韓国の朴槿恵大統領窮地に立つ

　朴槿恵（パククネ）大統領が何十年来の親友と言われている崔順実（チェ・スンシル）氏に国家機密情報を流したり、大統領の権限を駆使してあらゆる便宜をはかるなど、様々な疑惑が噴出、同大統領の支持率が歴代最低の５％に落ち込むなど、大統領の地位を揺るがす大波乱が巻き起こっている。

　崔順実氏をはじめ、朴大統領の秘書官なども逮捕され、国民の間では連日１０万人を超える抗議デモが行われている。

　この状況を転換するため、朴大統領は首相をかつて盧武鉉（ノムヒョン）政権で大統領府政策室長を務めた金秉準（キムビョンジュン）氏を指名したが、これが裏目に出て、結局、朴大統領はこの人事案を撤回し与野党が一致して推す首相を受け入れる考えを示した。

　崔順実（チェ・スンシル）容疑者に絡むスキャンダルは、同氏の主催する２つの財団に財閥から巨額の資金を強要させたたこと、同氏の娘を有名大学に裏口入学させたこと、はては、平昌冬季五輪関連の土地を廉価で入手したことなど続々と暴かれている。

　朴大統領は、自身も当局の調査に応ずる意向を見せているが、現職の大統領がこのような立場に追い込まれたことはかつてなく、場合によっては、多くの国民が求めているように辞任する可能性も出ている。