安倍晋三首相は、世界を俯瞰する外交と評して歴代首相の中でも最多とも言える外遊をしている。しかし、その割にはこれはといった成果があったという報道はほとんど聞こえてこない。
一時、首脳セールスなどと言って、トルコやインドに原発の売り込みや、アメリカやインドネシアに新幹線の売り込みをやったが、未だ、正式に成就したことはない。インドネシアについては良いところまで行ったようだったが、結局、中国に逆転負けをしている有様だ。
安倍外交のせいかどうか分からないが、今回のパリ協定批准が遅れた国として、CO2排出大国では我が道を行くロシアと並んで世界から白眼視されかねない不手際をして、情報収集の弱さを露呈した。
その安倍首相がやたらロシアのプーチン大統領と親密になっている。今まで両者が会談した数はアメリカのオバマ大統領を有に越している。
クリミア半島問題でロシアに対する制裁処置が続いている中で、片方で手を握っている感じなのは、一応、アメリカの了解を得ているようだが、見方によっては二重外交にも思われる。
そのプーチン大統領を12月15日に、安倍氏の地元山口県に招いて首脳会談を行い、日本がロシアに1兆円に上る経済協力を行うとともに、一気に領土問題を解決し日ロ平和条約を結ぶとのことだ。
しかも、安倍首相は、北方領土については4島一括が条件だと自ら国会答弁で言い切った。だが、ロシアの北方領土に対する世論はそんなに甘くはなく、最近でもこの地にインフラの整備を進めている程だ。
つまり、返還などさらさら考えていないのがロシア国民であり、その世論を無視できないプーチン大統領の立場だと考えなければならない。
山口県で4島返還、日ロ平和条約が結ばれる結果が出れば安倍首相の大手柄であり、それ以下の結果になれば、意気込みが尋常では無いだけに、またも安倍外交が大失敗したことになる。「関連:9月4日」
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