保健福祉の現場から

感じるままに

医学部新設の行方

2014年02月28日 | Weblog
東京新聞「医学部用の新キャンパス整備 東北福祉大、構想を発表」(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014022801002408.html)。<以下引用>
<医学部の新設を目指す東北福祉大(仙台市)と仙台厚生病院(同市)は28日、宮城県栗原市に医学部用の新キャンパスを造り、600床規模の付属病院を整備する構想を発表した。文部科学省は東日本大震災の復興支援として、東北地方の大学1校への医学部新設を認め、6月にも決める方針。東北福祉大はさらに検討し、5月に文科省に提出する。構想では、新医学部の1学年の定員は100人。「医療過疎地で必要な、全領域の疾患に対し一定水準の医療を提供できる医師育成を目指す」と基本方針を明記した。臨床研修後は7年間、東北地方を中心とした診療活動を義務付ける奨学金を用意する。>

最大の関心事は新たに整備される600床規模の付属病院の職員確保と、大学教官の確保であろう。現在の仙台厚生病院がどうなるかも気になるかもしれない。かなりの人数にのぼる附属病院職員や大学教官はどこから調達されるのであろうか。そういえば、衆議院「東北地方における医学部新設に関する質問主意書」(http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a186019.htm)、答弁(http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b186019.htm)が出ている。文科省「東北地方における医学部設置認可に関する基本方針について」(http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/25/11/1341992.htm)について、全国医学部長病院長会議(http://www.ajmc.jp/pdf/seimeibun25.12.02.pdf)、日本医師会(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20130925_12.pdf)が医学部新設に反対を表明しており、行方が注目である。東日本大震災の際には、全国各地の病院から医師が応援にきたが、医学部新設は一時的な応援ではない。医学部新設よりも柔軟な対応がしやすい医学部定員増が図られてもよいのではないか、と感じる。1月27日、文部科学省「平成26年度医学部入学定員の各大学の増員計画について(1月時点)」(http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/26/01/1343622.htm)が出ており、資料(http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/26/01/__icsFiles/afieldfile/2014/01/27/1343622_01.pdf)によると、地域枠で6大学24人(弘前大5人、秋田大2人、筑波大9人、埼玉医科大4人、東京医科大2人、東海大2人)の定員増加である。
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7対1と療養病床の行方

2014年02月28日 | Weblog
キャリアブレイン「「急性期直撃」「ふるい落とし」懸念相次ぐ- 7対1入院基本料の見直しに」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/42072.html)。<以下引用>
<2014年度診療報酬改定の影響を検証するセミナーが14日、東京都内で開かれ、国際医療福祉大大学院の武藤正樹教授は、今回の改定を「急性期直撃改定」と総括した。急性期病院向けの7対1入院基本料の算定要件が厳しく見直されるためで、この日講演した医療関係者がこれによる影響をそろって懸念した。14年度の改定は医療機関の機能分化と連携、在宅医療の推進が大きなテーマになり、増え過ぎた7対1入院基本料の算定病院を絞り込む。このため、この点数を算定するための要件に在宅復帰率などを追加するほか、▽15%以上の受け入れが求められる重症患者の評価指標を厳しくする▽急性期病棟の長期入院や、入院が短期間の手術や検査の取り扱いを見直す-といった措置を取る。武藤氏は、このうち重症患者の評価指標の見直しが「最も大きい」と述べた。該当者が多い「血圧測定」や「時間尿測定」の項目が除外され、重症患者割合の低下が見込まれるためで、「かなりの病院が、このまま放っておけばランクダウンしていく」との見方を示した。また、短期滞在の手術や検査の見直しでは、ほかの診療報酬がすべて包括される点数の対象を計21の手術や検査に拡大し、これらの患者を平均在院日数のカウントから除外することになっている。これにより、患者数が多い白内障の手術や大腸の内視鏡手術が対象に加わるため、武藤氏は、眼科や消化器科の専門病院では影響が大きくなると予測した。在宅復帰率の基準が追加される点については、院内の地域包括ケア病棟への転棟などを在宅復帰に含めないなら「えらいことだ」と語った。■重症者16.1%から14.8%の病院も-MMオフィス工藤氏 医療機関向けコンサルティング業「MMオフィス」(横浜市青葉区)の工藤高代表も、重症度判定の指標の見直しは厳しいとの見方を示した。この指標の見直しで重症者割合が16.1%から14.8%にダウンする見通しの病院(120床)もあるという。工藤氏は「(今回の改定は)ふるい落とし感が強い」と語った。また、短期滞在の手術や検査の見直しによる影響は、病床利用率を高く維持するため入院を長引かせていた病院ほど、大きな影響を受ける可能性があると指摘。「7対1を算定して高度急性期を目指すような病院では、こういう手術はやらないでくれというメッセージではないか」との見方も示した。新しく加わる在宅復帰率の要件については、「脳神経外科の病院で院内に回復期リハ病棟を持っている所があるが、転棟が認められないなら一気にアウト」と述べた。全日本病院協会の西澤寛俊会長は、短期滞在の手術や検査の見直しについて、「(個々の手術や検査は)すごく大きいが、2年後に点数がどんと下がる可能性は十分に考えられる。だまし討ちではないか」と述べた。西澤氏も在宅復帰率の要件に注目しているといい、自病院の回復期リハビリテーション病棟などへの転棟が認められない場合の影響を懸念した。ただ、「詳しい通知が出ないと分からない」とも述べた。>

「財務省は2016年度末までに7対1は9万床削減(36万床の約25%)目指す」(医事新報2月22日号)と報道されている。診療報酬改定資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000037464.pdf)p1~「看護配置の手厚い病棟における基準の見直し」が出ているが、7対1一般病棟入院基本料算定病棟を有する病院は大変なようである。p2の「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度」の評価項目の見直しだけではなく、p11~「短期滞在手術基本料の見直し」によって短期滞在手術による平均在院日数の短縮化がしにくくなる。p5の「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度15%以上」要件、「平均在院日数18日以内」要件はハードルが高くなるのは間違いない。さらには、p5「退院患者のうち、自宅、回復期リハビリテーション病棟入院料の届出を行っている病棟、地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料)の届出を行っている病棟若しくは病室、療養病棟(在宅復帰機能強化加算(新設・後述)を届け出ている病棟に限る)、居住系介護施設又は介護老人保健施設(いわゆる在宅強化型介護老人保健施設又は在宅復帰・在宅療養支援機能加算の届出を行っているものに限る)に退院した者の割合が75%以上であること。」とあるように、「退院先75%以上」要件ができることも大きい。療養病床を有する病院が、7対1一般病棟入院基本料算定病棟を有する病院から、従来どおり患者を受け入れるには、療養病床を有する病院がp24の「在宅復帰機能強化加算」をとれるようにするか、「回復期リハビリテーション病棟入院料」の届出を出せるようにするか、あるいは、「老人保健施設」に転換するか、等を検討しないといけなくなった。以前の中医協資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000031001.pdf)p65では、回復期リハビリテーション病棟入院料算定の49.5%が療養病床で、一般病床よりも多いことが出ていた。「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/186.html)の医療法改正によって、一般病床と療養病床が「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」の機能病床として知事への報告制度(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000030434.pdf)予定されており、「回復期リハビリテーション病棟入院料」を算定する病院が増えるのは間違いない。そして、7対1一般病棟入院基本料算定病棟を有する病院が500床以上であれば、p49~の「紹介率・逆紹介率の低い大病院における処方料等の適正化」も大きい。病院改革は、その病院だけの改革ではなく、紹介元・退院先を含めた地域全体で考える時代に本格的に突入したといえるかもしれない。病床機能報告制度と地域医療構想(ビジョン)は、今回の診療報酬改定によって実質的にスタートしたような気がしないでもない。「病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000008zaj.html#shingi127371)の動向も注目である。
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医療と市場原理・自由競争

2014年02月28日 | Weblog
朝日新聞「埼玉の医師会に排除命令 予防接種で最低料金設定」(http://apital.asahi.com/article/news/2014022700020.html)が報道されている。保険診療には公定価格である診療報酬が設定されているが、予防接種は自由診療である。しかし、一定水準以上の質確保のためにはそれなりにコストがかかるものであり、少なくとも公的事業として行われる場合は、妥当な委託単価があってもよいのではないか、と感じる。昨年11月18日の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000030951.html)で、「予防接種費委託単価等調査(平成24年度)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000029883_1_1_2_2.pdf)、「ワクチン価格等調査」集計結果(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000029884_1_1_2_2.pdf)が出ており、坂本委員「国は市町村が負担している接種費用の9割を交付税の算定根拠としているが、委託単価にこれだけ幅があれば何の9割なのか」「算定根拠を一体どこにおいているのかという大きな疑問が出てくる」の発言が報道されていた(保健衛生ニュース平成25年12月2日号)。以前の厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002b5l0-att/2r9852000002b5nr.pdf)p41~に出ていた指定都市の平成23年度予防接種委託単価でも大きな格差がある。医療の世界には市場原理・自由競争はなじまない面があるようにも感じる。最近の「ユッケ事件」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%83%E3%82%B1%E9%9B%86%E5%9B%A3%E9%A3%9F%E4%B8%AD%E6%AF%92%E4%BA%8B%E4%BB%B6#.E3.83.A6.E3.83.83.E3.82.B1.E9.9B.86.E5.9B.A3.E9.A3.9F.E4.B8.AD.E6.AF.92.E4.BA.8B.E4.BB.B6)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000025ttw-att/2r98520000025tz2.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000025ttw-att/2r98520000025tzb.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000025ttw-att/2r98520000025tzk.pdf)や「ツアーバス事故」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%A2%E8%B6%8A%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A%E9%81%93%E9%AB%98%E9%80%9F%E3%83%90%E3%82%B9%E5%B1%85%E7%9C%A0%E3%82%8A%E9%81%8B%E8%BB%A2%E4%BA%8B%E6%95%85)のような、「見た目がよく、安ければ良い」を医療の世界に持ち込んでよいのであろうか。そういえば、内閣府資料「子ども・子育て支援新制度に関する検討状況について」(http://www.mhlw.go.jp/topics/2014/01/dl/tp0120-16-01p.pdf)p22~「公定価格」(施設型給付、地域型保育給付)があるが、市場原理・自由競争至上主義の方はクレームするであろうか。
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TPPによる医療への影響

2014年02月28日 | Weblog
NHK「規制改革会議 特養に株式会社参入提言」(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140228/k10015625571000.html)。<以下引用>
<政府の規制改革会議は、介護分野での競争を促し、サービスの向上を図るため、今は原則として社会福祉法人だけに認められている特別養護老人ホームの経営に、株式会社の参入を認めるよう提言する方針を確認しました。政府の規制改革会議は、6月に策定する新たな経済の成長戦略に反映させるため、規制緩和の具体策を盛り込んだ提言の取りまとめを進めていて、28日の会合では介護分野について意見を交わしました。その結果、介護分野での競争を促し、サービスの向上を図るため、今は原則として社会福祉法人だけに認められている特別養護老人ホームの経営に、株式会社の参入を認めるよう提言する方針を確認しました。さらに、社会福祉法人は原則として法人税が非課税となっていることから、参入した株式会社との競争条件を同等にする必要があるとして、法人税に相当する額を低所得者向けのサービスの向上に充てる措置を取ることなどを提言に盛り込むことになりました。>

日刊ゲンダイ「TPPの真実」(http://gendai.net/articles/index/news/2067)が更新されている。International Business Times「Leaked TPP Chapter: 5 Scary Provisions In WikiLeaks' Trans-Pacific Partnership Release」(http://www.ibtimes.com/leaked-tpp-chapter-5-scary-provisions-wikileaks-trans-pacific-partnership-release-1468856)が出たように、TPP=農業問題では決してない。国別の一覧表(http://big.assets.huffingtonpost.com/1296_001.pdf)は、現在どうなっているのであろうか。医事新報平成25年11月30日号のp26~で「TPPと医療・医薬品産業」が特集されており、「新薬の特許権強化が最大の焦点」、「医療に与える影響は小さくない」、「TPP参加を利用した規制改革により医療の営利化が加速する恐れがある」、医事新報平成25年10月26日号p129で、「TPP参加の「今そこにある危機」は医薬品・医療機器価格規制の撤廃・緩和による医薬品・医療機器価格の上昇であり、それは患者負担の増加と医療保険財政の悪化をもたらし、保険給付範囲の縮小と診療報酬の抑制につながる」とあった。全国保険医団体連合会「TPPと医療の特集ページ」(http://hodanren.doc-net.or.jp/tpp/index.html)での「TPP協定交渉と医療制度」(http://hodanren.doc-net.or.jp/tpp/130627TPP-iryo.pdf)にも出ているように、もっと、知的財産権(http://thinktppip.jp/)等の非関税措置にも焦点があてられるべきである。そういえば、政府規制改革会議の「医療機関のガバナンス及び業務」に関する論点(案)(http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/meeting/2013/wg2/kenko/140218/item1.pdf)では「一定要件を満たす医療法人については、医師・歯科医師以外の者が理事長になる際の認可を不要とし、届出制とすべきではないか。」とある。医療法(http://www.ron.gr.jp/law/law/iryouhou.htm)第四十六条の三では「医療法人(次項に規定する医療法人を除く。)の理事のうち一人は、理事長とし、定款又は寄附行為の定めるところにより、医師又は歯科医師である理事のうちから選出する。ただし、都道府県知事の認可を受けた場合は、医師又は歯科医師でない理事のうちから選出することができる。」とあり、既に医師・歯科医師以外が知事の許可を受けて医療法人の理事長になることは可能であるが、さらに緩和されるらしい。医事新報平成25年11月30日号p26~「TPP参加を利用した規制改革により医療の営利化が加速する恐れがある」が進んでいるのであろうか。
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介護保険制度改正とその周辺

2014年02月28日 | Weblog
2月25日の全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000038295.html)は膨大であるが、ぜひ目を通しておきたい。介護保険計画課資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000038312.pdf)p136「新たに医療・介護連携や認知症施策の推進等が新しく地域支援事業として位置付けられる予定である。保険者としては新たに取り組む分野となるが、来るべき将来に備える重要課題であり、各保険者の実情に応じた取組を期待するとともに、都道府県による積極的な支援を期待する。」、p137「都道府県においては、広域的な調整とともに、従来にも増して市町村に対する技術的助言など適切なバックアップを行うことが必要となり、特に人材確保策や医療との連携では市町村の区域を越えた支援が重要である。」とあるのが目にとまった。医療との連携に関しては、要綱(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/186-07.pdf)の「第三 医療法の一部改正 3 地域医療構想を実現するために必要な措置」で「都道府県は、構想区域等ごとに、診療に関する学識経験者の団体その他の医療関係者、医療保険者等の関係者との協議の場を設け、地域医療構想の達成の推進に必要な事項について、協議を行うものとすること。(第三十条の十四第一項関係)」とあり、圏域ごとの体制を構築すべきである。医療計画に関する厚労省医政局通知(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/tsuuchi_iryou_keikaku.pdf)p36「圏域連携会議は、各医療機能を担う関係者が、相互の信頼を醸成し、円滑な連携が推進されるよう実施するものである。その際保健所は、地域医師会等と連携して当会議を主催し、医療機関相互または医療機関と介護サービス事業所との調整を行うなど、積極的な役割を果たすものとする。」とあることから、保健所が重要な役割を担うのは間違いない。ところで、資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000038325.pdf)p424「近年、通所介護の設備を利用して提供されている法定外の宿泊サービス(いわゆる「お泊りデイ」と呼ばれるサービス)」が全国的に拡大傾向にあるが、介護保険適用外の自主事業であり、基準等も定まっていないため、利用者の安全面や処遇面において問題が発生することが懸念されている。これについて、利用者保護の観点から、サービス内容の透明性を高めるためにも情報公表制度を活用した公表を行っていくことを検討している。」とあるが、早急な対応を期待したい。一方、資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000038312.pdf)p118「社会福祉法人等による生計困難者等に対する介護保険サービスに係る利用者負担額軽減制度事業」の未実施市町村名が出ており、120市町村の中に以前の管内市町村が含まれているのが、少々気になった。そういえば、資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2014/01/dl/tp0120-12-02d.pdf)p37「今後、「生活困窮者自立支援方策(仮称)」を地域福祉計画に盛り込むべき事項としてお示しする方針であるので、ご承知おき願いたい。」とあった。昨年12月の「市町村地域福祉計画及び都道府県地域福祉支援計画の策定状況」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000033126.html)によると、都道府県地域福祉支援計画は41都道府県が策定済み、市町村福祉計画は63.8%が策定済みである。「地域福祉計画は、平成12年6月の社会福祉事業法等の改正により、社会福祉法に規定された事項」であるが、法定計画が一部自治体で10年以上未策定である実態はそれぞれの自治体では認識されているであろうか。地域福祉計画未策定の自治体名が公表されるべきかもしれない。
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所在不明高齢者と年金不正受給

2014年02月27日 | Weblog
NHK[GPIF 先進国のインフラに投資へ](http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140301/t10015629481000.html)。<以下引用>
<120兆円を超える公的年金の積立金を運用しているGPIF=年金積立金管理運用独立行政法人は、収益性をより高める観点から、先進国の電力や鉄道などのインフラへの投資を初めて始めることになりました。GPIF=年金積立金管理運用独立行政法人は、120兆円を超える公的年金の積立金を運用している世界最大級の機関投資家で、28日に記者会見を開き、収益性をより高める観点から、インフラへの投資を初めて始めることを明らかにしました。具体的には、日本政策投資銀行、カナダ・オンタリオ州の公務員年金基金と共に、長期にわたって安定した収入が見込める先進国を中心とした電力や鉄道などを対象に投資信託を購入する形で5年間で最大2800億円を投資するとしています。
GPIFを巡っては、政府の有識者会議が去年11月、積立金の多くを国債に投資している今の運用方針を見直し、比較的リスクの高いREIT=不動産投資信託などの金融商品にも投資するよう求める報告書をまとめており、GPIFは収益性を重視した運用への移行を進めています。>

朝日新聞「年金問題、8千人を追加調査 厚労省、不正受給後絶たず」(http://apital.asahi.com/article/news/2014022700006.html)。<以下引用>
<年金受給者が死亡したのに家族が年金をもらい続ける不正が後を絶たず、厚生労働省は今月から新たな防止策に乗り出した。2010年以降、約34万人を調べて不正をあぶり出したはずだったが、昨年に新たなケースが発覚。調査の「穴」をふさぐため、まずは約8千人を対象に別の方法で生存を確認する。ことの発端は10年夏。行政が高齢者の生死を正しく把握していないケースが多数発覚し、社会問題になった。年金受給者の死亡を家族が申告せず、もらい続けていた不正も判明。厚労省は実態を調べるため、75歳以上が入る後期高齢者医療制度の情報を使った。過去1年で一度も受診していない受給者に、生存を確認する書類を送付、訪問調査などもした。その結果、約1700人の年金差し止めにつながった。だが昨年夏、東京都足立区で8年ほど前に79歳で死亡した男性に年金が払われ続けていたことが判明。この男性は前回調査では対象から漏れていた。すでに死亡し、後期高齢者医療制度に入っていなかったためだ。住民票上は「死亡」扱いとなっていたが、情報が年金事務所に伝わらず、年金の支給が続いた。>

一昨年、厚労省から「所在不明高齢者に係る年金の差止めについて」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002j5v6.html)が出ていた。現況申告書を送付し回答のあった方のうち、回答内容が「死亡」又は「消息を知らない」以外であり、かつ、後期高齢者医療を2年間(平成21年7月から23年6月までの間)継続して利用していない年金受給者(16万2,480人)に対して、市町村に健在等の情報提供を依頼するとともに、日本年金機構の職員による訪問調査を実施した概要(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002j5v6-att/2r9852000002j5wn.pdf)が公表されていた。前年(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001lew6-att/2r9852000001lexn.pdf)は、後期高齢者医療を1年間利用していない者34万1312人の確認であった。75歳未満であっても、例えば、一定期間の国保医療の未利用者や特定健診未受診者を対象に進められるであろう。年金機構や市町村による積極的な確認や民生委員の協力も必要と感じる。所在確認に「特定健診の受診歴を活用する」といえば、健診受診率のアップにもつながるかもしれない。ヨーロッバでは生存確認が行われているという(http://www.election.ne.jp/10870/83856.html)ではないか。所在不明高齢者と年金不正受給は、まさに日本人のモラルの問題と感じる。社会保障・税番号制度(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/index.html)(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/pdf/gaiyou_siryou.pdf)を機に、抜本的な対応を期待したいものである。ところで、一昨年の厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002giml-att/2r9852000002gitv.pdf)では、公的年金の財政見通しに用いる経済前提として、わが国の賃金上昇率は名目2.5%(2.1~2.9)、実質1.5%(1.1~1.9)、運用利回りは名目4.1%(3.9~4.2)、実質3.1%(2.9~3.2)が示されていたが、実態との乖離を感じる方が少なくないであろう。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用原資は国民が納めた年金保険料である。最近の運用損益(http://www.gpif.go.jp/operation/archive.html)がどうなっているか、関心を持ちたいものである。
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知事による医師の派遣要請

2014年02月27日 | Weblog
秋田魁新聞「消化器内科医、郡部への派遣要請 知事、偏在解消へ秋田大に」(http://www.sakigake.jp/p/akita/news.jsp?kc=20140226f)。<以下引用>
<消化器内科の医師が秋田市に集中しているとして、佐竹敬久知事は秋田大医学部に対して郡部への医師派遣を強く要請したことを25日、明らかにした。知事が特定の診療科名を挙げて医師派遣を求めるのは異例。同日開かれた県議会の一般質問で答えた。厚生労働省の2012年調査によると、本県の病院や診療所に勤務する消化器内科医は179人。人口10万人当たり16・8人で全国トップだ。ただ、市町村別では秋田市が101人と突出して多く、同市以外は0〜18人と著しい偏在が生じている。県内で消化器内科の患者は多いが、中核病院では湯沢市の雄勝中央病院に常勤医がいないほか、秋田市以外の病院の多くは秋田大ではなく他県の大学からの派遣に頼っているという。一般質問では小松隆明県議(自民)が偏在の原因について「医師派遣を担う秋田大の消極的な対応にあるのではないか」と指摘。「医学部付属病院のホームページを見ると、消化器内科には多くの医師が名を連ねているが、郡部の病院では医師不足が著しい」と述べた。佐竹知事は今月、自ら秋田大幹部に医師派遣を強く要請したことを明らかにし、「大学側も問題意識を持っており、地域医療確保のための医師派遣に一層努力するという回答を得た」と答弁した。>

今国会(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/186.html)での「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案」の要綱(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/186-07.pdf)では「二 医療従事者の確保等に関する事項 1 都道府県知事は、特定機能病院、地域医療支援病院及び公的医療機関等の開設者又は管理者その他の関係者に対し、医師の派遣、研修体制の整備その他の医師が不足している地域の病院又は診療所における医師の確保に関し必要な協力を要請することができるものとすること。(第三十条の十八関係。平成二十七年四月一日以降は第三十条の二十四)2 都道府県は、医師の確保に関する調査及び分析、相談、情報の提供等の援助その他の医師の確保を図るための必要な支援に関する事務を実施するよう努めるものとすること。(第三十条の十九第一項関係。平成二十七年四月一日以降は第三十条の二十五第一項)」とある。医療法改正によって、知事による大学病院等に対する医師派遣要請は法定事項となる。1月の全国厚生労働関係部局長会議(http://www.mhlw.go.jp/topics/2014/01/tp0120-1.html)の医政局資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2014/01/dl/tp0120-02-01p.pdf)p19で「医師確保対策として、都道府県における医師確保のための相談・支援機能(地域枠に係る修学資金の貸与事業を含む)の強化や、地域医療に必要な人材の確保等の事業、産科等の不足している診療科の医師確保事業、女性医師の復職支援等への財政支援を行う。」などがあるが、地域医療支援センター(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/chiiki_iryou/)の役割が大きい感じがする。少なくとも奨学金養成医師の配置は、ルール化・透明化が必要ではないか。
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認知症予防

2014年02月27日 | Weblog
東京新聞「脳梗塞薬、認知症に効果 進行遅らせる働き」(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014022701001072.html)。<以下引用>
<脳梗塞の予防に使う薬剤「シロスタゾール」に、軽度認知症の進行を遅らせる働きがあることを国立循環器病研究センター(大阪府)の猪原匡史医長(脳神経内科)らのチームが発見し、米オンライン科学誌プロスワンに27日発表した。認知症を引き起こす脳内の老廃物の排せつを良くするとみられるという。記憶力が低下するなどの軽度認知障害(MCI)の国内推定患者は約400万人で、5年以内に半分がアルツハイマー病などの認知症になるとのデータがある。今回はカルテ記録による研究で、今秋にもMCI患者での臨床研究を三重大や京都大、神戸大など医療機関と共同で始める予定だ。>

臨床では、脳梗塞は再発予防管理が重要で、シロスタゾールは後発品(http://www.okusuri110.com/cgi-bin/dwm_yaka_list_se.cgi?3399002&%83V%83%8D%83X%83%5E%83%5D%81%5B%83%8B)もよく使用されているであろう。厚労省「認知症施策の推進について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000021004.pdf)に対して、日本医師会「厚生労働省「今後の認知症施策の方向性について」に対する日医の見解(http://www.med.or.jp/shirokuma/no1577.html)、日本精神科病院協会「厚生労働省認知症施策検討プロジェクトチーム「今後の認知症施策の方向性について」の反論」(http://www.nisseikyo.or.jp/home/about/05teigen/2012/120726.html)が出ているように、認知症対策には医療が不可欠であるのはいうまでもない。医療計画(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000036ff1-att/2r98520000036fkg.pdf)での精神疾患は、認知症に関して、①認知症の進行予防、②専門医療機関へのアクセス、③地域生活維持、④BPSDや身体疾患等が悪化した場合に分け、それぞれの目標、医療機関に求められる事項等を作成する(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/shiryou_a-3.pdf)ことになっている。指標には「かかりつけ医認知症対応力向上研修参加者数」もあるが、研修では「認知症の進行予防」も採用したいところかもしれない。2月25日の認知症・虐待防止対策推進室資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000038321.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000038343.pdf)にも目を通しておきたい。
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有機的在宅医療・介護連携

2014年02月27日 | Weblog
厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000030649.pdf)p9~10に出ているように、在宅医療・介護の連携推進は、市町村主体の恒久的な制度として、介護保険法の地域支援事業の包括的支援事業に位置づけられ、地域包括支援センターと医師会が連携して、①地域の医療・福祉資源の把握及び活用(地域の医療機関等の分布を把握し、地図又はリスト化し、関係者に配布)、②在宅医療・介護連携に関する会議への参加又は関係者の出席の仲介(関係者が集まる会議を開催し、地域の在宅医療・介護の課題を抽出し、解決策を検討)、③在宅医療・介護連携に関する研修の実施(グループワーク等の多職種参加型の研修の実施)、④24時間365日の在宅医療・介護提供体制の構築(主治医・副主治医制等のコーディネート)、⑤地域包括支援センター・介護支援専門員・介護サービス事業者等への支援(介護支援専門員からの在宅医療・介護に係る総合的な問い合わせへの対応等)がイメージされている。国立長寿医療研究センターから、「在宅医療・介護連携のための市町村ハンドブック」(http://www.ncgg.go.jp/zaitaku1/pdf/handbook/handbook2013.pdf)も出ている。ここにある、「資源の把握・活用」「連携会議」「研修」「体制構築」「事業者支援」は、テーマ別に他の機関でも進められていることは認識したい。例えば、がん診療連携拠点病院を中心とした「がん緩和ケアに係る医療連携・医療介護連携」、広域リハビリテーション支援センターを中心とした「脳卒中の急性期~生活期リハビリに係る医療連携・医療介護連携」、認知症疾患医療センターを中心とした「認知症の医療連携・医療介護連携」であるが、がん診療連携拠点病院、広域リハビリテーション支援センター、認知症疾患医療センターは市町村単位ではなく、二次医療圏単位で整備されている施設である。また、保健所では、二次医療圏医療計画難病支援ネットワークに係る医療連携・医療介護連携も推進されている。地域において、地域包括支援センター、医師会、がん診療連携拠点病院、広域リハビリテーション支援センター、認知症疾患医療センター、保健所による取り組みはバラバラであってはならない。会議や研修等もメンバーは重なるからである。それぞれの地域において、有機的在宅医療・介護連携の総合調整役をどこかが担わなければならないが、やはり、保健所への期待が大きいかもしれない。地域保健法(http://www.ron.gr.jp/law/law/hokenjo.htm)第4条に基づく「地域保健対策の推進に関する基本的な指針」(http://www.pref.akita.lg.jp/www/contents/1344472453581/files/zenbun.pdf)p5では、2 保健所の運営 (1)健康なまちづくりの推進で、「地域の健康課題を把握し、医療機関間の連携に係る調整、都道府県による医療サービスと市町村による保健サービス及び福祉サービスとの連携に係る調整を行うことにより、地域において保健、医療、福祉に関するサービスが包括的に提供されるよう市町村や関係機関等と重層的な連携体制を構築すること。」とある。地域包括ケアの推進は、まさに国家的プロジェクトであるが、果たして、保健所職員、本庁の保健所所管部局はどのような認識であろうか。「従来どおり」ばかりでは厳しい。
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低線量被ばく

2014年02月26日 | Weblog
全国保険医団体から「10mSv以下の低線量被ばくでも発がんリスク増」(http://hodanren.doc-net.or.jp/iryoukankei/seisaku-kaisetu/140225hibaku.html)が出ている。日経メディカル「20歳未満でのCT検査で癌リスクが有意に上昇 年少の曝露ほど高リスク、豪州での大規模コホート研究の結果」(http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/bmj/201306/530940.html)、日経メディカル「癌患者の2%がCT検査による発症?」(http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t084/201003/514653.html)の記事もあったように、低線量被ばくは無視できない。2月7日の福島県県民健康管理調査検討委員会(http://wwwcms.pref.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet;jsessionid=3FBC983D657D39654077198A4BDF2643?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=24809)で、甲状腺検査の状況(http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/260207siryou2.pdf)が出ており、平成23-25年度合計で、悪性ないし悪性疑いは75例;16.9±2.6歳 (8-21歳)、震災当時14.7±2.6歳(6-18歳)とある。甲状腺がんは特殊検査で発見されやすいがん(http://www.pet-toyama.jp/seiseki.htm)ではあるものの、この世代の0.03%(10万対27.5)の甲状腺がん保有率は、例えば地域保健健康増進事業報告(http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001106940)の表22~30の各がん検診実績をみると、少々高いように感じる。低線量被ばくの健康影響については、年齢を考慮すべきであるのはいうまでもない。高齢者と小児・妊婦は同列に評価できない。ところで、政府「低線量被ばくのリスク管理に関するワーキンググループ」(http://www.cas.go.jp/jp/genpatsujiko/info/news_111110.html)の報告書(http://www.cas.go.jp/jp/genpatsujiko/info/twg/111222a.pdf)p9では、喫煙は1,000~2,000ミリシーベルト、肥満は200~500ミリシーベルト、野菜不足や受動喫煙は100~200ミリシーベルトのリスクと同等とされていたが、この際、生活習慣改善によるリスク軽減を徹底したいものである。
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子宮頸がん予防ワクチンの行方

2014年02月26日 | Weblog
毎日新聞「子宮頸がんワクチン:接種後の痛み 来年度中に原因調査」(http://mainichi.jp/select/news/20140228k0000m040146000c.html)。<以下引用>
<子宮頸(けい)がんワクチンの接種後に痛みを訴える中高生が相次いでいる問題で、日本線維筋痛症学会と厚生労働省研究班は27日、発症原因を探るための調査を始める方針を明らかにした。ワクチンの成分が発症のきっかけになっている可能性があるという。来年度中に全国50〜100施設で数千人規模を調査する予定。線維筋痛症は全身に慢性の痛みが起こる病気。原因は不明だが、脳内の神経の炎症によって疲労や抑うつなどのさまざまな症状を起こすと考えられている。国内の患者数は推定約200万人。研究班によると、子宮頸がんワクチン接種後に痛みを訴えている患者の中に、線維筋痛症と診断された人がいる。また海外では、ワクチンのアジュバント(免疫補助剤)が線維筋痛症などの病気を誘発するとの報告があった。そこで、同学会と研究班は、全国の施設で線維筋痛症と診断された患者を対象に、子宮頸がんワクチンに加え、すべてのワクチンの接種の有無、ワクチンを接種した人には症状への影響などを分析することにした。研究班長で桑名市総合医療センター(三重県)の松本美富士(よしふじ)顧問は「ワクチンの成分が脳内の炎症を誘発している可能性がある」と話す。子宮頸がんワクチンをめぐっては、痛みが相次いだため、接種の推奨が一時中止されている。安全性を評価する厚生労働省の専門家検討会が先月、痛みの原因を「ワクチンの成分とは考えにくく、心身の反応」との見解をまとめたが、接種推奨の再開にいたっていない。>

NHK「ワクチン接種後の痛み 見解変えず」(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140226/k10015558551000.html)。<以下引用>
<子宮頸がんワクチンの接種後、原因不明の痛みを訴える患者が相次いだ問題を巡る厚生労働省の専門家会議が開かれ海外の医師が「ワクチンの成分が原因の疑いがある」と指摘しましたが、専門家会議は科学的な根拠が不足しているとして採用せず「接種の際の痛みや不安などが症状を引き起こした可能性がある」とする見解を変更しませんでした。子宮頸がんワクチンは、接種したあと原因不明の体の痛みを訴える患者が相次いだため、厚生労働省は、去年6月、積極的に接種を受けるよう呼びかけるのを中止し、厚生労働省の専門家会議は、先月、「接種の際の不安や痛みなどが症状を引き起こした可能性がある」とする見解をまとめました。26日開かれた専門家会議では、アメリカとフランスの医師が「患者の血液などを調べたところワクチンの成分によって免疫機能に異常が起き、脳や体に炎症を起こした疑いがあり、痛みや不安などが原因とは考えられない」と指摘しましたが、専門家会議は「科学的な根拠が不足している」としてこれまでの見解を変更しませんでした。そのうえで再発防止策について、接種の前に強い痛みがあることを十分に説明することや、症状が出た場合、その後の接種を中止すべきだといった意見で一致しました。専門家会議は、来月にも報告書をまとめたうえで、接種の積極的な呼びかけを再開すべきかどうか判断することにしています。>

2月26日の「予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000008f2q.html#shingi127715)資料が出ればみておきたい。1月20日の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会・薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000035220.html)での子宮頸がん予防(HPV)ワクチンの副反応に関する論点整理(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000035213.pdf)からはあまり変わらないようである。子宮頸がんワクチン被害(http://vpoint.jp/category/feature/cervical_cancer)も無視できないように感じる。子宮頸がんの予防は、ワクチンだけではない。この際、子宮頸がん検診を徹底したいところかもしれない。


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第6期介護保険事業計画の行方

2014年02月26日 | Weblog
キャリアブレイン「第6期介護保険計画作成のポイントなど提示- 厚労省」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/42141.html)。<以下引用>
<厚生労働省は25日、市町村や都道府県が第6期(2015―17年度)の介護保険事業計画や介護保険事業支援計画を作成する上でのポイントなどを示した。団塊の世代が後期高齢者となる25年のサービス水準や保険料水準を推計することや、定期巡回・随時対応型訪問介護看護(24時間訪問サービス)の一層の普及の必要性などが盛り込まれている。同日の「全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議」で、厚労省が示した。このうち、市町村が作成する介護保険事業計画については、計画期間中の給付費を推計し、保険料を設定する従来の内容に加え、25年のサービス水準や保険料水準ついても「推計し、計画に記載する」とした。また、医療と介護の両方が必要な人の増加が見込まれることから、24時間訪問サービスや複合型サービス、小規模多機能型居宅介護などの普及が重要と指摘。公営住宅や特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などの整備については、「今後、どのような方向性で充実させていくか、保険者として提示する」としている。一方、都道府県が作成する介護保険事業支援計画については、計画期間中だけでなく、25年に必要となる介護人材の推計の実施を提言。同時に、その推計を踏まえ、人材の育成・確保のための取り組みも示すべきとしている。また、医療計画と一体的に強い整合性を持った形で策定することや、高齢者居住安定確保計画と調和を図ることも提示された。今後、厚労省では、これらのポイントを含んだ計画策定のための基本方針である「介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針」を取りまとめる方針という。■生活サービスコーディネーターの研修プログラムなど開発へ また厚労省は、地域のニーズと地域資源のマッチングを担う「生活支援サービスコーディネーター」(仮称)を育成するための研修プログラムなどの開発に乗り出すことを明らかにした。厚労省によると、13年度と14年度には老人保健健康増進等事業を活用しながら、研修プログラムやテキストの開発を進める方針で、育成を担当する自治体関係者を対象とした中央研修の実施も検討しているという。「生活支援サービスコーディネーター」(仮称)は、15年4月の施行が予定される介護保険制度改正に伴い、導入される見通し。>

25日の全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000am0d.html#shingi129155)資料が出れば目を通しておきたい。老健局資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2014/01/dl/tp0120-09-01p.pdf)p6「介護給付と保険料の推移」では「2025年の給付(総費用額)は改革シナリオで21兆円程度、保険料は全国平均8200円程度」とある。資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2014/01/dl/tp0120-09-01p.pdf)p8「2025年を見据えた介護保険事業計画の策定」では、第6期計画以後の計画は「2025年までの中長期的なサービス・給付・保険料の水準も推計して記載すること」とあり、それぞれの地域でどういう推計が出るか、注目される。国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成25(2013)年3月推計)」(http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson13/t-page.asp)では、平成22(2010)年10月1日から平成52(2040)年10月1日までの30年間(5年ごと)について、市区町村別の将来人口推計(http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson08/5-sai/shosai.html)が行われているが、まずは、それぞれの地域において、急速な少子高齢化進展の現実を重く受け止める必要があるように感じる。しかし、医療、介護ばかりではない。厚労相資料(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2013/1115/sankou_01_1.pdf)p4「レセプト等のデータ分析に基づく保健事業(データヘルス)」に示されているように、平成26年度中に、全ての健保組合で「データヘルス計画」作成に取り組まれ、平成27年~29年に第1期計画が実施される。「健康保険法に基づく保健事業の実施等に関する指針」(http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495130239&Mode=0)、「高齢者の医療の確保に関する法律に基づく保健事業の実施等に関する指針」(http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495130240&Mode=0)改正によるデータヘルスの推進は大きい。昨年8月、厚生労働省が「国民の健康寿命が延伸する社会」に向けた予防・健康管理に関する取組の推進」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000019326.html)で5兆円規模の医療費・介護費の抑制目標を発表(http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12401250-Hokenkyoku-Iryouhitekiseikataisakusuishinshitsu/0000019923.pdf)、(http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12401250-Hokenkyoku-Iryouhitekiseikataisakusuishinshitsu/0000019922.pdf)したが、医療・介護・健康増進の改革は本来一体でなければならないであろう。資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2014/01/dl/tp0120-09-04p.pdf)p52「地域包括ケアシステム構築推進のための市町村支援の具体的な取組」では、第6期介護保険事業計画策定用ワークシート、ワークシートの手引書の作成(年度末に暫定版提供予定)」「介護・医療関連情報の「見える化」システム構築による自治体支援;介護保険総合データベース、国勢調査等の公的統計調査の情報を有効に活用できる形で地域包括ケア「見える化」システム(プロトタイプ)を通じて提供(平成26年2月中)」とある。それぞれの保険者での2025年までの中長期的なサービス・給付・保険料の水準推計は大きな話題になるように感じる。保険料の高騰推計は衝撃的かもしれないが、それを予防や互助へのエネルギーに誘導しなければならないであろう。資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2014/01/dl/tp0120-09-13d.pdf)p177「昨年末に、平成25年度試行的「見える化」事業の資料一式を提供しているところであり、各自治体は、資料を確認していただくとともに、第6期の介護保険事業(支援)計画の策定を含め当該システムの利活用を検討していただきたい。」とある。近々各市町村で実施される「日常生活圏域ニーズ調査」(http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/hokenjigyou/05/dl/niizucyousa.pdf)の情報公開の徹底が不可欠と感じる。介護保険予備群がいかに多いか、わかるからである。そして、介護予防とセットで進めなければならないのが、疾病予防である。その重要なツールとなるのがKDBであろう。厚労省医療費適正化対策推進室の「平成26年度に向けた保健事業をめぐる動きについて」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000028517.pdf)p4では、平成25年10月に国保データベース(KDB)システム稼働とある。昨年10月には、国保中央会(http://www.kokuho.or.jp/)から「KDB活用マニュアル」も出ている。しかし、KDBが導入されているのは一部の市町村に留まっている。システムにも一部不備がみられるようである。とはいえ、特定健診・保健指導データ+レセプトデータ+介護保険データが入った国保データベース(KDB)システムは自治体にとって必須のツールにしなければならないように感じるのである。
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職場のメンタルヘルスと地域・職域連携

2014年02月26日 | Weblog
中央労働災害防止協会のメンタルヘルス関連パンフレット(http://www.jaish.gr.jp/information/mental_pamphlet.html)や手引(http://www.jaish.gr.jp/information/mental_houkoku.html)は有用である。労働政策審議会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000035475.html)で、労働安全衛生法の一部を改正する法律案要綱が諮問(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000035474.pdf)・答申(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000036591.html)されており、今後、第186回国会(常会)(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/186.html)に提出される見込みである。平成24年労働者健康状況調査(http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/h24-46-50.html)の結果概要(http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/h24-46-50_01.pdf)や平成24年度「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」まとめ(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000034xn0.html)をみてもメンタルヘルス問題が大きくなっており、職場での取組みを期待するとともに、地域・職域連携による相談対応や普及啓発等が重要になると思われる。そういえば、昨年6月、「産業保健を支援する事業の在り方に関する検討会報告書」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000034ys2.html)では、産業保健推進センター事業、地域産業保健事業、メンタルヘルス対策支援事業の三事業の今後の在り方が示され、平成26年度から変わるらしい。報告書(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000034ys2-att/2r98520000035e52.pdf)p15で、「産業保健活動の支援においては、職域のみならず地域の保健活動との連携も重要である。地域保健法に基づき厚生労働省が定める「地域保健対策の推進に関する基本的な指針」においても、住民が生涯を通じて共通の基盤に立った保健サービスを受けられるようにするために、地域保健及び産業保健の連携が重要であるとされており、新たな産業保健事業においても地域の自治体や保健関係機関とのネットワークを積極的に構築するべきである。」とある。厚労省に地域・職域連携推進事業関係者会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000ahdf.html#shingi128579)があるが、地域・職域連携は、それぞれの地域において積極的に取り組まれなければならないであろう。
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健やか親子21の行方

2014年02月26日 | Weblog
今年1月の厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2014/01/dl/tp0120-13-02d.pdf)p73「各地方公共団体においては、平成26年度中に子ども・子育て支援事業計画や、次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画の趣旨を十分に踏まえ、母子保健の国民運動計画である「健やか親子21」の策定をお願いする。」とあるが、自治体の平成26年度予算で対応されているであろうか。「健やか親子21」の最終評価等に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000al1v.html#shingi145015)の動向に注目したい。
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気になる麻しん

2014年02月25日 | Weblog
キャリアブレイン「はしか患者増加、医療機関で二次感染疑いも- 昨年同期の3倍、「輸入例」も拡大」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/42134.html)。<以下引用>
<今年に入ってから、麻疹(はしか)の患者報告数が増えている。1月6日から2月16日までの6週間の報告数は、昨年同期に比べて約3倍の98人を記録。特に首都圏での報告数が伸びており、医療機関で二次感染した疑いのある事例もあったという。海外で感染した可能性の高い「輸入例」の報告も相次いでおり、厚生労働省や、患者が発生した自治体は警戒を強めている。国立感染症研究所がまとめた2月10日から16日までの週の患者報告数は、昨年同期比4倍の16人を記録。都道府県別では、埼玉の5人が最多で、以下は千葉(3人)、神奈川(2人)、東京(1人)などだった。罹患者が大幅に増えた1月6日から2月16日までの報告数は全国で98人。昨年同期の6週間と比べて約3倍となっており、すでに昨年1年間の全報告数の3割超に達している。麻疹が流行中のフィリピンで感染した可能性の高い輸入例も目立っている。東京や神奈川、千葉などの首都圏では、フィリピンなどに渡航歴のある患者の報告が続出。東京と千葉で今年1月以降、フィリピン渡航歴がそれぞれ3人の患者にあったことを確認したという。一方、東京都内では、医療機関の救急外来で、フィリピンに渡航歴のある患者から他の人への二次感染が推定される事案も発生。都内の保健所は、医療機関などに対し、「さらなる患者の発生も懸念される」として注意を促している。>

毎週火曜日更新のIDWR(http://www.nih.go.jp/niid/ja/data/1613-sokuho-rireki.html)の2014年07週(02月10日~02月16日)の報告では麻しんは16例報告され、今年は103例となっている。そういえば、風しん資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000024999.pdf)でも、「近年、複数のウイルス株がわが国に入り込んできている。少なくとも3種類のウイルス株による感染が2012-2013年の風疹の流行の原因となっている。」とあった。国際社会では、海外からの入り込みによる感染症の流行は警戒しなければならない。昨年、国立感染症研究所から麻しんに関する様々なガイドライン(http://www.nih.go.jp/niid/ja/guidelines.html)が出ており、念のため周知徹底しておきたい。
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