韓国、朴大統領、辞任要求を交わすため、現職初の事情聴取受ける

　アメリカの大統領選挙で大方の予想を裏切りドナルド・トランプ氏が次期大統領に決まり、世界の話題を独占している一方、韓国の朴槿恵大統領が、スキャンダル疑惑にまぎれ、場合によっては期間１年３か月を残して辞任に追い込まれようとしている。

　支持率は歴代最低の５％、野党だけでなく与党セﾇリ党の一部も加わっての辞任要求、市街では２６万人もの大規模デモが抗議行動を起こすなど四面楚歌の状態に陥っている。

　朴大統領は、何としても辞任を避けたいため、明日にも、現職の大統領としては初めて検察の事情聴取に応じて危機突破を図りたいようだが、野党側としては、辞任しない場合には、大統領の弾劾に持ち込む可能性があり、ここ数日目が離せない状態になっている。

　朴大統領に対する検察の事情聴取のポイントは、朴大統領が４０年来の友人とされる崔順実（チェ・スンシル）氏にどの程度政府の機密を流していたのか、朴大統領が、崔容疑者が関係する２つのスポーツに関わる財団に、サムスンなどの大企業に資金供与するよう要請したかの２点のようだ。

　深刻なのは、朴氏が崔氏に情報提供しただけでなく、様々なアドバイスを受けていたか否かということだ。もし、様々な相談をしてそれが朴政権の政策に繋がっていたとしたら、１民間人が国政に関与していたことになり、一部で言われているように朴大統領は若しかしたら崔氏の操り人形になっていたことにもなる。

　これまでの朴大統領の外交を振り返っても、アメリカ訪問で日本批判を直接オバマ大統領に訴えたこと、慰安婦問題に対する強硬姿勢、中国の習近平首席との蜜月などが，もしかしたら崔氏の助言があってしたことになると、一気に朴大統領の信用失墜になる。

　格差が広がり、市民の生活が厳しい中で、朴大統領が友人に様々な便宜供与をしていたとすると、韓国国民の怒りは理解できる。

　韓国で偉大とされる大統領の父を持ち、初めての女性大統領となった朴槿恵大統領は、死者２９５人、行方不明者９人を出した韓国旅客船セウォル号の 沈没事故でもみそをつけてが、今度は信頼性、指導性という大統領の根本的な資質の欠如を露呈して任期途中での退陣に迫られている。「関連：１１月９日」