昨日は、第48回衆議院選挙が告示された。この選挙は、安倍晋三首相が森友学園、加計医学園を臨時国会で追及されることを避ける狙いと、野党民進党の混乱につけ込んで最も勝ち目がある時期と見込み、突如解散総選挙に持ち込んだ意図的なものだ。
しかし、安倍首相の思惑が外れたのは、小池百合子東京都知事が自ら代表になって新党「希望の党」を立ち上げ、そこに多くの民進党議員が合流したことだ。
その中で、民進党議員を選別する希望の党の姿勢を受け入れられない議員の中で、民進党の政策を踏襲した枝野幸男氏が代表になって新党「立憲民主党」を設立、その他、民進党の大物議員が無所属で立候補するという想像もつかなかった状況に変化した。
安倍首相が胸を撫で下ろしたのではないかと感じるのは、ある程度恐れていたと思われる、民進党を中心にした野党共闘が、民進党が分裂したため、多くの選挙区で野党同士が争う状態になったことだろう。
事実、立憲民主党が立候補した39の選挙区に、希望の党が刺客と思われる対立候補を当てている。立憲の方は、希望の党が立候補した選挙区に事立てて対立候補を出してはいない。
希望の党が保守で、立憲民主党はリベラルだとすれば、対立候補を出すことは当然なのかもしれないが、小池氏が安倍一強体制を打破するという選挙方針からすると、いかにも矛盾している。
民進党議員を希望の党へ合流させた前原誠司代表は、当初、立憲民主党へ対立候補は出さないよう小池代表に頼むようなことを言っていたが、簡単に反故にした。信義を屁とも思わないようなやり方は、前原氏、小池氏の性格なのだろうか。
しかし、今回の野党再編は、民進党内に保守とリベラルが混在していた中で、希望の党へ行った保守議員と、立憲民主党に入ったリベラル議員とが分かれたことにより、国民にとっての選択肢がはっきりしたことは結果良しだろう。。
ただ、立候補者全体比では、いかにもリベラル勢力が少ない状態は否めない。特に、小選挙区でリベラル候補が少ないため、その票の行方が漂流する。
一方、告示ぎりぎりまで、出るか出ないかが憶測されていた希望の党小池代表は、結局、不出馬になった。これが希望の党の選挙結果にどう影響するのかはやってみないと分からない。「関連:10月10日」
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