保健福祉の現場から

感じるままに

社団医療法人の続報

2013年05月31日 | Weblog
社団医療法人について前回(http://blog.livedoor.jp/jlj001/archives/52033223.html)からの続報(http://blog.livedoor.jp/jlj001/archives/52034267.html)が出ているのが目にとまった。今回のネット記事(http://blog.livedoor.jp/jlj001/archives/52034267.html)の真偽はどうなのであろうか。今年2月、有名ビジネス雑誌に記事(http://toyokeizai.net/articles/-/12778)が出ていたが、その後、大手マスコミで全く報道されないことに不思議な感じがしている方は少なくないかもしれない。この件に関しては、投稿できない掲示板もあるらしい。ところで、平成25年度の医師臨床研修マッチング(http://www.jrmp.jp/yotei.htm)は、6月20日~8月8日「参加登録」、9月12日~9月26日「希望順位登録」、9月27日「中間公表」、10月24日「組み合わせ結果発表」であるが、この社団医療法人(http://blog.livedoor.jp/jlj001/archives/52034267.html)のマッチングに影響がないとは限らないかもしれない。
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TPPと知的財産

2013年05月31日 | Weblog
「リマ会合では何が決まったのか、何が決まらなかったのか―やはり危険な日本の参加」(http://uchidashoko.blogspot.jp/2013/05/blog-post_30.html)。<以下一部引用>
<TPPの24分野の中には、実はもう歩み寄りが不能というほど深刻な遅滞をもたらしている分野がいくつかある。まずは「知的財産」だ。米国が1年以上も前に素案を出したとたん、それがあまりにも米国と大企業に都合のいい内容だったために、ほぼすべての他国が一致して交渉を拒否したという経緯がある。もし本当に10月妥結を目指すのであれば、知財分野における合意は不可欠だ。そのこともあってペルーでは知財分野の交渉に最大の9日間が割かれていた。しかし、終了した時点で大きな進展はなかったといわれている。知的財産には医薬品の特許問題から、インターネット上の表現と著作権問題、各種のコンテンツの権利など幅広いテーマが含まれている。もちろん米国は製薬会社やコンテンツ産業などの圧力も受けていて、企業側の知的財産権を最大限に保護したいと思い続けているのだが、それは他国(例えばエイズ患者を多く抱えるマレーシアやベトナム)にとっては受け入れ不可能である。米国対他国という対立は深刻なまま残っている。>

知的財産権(http://thinktppip.jp/)について、全国保険医団体連合会意見「TPP参加で公的医療保険制度が実質的に機能しなくなる」(http://hodanren.doc-net.or.jp/iryoukankei/seisaku-kaisetu/130307tpp.pdf)、日本医師会の「TPP交渉参加判断に対する意見」(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20130227_11.pdf)(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20130227_12.pdf)(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20130227_14.pdf)では、医薬品や医療技術、医療機器の特許強化が懸念されていることは知っておきたい。日経メディカル「「TPPは“とんでもないペテンのプログラム”の略だ!」医療団体連絡会議がTPP交渉参加の撤回求めて集会」(http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201304/529859.html)も国内大手マスコミではほとんど報道されず、話題にならない。とにかく、全国紙やテレビではTPP草案の中身(http://www.kananet.com/tpp-kiken-kiji.pdf)はおろか、毒素条項(http://www.kananet.com/tpp-1.htm)でさえも、ほとんど報道されない。
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病床機能情報報告制度と地域医療ビジョン

2013年05月31日 | Weblog
キャリアブレイン「病床機能報告で事務局案」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/40021.html)。<以下引用>
<病院・病床の機能分化を進めるために検討されている病床機能情報報告制度について厚生労働省は30日、事務局案を示した。同日の「病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会」で提示。医療機能の分類は、急性期」「亜急性期(仮称)」「回復期リハビリテーション」「地域多機能(仮称)」「長期療養」の5つが示された。病棟の振り分け方については、制度導入当初は具体的な数値を設けず、分類ごとの説明を参考に医療機関が選択するとした。機能や報告項目は、6月をめどに取りまとめる。医療機関は「現状」と「今後の方向」を都道府県に報告する。それぞれの分類では、「主として」名称の機能を有していることとする。新たな概念として盛り込まれた「地域多機能」は、一つの病棟で複数の医療機能を持つ分類で、「医療資源が少なく機能分化ができない地域」で、病棟数が2病棟以下の医療機関に限るという原則を示した。機能の内容について委員らの意見が分かれていた「亜急性期」については、「主として急性期を経過した患者、在宅・介護施設等からの患者であって症状の急性増悪した患者に対し、在宅復帰に向けた医療を提供する機能」と定義。ポストアキュート、サブアキュートを包括する概念として説明した。■病棟ごとの報告事項は5-15項目 都道府県への報告事項は、全医療機能での共通項目として、許可病床数や高額医療機器の配置状況、入院患者の入棟前・退棟先の場所別患者数など13項目を示した。病棟ごとには、各機能でそれぞれ5-15項目を示し、大半はレセプトに記載されている情報から自動抽出が可能な項目とした。「地域多機能」の場合は、他の4機能の報告項目すべてを報告するものとする。委員からは、「亜急性期」と「地域多機能」の定義について意見が相次いだ。加納繁照委員(日本医療法人協会会長代行)は、「この表現では、高齢者の救急は亜急性が担う印象になる。高齢者救急は急性期が担うべきだ」と分類説明の表現に異論を述べた。相澤孝夫委員(日本病院会副会長)は、「地域多機能」を医療資源の少ない地域に限定する方向性について、「高齢者の身近にあって、急性期も療養も担うような多機能の中小病院は、都市部でこそ必要になる」と指摘し、地域性による限定に反対の意見を述べた。報告制度は一般病床と療養病床が対象で、有床診療所を含む。医療機関は病棟ごとにいずれかの機能を選択し、都道府県に届け出る。2014年度後半から運用を開始する予定で、集められた情報は、都道府県が15年度をめどに策定する「地域医療ビジョン」や、住民の医療機関選択に利用される。>

「病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000032pqf.html)では、「病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000032pqf-att/2r985200000338fh.pdf)、「報告制度の導入と地域医療ビジョン策定までの流れ」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000032pqf-att/2r985200000338g5.pdf)、「亜急性期、地域一般、判断基準」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000032pqf-att/2r985200000338o9.pdf)、「具体的な報告事項について」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000032pqf-att/2r985200000338ov.pdf)が出ており、目を通しておきたい。地域医療ビジョンは「平成25年度からスタートしている医療計画に追記」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000032pqf-att/2r985200000338g5.pdf)であるが、大きな変更になるのは間違いない。平成25年度~29年度の新たな医療計画(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/)がスタートしたばかりであるが、慌しい感じがしないでもない。そういえば、地域医療再生基金(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/saiseikikin/)の24年度補正追加(http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryou/saiseikikin/24-2.html)による地域医療再生計画は今月中に厚生労働省に提出(http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryou/saiseikikin/dl/130304_03.pdf)らしいが、再生基金への反映は間に合わない。さて、現在、社会保障制度改革国民会議(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kokuminkaigi/)で、医療(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kokuminkaigi/dai2/siryou3.pdf)や介護(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kokuminkaigi/dai2/siryou4.pdf)が議論されている最中である。全国保険医団体連合会「安倍政権で始まった社会保障国民会議の焦点」(http://hodanren.doc-net.or.jp/iryoukankei/seisaku-kaisetu/130122kokuminnkaigi.html)では、ポイントが解説されている。財務省の医療・介護関係資料(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia241015/01.pdf)には、医療の「70歳以上75歳未満の患者負担の見直し」(p19)、「医薬品の患者負担の見直し」(p32)、介護の「負担割合の見直し」(p48)、「要支援者に対する給付の見直し」(p51)、「地域支援事業の重点化」(p53)はみておきたい。
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がん診療連携拠点病院の行方

2013年05月30日 | Weblog
キャリアブレイン「がん診療拠点の空白解消へ検討開始」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/40015.html)。<以下引用>
<がん診療連携拠点病院(拠点病院)の指定要件見直しや、拠点病院がない「空白」の二次医療圏のがん医療を担う「地域がん診療病院」などの指定要件を検討するため、厚生労働省の「がん診療提供体制のあり方に関するワーキンググループ」(WG、座長=若尾文彦・国立がん研究センターがん対策情報センター長)が29日、初会合を開いた。WGは7月にも指定要件の案を取りまとめる。拠点病院の指定要件見直しについて、山内英子委員(聖路加国際病院乳腺外科部長)は、「(現在は)年間入院がん患者数1200人以上の要件があるが、それでは抗がん剤だけの治療などはカウントされなくなる」と述べ、入院患者数以外でも診療実績を評価する必要性を強調。また池山晴人委員(国立病院機構近畿中央胸部疾患センター医療相談係長)は、がん相談支援センターの名称を原則統一すべきとした上で、「周知のために、センターのロゴを取り決めるのはどうか。自動車の初心者マークは、誰が見ても分かる」と提案した。この日は、拠点病院のない地域などのがん医療を担う「地域がん診療病院」と、特定のがん種に限って拠点病院より高い診療機能を持つ「特定領域がん診療病院」を、拠点病院との連携を前提に指定する際の要件についても議論した。蒲生真紀夫委員(大崎市民病院がんセンター長)は、がん治療の手術療法、化学療法、放射線療法のうち一部だけに特化した医療機関もあると指摘。また、その内容も病理医がいるかどうかや医師数で変わるとして、「インフォームド・チョイス。患者さんに情報を公開して選んでもらうというのが必要だ」と述べた。花出正美委員(がん研究会有明病院看護師長)は、拠点病院がない二次医療圏に設ける「地域がん診療病院」には、がん相談支援センターを必ず設置すべきだと主張した。WGは、厚労省の「がん診療提供体制のあり方に関する検討会」の下に設置された。同検討会が4月にまとめた拠点病院の指定要件見直しの方針に沿って、具体的な指定要件を検討する。検討会は「地域がん診療病院」と「特定領域がん診療病院」の新設も提案しており、その指定要件も併せてWGで議論。取りまとめた指定要件の案を、検討会に報告することになっている。 >

がん診療提供体制のあり方に関するワーキンググループ(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000ahdf.html#shingi61)の資料が出ればみておきたい。今年4月の「がん診療提供体制のあり方に関する検討会中間とりまとめ」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000030loc.html)がどこまで具体化されるか、注目である。「拠点病院に求められる緩和ケアの提供体制」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000031eac-att/2r98520000031ee0.pdf)が出ているように、今後、拠点病院を中心に緩和ケアがますます促進されるであろう。各地で緩和ケア研修会が開催されている(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002x38t-att/2r9852000002x3dx.pdf)が、医師だけではなく、多職種(看護師、薬剤師、歯科医師、管理栄養士、介護福祉士、ケアマネ等)に対するものが必要であろう。緩和ケアは在宅医療でもかなり重要なウエイトを占めるのはいうまでもない。厚労省医政局通知(http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryou/saiseikikin/dl/130304_03.pdf)による「在宅医療推進事業」では、「市町村が主体となって、地域医師会等と連携しながら、取り組む」とされるが、在宅医療における緩和ケアを推進するには市町村だけでは弱いように感じる。市町村行政サイドには保健師や管理栄養士以外の医療専門職がいないところが多く、当該市町村にがん診療連携拠点病院があるとは限らないからである。医療計画では、緩和ケアを含むがん対策が推進されており、やはり地域においては、「保健所と市町村との連携・協働」を前面に出すべきではないかと感じるのである。論点(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002vw3u-att/2r9852000002vwa3.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002vw3u-att/2r9852000002vwah.pdf)の一つに「地域連携を担保するための要件(連携する医師会・医療機関との定期的な会合等)は考えられるか」とあるが、これは、脳卒中の地域連携が参考にされるような気がしないでもない。すなわち、脳卒中の「地域連携診療計画管理料、地域連携診療計画退院時指導料」は「医療計画において、脳卒中に係る医療連携体制を担う医療機関として記載されている病院であること」が要件(https://sites.google.com/a/mfeesw.com/2012ika/tk/3/06)であり、診療報酬通知(http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken15/dl/6-2-1.pdf)p17で「地域連携診療計画管理料、地域連携診療計画退院時指導料(Ⅰ)及び(Ⅱ)に関する施設基準」の一つとして、「地域連携診療計画に係る情報交換のための会合が年3回程度定期的開催」が要件になっており、コミュニケーションを図る機会が必然的に設定されるからである。平成24年度介護報酬改定資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002113p-att/2r98520000021163.pdf)p36の地域連携診療計画情報提供加算もでき、介護関係者からも期待されるようになった。また、ケースカンファレンスだけではなく、地域連携診療計画管理料及び地域連携診療計画退院時指導料では実績報告(https://sites.google.com/a/mfeesw.com/2012ika/t/tkt/bt/1/10)があり、データに基づく評価もなされる(http://shirobon.net/24/ika_2_1/b005-2.html)(http://shirobon.net/24/ika_2_1/b005-3.html)(https://sites.google.com/a/mfeesw.com/2012ika/sc/t/b/b0052)。しかし、同一医療圏内に複数の拠点病院がある場合は、拠点病院同士の調整が不可欠である。地域医療機関は複数の拠点病院とつながる場合が少なくないからである。さて、がん診療連携拠点病院の現状(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002vw3u-att/2r9852000002vw8x.pdf)が出ているが、拠点病院以外はどうなっているであろうか。資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002tr7a-att/2r9852000002trdp.pdf)p21~22では、がん種・地域で差はあるが、がんによる入院症例の6割が拠点病院に集約されていることが示されている。がん診療は拠点病院とは限らない。やはり、医療機能情報提供制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002rad0-att/2r9852000002rahu.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/teikyouseido/index.html)によるデータベースや地域がん登録による、がん診療全体の評価が不可欠と感じる。なお、拠点病院のない空白の医療圏が113ある一方で、資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002tr7a-att/2r9852000002trdp.pdf)p18では、複数の拠点病院がある医療圏の状況が示されている。二次医療圏の状況について具体的資料(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/shiryou_a-2.pdf)が出ているように、一口に二次医療圏といっても格差が大きい。そういえば、昨年の医政局長通知(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/tsuuchi_iryou_keikaku.pdf)p6では、「人口規模が20万人未満であり、且つ、二次医療圏内の病院の療養病床及び一般病床の推計流入入院患者割合が20%未満、推計流出入院患者割合が20%以上となっている既設の二次医療圏については、入院に係る医療を提供する一体の区域として成り立っていないと考えられるため、設定の見直しについて検討することが必要である。」とされた。がん(胃がん、肺がん、大腸がん、肝臓がん、乳がん)はがんの種類や進行度によって異なるが、がん診療連携拠点病院を中心とした圏域が不可欠である(特に放射線治療が必要な場合)。医療連携による群指定は一つの方向であろうが、医療圏自体のあり方も考える必要があるかもしれない。
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MERSとSARS

2013年05月29日 | Weblog
読売新聞「仏で新型コロナウイルス、初の死者」(http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20130529-OYT1T00435.htm?from=ylist)。<以下引用>
<フランス保健省は28日、新型コロナウイルスに感染した男性が死亡したと発表した。このウイルスによるフランスでの死者は初めて。AFP通信によると、死亡した男性は65歳。アラブ首長国連邦(UAE)のドバイから帰国後、感染が発覚し、先月23日から仏北部で入院していた。仏ではこの男性を含む2人の感染が確認されている。23日付の世界保健機関(WHO)の発表によると、新型コロナウイルスの感染はサウジアラビア、UAE、ヨルダン、カタール、チュニジアの中東・北アフリカ各国のほか、欧州でも英国、フランス、ドイツ3か国で確認されている。感染者数は計44人、うち死者は22人だった。WHOは加盟各国に監視の継続を呼び掛けている。>

先週、厚労省から「アラビア半島諸国で発生が報告されている新種のコロナウイルスによる感染症の呼称について」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000032vm4.html)が出た。早急に、MERSもSARS(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01.html)と同様に感染症法の2類感染症(あるいはH7N9のような指定感染症)に位置づけられる必要があると感じる。新型インフルエンザ等対策特別措置法(http://www.cas.go.jp/jp/influenza/120511houritu.html)には、「等」が付いており、インフルエンザウイルスだけではないことを認識したい。中東呼吸器症候群(MERS)の発生状況が更新されている(http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/ka/hcov-emc/2186-idsc/2686-
novelcorona2012.html)。
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重症化予防と電子レセプトの活用

2013年05月29日 | Weblog
国保情報No.1099「糖尿病対策で医療費抑制 1.4兆円減と厚労相」。<以下引用>
<田村憲久厚労相は16日の経済財政諮問会議で、糖尿病患者の増加抑制策を推進すれば、34年度(2022)の医療費が約1兆4千億円減らせるとの試算を明らかにした。患者数が増える生活習慣病に着目し、予防対策を強化して社会保障支出を抑えるのが狙い。健康増進による医療費抑制方針を、諮問会議が6月に策定する経済財政運営の指針「骨太の方針」に反映させる。糖尿病患者が重症化すると人工透析が必要になって医療費がかさむ。厚労省は34年度の糖尿病患者を1410万人と推定しているが、健康診断の受診率向上や保健指導を通じて、1千万人にまで減らす。具体策として、保険者が健康診断の結果を活用しながら保健指導をする場合には、国による補助を検討する。田村厚労相は、心筋梗塞や脳卒中の危険性が高まる「メタボリック症候群」の患者やメタボ予備軍に対しても改善指導を実施し、29年度に医療費の伸びを約3千億円抑制する目標も示した。>

資料(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2013/0516/shiryo_02.pdf)p5では「保険者によるレセプト・健診情報等を活用した上で、糖尿病に起因する人工透析導入を予防する等の好事例を全国に広げていけるよう、補助等の支援措置を検討し、予算等に反映」とある。既に、厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000015v0b-att/2r98520000015v4o.pdf)(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb14GS50.nsf/0/22487f2561e33a4c4925784f001eb3b2/$FILE/20110310_7shiryou3_2.pdf)で、Ⅲ度(重症)高血圧者とHbAlc8%以上の者に対する優先的な保健指導によって、レセプト分析で医療費適正の結果がみられた事例が紹介されている。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001w361-att/2r9852000001w3ai.pdf)p7に出ているように、まずは、保険者として、「保健事業の効果的展開=医療費適正化対策」とする戦略的思考が不可欠と感じる。「特定健診・保健指導の医療費適正化効果等の検証のためのワーキンググループ」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002wdx4.html)は医療費分析(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002wdx4-att/2r9852000002we2l.pdf)がなされるらしいが、レセプトの保健事業での活用を推進すべきと感じる。「自治体における生活習慣病重症化予防のための受療行動促進モデルによる保健指導プログラムの効果検証に関する研究」(http://www.pbhel.med.osaka-u.ac.jp/HealthGuidance/index.html)に注目したい。介入地域においては、重症化ハイリスク者として、①Ⅱ度高血圧、②HbA1c8.4%以上(NGSP)、③男性のLDL180mg/dl以上、④尿蛋白2+以上を対象に、1)初回保健指導(原則として家庭訪問)、2)レセプトによる医療機関の受療状況の確認及び継続指導(個別面談または電話指導)、3)レセプトによる医療機関の受療状況の再確認、4)翌年度の特定健診未受診者への健診受診勧奨が行われ、アウトカム評価が設定されている。そういえば、平成20年3月大臣告示の「医療費適正化に関する施策についての基本的な方針」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/info02_21.pdf)p17で保険者における健診結果データ等の活用の推進として「健診結果から医療機関の受診が必要であるものの、未受診あるいは長期中断となっている者をレセプト情報により把握し、これらの者への受診勧奨を強く行うこと等の活用が考えられる」と明記されていたが、保健事業での電子レセプトの活用が不十分だったように感じる。生活習慣病重症化予防のためには、かかりつけ医と専門医・コメディカルスタッフとの循環型医療連携の推進が不可欠であり、医療計画における糖尿病の医療連携体制は最優先で取り組みたいところである。
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都道府県単位のデータベース管理

2013年05月29日 | Weblog
国保情報No.1099「都道府県単位の医療・介護等DB構想、安部首相が具体化を指示」。<以下引用>
<安部晋三首相は16日の経済財政諮問会議で、国保や後期高齢者医療、介護、特定健診のデータを都道府県単位で集約し、統合的に利活用することで、医療費や介護費の適正化などをめざす「都道府県単位DB構想」の具体化を図るよう、田村憲久厚労相と甘利経済再生・一体改革担当相に指示した。伊藤元重東大大学院教授ら4名の民間議員が、同日の会議に共同で提出した提言に構想が盛り込まれたことを受けたもの。都道府県単位で情報を統合してデータを解析することで、地域の疾病構造の分析などが可能となり、重症化予防が必要な人への重点的な指導などが可能になる。DBの運用主体は未定。国保中央会が進める「国保データベース(KDB)システム」の活用も検討されている。政策立案に関わった政府関係者は本誌の取材に対し「KDBの活用もこの答えと思ってもらっていい」と述べた。>

経済財政諮問会議資料(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2013/index.html)はみておきたい。資料(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2013/0516/shiryo_01.pdf)p4の「医療・介護等データベースの連結・統合による効率化イノベーション」では、「福岡県では本データベースを産業医科大学内に設置。今後都道府県単位のデータベース管理については、セキュリティ対策と個人情報保護が徹底された大学等の中立的な第三者的研究機関のサーバー等に置くことが考えられる。」とある。厚労省の「レセプト情報・特定健診等情報提供」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/reseputo/)にあるように、既に、大学や都道府県等に対してデータベースの提供が始まっている。厚労省資料;「National Databaseを用いた医療計画策定のための基盤資料の作成に関する研究」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001g288-att/2r9852000001g2d4.pdf)、「NDBを活用した医療計画策定の考え方」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/shiryou_b-4.pdf)、「NDB配布データの理解と可視化ツールの操作方法」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/shiryou_b-3.pdf)に出ているように、NDBのレセプトデータを用いて、2次医療圏ごとの傷病構造及び医療提供体制を把握することは容易らしい。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/topics/dl/tp130308-01-10.pdf)p104の「新たな国保保健事業のイメージ」では、国保中央会が平成25年10月から運用開始する国保データベース(KDB)を用いることが示されているが、保険局資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2013/02/dl/tp0215-12-01p.pdf)p17~にあるように、国保法改正によって、平成27年度から、国保財政運営が都道府県単位化されるため。KDBの活用は自然な流れであろう。ところで、医療機能情報(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/teikyouseido/index.html)と介護サービス情報(http://www.espa-shiencenter.org/preflist.html)の国家レベルの電子データベースの構築と活用も期待したい。医療機能情報(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/teikyouseido/index.html)は、都道府県によってバラバラの項目で、診療報酬改定にも対応していない。
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女性手帳の行方

2013年05月28日 | Weblog
NHK「不評の「女性手帳」当面配布見送りへ」(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130528/t10014885871000.html)。<以下引用>
<少子化対策を検討している政府の有識者会議は、思春期以上の女性に妊娠や出産に関する知識や情報などを盛り込んだ手帳を配布することに「出産に国が介入すべきでない」などと批判が相次いでいることなどから、当面、配布を見送る形で報告書を取りまとめる方針を固めました。少子化対策を検討している政府の有識者会議は、閣僚会議に提出する報告書で、出産の知識が不十分なことが少子化の一因になっているとして、思春期以上の女性を対象に出産の適齢期など、妊娠や出産に関する知識や情報などを盛り込んだ手帳を来年度から配布することにしていました。これに対して、「出産は、個人の生き方に関わるもので、国が介入すべきでない」という批判や「女性だけに配布するのはおかしい」という指摘が相次いで寄せられたほか、国会審議の中でも、野党側から批判が出されました。有識者会議はこうした批判などを踏まえ、手帳については具体的に触れず、当面、配布を見送る形で報告書をまとめる方針を固めました。そして、今後は研究班を設けて、妊娠や出産に関する知識を広める方策などについて検討を続けたいとしています。>

内閣府の少子化危機突破タスクフォース(http://www8.cao.go.jp/shoushi/taskforce/)の資料が出ればみておきたい。早めの妊娠・出産は少子化対策を前面にするよりも、「女性の健康づくり」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/woman/index.html)や「女性にやさしい職場」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000t84e.html)の観点から打ち出してもよいのではないか、と感じないではない。すでに「女性の生涯健康手帳」(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/06/dl/s0613-8e.pdf)もある。
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驚きのTPP影響試算

2013年05月28日 | Weblog
先週、TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会が「TPP影響試算の結果」(http://atpp.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/tpp-iwj-1271.html)(http://atpp.cocolog-nifty.com/sgkanren.pdf)を出している。本当にとんでもない試算が出ており、他機関による試算の検証が期待される。しかし、ここには、知的財産権(http://thinktppip.jp/)については入っていない。全国保険医団体連合会意見「TPP参加で公的医療保険制度が実質的に機能しなくなる」(http://hodanren.doc-net.or.jp/iryoukankei/seisaku-kaisetu/130307tpp.pdf)、日本医師会の「TPP交渉参加判断に対する意見」(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20130227_11.pdf)(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20130227_12.pdf)(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20130227_14.pdf)では、「知的財産」分野で医薬品や医療技術、医療機器の特許強化が懸念されている。おそらく、それはわが国の公的医療保険に与える影響が小さくないであろう。日経メディカル「「TPPは“とんでもないペテンのプログラム”の略だ!」医療団体連絡会議がTPP交渉参加の撤回求めて集会」(http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201304/529859.html)も国内大手マスコミではほとんど報道されず、話題にならない。とにかく、全国紙やテレビではTPP草案の中身(http://www.kananet.com/tpp-kiken-kiji.pdf)はおろか、毒素条項(http://www.kananet.com/tpp-1.htm)でさえも、ほとんど報道されない。ネットに出ているTPPに関する情報(http://www.citizen.org/leaked-trade-negotiation-documents-and-analysis)(https://twitter.com/uchidashoko)を通じて、TPPによる次世代への影響を考えたいものである。
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風しん大流行

2013年05月28日 | Weblog
NHK「風疹患者 去年1年間の3倍超に」(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130528/t10014891081000.html)。<以下引用>
<妊娠中の女性が感染すると赤ちゃんに障害が出るおそれのある風疹の患者は、今月中旬までに去年1年間の3倍を超えたことが分かりました。専門家は「ピークはおそらくこれからなので、早くワクチンを接種してほしい」と呼びかけています。熱や発疹などの出る風疹は、患者のせきやくしゃみを通じて広がり、妊娠中の女性が感染すると赤ちゃんの目や耳、それに心臓などに障害が出るおそれがあります。国立感染症研究所によりますと、ことし全国で風疹と診断された患者は今月19日までで7540人で、5年前に今の方法で集計を始めて以降、最も大きな流行となった去年1年間の3倍を超えたことが分かりました。患者のおよそ90%は成人で、男性では20代から40代、女性では20代が多くなっています。1週間の患者数は571人で、都道府県別では、▽大阪府が132人と最も多く、▽次いで東京都が114人、▽兵庫県が70人、▽神奈川県が51人など、関西と首都圏を中心に全国に広がっています。国立感染症研究所の多屋馨子室長は「連休期間中の人の移動により感染が広がった可能性もあり、患者は減る気配がない。去年の傾向をみると、ピークはおそらくこれからなので1日も早くワクチンを接種してほしい」と呼びかけています。>

読売新聞「風疹予防接種県が推進1600万円計上 市町村助成半額を補助」(http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gifu/news/20130527-OYT8T01443.htm)。<以下引用>
<風疹の流行拡大を防ぐため、県は27日、市町村が予防接種の費用を助成する場合、県がその半額を負担すると発表した。予防接種は1万円前後かかるとされ、県は市町村に対し、5000円を限度に半額を補助する。今年度の緊急事業で、1600万円を盛り込んだ補正予算案を県議会6月定例会に提出し、7月1日からの実施を目指す。妊娠初期の女性が風疹に感染すると、生まれてくる赤ちゃんの目や耳に先天性の障害が出る恐れがあるとされ、予防接種の緊急助成は全国で始まっている。県が対象とするのは、23歳以上の妊娠予定の女性や出産を望む女性、妊婦の夫で、風疹にかかったことがある人や予防接種歴がある人、妊婦健診で抗体が十分にあると判断された妊婦の夫は対象外となる。県は、過去に予防接種を受けていない20~30歳代の人数や出生率などから、6400人が対象となると見込んでいる。現在、県内で助成を行っている市町村はないが、県の補助が決まれば、ほとんどの自治体が実施するとみられる。県内の風疹患者は、昨年は1年間で10人だったが、今年は今月19日までに8人となっている。>

読売新聞「県、風疹ワクチン半額補助」(http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/wakayama/news/20130521-OYT8T01215.htm?from=popin)。<以下引用>
<風疹の全国的な流行を受け、県は21日、風疹ワクチンを接種した19歳以上50歳未満の妊娠を望む女性と妊婦の夫を対象に、5000円を補助すると発表した。同日から実施し、期間は今年度いっぱいの予定。窓口となる市町村に補助の上乗せを要請し、全額の公費負担を目指す。和歌山市もこの日、県の補助などに合わせて、16歳以上の妊娠を望む女性と妊婦の夫を対象に、無料で予防接種を受けられるようにすると発表した。風疹は妊娠初期の女性がかかると、生まれてくる子どもに難聴などの障害が出やすいとされる。今年は定期予防接種の対象外だった20~40歳代の男性を中心に全国で感染が拡大しており、県内でも20日までに62人(前年10人)の罹患(りかん)を確認。そのうち和歌山市内が42人を占めるという。今回、県ははしかとの混合ワクチンと風疹単独のワクチン両方に対して補助を決めた。各市町村が医療機関に費用を支払う窓口となり、21日以降、補助の交付が接種に間に合わなかった場合は市町村に領収書を提出すれば、補助分の払い戻しが受けられる。ワクチンは1回1万円前後。対象者は県内に約18万人いるとされ、県は6月の補正予算に費用約9億円を盛り込む。和歌山市は、市内の医療機関で、一律9600円で混合ワクチンを接種できるように調整。県の補助との差額を市が支払い、県の補助の対象外となる16~18歳の女性分は市が全額を負担する。市の補助期間は6月1日から来年3月31日で、対象者は医療機関に予約し、身分証明書や母子健康手帳を持参すれば無料となる。妊婦の夫については、緊急性が高いため、市独自の補助は9月末までとする。4、5月に接種した場合は市保健所が、9600円を上限に接種費用を払い戻す。仁坂知事はこの日の記者会見で、「大事な赤ちゃんに将来不自由が出ることを防ぐため、予防接種を受けやすいように最善の策を取りたい」と説明した。問い合わせは各市町村へ。>

読売新聞「知事意向 風疹ワクチン接種助成へ」(http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hyogo/news/20130522-OYT8T01534.htm?from=popin)<>
<全国的な風疹の流行を受け、自民、民主、公明の県議団各会派は22日、井戸知事に対し、ワクチン接種の費用助成などを求める申し入れ書を提出した。これに対し、井戸知事は「接種すべき対象者をどこまで遡及(そきゅう)するかなどについて検討したい」と応じ、近く助成制度を設ける意向を示した。県疾病対策課によると、県内の患者は累計498人(12日現在)で、今後も増える見通しという。妊娠初期の女性が感染すると、胎児が障害を持って生まれる恐れがあるため、各会派が申し入れを決めた。書面では、ワクチン接種費用は1人1万円と若い世代には負担が大きいことを指摘。費用補助のほか、県内市町との連携や未接種者への接種啓発を求めている。ワクチン補助は大阪府内の市町村や和歌山県などで妊婦の夫や接種歴がない人らを対象に接種費用の補助が行われており、県も同様の枠組みでの補助を検討している。>

NHK「全社員約3000人に風疹予防接種」(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130528/t10014894771000.html)。<以下引用>
<20代から40代を中心に風疹の流行が続くなか、この年代の社員が多い東京の企業は、およそ3000人の社員全員を対象に、社内の会議室で風疹のワクチンを接種する取り組みを始めました。東京・渋谷区にあるIT企業は、正社員と契約社員合わせておよそ3000人が働いていて、その多くが現在の流行の中心となっている20代、30代、40代のため、全員を対象に28日から来週にかけて集中的に予防接種することにしました。会場は社内の会議室で、初日の28日は、風疹とはしかの混合ワクチンが700人分用意され、医師4人と看護師3人が対応しました。社員は、仕事の合間に会議室を訪れ、体温を測って医師の問診を受けたあとワクチンの接種を受けていました。1人1万円ほどかかる費用は、会社が負担するということです。接種を受けた30代の女性社員は「仕事で病院に行く時間がなく、なかなか打てなかったのでうれしいです」と話していました。20代の男性社員は「最近結婚したので、会社がこういう機会を用意してくれると家族も安心する」と話していました。「サイバーエージェント」人事本部シニアマネージャーの星野浩輝さんは「妊娠していたり、出産を考えていたりする社員がいるので、安心して働ける職場を作ることが大事だと思う。短期間に効果的に接種を進めるため社内で行った」と話しています。>

毎週火曜日更新の国立感染症研究所の感染症速報データ(http://www.nih.go.jp/niid/ja/data/1613-sokuho-rireki.html)による報道が恒例になってしまった感がある。平成25年の21週(5月20日~26日)の風しん届出が注目である(http://survey.tokyo-eiken.go.jp/epidinfo/weeklyzensu.do)(http://www.iph.pref.osaka.jp/infection/surv13/surv21.html)。風しん(http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/430-rubella-intro.html)の潜伏期間は14〜21日(平均16〜18日)であり、「地方県ではこれからが本番」(http://apital.asahi.com/article/takayama/2013052200003.html)である。ワクチン助成する県や企業が増えている。先週、日本産婦人科医会から「 妊娠中に風疹含有ワクチン(麻しん風しん混合ワクチン、風しんワクチン)を誤って接種した場合の対応について」(http://www.jaog.or.jp/medical/document/rubella_vaccine.pdf)が出ている。東京都感染症情報センターが自治体公費助成マップ(http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/rubella/vaccine/map/)を出している。
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医療介護連携と保健所

2013年05月28日 | Weblog
厚労省「在宅医療の推進について」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/zaitaku/)で、在宅医療・介護推進プロジェクトチームの「在宅医療・介護の推進について」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/zaitaku/dl/zaitakuiryou_00.pdf)が出ており、目を通しておきたい。昨年7月に出された、地域保健法(http://www.ron.gr.jp/law/law/hokenjo.htm)第4条に基づく「地域保健対策の推進に関する基本的な指針」(http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T120803H0010.pdf)の「3.医療、介護、福祉等の関連施策との連携強化」では、「(1)住民のニーズの変化に的確に対応するためには、地域における保健、医療、介護、福祉等とそれぞれの施策間での連携及びその体制の構築が重要であること。このため、市町村は、住民に身近な保健サービスを介護サービス又は福祉サービスと一体的に提供できる体制の整備に努めること。(2)都道府県及び保健所(都道府県が設置する保健所に限る。)は、広域的な観点から都道府県管内の現状を踏まえた急性期、回復期及び維持期における医療機関間の連携、医療サービスと介護サービス及び福祉サービス間の連携による地域包括ケアシステムの強化に努めることが必要であること。(3)医療機関間の連携体制の構築においては、多くの医療機関等が関係するため、保健所が積極的に関与し、地域の医師会等との連携や協力の下、公平・公正な立場からの調整機能を発揮することが望まれること。なお、保健所は、所管区域内の健康課題等の把握、評価、分析及び公表を行い、都道府県が設置する保健所にあっては所管区域内の市町村と情報の共有化を図るとともに、当該市町村と重層的な連携の下、地域保健対策を推進するほか、介護及び福祉等の施策との調整についても積極的な役割を果たす必要があること。」とされ、地域の医療介護連携における保健所の役割が示されているのであるが、在宅医療・介護推進プロジェクトチームの「在宅医療・介護の推進について」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/zaitaku/dl/zaitakuiryou_00.pdf)では、「保健所」がほとんど見当たらないことに、不自然さを感じてしまう。地域包括ケアの推進にはあらゆる施策が総動員されるのではなかったか。確かに市町村は、介護保険事業計画や障害福祉計画等の主体であり、市町村主体で地域医師会と連携しながら、在宅医療を推進することに全く異論はない。しかし、厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001oxhm-att/2r9852000001oxlr.pdf)p17~19の地域包括ケアに関する保険者の評価項目では、「地域連携パスの作成」「地域の急性期病院との連携のための会議」「地域連携パスを協議する場」「地域の回復期病院、維持期リハ関連施設との連携のための会議」など、地域連携パスに関連した項目の実施率がかなり低い。①脳卒中やがん等の連携体制(地域連携パスの推進等)に関して、中核的病院同士の調整が必要、②地域によっては市町村域を超えた広域的な連携が必要、③在宅麻薬管理・服薬指導・医療機器・医療材料供給管理などにおける医薬連携・薬薬連携が必要であり、市町村主体だけでは限界を感じる。ここはやはり、保健所と市町村の協働を前面に打ち出すべきであろう。地域保健法第8条(http://www.ron.gr.jp/law/law/hokenjo.htm)、介護保険法第38条(http://www.ron.gr.jp/law/law/kaigo_ho.htm)、健康増進法第18条2(http://www.ron.gr.jp/law/law/kenko_zo.htm)、精神保健福祉法第49条3(http://www.ron.gr.jp/law/law/seisin_h.htm)など、各種法律で保健所による市町村支援が規定されているからだけではない。保健所には、各種専門職(医師、歯科医師、薬剤師等)の配置や医事・薬事関連業務(従事者免許事務、医療統計事務、各種届出事務、立入検査、医療計画等)など、市町村にはない特性があり、職能団体(医師会、看護協会、歯科医師会、薬剤師会等)とのつながりもある。感染症対策や集団給食指導、食品衛生対策等を通じて、普段から介護・福祉施設との関わりがある。様々な事業を通じて、住民組織や患者・家族団体にも働きかけしやすい、など、保健所は、在宅医療・医療介護連携・地域包括ケアを推進する上で、絶好の立場にあることを認識すべきである。3月17日の日本医師会在宅医療支援フォーラムでは、「在宅医療に保健所が関与することは重要になってくると認識している」「小児や神経難病など市町村で把握できないものもある。また職能団体に所属していない歯科医師や薬剤師などが在宅医療に参入するにあたって、団体を通じたメッセージが伝わらない」(保健衛生ニュース5月20日)との演者発言があったらしい。そういえば、一昨年の厚労省「社会保障に関するアンケート」の調査結果(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001moj0.html)の報告書(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001moj0-att/2r9852000001mos1.pdf)によると、知っている社会保障関係の窓口で、保健所は66.5%であり、福祉事務所48.2%、児童相談所37.9%、労働基準監督署36.8%、地域包括支援センター27.8%よりも高く、また、利用したことがある社会保障の窓口でも保健所は31.1%で、福祉事務所12.3%、児童相談所4.4%、労働基準監督署6.5%、地域包括支援センター8.6%よりもかなり高い結果が出ていた。保健所に対する国民の期待が大きいことは認識しておきたいところである。
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公的医療保険の行方

2013年05月28日 | Weblog
キャリアブレイン「医療保険部会、「玉虫色」の取りまとめ」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/39988.html)。<以下引用>
<社会保障審議会医療保険部会は27日の会合で、社会保障制度改革国民会議の議論に対する同部会の意見を整理した「医療保険部会における主な議論」の厚生労働省案を、おおむね了承した。同案は、医療保険がカバーする療養の範囲をめぐり、「根本的、抜本的な見直しが必要」とする意見と、「国民が給付を受けている保険の範囲を外していくことには強く反対」との意見を併記するなど、「玉虫色」の内容で、今後、一任を受けた遠藤久夫座長(学習院大経済学部長)が、厚労省案を基に取りまとめる。国民会議の会長代理でもある遠藤座長は、社会保障審議会の各部会と国民会議とが連携することは、既に決まっていることだ指摘。医療保険部会の意見を反映させる方法は未定とした上で、「部会でこういうご意見があったということを、できるだけ正確に(国民会議へ)伝える機会をつくりたい」との考えを示した。また、意見の方向性を集約せずに取りまとめることについては、国民会議の議論も現在は集約の段階にないとし、「部会でも、集約する段階には必ずしもない。逆に、(部会の中で)集約できるものがどれくらいあるか微妙だ」と述べた。厚労省がこの日示した案では、医療保険がカバーする療養の範囲のほか、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年に向けて医療提供体制を再構築する方法についても、幾つかの意見を併記。診療報酬や補助金などを組み合わせる効果的な方法を考えるのに、「手順を踏んだ丁寧な議論が国と地方、関係団体との間で行われる必要がある」とする意見や、「消費税の引き上げによって生まれる財源を活用していく形で、14年度から実施していくことがよい」とする意見などを書き込んだ。国保運営の都道府県化については、「保険者は都道府県でやるべきだという方向性を(国民会議が)打ち出した点は、高く評価する」「都道府県としては、国保の構造的な問題の抜本的な解決が図られ、持続可能な制度が構築されれば、市町村と共に積極的に責任を担う覚悟」など肯定的な意見を明記した一方で、「保険料が高くなる地域が出るという問題点をどうするのか」「都道府県と市町村との関係を法制的にどう整理するか」など、解決すべき問題点も盛り込んだ保険医療機関の指定・取り消し権限の都道府県への付与に対しては、都道府県により基準に差が出るなどの懸念から、積極的な導入を求める意見はなかった。診療報酬を地方ごとに定めることについても、「全国統一にしないと、国民の納得は得られない」「全国統一で単価を決めた上で、地域の特性は要件の緩和とか加算等で対応するのがよい」など、慎重論だけだった。>

27日の社会保障審議会医療保険部会資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000032vy9.html)には目を通しておきたい。「社会保障審議会医療保険部会における主な議論案」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000032vy9-att/2r98520000032w2w.pdf)は様々な意見が併記されている。例えば、「医療保険がカバーする療養の範囲」一つとっても、公的医療保険の根本的問題のように感じる。一任を受けた座長がとりまとめるというが、非常に重い感じがする。そういえば、社会保障制度改革国民会議(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kokuminkaigi/)の期限は今年8月21日(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kokuminkaigi/dai1/siryou3.pdf)である。公的医療保険のあり方は、国民生活に与える影響が非常に大きいはずであるが、国民的関心になっていないように感じるのは気のせいであろうか。
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総合的な保健推進事業による血清クレアチニン検査

2013年05月28日 | Weblog
5月16日付の健康増進事業実施要領の一部改正通知では、健康増進法第17条に基づく事業として「総合的な保健推進事業」を創設し、血清クレアチニン検査など健診項目の追加や、がん検診と特定健診同時実施等の企画・検討を国庫補助の対象にする(大臣が認める額とする方向で調整中)とされた(保健衛生ニュース5月27日号)。「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」とりまとめ(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002f66b.html)(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002f66b-att/2r9852000002f6a1.pdf)では、血清クレアチニン検査は「第三期特定健診等実施計画の計画期間の初年度である平成30年度に向けて、関係者との調整を行い、特定健診受診の翌年に必要に応じて受診する特定健診の詳細健診の項目とすることも含め、改めて検討するとされ、標準的な健診・保健指導プログラム【改訂版】(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002zh4t.html)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002zh4t-att/2r9852000002zh8s.pdf)p28では「導入が見送られている血清尿酸や血清クレアチニンなどの項目についても、その有効性、必要性について費用対効果を含め、対象集団の特性を踏まえて検証し、必要に応じて見直しを検討する必要がある。」とされていた。新年度がスタートしての通知に戸惑っている方が少なくないかもしれない。健診検査項目の追加は、直接的に健診費用に絡んでくるだけでなく、情報システム改修にも影響するからである。
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行政栄養士への期待

2013年05月27日 | Weblog
「地域における行政栄養士による健康づくり及び栄養・食生活の改善の基本指針」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/chiiki-gyousei.html)にあわせて「実践するための資料集」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/chiiki-gyousei_03_zentai.pdf)が出ており、もっと活用したい。行政栄養士は、最近では、特定健診・保健指導、食育(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou04/)、健康危機管理(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kikikanri.html)などで、強化されてきたように感じるが、少々物足りないかもしれない。例えば、標準的な健診・保健指導プログラム【改訂版】(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002zh4t.html)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002zh4t-att/2r9852000002zh8s.pdf)p190「医療保険者には、健診・保健指導データとレセプトが集まることになるため、電子化された健診・保健指導データとレセプトを突合したデータの分析を行うことにより、この分析結果を基にして、前年度の保健指導による予防の効果を評価することや、健診結果が「受診勧奨」となった者の受療状況の確認をすることが可能となる。健診・保健指導の実施・評価の際には、対象集団の母集団となる行政単位の人口動態統計(死因統計)、患者調査、国民生活基礎調査、国民健康・栄養調査(県民健康・栄養調査)、医療費データ、介護保険データなどから確認しうる地域集団の健康課題の特徴を把握するとともに、対象集団の健診結果や生活習慣の知識・態度・行動に影響を及ぼす要因を把握することが必要である。」、p192「医療保険者において、健診・保健指導関連データとレセプトを突合したデータを用いて健診・保健指導の評価を行うため、医師、保健師、管理栄養士等は、生活習慣病は予防可能であることを理解し、予防するために何が必要かを考えることが重要である。」とされる点について、市町村国保として対応できているであろうか。p120「妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群と診断された女性は、出産後、一旦は検査値が基準範囲内に戻っても、数年を経た後に糖尿病や高血圧を発症しやすいことが分かっている。したがって、これらの啓発について市町村の母子保健部門と連携を行うことも有効である。」とあるが、母子保健部門と健康増進部門の連携した戦略的取り組みはなされているであろうか。さらに、健康局資料(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/topics/dl/tp130412-1a_0002.pdf)p16で示す「生活習慣病の重症化予防」について、医療連携・保健医療連携はどれほど取り組まれているであろうか。一昨年度までに各市町村で実施された「日常生活圏域ニーズ調査」(http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/hokenjigyou/05/dl/niizucyousa.pdf)や例年の生活機能チェック(http://www.tyojyu.or.jp/hp/menu000001000/hpg000000954.htm)による高齢者の口腔機能低下や低栄養に関する評価はされているであろうか。昨年度からの「介護予防・日常生活支援総合事業」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/yobou/index.html)による配食サービスの実態把握と開発・促進はなされているであろうか。「栄養ケア・ステーション」(http://www.dietitian.or.jp/caring/index.html)の育成支援はどれほどされているであろうか。健康局資料(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/topics/dl/tp130412-1a_0002.pdf)p14の「地域における栄養ケア」をもっと推進すべきである。管理栄養士の方々には、現場では栄養ケアマネジメント、食育推進、特定保健指導・保険者疾病管理、保健医療連携、災害時栄養指導など、大きなチャンスが訪れているように感じられるのであるが、問題はその戦略かもしれない。医療機関、介護施設、民間産業等における栄養関連サービスの実態把握を含めて、それらの管理栄養士との連携がもっと必要と感じるところである。本日、行政栄養士の定期会合に参加する。マンネリにならないようにしたい。
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医療IDの行方

2013年05月24日 | Weblog
NHK「「共通番号制度」 法律が成立」(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130524/k10014814061000.html)。<以下引用>
<社会保障や税の情報を一元化するため、国民1人1人に番号を割りふる「共通番号制度」の導入に必要な法律は24日、参議院本会議で採決が行われ、自民党や民主党などの賛成多数で可決・成立しました。「共通番号制度」の導入に必要な法律、いわゆる「マイナンバー法」は、国民1人1人に「個人番号」を割りふり、年金などの社会保障や納税の情報を一元化し、国民の利便性を高めようというもので、参議院本会議で採決が行われ、自民党や民主党などの賛成多数で可決・成立しました。政府は、「個人番号」の導入によって、▽年金の加算や児童扶養手当などを申請する際に、納税証明書や住民票が必要なくなるなど、行政手続きを簡略化することができるほか、▽複数の仕事をかけ持ちしている人たちなどの所得が把握しやすくなり、過少申告や税金の不正な還付を防ぐことができるとしています。法律には、▽個人情報が適切に扱われているか監視・監督する第三者機関の「特定個人情報保護委員会」を新たに設置することや、▽情報を不正に漏えいした自治体の職員や民間企業の担当者に対する罰則も盛り込まれています。法律の成立を受けて、政府は、平成28年からの運用開始を目指して、準備を急ぐことにしています。日弁連「法案の拙速な成立に強く抗議」 日弁連=日本弁護士連合会の山岸憲司会長は、「さまざまな個人データを1つの番号で管理することで大量の情報漏えいやプライバシー侵害のリスクが極めて高くなる。また、制度を作った目的もあいまいで費用対効果も明らかにされておらず、日弁連として法案の拙速な成立に強く抗議するとともに今後も問題点の解消に向けて努力したい」という声明を出しました。>

NHK「共通番号 仕組みや利用範囲は」(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130524/t10014819691000.html)。<以下引用>
<社会保障や税の情報を一元化するため、国民1人1人に番号を割りふる「共通番号制度」の導入に必要な法律は24日、参議院本会議で採決が行われ、自民党や民主党などの賛成多数で可決・成立しました。
制度の仕組みや利用範囲などをまとめました。共通番号制度とは 共通番号制度は、日本国内に住民票を持つ外国人も含め、すべての人に12桁前後の番号を割りふります。この番号は「個人番号」と呼ばれ生まれた時から付けられて、転居しても結婚しても変わることはありません。番号の利用開始は 「個人番号」は、2年後の平成27年10月をめどに、「通知カード」と呼ばれる紙のカードで、住んでいる市町村から、私たちの手元に届きます。翌年の平成28年1月から、運用が始まり、希望する人には、「通知カード」と引き換えに、顔写真付きの「個人番号カード」が配られます。個人番号カードは、表に自分の顔写真のほか、名前や住所、生年月日、性別が記載され、裏に個人番号が記される予定です。行政機関の窓口で、各種の手続きをする際には▽個人番号カードは、本人の証明書として使われますが、▽通知カードは、運転免許証などほかの証明書を添えることが必要です。当面の利用範囲は 個人番号の利用範囲は、当面、「社会保障」と「税」、それに「災害」の3つの分野に限られます。「社会保障」では、▽年金や失業保険の受け取り、▽生活保護や健康保険、介護保険の手続きなどの際に、使われます。また、「税」では、▽確定申告の際に番号を利用するほか、▽企業も、社員の源泉徴収や年末調整の手続きで使います。例えば結婚した際に、税の控除を受けるためには、勤めている会社に配偶者の個人番号を、届け出る必要があります。「災害」の分野では、▽被災した場合に、支援金などを迅速に受け取るために個人番号を活用することなどが想定されています。将来の利用範囲は 利用範囲は、今後、広がる可能性もあります。法律では、施行から3年後をめどに利用範囲の拡大を検討するよう求めています。利用拡大に向けた国会の質疑では、これまでに▽カルテなどの診療記録を個人番号で管理し、複数の病院で、1人の患者の情報を共有できるようにすべきだといった意見が出ていました。また▽銀行口座を開設する際に、個人番号を届け出るようにすべきだといった意見も出ました。実現すると、国が個人の銀行取引をすべて把握できるようになり、犯罪の防止に役立つ一方で、個人の財産やプライバシーの監視強化につながるという批判も出ています。制度導入のコストは 共通番号制度の運用には、システムの構築や改修に、多額の費用がかかります。政府は、システム導入の費用として、まず、350億円がかかると説明しています。また、既存のシステムの改修費用も合わせると制度の導入の経費は、国と地方合わせて、総額でおよそ2700億円と見込んでいます。さらに、システム運用のため、毎年、数百億円がかかる見通しです。一方、制度導入の経済効果について、政府は、「投資額以上の効果はある」としています。これについて経団連は、共通番号制度を柱とする電子政府の実現で、▽企業が行政に対して行う手続きの簡素化や、▽行政機関の事務作業の効率化などによって、そのほかの経済活動が活性化し、将来的には、年間で3兆円以上の経済効果が期待できるとしています。懸念と対応策 共通番号制度の導入によって、個人番号を悪用して他人になりすます犯罪が起きたり、個人情報が芋づる式に流出するおそれがあるという懸念が指摘されています。「社会保障番号」が幅広く利用されているアメリカでは、番号を悪用して、他人になりすまして、勝手に金を借りるなどの犯罪が起き、司法省の報告では、2006年から2008年にかけて、1100万人余りが、被害に遭ったとしています。こうした懸念に対し、日本では、番号を利用する際、アメリカと違って、顔写真付きのカードがあることから、なりすまし被害に遭う危険性が低いうえ、当面は、利用範囲が限られているため、大きな被害は起きにくいと、政府は説明しています。また、カードを落としたり、盗まれたりして、個人番号が漏れ、不正に用いられるおそれがある際には、新しい個人番号が発行されることになっています。一方、行政機関の職員などが、個人情報を漏らした場合、4年以下の懲役、または、200万円以下の罰金を科すなど、不正防止のための罰則が設けられています。さらに、「特定個人情報保護委員会」と呼ばれる、第3者の委員会が設置されて、立ち入り検査などを行い、行政機関による番号や個人情報の利用状況を監視することにしています。>

NHK「共通番号 暮らしはどう変わる」(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130524/k10014819681000.html)。<以下引用>
<社会保障や税の情報を一元化するため、国民1人1人に番号を割りふる「共通番号制度」の導入に必要な法律は24日、参議院本会議で採決が行われ、自民党や民主党などの賛成多数で可決・成立しました。制度の本格的な運用は、平成29年7月をめどに、始まる予定です。この段階では、これまで国の省庁や市町村の部署ごとに、管理されてきた社会保障や税の個人情報が、一元的に把握されます。その結果、その人が「どんな社会保障給付を受け、どれくらい納税しているか」などが、一度に分かるようになります。この制度で、私たちの暮らしがどう変わるのか見てみます。手続きが簡単に 情報の一元化によって、社会保障や納税の手続きなどの際これまで必要だったさまざまな添付書類を、省くことができます。例えば、▽会社を辞めて、国民健康保険に加入する場合、以前、加入していた健康保険組合の、資格がなくなったことを証明する書類が必要ですが、これが不要になります。また、▽1人親の世帯が受け取る「児童扶養手当」や、▽「住宅ローン減税」の手続きの際に欠かせない住民票も、必要がなくなります。「マイ・ポータル」 自分が払う年金の保険料や納税額などをインターネット上で確認できる「マイ・ポータル」の仕組みも、平成29年に始まります。「マイ・ポータル」には、▽行政機関に設置された専用のパソコンのほか、▽個人番号カードの読み取り機を付けると自宅のパソコンでも、アクセスできます。ここでは、国や自治体が個人情報をほかの公共機関に提供した場合、どこに提供したかを確認できるということです。また、所得や納税額などに応じた行政サービスの情報も、得ることができるようになり、所得が一定以下の人に公的な手当の対象となることを知らせることもできます。行政側にメリットも 行政側にとっても、事務の効率化や行政サービスに必要な所得の正確な把握ができるようになります。年金など社会保障の申請や、確定申告などがあった際、行政機関では、これまで、ほかの機関が管理している所得などの情報を調べて、確認を行っていました。その際、名前や住所を基にした照会では、手間がかかるうえ、漏れが生じることもありましたが番号1つで照会できれば、確認作業がスムーズになり、漏れもなくせるとしています。ただ、自営業者などの所得を完全に把握することは、難しいとみられています。>

社会保障・税番号制度の導入(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/)は理解しておきたい(http://www.cas.go.jp/jp/houan/130301bangou/gaiyou.pdf)。番号導入によるメリット(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/pdf/250301merit.pdf)について、例えば、p6の「生活保護の不正受給の防止」はどのくらいなのであろうか。しかし、 社会保障・税番号制度は、行政機関等の法定手続を対象としていて、医療機関等の間の情報連携は対象としていない(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002k0gy-att/2r9852000002k0la.pdf)。昨年9月に「「医療等分野における情報の利活用と保護のための環境整備のあり方に関する報告書」」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002k0gy.html)が出ているが、医療等情報個別法の行方が注目である。資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002k0gy-att/2r9852000002k0la.pdf)p3の「医療等情報の法制措置と情報連携の基盤整備で期待される効果の例」では、「地域がん登録、その他難病や重要疾患に関して、データ収集の精度の向上や活用の促進」、「感染症のサーベイランスや医療事故に関する報告システム等における精度の向上」、「乳幼児の健康管理の充実や居住地以外の出産の実態把握等に資する周産期情報の収集・活用」、「保険者のレセプトデータや健診情報等により、疾病構造、費用の分析の推進(各保険者、地域の特性等を明らかにする等)」なども示されており、地域保健分野への影響も小さくないように感じる。報告書(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002k0gy-att/2r9852000002k0kz.pdf)の医療等ID(仮称)と医療等中継DB(仮称)に関するわかりやすい説明資料が欲しい。
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