『 HARD & LOOSE 』 れいめい塾 津市久居

塾頭の『れいめい塾発 25時』
三重県津市久居にある学習塾『れいめい塾』の塾頭のブログです。

松阪高校の逃走に拍手あれ

2010年01月22日 04時19分09秒 | 塾長私論
そやったねえ、松阪高校が第一次合格の内申枠を120%にしたのは去年からやった。
昨夜の「たいしょうさん」の突っ込み・・・その通りです。
その快挙の意味がどうやら伝わらなかったのか、依然として昨年の松阪高校の倍率は振るわないまま。
なんで中学の進学担当は松阪高校を勧めへんねん! そう吼えていた去年を思い出す。
そして今年を迎えたわけだが、去年に比べると今の段階で倍率が上がっている。
少しは120%枠が浸透したのかもしれない。

一昨年、砂保(三重高1年)と星哉(相可1年)を教えるようになり、初めて松阪地区に関心が向いた。
松阪地区で進学校と呼べるのは松阪高校だけだ。
中勢地区に転ずると、津高に始まり津西、津東と順次、偏差値と内申に見合う高校が並んでいる。
しかし、松阪地区にあっては大学進学に耐えうるのは公立高校では松阪高校のみ。
そして私立は三重高のみ。
分かってはいたが、改めてこの松阪地区の中学生は厳しい選択のなかにいると感じたもの・・・大学進学を考えれば、松阪地区では、この2つの高校しか選択肢はないのだ。
ゆえに、ついつい推薦で合格するならばと三重高に下駄を預ける状況ができてしまう。
三重高への入学者のなか、推薦合格の比率は9割に達する。
つまり一般受験に受かり進学した生徒は1割だけという日本でも奇異な高校。
このような生徒、中学4年生のような生徒が闊歩する高校に果たして3年後が期待できるのかどうか・・・甚だ疑問ではある。

津高の説明会において、「前期選抜に参加する意志はあるか否か」という質問に対して、高校側は答えた・・・前期選抜に合格しても、それから遊んでしまっては元も子もない、津高は後期まで頑張る生徒が欲しい。

松阪高校受験に不安を抱く生徒をごっそり青田刈り・・・それが三重高の戦略。
そんな生徒の不安材料の一つが内申。
香保(松阪高校2年)の話では、「私の内申、39で受かった生徒はクラスにいないんですよ」となる。
去年の松阪高校の初の塾対象説明会でも高校側から話が出た。
「オール5の生徒だけで1クラスできるような状況・・・いやはや驚きました」と教頭先生。
この教頭先生はもと津西の先生、しかしそれまで中勢地区で培った常識を松阪地区に当てはめることはできない・・・そう、しきりに論じていた。
「高校進学後のベネッセの試験、数学の最高点が86点、この生徒の内申を見ると数学は5・・・当然ですよね。でも最低点が19点・・・困ったことに、この生徒の内申も5なんです」

塾の先生方からは、松阪地区の高校、とくに松阪高校受験に関しては懐疑的、なるべくなら自塾の生徒を受けさせたくない・・・そんな空気が昔から支配的だった。
その理由は内申の壁・・・大学実績に比べ、松阪高校の内申が高すぎる。
その内申を盾に、他地区から見れば松阪地区を一種武装中立がごとくに際立たせている。
松阪高校の教頭先生が続ける。
「高校としては実力のある生徒が欲しい。内申に5がついていても実力のない生徒の横行、そんな内申だけの生徒の流入を防ぐには内申枠を120%に拡張するしかなかったんです。それに対する松阪市内の中学からの突き上げが激しさ・・・。なんとか元に戻せとの要請・・・、それに対しては、ウチの高校は三重県立松阪高校であり、決して松阪市立高校ではないと言いましたが・・・」

去年の砂保と星哉、そして今年の敬太・・・松阪地区の生徒を担当して思ったことがある。
今真っ最中の学年末試験の試験範囲だ。
この地区ならば、あっさりした範囲・・・例えば、「中3全範囲」とか「中1から今までの範囲」という表現が多い。
ところが松阪地区の中学の試験範囲表は細かい。
「~Pから~Pまで」とか「~が中心」とか「ワークから出します」とか、細々した指示が並ぶ。
そして、それまでの試験の難度と違い、愚直に時間をかけた生徒には高得点が行き渡るような安直な試験問題となる。
それまでの中間・期末試験とは一変、易化した試験で平均点が上がる仕組みとなっている。
これが松阪の各中学において勃発する内申インフレの原因となっているのではないか。
それまでの試験に比べ簡単なことから平均点が上がる、それを踏まえて入試の土壇場に内申も上がる。
自校の生徒は落としたくない・・・そんな中学の先生方の過度の愛情が学年末試験の易化に拍車をかける。
中学の先生方にすれば、安易な学年末試験は内申を上げる免罪符的・・・罪悪感を払拭する役割を果たしているともいえる。
松阪高校が内申枠を120%に拡張したことに対する中学側の過剰ともいえる反発、・・・そう考えるとよく分かる。
せっかく内申を上げてやったのに落としてしまった・・・そんな状況をなんとしても回避したいのだろう。

塾とすれば、松阪高校の内申枠120%は大歓迎である。
健全な競争原則が機能するからだ。
中学側の温情に支えられた高い内申に身をまとった生徒たち、そんな生徒たちを合格させても馬鹿を増やすだけだ。
このような状況のもと、縁あって敬太はウチの塾に密航してきたことになる。


午前1時を過ぎて俺の携帯が鳴る。
奥さんからか・・・恐縮して出ると、敬太・・・「今、思い出したんやけどさ、明日の社会の試験に時事問題が出るんやけど、何が出るやろ」
「今思い出したんかい!」
「ハハハ・・・忘れてた」
呆れるのと同時に、昨夜は午後11時にお迎えが来て自宅に帰り今まで勉強していたことを考えると少しは見直した。

塾のホワイトボードには玄太の文字で「公立高校入試まで、あと49日」とある。

にほんブログ村 教育ブログ 塾・予備校教育へ
にほんブログ村 受験ブログ 高校受験へ
にほんブログ村 地域生活(都道府県)ブログ 三重情報へ

しかし、敬太に起こされた後は眠れない。
突発性難聴がまたもやひどく、眠ろうにも眠らしてくれない。
とりあえず酒を飲もう。

クリックのほう、ほんまにお願いします。
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 公立入試の第1ラウンドのゴ... | トップ | 名古屋市立大学から地学を教... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
広島の公立はひどいと思っていましたが・・・。 (橋本クリニック)
2010-01-22 10:33:46
広島の公立高校はひどいなぁ~と思っていましたが・・・。
三重県は終わっていますね。
内申で決まるなんて・・・。
それなら試験なんてせずに、内申で合否判定してしまえばいいのに(><)

内申で学校が決まると自分たち教師の顔色をうかがうようになるので、指導する立場としては楽なんでしょうね。

広島ではもう少しわかりやすくて、内申が130点満点(5教科は10点、副教科は20点満点で合計130点、ちなみに私は69点(^^))、当日が100点満点(1教科20点×5教科)での合否判定ですね。
だいたい合格ラインが230点満点で160~170点だったと記憶します。
当日の点が上位5%だと内申関係なしで通るという枠も設定されていたようです。

これでも十分ひどいなと思いましたが、点数化されているだけましですね(^^)

まあ高校なんて通過点
気楽にいきましょう(^^)
返信する
松阪高校のこと (坂口)
2010-12-26 10:02:27
松阪高校野球部春の甲子園出場か。母校が初の甲子園かいな。本当か。とのことで松阪高校を検索していてこのブログに・・・20数年前の松阪高校時代を思い出しました。

■「大学実績に比べ、松阪高校の内申が高すぎる。」について過去からの考察。

当時を振り返ると、公立中学の内申は学校の勉強を根気強くやっていれば高得点が得られ、同級生も内申のすこぶる高い人の集まりでした。内申が高い=根気強く勉強できる人。まじめで地味な校風になりますね。しかし、大学一般入試となると考える力、応用力が問われてきますが、この辺で顕著に差が開き、大学進学では国立~私立3流大学まで幅広く進学先が分かれていきます。浪人する人も沢山いました。在校中の勉強指導はほったらかしのイメージで自分で考え勉強できる人でないと厳しい校風でした。
ここのところを学校側も真剣に取り組んでいくことを期待して・・・。
また、元々出来はいいので入試対応の技術力は塾などで磨けば進学率も上がっていくのだろうと。

地元高校は、出身地の近い新しい仲間と出会える場でもあるので、偏差値だけではなく自分の行きたい高校に進学できるように頑張りましょう。

東京在住 松阪高校OB
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

塾長私論」カテゴリの最新記事