保健福祉の現場から

感じるままに

結核

2008年02月19日 | Weblog
先週の厚生科学書議会感染症分科会結核部会(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb11GS20.nsf/0/74c190c8f160e63c492573f30025344b/$FILE/20080218_5shiryou.pdf)において、結核医療の基準、結核病床のあり方について協議されている。結核病学会から、「結核医療を確保するための緊急要望」が出されていることが注目されるかもしれない。先般の国会議(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb14GS50.nsf/0/f5aaffa6898b659c492573e6000caf0e/$FILE/20080205_1shiryou5.pdf)では、結核対策について、「結核患者は減少傾向にあるものの、年間約2万6千人の新規患者が発生するなど、結核は依然として我が国の主要な感染症である。近年では、抗結核薬に耐性を有する多剤耐性結核菌の発生、住所不定者や外国人などの感染、高齢者における再発等、新たな課題がみられており、結核対策の一層の充実・強化が求められている。都道府県等においては、感染症法に基づく総合的な結核対策について、適正な運用を図るとともに、「結核対策特別促進事業」として、患者への服薬管理を徹底し確実に治療を行う直接服薬確認療法(DOTS)等による対策など、地域の実情に応じた重点的な結核対策事業に対する国庫補助制度を設けているので、これらを活用しながら、引き続き、結核対策の一層の推進を図られたい。また、昨年8月に結核感染症課長通知「潜在性結核感染症の取扱いについて」(http://www.jata.or.jp/rit/rj/2007.9ltbiall.pdf)、昨年9月に同通知「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律における結核患者の入退院及び就業制限の取扱いについて」(http://www.jata.or.jp/rit/rj/2007.10hospitalall.pdf)を発出したところであり、潜在性結核感染症の取扱いや結核患者の入退院及び就業制限の取扱いに遺憾のないようお願いしたい。」とされている。さて、先月、NHKためしてガッテン(http://www3.nhk.or.jp/gatten/archive/2008q1/20080116.html)で「結核」が特集されたが、わが国の結核の実態は社会にどれほど認識されているであろうか。結核は昨年度から感染症法の二類感染症となり、「感染症発生動向調査 週報」(http://idsc.nih.go.jp/idwr/sokuho/index.html)に掲載されるようになった。今のところ、累積数では、結核は、全数把握感染症の中で最も報告数が多いのであるが、不思議と麻しんに比べて報道されていないように感じるところである。3月24日は「世界結核デー」(http://www.stoptb.org/events/world_tb_day/2008/)である。結核医療の緊急要望がでる割には、結核研究所のHP(http://www.jata.or.jp/rit/rj/03tbday.html)がいまだ更新されていないことが気になるかもしれない。
コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

公共医療事業の向上及び増進

2008年02月19日 | Weblog
地域保健法(http://www.ron.gr.jp/law/law/hokenjo.htm)第六条七では、保健所は、「公共医療事業の向上及び増進」に関する事項について、企画、調整、指導及びこれらに必要な事業を行うことが規定されている。法第四条に基づく「地域保健対策の推進に関する基本的な指針」(http://www.mhlw.go.jp/topics/2003/10/tp1030-2.html)においては、保健所の運営として、「企画及び調整の機能の強化」が掲げられ、「地域における在宅サービス、障害者福祉等の保健、医療、福祉のシステムの構築、医療機関の機能分担と連携、医薬分業等医療提供体制の整備について企画及び調整を推進すること」とされている。昨年7月、「医療計画の作成及び推進における保健所の役割について」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/pdf/chiiki-hoken-a.pdf)通知が発出されているが、医療機関の機能分担と連携の企画調整を進めるためには、医師たる保健所長のリーダーシップが不可欠と感じるところである。さて、保健所長の医師資格要件を廃止する方針をまとめた内閣府の地方分権改革推進委員会(http://www.cao.go.jp/bunken-kaikaku/iinkai/iinkai-index.html)が6月までに勧告を提出する見通しとされる。これは健康危機管理面からも懸念されないではないが、医療の企画調整面からも懸念されるかもしれない。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする