つらいと思う日々に

いたずらにわが身世にふる・・・

心持ち一つ

2015-03-01 | Weblog
年寄りの多くなった日本。
死んでいく人が年間120万人ほどだという日本。
団塊世代がそろそろ寿命年数に近づいてくる近い将来は150万人ほどに増えるらしい。
生まれてくる人よりも死んでいく人の方が多い国は、寂れていくことあたりまえである。
大方社会保障なるものは破たんしていく。すでにそのような状態にあり、
年寄りも老骨にムチ打って働いていなければ、生きていくことが難しくなってきているが、
その割には年寄りのする仕事というのがなかなかない。
経済国は、金を持っていなければ長生きも苦しいものだ。
働きたいが働けない。まして、あそこ痛いここ痛いでは尚更で…。誰も雇ってはくれないものだ。
年金制度はあっても目減りする一方で、爪に火をともしてというふうに、
ケチに暮らしても、税金はあれこれと掛かってくる。
おんぼろ家があっても家に税、売るに売れない土地に税、足代わりの車があれば車に税、
反応鈍くなって免許を返せば孤立して、生活必需品すら買えにいけなくなる始末。
おまけに医療に金をくわれる。そのうえ、あの人が死んだ、この友があの友がと先立たれていけば悲しむことも多く、そしてまた、
我が身の番の不安も募る。
年を取ればとるほど都会が便利となるが、これまた金が無いと暮らせない。
経済国、便利には金がかかるものだから。
広い家があって広い庭があって、庭木がたくさん植えてあって、垣根も樹木で巡らされていれば、
ははぁ、なんとその手入れが多大なもので、放っておけば藪の様に荒れ果てる。
若かりし頃は自分で手入れできても、年寄ともなれば自分ではできなくなる。
草取り一つにして困難になる。花一つ世話をするのも容易でなくなる。すると、
庭なんかないほうがいい、家なんか小っちゃいほうが楽、いやいや、
六畳一間もあれば十分と思うようになる。高僧が庵というものを好んだのもだんだんわかってくる。


自分の身一つ世話ができなくなっていくのである。
物資乏しい時代に生きた人は、あれ大事これ大事と、これと言って使わないものまで取っておく。
わからないでもないが、ほとんどゴミ状態となってしまう。して、処分するのも金がかかるようになる。
死んであの世に持っていける物は何一つない。
持っていけるのは、心一つ。
これこそ最も大事な心持ち。
みがいて磨いて大切に大切に持っていなければならない心持ち。
コメント
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