事態に変え、日本の周辺だけでなく、どこでも自衛隊を出せるとして地理的な範囲を取り除いたことだ。

 また、日本が協力対象とする他国については、今までのアメリカ一国だけでなくオーストラリアも含めることにした。さらに、国連決議については、それだけに限定せず、国際法上の正当性があればOKにするなど、どんどん要件を拡大した。

 そうして今回、自民、公明両党が合意した安全保障の全体像と歯止めについては、(1)集団的自衛権について、武力攻撃事態法を改正し、3要件にもとづく「新事態」に対応してアメリカを攻撃してきた第三国に反撃する。ペルシャ湾などシーレーンで魚雷を掃海する。歯止めとしては、原則として国会の事前承認を必要とする。

(2)周辺事態の法の改正では、「日本の平和と安全に重要な影響を与える事態」として世界のどこでもアメリカ軍や他国軍に給油、輸送などの後方支援ができる。歯止めとしては、原則として国会の承認を必要とする。

(3)恒久法の整備(新設)では、「国際社会の平和と安全」のために戦争する他国軍を随時支援する。歯止めとしては、国連決議に基づくもの、または関連する国連決議があること。・国会の承認を基本とする。・隊員の安全確保に必要な措置を施すこと。

(4)PKO協力法の改正としては、国連が統括しない国際平和協力活動については、PKO5原則と同様の厳格な参加原則をもとに、PKO以外の人道復興支援、治安維持活動に参加する。任務遂行のため武器を使う。歯止めとしては、国連決議に基づくもの、または関連する国連決議があること。・国会の承認を基本とする。・隊員の安全確保に必要な措置を施すこと。

(5)グレーゾーン事態(武力攻撃に至らない事態)では、訓練中のアメリカ軍や他国軍を防護する。

(6)その他では、・武器を使って邦人を救出する。・どこでも船舶検査ができる。などとした。

 このように、一定の歯止めを掛けたと言っても、ほとんどが、現在他国が行っている軍事行動と大差が無く、敗戦国日本が、戦後築いてきた平和国家としての形が変容する。

 また、日本が後方支援のつもりでも、相手国からみると敵国とともに参戦しているものと見られる。戦後、戦死者を一人も出してこなかった日本が、今後、それでは済まなくなることを安倍首相はじめ安保法制を改正する当事者たちは責任を自覚しなければならない。「関連:2014年7月15日

 

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