保健福祉の現場から

感じるままに

特定保健指導のゆくえ

2008年01月31日 | Weblog
手引き(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/info03d-1.pdf)p37に示されているように、特定保健指導の「初回面接、計画作成、評価」を行えるのは、「医師、保健師、管理栄養士」と平成24年度まで「一定の保健指導の実務経験のある看護師」である。果たして、「一定の保健指導の実務経験のある看護師」はどういう方々を定義されるのであろうか。先週更新された「特定健康診査・特定保健指導に関するQ&A集」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/info03e.html)では、2の②10「一定の保健指導の実務経験を有する看護師の定義について、通知にてお示しする予定である。」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/info03e_2.pdf)とされている。これについて、先月の日本医師会研修会の資料(http://dl.med.or.jp/dl-med/chiiki/kenshin/191224/10color.pdf)p42では、「厚労省では、「一定の保健指導」は、すでに産業保健の現場で働いている看護師を想定しており、病院・診療所に勤務している看護師は想定していません。」とされている。しかし、資料(http://dl.med.or.jp/dl-med/chiiki/kenshin/191224/10color.pdf)p31では、「一般の医療機関の医師による初回面接20分は、一般外来患者に対する診療にも影響が大きく、初回面接の実施内容を医師と看護師で分担して行なう事が効率的・効果的であると考える。」「一定の保健指導の実務経験のある看護師について、広く医療機関に従事する者の研修等を以って、業務実施を認めるべきである。」とされている。また、先日の日本医師会の記者会見(http://www.med.or.jp/shirokuma/no849.html)(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20080116_3.pdf)では、「特定保健指導の実施者のうち、一定の保健指導の実務経験のある看護師として、産業看護師が想定されているが、医療機関に従事する看護師についても、研修等をもって、初回面接、支援計画作成等の業務の実施を認めるべきである」と述べられている。これまで医療機関は、市町村の基本健診を受託しており、住民の利便性を考えれば、特定保健指導も受託していただけると有難いのであるが、「一定の保健指導の実務経験のある看護師」の定義が大きなネックになっているようである。医療機関にとっては、通院患者が医療保険者(国保、被用者保険)から送付された「特定保健指導利用券」(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/dl/s0328-7j.pdf)を持参してくる場面も十分想定される。その場合、65~74歳の特定保健指導が動機付け支援どまりであることも考慮されてもよいかもしれない。また、従来から事業所健診を受託している医療機関にとっても特定保健指導を期待されるかもしれない。健診実施機関が、「うちは健診だけで、特定保健指導は別の機関で受けてください」と簡単にいえるかどうかである。さて、事業所健診後に特定保健指導を行う場合、気になるのは、事業所健診は事業主が実施主体であるが、特定保健指導は医療保険者が実施主体である点である。参考になるのは、「特定健康診査・特定保健指導に関するQ&A集」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/info03e_2.pdf)の2の①9で、「そもそも受診者全員に動機付け支援を行う必要はなく(受診者全員を対象とするのは情報提供)、健診結果に基づく保健指導対象者の階層化を踏まえ、所定の保健指導を実施する必要がある(仮に、積極的支援対象者に動機付け支援を実施しても、積極的支援を実施したとは見なせない)。以上の前提を踏まえた上で、御質問のような1日で特定健診及び特定保健指導における初回面接の実施を検討される場合は、次の2つの条件が全て揃う場合を除き基本的には認められないことに注意されたい。①医療保険者が、健診結果の階層化において、健診機関の医師が保健指導対象者と判断した者全員に保健指導を実施する(対象者リストから重点化を行わない)と決めている場合、②所定の健診項目の全ての結果が揃っており、かつ健診機関の医師が全ての項目の結果から総合的に判断できている場合(一部の健診項目の結果だけでは、総合的な判断ができないため、適当ではない。)」とされている点である。したがって、事業主と医療保険者との間で、この2条件が調整されていなければ、事業所健診実施後、医療保険者が健診結果に基づく保健指導対象者の階層化を踏まえ、特定保健指導利用券(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/dl/s0328-7j.pdf)を発行し、それをもとに特定保健指導の受託機関が実施することになる。医療機関が、特定保健指導の受託機関となるかどうかあたって、「一定の保健指導の実務経験のある看護師」の定義が問題となってくるのである。管内の医療機関からは、「看護師に特定保健指導の研修を受けてもらうべきかどうか」、問い合わせがあり、早急に見解を明らかにしていただきたいところである。ところで、特定健診等実施計画では平成24年度の特定保健指導実施率を国の参酌標準である45%(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/info03g-1.pdf)に設定しているところが多いと思われる。平成20年度まで2ヵ月あまりとなった現在、それが達成できるかどうか、特定保健指導の懸念が小さくないかもしれない。しかし、できる限りの対応ということで、ある程度の割り切りが必要と感じないでもない。例えば、これまで特定保健指導に相当するような、保健指導が現場では、どれだけ行われてきたであろうか。平成16年度地域保健・老人保健事業報告によると個別健康教育実施人員は全国で指導開始25975人(高血圧3005、高脂血症11040、糖尿病7165、喫煙4765)、指導終了21831人(高血圧2677、高脂血症9613、糖尿病6120、喫煙3421)、平成14年度は指導開始26765人、指導終了22560人(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/c-hoken/02/kekka2.html#10)に留まっている。国保ヘルスアップ事業も実施されているが、平成20年度は、19年度実績を大幅に上回ることだけでも十分な成果といえるように感じるところである。また、特定保健指導が困難な場合でも、健康増進法(http://www.ron.gr.jp/law/law/kenko_zo.htm)に基づき市町村が実施する健康増進事業(健康手帳交付、健康教育、健康相談、訪問指導等)の一環で必要な指導を行うこともあるように感じるところである。国のQ&A(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/info03e_8.pdf)問27で後期高齢者に対する保健指導が健康増進法(http://www.ron.gr.jp/law/law/kenko_zo.htm)第17条に基づく市町村事業とされているのと同様かもしれない。とにかく今、最低限必要なことは、これまで基本健診を受託していただいた医療機関に特定健診を受託していただくことで、被用者保険の被扶養者のことも考慮し、集合契約に参加してもらうことではないか、と感じるところである。
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定期の予防接種(麻しん風しん第2期)の実施状況の調査結果

2008年01月30日 | Weblog
平成19年度定期の予防接種(麻しん風しん第2期)の実施状況の調査結果が公表されている。都道府県別(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou21/dl/080130a.pdf)、市町村別(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou21/dl/080130b.pdf)の接種率をみると、かなりの違いがみられていることがわかる。ところで、昨年末に出された「麻しんに関する特定感染症予防指針」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou21/dl/071218a.pdf)に基づき、平成20年度から5年間、定期の予防接種(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/teiki-yobou/01.html)の対象者に、中学一年生と高校三年生に相当する年齢の者(麻しん及び風しんに既に罹患したことが確実な者及びそれぞれの予防接種を二回接種した者を除く。)が時限的に追加され、「年度当初の四月から六月までの三月間に、特に積極的な勧奨を行うものとする」とされている。また、「定期の予防接種は、原則、診療所等で個別に行うものとするが、国が、応急治療措置、救急搬送措置等について安全面で遵守すべき事項を別途定め、学校医等と連携をとることにより、中学校及び高等学校等で定期の予防接種を実施することも可能である。」とされており、接種率を上げるために、学校での集団接種も考慮されるかもしれない。しかし、現状の対象年齢(第1期;生後12月~24月、第2期;小学校就学前の1年間)に比べて、都道府県格差、市町村格差は大きくなるように感じるところである。
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特定健診・保健指導

2008年01月30日 | Weblog
「都道府県医師会長協議会(1月22日開催)の協議内容について」(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20080123_3.pdf)をみると、特定健診・保健指導に係る項目が3題みられる。管内の先生方との話の中でも、電子データ送信のこと、特定保健指導の看護師要件のこと、詳細な健診のこと(特に眼底検査)、事業所健診後の特定保健指導のこと等、話題に事欠かない感じである。「特定健康診査・特定保健指導の円滑な実施に向けた手引き」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/info03d.html)は先週改訂されているのであるが、どうも現場では円滑には進んでいない感じがするところである。ところで、「特定健康診査・特定保健指導に関するQ&A集」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/info03e.html)の最新版が出ている。1の①14「医療保険者の自主的な判断により、保健事業として、75歳に達する年度において早生まれであるなど75歳に達する前の者に対し健診を行うことは差し支えない。」、同15「資格証明書発行者についての取扱を医療給付と同様にするという考え方は、保険財政で行うという観点からは当然あり得ることではあるが、実際の運用等において一律にその考え方を適用することが困難な場合も多いことも勘案し、取扱を定められたい。」、1の②29「詳細な健診の基準にある前年度の特定健診の結果等の等とは、当該年度も含め、4項目の結果がある過去に受けた他の健診を指すもの。例えば平成19年度の住民健診や人間ドックの結果を平成20年度の特定健診において利用するなど。よって、当該年度の結果が基準に合致し、医師が必要と判断したことにより詳細な健診を実施したことが証明できる場合は、補助金の対象となる。」、2の②10「一定の保健指導の実務経験を有する看護師の定義について、通知にてお示しする予定である。」、4の28「特定健診の補助(負担)金については、当該年度で終了したものについて交付するものとする。したがって、交付申請等の関係上、年度末の実施は避けることが望ましい。また、特定保健指導も同様の考えに基づき、年度をまたいで実施したものについては完了した年度に交付することを考えている。」、5の①43「市保健センターは実施場所のみの提供であって、健診業務の全てを健診機関が行う場合は、被用者保険側は集合契約により健診機関と契約を結ぶこととなる。」、5の②21「医療保険者の多くは被扶養者の住所を把握しておらず、被扶養者が(集合契約をしている)どこの医療機関で受診するか分からないため、どこで受けてもいいように、医療保険者として保健事業の運営予算を意識しつつ、必要と判断する追加検査項目を厳選する必要があることから、現在の様式に納まるのではないかと考えている。よって、3つ折りになるような多数の項目になるとは考えにくい。)医療保険者が各市町村国保における全ての追加検査項目の実施を承認するのであれば、受診券の健診内容欄は「・受診地の市町村国保の追加健診項目も含む特定健康診査」のみ印字することとなる。」、5の③7「実施する各医療機関は機関番号の申請が必要となる。なお、支払基金で付番する機関番号は、実施機関として委託基準を満たしていることを支払基金のHP上で公開するときに必要であり、また、医療保険者から国への実績報告をする上で必要となることから、機関番号のない医療機関は特定健診等の実施機関としてありえない。」など、理解しておくべきことが少なくないようである。このうち、特に詳細健診について、「当該年度の結果が基準に合致し、医師が必要と判断したことにより詳細な健診を実施したことが証明できる場合は、補助金の対象となる」と変更されている点が注目されるところかもしれない。なお、「一定の保健指導の実務経験を有する看護師の定義について、通知にてお示しする予定である。」とされていることについて、医療機関から、看護師に研修を受けてもらえばよいかどうか、問い合わせがあり、早急な通知が待たれるところである。
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障害者自立支援協議会

2008年01月30日 | Weblog
昨日、管内の障害者自立支援協議会の部会に参加した。公共職業安定所(ハローワーク)の方から、障害者雇用促進法(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S35/S35HO123.html)が改正(http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/shougaisha01/index.html)され、①精神障害者に対する雇用率制度が適用されたこと、②在宅就業障害者支援制度が創設され、特例調整金・特例報奨金が支給されること、③助成金制度が拡充され、ジョブコーチ助成金(職場適応援助者助成金)やグループ就労訓練助成金が創設されたこと等について説明を受けた。また、配布された障害者雇用促進ガイドブックには、1)障害者の雇用状況、2)障害者の求職登録状況、3)障害者雇用納付金制度、4)事業所における障害者職業生活相談員や障害者雇用推進者の選任、障害者解雇の届出、5)障害者雇用に関する各種の援助制度(障害者トライアル雇用事業、特定求職者雇用開発助成金、職場適応訓練など)、6)雇用支援のための関係機関・施設が掲載されている。これらの情報について、障害者本人・家族、事業所をはじめ、障害者施策に関わるすべての方々が理解しておく必要があるが、お互いに、何か不明な点や確認したい点があれば気軽に聞いたり、必要と感じれば薦めればよいのである。ところで、協議会では、最近公開されているいくつかの資料を改めて確認しあった。①平成18年度工賃(賃金)月額の実績について(http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/10/h1031-4.html)、②身体障害者、知的障害者及び精神障害者就業実態調査の調査結果について(http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/01/h0118-2.html)、③与党障害者自立支援に関するプロジェクトチーム 障害者自立支援法の抜本的見直し 報告書(http://www.jimin.jp/jimin/seisaku/2007/pdf/seisaku-029.pdf)、④労働政策審議会意見書 今後の障害者雇用施策の充実強化について(http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/12/h1219-2.html)。障害者施策について、いろいろな動きがあることは間違いないようである。なお、それぞれの機関や事業所における様々な悩みも聞かせていただいたが、やはり、関係者が集まってface to faceで協議する意義は大きいかもしれないと感じたところである。
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麻しん

2008年01月29日 | Weblog
「はしか患者 前週から大幅増加」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/14245.html;jsessionid=17A402047FBDF17F85A8B96C508E8B91)と報道されている。これは、「感染症発生動向調査 週報」(http://idsc.nih.go.jp/idwr/sokuho/index.html)の報告(http://idsc.nih.go.jp/idwr/sokuho/200803/2008-03-zensu.pdf)をもとにしている。2008年03週(01月14日~01月20日)で2桁以上の報告は、結核240件、アメーバ赤痢10件、麻しん180件だけである。特に麻しんは、2008年01週(12月31日~01月06日)は34件(http://idsc.nih.go.jp/idwr/sokuho/200801/2008-01-zensu.pdf)、2008年02週(01月07日~01月13日)は90件(http://idsc.nih.go.jp/idwr/sokuho/200802/2008-02-zensu.pdf)で、第3週に急増していることが注目される。確かに、麻しんは本年1月1日からすべての医療機関からの届出(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-14-03.html)に切り替わっており、その周知による影響は否定できないが、報告件数(http://idsc.nih.go.jp/idwr/sokuho/200803/2008-03-zensu.pdf)をみると、集団感染が起こっているのかもしれない。報告患者の年齢分布はどうなっているであろうか。さて、麻しんは昨年末に特定感染症予防指針(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/11/dl/s1129-18b.pdf)が策定され、平成20年度~24年度、定期予防接種の対象に中学1年生と高校3年生に相当する年齢の者が追加されることになっている。但し、今後の集団感染の拡がり状況によっては、4月からの定期接種を待たず、臨時の任意接種が勧奨される場面がでてくるかもしれない。あるいは、4月早々に定期接種が勧奨されるかもしれないが、ワクチン不足は避けたいところかもしれない。
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特定健診・特定保健指導の課題

2008年01月29日 | Weblog
日本医師会が先日の記者会見で「特定健診・特定保健指導の課題」を述べている(http://www.med.or.jp/shirokuma/no849.html)。<以下引用>
<内田健夫常任理事は、1月16日の記者会見で、本年4月より始まる特定健診・特定保健指導の実施に向けて、現在の課題の中で、以下の5項目について見解を公表した。 1.健保組合、共済組合等の被扶養者など、加入している医療保険の種類によって、受けられる健診が異なる可能性を指摘し、国保加入者以外の地域住民に対する保健サービスとして、市町村衛生部門の責任のもとで、引き続き全住民に実施すべきと示した。  2.保険者に対して特定健診等に関する電磁的記録の提出をすることとなっているが、厚生労働省研究班等のフリーソフトの公開が遅れたこともあり、実際に実施機関が対応できるかなど準備が進んでいないことから、電子化への対応の義務化は延期すべきとした。  3.特定保健指導の実施者のうち、一定の保健指導の実務経験のある看護師として、産業看護師が想定されているが、医療機関に従事する看護師についても、研修等をもって、初回面接、支援計画作成等の業務の実施を認めるべきであると述べた。  4.特定健診の実施期間を約9ヶ月間に限定されることが予想されることに対しては、受診者の利便性や健診実施機関の雇用等の問題もあり、通年の特定健診の実施体制が必要であると示した。 5.制度の実施にあたり、様々な問題について厚労省の中に、保険者も含めた関係者全体の検討する場を早急に設置するべきと述べた。 同常任理事は、「現状でも、問題が山積しており、このままの体制で本当に特定健診・特定保健指導を実施できるのか危惧している。4月になり、住民に対する健診サービスが消滅してしまうことは、国民の健康にとって、由々しき事態だと考えている。厚労省に申し入れるとともに、国民にも啓発していきたい。」とした。>
 
配布資料(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20080116_3.pdf)に詳しく説明されているが、ここに掲げられる課題は以前からこのブログで度々述べてきたことである。先月の日本医師会研修会でかなり厳しい状況(http://dl.med.or.jp/dl-med/chiiki/kenshin/191224/10color.pdf)が報告されており、この記者会見は時間の問題かもしれないと感じていたところである。とにかく、今最低限必要なことは、従来、基本健診を受託してきた医療機関が来年度から特定健診を受託できるようにすることであろう。被扶養者の利便性を考えれば、集合契約に参加していただく必要がある。特定健康診査機関・特定保健指導機関データベースの健診機関検索画面(http://kenshin-db.niph.go.jp/kenshin/kikan_checkups/search/)の住所欄に県名を入れて検索すると、以前よりも増えているが、十分ではないように感じる。最終的に掲載される社会保険診療報酬支払基金(http://www.ssk.or.jp/tokuteikenshin/index.html)の機関検索ページ(http://202.229.151.1/)をみると、今のところかなり懸念される状況かもしれない。さて、都道府県の国保連合会に、特定健診や保健指導の記録を電子的に管理するシステム(特定健診等データ管理システム)が設置される(http://www.wel.ne.jp/doc/healthcare/tokutei3_1.html)。高齢者医療確保法(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/hoken83b.pdf)第27条に規定されるように、保険者間、あるいは保険者と事業者との間でも健診記録のやりとりが行われるのであるが、電子化への対応がネックの一つであるのは間違いなさそうである。
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歯科医師

2008年01月28日 | Weblog
「歯科医に広がる〝ワーキングプア〟」(http://news.cabrain.net/article.do?newsId=14151)の記事が目にとまった。<以下引用>
<産科・小児科・救急医療を中心に「医療崩壊」が各地で社会問題化する中、歯科医療がより危機的な状況にあえいでいる。2000年以降の相次ぐ診療報酬のマイナス改定で医療機関の経営が全体的に悪化したばかりでなく、歯科では73項目にわたる保険点数が20年間も据え置かれていることが影響している。歯科医師や歯科技工士らに支払われる診療報酬は先進国に比べ極めて低く、歯科医師の5人に1人が年収300万円以下、歯科技工士の3人に1人が200万円以下の〝ワーキングプア〟状態に置かれているという。歯科の保険点数の据え置きについては、小池晃・参議院議員(共産党)の質問主意書に対する昨年12月の政府答弁で明らかになった。答弁によると、1986年4月時点と同じ保険点数だったのは73項目で、エックス線画像診断・各種検査・フッ素塗布・歯周治療・鋳造歯冠修復など、ほとんどの歯科医療の基本的技術が含まれていた。20年の間には消費者物価が1.5~2倍になり、国民生活も様変わりしている。にもかかわらず、歯科医療の根幹となる保険診療の基本的技術料が変化していないことに関して、小池氏は「20年間も(保険点数の)引き上げが行われていないことは、この間の物価・人件費の伸びなどと比べても、明らかに均衡を欠く」と追及。これに対し厚生労働省は「歯科診療報酬については、物価、賃金等の動向、経営状況、医療保険財政の状況等を総合的に勘案し、(中略)、必要な事項については重点的に評価し、適切に設定している」と答えている。全国保険医団体連合会(保団連)によると、かつては医療費全体の12%あった歯科医療費が06年度は7.7%にまで下落。歯科医師・歯科技工士・歯科衛生士らに支払われる診療報酬は先進国に比べ極めて低く抑えられている。昨年10月に保団連主催で開かれた「歯は命 歯科医療危機突破10.28決起集会」などでは、歯科医師の5人に1人が年収300万円以下、歯科技工士の3人に1人が200万円以下と報告。保団連は「日曜日や深夜まで診療している歯科が増えたのは、(開業時に医療機器等を導入するために負った)借金を返すために寝る時間を削って働かざるを得ない実態がある」と訴えるなど、歯科医業の収支は、歯科医師数の需給バランスの悪化も影響して、全体的に悪化の一途をたどっている。患者と歯科医療担当者で構成する「保険で良い歯科医療を」全国連絡会の06年の調査では、歯科医療に対する患者の要望は「保険のきく範囲を広げてほしい」が00年調査より8ポイント上回って約8割にも達している。保団連は「新しい技術や安全性が確保されている技術を速やかに保険導入すること、臨床の実態に即したものを導入するよう要求することは当然」と指摘。「政府の歯科医療軽視政策のもとで、患者・国民の要求に十分にこたえきれず、歯科医師をはじめ歯科医療従事者が苦悩している。先進国の中で日本は虫歯や歯周病の状況は最悪で、長期にわたり改定が据え置かれた項目をはじめ、歯科の診療報酬について適切な診療を確保するための十分な評価が行われるべき」と強調している。>
 
記事の歯科の診療報酬に関する質問に対する答弁書(http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/syuisyo/168/touh/t168074.htm)のほかに、歯科医療の向上に関する質問主意書に対する答弁書(http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b168363.htm)もみられる。「医療崩壊の先頭に立たされる歯科医師」(http://www.jcj.gr.jp/rupo.html)の記事もみられる。<以下引用>
<産科や小児科をはじめ、医療が崩壊しつつある中、歯科医療はさらに危機的状況にあえいでいる。歯科医師の5人に1人、歯科技工士の3人に1人が年収200万円程度以下にとどまる。日曜日や深夜まで診療している歯科医院が増えたのは、借金を返すために寝る時間を削って働かざるを得ない実態がある。先進国の中で日本はムシ歯や歯周病の状況が最悪なのに、真面目に治療し、できるだけ安くしようと努力すれば個別指導で恫喝される。「指導」名目での医療機関への締め付けは強化される一方だ。このままでは、更なる犠牲者が続くことになるだろう。薬害エイズ、薬害肝炎など国民の生命に関する事項を隠蔽し、職責を果たさなかった厚生労働省。年金問題では度重なる不正行為で社会を不安におとしめた社会保険庁。自らの不正には目をつぶってきた。一方で、「民」へは不正・不当とレッテルを貼り歯科医師らを死に追いやる。逸脱した医療指導官はもちろん、黙認した社会保険庁、厚生労働省の責任は重大だ。厚生官僚は、国民の生命や健康を守るのが任務ではないのか。真摯に反省し、安全・安心な歯科医療を行えるようにすべきだ。10月28日には自殺した歯科医師の妻も参加し、東京・砂防会館で「歯科保険医自殺事件緊急抗議集会」を開いた。集まった歯科関係者ら300人は、人権を無視した個別指導は「行政による殺人だ」と怒りの声を上げた。そして、厚生労働省による真相の究明、事件に関与した指導医療官らの処分、指導・監査の抜本的改善などを求める決議を採択した。>
 
さて、先日、管内の歯科医師と話す機会があった。昨年の通知(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/i-anzen/hourei/dl/070330-1.pdf)は、歯科診療所に関わることも大きい。医療機能情報提供制度や安全確保措置のほか、今後、在宅歯科診療の推進を図る必要があり、もっと意見交換が必要なように感じられたところである。
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診療行為に関連した死亡に係る死因究明

2008年01月28日 | Weblog
「医学論文:急減 処分恐れ医師ら萎縮?」(http://mainichi.jp/select/today/news/20080127k0000m040123000c.html)の記事が目にとまった。<以下引用>
<治療の副作用や合併症に関する医学論文の数が昨年後半から急激に減少したことが、東京大医科学研究所の上(かみ)昌広客員准教授(医療ガバナンス論)らのグループの調査で分かった。このうち、診療中に起きた個別の事例を取り上げた「症例報告」はゼロに近づいた。グループは、厚生労働省が検討する医療事故調査委員会の発足後、行政処分や刑事責任の追及につながることを医師が恐れて萎縮(いしゅく)し、発表を控えたためと推測している。グループは昨年12月中旬、国内の医学論文のデータベースを使って、06年1月~07年10月に出された副作用や合併症などに関する論文を探し、総論文数に対する割合を月ごとに調べた。その結果、国内では毎月、1万~4万件前後の医学論文が発表され、一昨年から昨年前半までは合併症の論文が全体の13~17%あった。しかし、昨夏ごろから急減し、10月には約2%になった。副作用の論文も以前は4~6%あったが、昨年10月には約2%に減った。特に、副作用の症例報告は、以前は1%前後あったが、昨年10月にはゼロになった。合併症の症例報告も、以前は5~9%あったが、昨年10月には0.1%しかなかった。厚労省は昨年10月、診療中の予期せぬ死亡事故の原因を究明するために創設する医療事故調査委員会の第2次試案を公表した。死亡事故の国への届け出を医療機関に義務付け、調査報告書は行政処分や刑事責任追及にも活用する場合もあることを盛り込んだ。10年度をめどに発足を目指している。上客員准教授は「副作用や合併症が報告されない状態が続くと、医学が発展せず、国民の被害は大きい。リスクの高い診療科からの医師離れも促す。調査報告書は行政処分や刑事責任追及に使われないようにすべきだ」と訴えている。>
 
「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/12/s1227-8.html)では、医療安全調査委員会(仮称)への届出範囲案(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/12/dl/s1227-8a.pdf)について、「①誤った医療を行ったことが明らかであり、その行った医療に起因して、患者が死亡した事案。②誤った医療を行ったことは明らかではないが、行った医療に起因して、患者が死亡した事案(行った医療に起因すると疑われるものを含み、死亡を予期しなかったものに限る。)」とし、「判断は、死亡を診断した医師(主治医等)ではなく、当該医療機関の管理者が行うこととしてはどうか。 委員会へ届け出るべき事例として具体的な事例を通知等において例示することとしてはどうか。遺族からの調査依頼についても委員会は原則として解剖を前提とした調査を行うこととしてはどうか。 医療機関においては患者が死亡した場合、委員会による調査の仕組みについて遺族に必ず説明することとしてはどうか。届出範囲(①②)に該当すると医療機関において判断したにもかかわらず、故意に届出を怠った場合又は虚偽の届出を行った場合は何らかのペナルティを科すことができることとしてはどうか。医療機関においては届出範囲(①②)に該当するとは判断していないが遺族が調査を望む場合には医療機関からの届出ができることとしてはどうか。」とされている。但し、「委員会へ届け出るべきか否かについて、例えば以下のような事例についてはどう考えるか。委員会において受理した事例に関して、委員会での調査の必要性のスクリーニングを行う仕組みを設けることは可能か。」とされていることから、悩ましいところなのであろう。会議資料(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/12/dl/s1227-8a.pdf)では、関連学会の見解や声明も掲載されているが、簡単にはいかない感じがする。昨年10月の第二次試案(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/11/dl/s1108-8c.pdf)に対して、「日本医師会の大罪」(http://plaza.umin.ac.jp/~perinate/cgi-bin/wiki/wiki.cgi?page=%BE%AE%BE%BE%BD%A8%BC%F9%B0%E5%BB%D5%A4%E8%A4%EA)とする厳しい意見もみられる。報道のように、副作用や合併症が報告されないようになれば、かえって死因究明がしにくくなるようにも感じるところである。ところで、平成17年5月に出された「地域保健対策検討会 中間報告」(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/05/s0523-4.html)においても死因調査について記されていたところである(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/05/dl/s0523-4b.pdf)。<以下引用>
<公衆衛生上、問題のあると考えられる死体の死因調査 ○死因を公正かつ中立的・科学的に解明することは、公衆衛生上の危害の拡大防止のために極めて重要であり、同様の要因に基づく死亡の再発を防止することができる。現在は、「死体解剖保存法」により監察医を置く地域以外では、「食品衛生法」及び「検疫法」の定めを除き、行政が解剖を行う権限は規定されていないが、今後、行政によって、死因の不確定な要素を調査することが望ましい。 ○公衆衛生上、問題のあると考えられる死体として、既存の行政解剖に該当するもの以外には、死亡原因が明らかではない死体が該当する。 ○死亡という重篤な事象を正確に分析することは、公衆衛生的対応の「端緒」として重要である。この対応は、必要な行政的対応を行うことができる保健所において行うことが適当と考えられるが、届出の方式、専門的判断の仕組みなど、今後、関連制度の整備や人材の養成に関する具体的な検討が必要である。 ○なお、公衆衛生上、問題の可能性がある死体として、診療行為に関連した死亡(医療関連死)があるが、これについては、平成17年度から国において、「診療行為に関連した死亡の調査分析に係るモデル事業」が、関連学会等の協力を得て実施されることとなっており、当該モデル事業の実施状況やそこから得られる問題点の整理などを踏まえ、別途、検討が行われるべきである。>

今通常国会で医療安全調査委員会設置法案が提出され、医療事故等の届出を医療機関に義務付けされるようであるが、「刑事手続きとの関係6割が懸念」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/14218.html;jsessionid=A633E3BB875DA4C41B0989D90E11746E)と報じられている。
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在日米国商工会議所の意見書

2008年01月27日 | Weblog
在日米国商工会議所が「乳がん検診の受診率向上の推進を」の意見書(http://www.accj.or.jp/document_library/Viewpoints/VP_Br_Cancer_070906.pdf)を出している。<以下引用>
<在日米国商工会議所(ACCJ)は、日本政府に対し、国民健康保険法を改正し、毎年行われる「特定健診」において、40歳以上の女性を対象に必須項目としてマンモグフィ検診を義務付けるよう要請する。加えて、ACCJは、マンモグラフィによる乳がん検診受診率を向上させ、早期発見のメリットについて認識を高めるために必要な財源を引き続き確保するよう、日本政府に要望する。>

在日米国商工会議所からは、「保健医療分野におけるIT利用状況の改善」(http://www.accj.or.jp/document_library/Viewpoints/VP_Util_IT_Health.pdf)、「予防と早期発見への重点的な取り組みを」(http://www.accj.or.jp/document_library/Viewpoints/VP_Prev_EDet.pdf)、「日本政府による「革新的医薬品・医療機器創出のための5か年戦略」を歓迎」(http://www.accj.or.jp/document_library/Viewpoints/VP070907MDD.pdf)などの意見書も出されているが、どうなるであろうか。そういえば、先月、「女性の健康づくり推進懇談会」(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/12/s1225-13.html)が設置され、女性の健康課題の一つとして「女性がん」も挙げられている。今年から、毎年3月1日から8日まで「女性の健康週間」(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/12/dl/s1225-13e.pdf)とされるが、その期間には乳がん対策が大々的にマスコミ報道されるのかもしれないと感じないでもない。ところで、わが国において従来から幅広く行われてきた「胃がん検診、大腸がん検診、肺がん検診」は、男女ともに関係するが、意見書(http://www.accj.or.jp/document_library/Viewpoints/VP_Br_Cancer_070906.pdf)では言及されないのであろうか。
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感染症発生動向調査 週報

2008年01月27日 | Weblog
「感染症発生動向調査 週報」(http://idsc.nih.go.jp/idwr/sokuho/index.html)は毎週みておきたい資料の一つである。2008年02週(01月07日~01月13日)で二桁以上の報告(http://idsc.nih.go.jp/idwr/sokuho/200802/2008-02-zensu.pdf)は、結核271件、細菌性赤痢10件、腸管出血性大腸菌感染症15件、つつが虫病12件、AIDS10件、麻疹90件となっている。結核は平成19年度から、感染症法の2類感染症となり、発生動向調査の週報に登場している。いうまでもなく、ダントツの報告件数である。結核の年間報告件数(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou03/index.html)を鑑みれば、どこで、いつ、何件報告されているか、注目されるところかもしれない。さて、麻疹については、一週間(1月7日~1月13日)で神奈川29件、北海道14件、福岡県9件、秋田県7件、東京都7件、千葉県6件、兵庫県5件、大分県4件等となっている(http://idsc.nih.go.jp/idwr/sokuho/200802/2008-02-zensu.pdf)。届出票(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/pdf/01-05-14-03.pdf)には、患者の年齢、感染原因・感染経路・感染地域等が記載されており、集団発生かどうか、ある程度わかるであろう(医療機関から所管の保健所に情報が入っていると思われる)。今年も各地で麻疹の集団感染が話題となるのであろうか。ところで、麻疹のワクチンの確保は大丈夫なのであろうか。先日の全国厚生労働関係部局長会議資料(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb11GS20.nsf/0/160c76503281ffef492573d40016f22c/$FILE/20080118_1kenkou.pdf)p3では、麻しん対策について、「麻しんについては、昨年10代及び20代で流行が見られたが、これは、当該年代で未接種の者、あるいは、接種をしたものの免疫が獲得できなかった者が一定程度いたことによるものである。このため、集団感染のおそれのある層に対して、抗体を付与するための補足的な接種を行うことにより、麻しんの流行を防止するため、5年間の時限措置として13歳相当の者(中学1年生相当)及び18歳相当の者(高校3年生相当)に追加接種を行うこととしており(平成20年4月1日より)、適切な実施体制が整うよう周知されたい。」とされているところである。
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特定保健指導の行方

2008年01月26日 | Weblog
1月17日に「特定健康診査及び特定保健指導の実施に関する基準の施行について」通知(保発第0117001号)が出されている。特定保健指導(動機付け支援、積極的支援)では、「支援対象者が、医師、保健師又は管理栄養士の面接による指導の下に行動計画を策定すること」とされているが、平成20年4月1日~平成25年3月31日までの間は「保健指導に関する一定の実務経験を有する看護師」も面接が実施できる。これについて、先月の日本医師会研修会の資料(http://dl.med.or.jp/dl-med/chiiki/kenshin/191224/10color.pdf)p42では、「厚労省では、「一定の保健指導」は、すでに産業保健の現場で働いている看護師を想定しており、病院・診療所に勤務している看護師は想定していません。」とされている。しかし、資料(http://dl.med.or.jp/dl-med/chiiki/kenshin/191224/10color.pdf)p31では、「一般の医療機関の医師による初回面接20分は、一般外来患者に対する診療にも影響が大きく、初回面接の実施内容を医師と看護師で分担して行なう事が効率的・効果的であると考える。」「一定の保健指導の実務経験のある看護師について、広く医療機関に従事する者の研修等を以って、業務実施を認めるべきである。」とされている。最近、医療機関から、「看護師に特定保健指導の研修を受けてもらえばよいのかどうか」、問い合わせがあり、「一定の保健指導の実務経験のある看護師」の取り扱いが現場の課題になっているのは間違いないようである。さて、1月24日の保険者協議会中央連絡会において、「特定健康診査及び特定保健指導の実施体制に関する調査 第5回(11月上旬実施)結果」が出されている。その中で、市町村が「国保被保険者以外の者の保健指導受託の可否」について、「対応不可57.3%(前回46.0%)」、「未定31.2%(前回42.0%)」としているのが注目される。すなわち、市町村は国保被保険者に対する特定保健指導で手一杯であり、被用者保険の方までは手が回らない状況が明らかになっている。したがって、被用者保険加入者・被扶養者が特定保健指導利用券をもらった場合、どこで特定保健指導を受けられるかが課題となるが、被扶養者の利便性を考慮すれば、身近な地域で確保される必要があるのはいうまでもない。そこで問題となるのが、前述の「一定の保健指導の実務経験のある看護師」の取り扱いである。特定保健指導の「量」と「質」のバランスに少々悩ましいところかもしれない。但し、「特定健康診査・特定保健指導の円滑な実施に向けた手引き」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/info03d-1.pdf)p26の図では「特定保健指導利用券の出力・送付」は「特定保健指導対象者リストの中から、特定保健指導実施者を抽出」とされており、「抽出率」が注目されるかもしれない。しかし、今度は特定健康診査等実施計画(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/info03g-1.pdf)p17に掲げる「特定保健指導の実施率45%:平成24年度」の目標達成、そして、「高齢者の医療の確保に関する法律」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/hoken83b.pdf)第百二十条2項による「特定健診・保健指導の達成状況に基づく後期高齢者支援金調整率」が懸念されるかもしれない。いろいろ悩ましいところである。
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医籍、看護師籍

2008年01月25日 | Weblog
「日本の医師の数」(http://www.asyura2.com/07/iryo01/msg/363.html)のブログ記事が目にとまった。その中で気になるのは、「医師等資格確認検索」(http://licenseif.mhlw.go.jp/search/top.jsp)には死亡している方が載っているとされ、「日本の医療は幽霊部隊」と書かれていることである。一応、医師は、医師法(http://www.ron.gr.jp/law/law/ishihou.htm)第六条3項に基づき、2年ごとに省令で定める事項を知事に届けなければならないことになっており、以前に亡くなった医師が医籍に登録されているようには感じられない。しかし、すべての医療従事者の籍が問題ないかといえば、そうとはいえないかもしれない。というのは、医療従事者で全数届出になっているのは医師・歯科医師・薬剤師だけだからである。例えば、看護職は、保健師助産師看護師法33条(http://www.ron.gr.jp/law/law/kangofu.htm)により、業務従事者のみの届出である。これについて、日本精神科病院協会からの要望(http://www.nisseikyo.or.jp/home/about/05teigen/2006/2006_17.html)では、「看護師の届出制度の法制化」を挙げ、「医師と違い看護師には届出制がなく、潜在看護師の現状すら正確に把握できていない状況に有ります。国民の健康をあずかる看護師についても医師同様、届出制を法制化することが必要であります。」とされている。果たして看護師籍はどういう状況であろうか。
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糖尿病の地域連携クリティカルパス

2008年01月25日 | Weblog
先月、「糖尿病等の生活習慣病対策の推進について 中間取りまとめ」(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/12/s1227-13.html)が出ている。生活習慣病対策は平成12年から「21世紀における国民健康づくり運動;健康日本21 2000年~2012年」(http://www.kenkounippon21.gr.jp/)が推進されているが、平成20年度からは新たに「健やか生活習慣国民運動」(http://www.kenkounippon21.gr.jp/sukoyaka/pdf/about.pdf)が実施される。そういえば、昨年出された「新健康フロンティア戦略」(http://www.kenkounippon21.gr.jp/sukoyaka/pdf/4-2sinnken.pdf)では、国民自らがそれぞれの立場に応じて行う健康対策として、子どもの健康力、女性の健康力、メタボリックシンドローム克服力、がん克服力、こころの健康力、介護予防力、歯の健康力、食の選択力、スポーツ力が掲げられ、新健康フロンティア戦略を支援する、スポーツ力、人間活動領域拡張力、研究開発力が挙げられている(http://www.kenkounippon21.gr.jp/sukoyaka/pdf/4-1sinnken.pdf)(http://www.kenkounippon21.gr.jp/sukoyaka/pdf/4-3sinnken.pdf)。どうも最近は、ベストセラー本の影響か、「○○力」で溢れているようである。ところで、中間取りまとめについて、少々偏っている感じを抱く方が少なくないかもしれない。例えば、OECD「Health at a Glance 2007」(http://www.oecd.org/health/healthataglance)では、糖尿病患者に対する眼底検査実施率はOECD平均57.3%で日本は37.0%で最も低いことが明らかにされている(厚生福祉1月11日号参照)。新たな医療計画では、通知「疾病又は事業ごとの医療連携体制について」(http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/191113-j00.pdf)に基づき、糖尿病についても具体的な医療連携体制が記載されることになっている。糖尿病は、いつ頃どのような検査を行い、どのような場合に教育入院を勧めるか、患者にどのような指導を行うか等、地域連携クリティカルパスで統一されていれば、専門医・コメディカルと非専門医との循環型(双方向型)の診療が可能で、診療の質の向上が図れる疾患である。すでに、糖尿病の地域連携クリティカルパスの整備は各地で取り組まれてきている(http://www003.upp.so-net.ne.jp/ujihara/TDMnet/index.htm)が、管内ではようやく糖尿病地域連携パスに関する研修会を開催するところである。
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後期高齢者医療制度

2008年01月25日 | Weblog
昨夜、医師会の先生方と話す機会があったのであるが、後期高齢者医療制度の話題で持ちきりであった。ネットでも「高齢者の医療〝狭き門〟に!?」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/14174.html;jsessionid=9BF57E15C71A9A9A211DE3AB8FB43A8C)の記事がでている。<以下引用>
<今年4月の診療報酬改定で、75歳以上の国民から医療が遠ざけられる危険性が指摘されている。75歳以上の国民が複数の医療機関にかからないようにするため、原則として患者1人について1人の「高齢者担当医」(仮称)とする制度の導入が検討されているからだ。複数の疾病を抱える高齢者の継続的な医学管理を行う担当医を1医療機関に限定すると、国民皆保険制度を持つ日本医療の特性である「フリーアクセス(いつでも・どこでも・だれでも)」に制限が加えられかねない。こうした動向に多くの医療関係者が「医療保障の原則を崩し、医師の裁量権を奪い、医療崩壊・健康破壊を助長させる」などと強く反発している。「高齢者担当医」に関する問題点は、1月24日に東京都内で開かれた全国保険医団体連合会(保団連)主催の「医療問題を考えるマスコミ懇談会」で示された。今年4月の診療報酬改定をめぐっては、厚生労働大臣の諮問機関「中央社会保険医療協議会(中医協)」が具体的な内容を検討。1月18日の中医協で確認された「現時点の骨子」には、「高齢者担当医のもとに、主病と認められる慢性疾患の治療に対して1医療機関のみにおいて(診療報酬を)算定する」と記されている。この高齢者担当医に関し、保団連は「慢性疾患に対する管理を通じて、高齢者が複数の医療機関にかからないように受診と服薬の管理・抑制を図る」と指摘。複数の疾病を抱えている高齢者の継続的な医学管理を行う担当医を1医療機関に限定することに対して、「他の医療機関が行う必要な治療が制限されかねない」、また「担当医の受診が優先されてフリーアクセスに制限が加えられかねない」などと、国民皆保険制度にかかわる問題点を挙げた。また、地域によっては、高齢者担当医が身近に存在しない事態が生じる可能性にも触れ、「1人の医師が患者情報を一元管理し、生涯にわたり総合的な医学管理を行うことは、『(患者の登録数に応じて診療報酬を人頭払いする)登録人頭制』導入の布石ではないか」という危惧を示した。加えて、医療行為や医療材料をまとめて包括した定額制の診療報酬の導入が企図されていることについても、「個々の患者さんの病態に応じて、必要な治療を何回行っても、同じ報酬。診療の難易度にかかわらず、支払われる報酬が同じとなるため、手厚い治療をするほど医療機関の持ち出しになる」と、医療経営に与える影響を指摘。この包括定額制と担当医制の組み合わせに関し「決められた報酬で総合的に患者さんを診ることを強いられれば、医療内容が乏しくならざるを得ない。きめ細やかな対応が必要な高齢者への医療を制限しようとしている」と批判し、既に声明を出している神奈川県保険医協会などと同様、高齢者担当医制や包括定額制の撤回を強く求めている。>
 
厚生労働省が25日まで「平成20年度診療報酬改定に係る検討状況について(現時点の骨子)」に関する意見募集(http://www.mhlw.go.jp/public/bosyuu/iken/p0118-1.html)を行っているのであるが、一般にはどれほど理解されているであろうか。平成20年度から「高齢者担当医」(仮称)を導入するにしても住民への説明と理解を得ることが不可欠なように感じるところである。しかし、この件に関してマスコミもあまり報道しないように感じるのは気のせいであろうか。
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慢性肝炎の地域連携パス

2008年01月24日 | Weblog
「出産や手術での大量出血などの際のフィブリノゲン製剤・血液凝固第IX因子製剤の投与によりC型肝炎ウイルスに感染された方々へ ~C型肝炎訴訟の原告の方々との和解の仕組みのお知らせ~」(http://www.mhlw.go.jp/topics/2008/01/tp0118-1.html)がでているが、ここのところ、事務所では検査予約がいっぱいである。結果が陽性になった方々には、その意義を説明し、医療機関を受診していただくよう、説明しているが、気になるのは、これまで様々な肝炎ウイルス検診で陽性になった方々である(http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/10/h1003-1.html)。フィブリノゲン投与の有無が気にならないわけではないが、継続的な管理がされているかどうかも気になるところである。一年前に出された「都道府県における肝炎検査後肝疾患診療体制に関するガイドライン」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou09/03.html)の前文では、「健診受診率が低いこと、肝炎ウイルス検査で要診療と判断された者が医療機関を受診しないこと、また、たとえ医療機関を受診しても、必ずしも適切な医療が提供されていないという問題点が指摘されている。」とされているところである。「肝機能正常だから大丈夫との思い込みは危険 感染者は“いま何処チェック”を」(http://www.asahi.com/ad/clients/c-kan/)と呼びかける必要がある。その際、すべての検診陽性者が専門病院に継続的に受診しなければならないというわけではない。地域連携パス等に基づく、「かかりつけ医と専門医をつなぐ地域医療連携の強化」(http://www.habatakifukushi.jp/iryou/report/20070416_03.html)が急務ではないかと感じるところである。脱落を防ぐ仕組みも組み入れた循環型(双方向型)の連携が期待されるところかもしれない。
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