『 HARD & LOOSE 』 れいめい塾 津市久居

塾頭の『れいめい塾発 25時』
三重県津市久居にある学習塾『れいめい塾』の塾頭のブログです。

史上初、三冠達成! この帯に聞かれて二流の塾頭が『二流小説家』を読む

2012年01月18日 02時12分06秒 | 塾の風景

昨夜はベンちゃん(AIS取締役社長)が久しぶりにやって来た。

ベンちゃんはかつて住友電装に勤務、世界中で住電の工場を建てては次の土地へ、また工場が完成すれば次の土地へ・・・そんな生活をしていた。転機は双子の子どもたちが生まれたこと。異郷の地で育てるよりは地元の桃園で育てることを決心して退職。地元に小さな工場を建てて独立した。ところが特許を持つ強さか、かつて青春を捧げた会社からは石で追われることもなく友好な関係を維持。瞬く間に桃園の田舎から久居の一等地に建つ瀟洒なビルに本社を移し、現在に至る。

今じゃ住友電装時代に培ったトヨタ系列の豊富な人脈で、俺に理系の就職のイロハを伝授してくれる稀有な人材の一人でもある。ちなみにウチの塾で古典と漢文を教えてくれる真未(三重大学教育学部2年)はベンちゃんの娘だ。

「コウちゃんは俺たちの学年じゃ勝ち組の一人やで」 のっけからこれだ・・・昔から先制攻撃大好きで、相手の呆れるセリフを吐き飛ばしては一挙に自分のリズムに引き込んでいく。「毎年この時期になると税金どないしよなんて右往左往している奴のどこが勝ち組やねん」 スェーバックで相手のラッシュをかわす俺。「だってさ、百五銀行をみてみろよ。数年前までは津高の同窓会を仕切ってた連中、県庁か百五やな・・・そのなかで百五の連中の姿が消えた、どないしたと思う」 「・・・出向か」 「そうそう・・・どっかの会社で居ずまい正し、あとは退職を待つだけの人生や」 「まあ、銀行だけやないやろけどな」 「そうそう、そりゃどこでもいっしょや、だからさ、俺が言いたいのは50歳を越えて、今の時代に現場で勝負してるコウちゃんは勝ち組やって言いたいわけさ」 「あのな、今さっきも中2に真剣に怒っていたけどな。だいたい50歳過ぎてやな、いたいけな子供に真面目に怒らなアカン・・・そんな切ない勝ち組なんておらんよ」

まあ、ベンちゃんの登場は俺と話したいこともあるだろうが、目に入れても痛くない娘の真未ちゃんを迎えに来たわけで・・・ああ、授業を終えた真未がやって来た。しかし、これほど似ていない親子もない。娘は美人、親父は・・・王道の日本人顔。オマエこそ、勝ち組極め付きの顔やで。

しばらくは娘も交え、おもちゃ箱のような笑い話が続く。その間に中学生たちが帰っていく。

ベンちゃんの双子の子どもたち・・・真未は今年、成人式だった。東中のまとめ役をさせられたようだが、双子のもう一人・・・雄大は名城大学の1年生だ。こっちのほうは親父の薫陶を受け、特化した物理を武器に静岡大学に合格したが名城大学工学部に進学した。国立を蹴っての私大進学、これまた親父の影響が大きい。

名城大学は工学部であっても教職を取れる稀有な大学・・・。数年前までは三重大学工学部でも教職が取れたそうだが現在ではなくなった。一般就職と教職の両天秤を掲げるなら中部圏では名城大学、そして関西圏では関西大学や同志社などがある。

自分の会社を継がせる目を残しながら、そうでない場合のために教職の道を設けた。

「コウちゃん、中部圏はトヨタを中心とした製造業のメッカや。そんなガチガチの現場に理工学部が就職できると思うか・・・無理なんや。トヨタ本社では今まで理工を採用した試しがない、トヨタの下請けならともかく、本社は採らない。それが現実なんや。そんな学部に雄大は行きたい行きたいって言ってたけどな・・・そんなところに愛する息子をやりたくないよな」  ・・・俺以上の親馬鹿、それでも橋本ドクター以下か。・・・困ったことにウチのあい(津高3年)は文系、それも極め付きのだ。

 

誰もいなくなった教室で今日一日を総括する・・・ベンちゃんが生徒なるものを教えてみたくなったとか、「コウちゃん、国内で最後に残るんは教育やで」 その点では珍しく意見は一致やな。「俺は中学生を教えるよ」 ・・・アンタの類まれな才能、中学生では宝の持ち腐れ。やっぱ、「親切な物理」を片手に高校生でっしょ?

芽生のお母さんからヨッチャンキムチの効用について教えてもらった・・・「先生、ヨッチャン・キムチ、白菜だけ食べたら残るでしょ。だからね、ウチでは残りをキムチ鍋に入れてるんですよ」

 

俺はねえ・・・俺は、娘に世界を飛びまわるような過酷な仕事をしてほしかっただけなんさ・・・、ウン、細やかな親馬鹿やな。

 

クリックのほう、ほんまにほんまにほんまでっせ。

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