保健福祉の現場から

感じるままに

平成20年の特定健診・保健指導

2008年12月31日 | Weblog
昨年、平成20年は大変な一年になると感じていた地域保健関係者の方が少なくなかったであろう。特に特定健診・保健指導が円滑に行われるか、自信が持てなかったこともあるかもしれない。市町村では、国保担当(特定健診・保健指導)、介護保険担当(生活機能評価)、健康増進担当(がん検診、結核検診)の連携が求められ、少なくとも国保加入者には大きな影響はないように調整されたはずである。しかし、従来の基本健診において相当の割合を占めていた「被用者保険被扶養者」については、調整の限界を感じた方が少なくないかもしれない。保険者協議会や地域・職域連携推進協議会といっても、県外保険者に対しては難しい。そういえば、後期高齢者医療制度に比べて、特定健診・保健指導制度における現場の混乱については、マスコミであまり報道されなかったように感じる。報道各社が加入する医療保険者での特定健診・保健指導が実施計画どおりに進んでいるのであろうか。ついでに、がん検診がどうなっているか、特に若い女性に多い乳がん・子宮がん検診は実施されているか、興味あるところかもしれない。そして、職場のメタボ判定率はどうなっているであろうか。
 ともかく、平成20年は終わる。現場では様々な混乱があったと思われるが、「混乱慣れ」してきた方が少なくないかもしれない。それは、「諦め」というより、「強かさ」と感じることがある。介護保険制度や障害者自立支援制度の変遷の際にも同様の感じを受けたことが思い出される。果たして一年後にはどうなっているであろうか。ところで、昨日のこのブログは417pv、163ipである。こんな個人趣味的なブログで、年末の貴重な時間を消費していただくのは少々申しわけないところかもしれない。
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保健事業のコスト、アクセス、クオリティ

2008年12月30日 | Weblog
医療・福祉には、コスト、アクセス、クオリティの3要素が重要といわれるが、保健事業でも同様であろう。例えば、がん検診について、今年3月、「がん検診事業の評価に関する委員会 報告書」(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/03/s0301-4.html)が出されたようにクオリティが重視されてきている。がん検診での見逃し例に対してもかなり厳しくなっているのは間違いない。コストについては、財政難のため、自己負担額の引き上げがやむを得なくなっているが、限界があると思われる。アクセスに関しては、身近な医療機関での施設検診を進めたいが、胃がん、乳がん、子宮がん検診等を一緒に、ということになると、人間ドック実施機関に限られ、さらにコストがかかるかもしれない。節目年齢に対する総合がん検診(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/gan_kenshin02.pdf)の拡充は容易でないであろう。したがって、アクセスとコストを考えると、集団がん検診は捨て難いといえるかもしれない。胃がん、乳がん、子宮がん、胸部X線の検診車が配車され、休日やイベントに併せて実施されることも多くなっている。但し、集団がん検診では、検診会場と受診者数の確保が欠かせず、担当者が苦労することも少なくない。コスト、アクセス、クオリティは事業担当者にとって永遠の課題かもしれない。ところで、日本子ども家庭総合研究所(http://www.aiiku.or.jp/)の調査研究で、「土日の乳幼児健診を実施しているのは1319自治体中43」と報道されている(保健衛生ニュース12月23日号)。アクセスを重視すると、今後、乳幼児健診も休日実施(毎回とは限らない)が普遍化するかもしれない、と感じないではないところである。
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結核

2008年12月29日 | Weblog
「神奈川の業者、請負労働者の診断書偽造…結核2次感染招く」(http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081228-OYT1T00751.htm?from=main3)。<以下一部引用>
<大手ゼネコンなどの建設請負をしている神奈川県相模原市の業者が、労働者に健康診断を受けさせないで作業現場で働かせ、結核の2次感染が起きていたことが分かった。>

「労働者に健診受けさせず、結核拡大 神奈川の業者」(http://www.asahi.com/national/update/1229/TKY200812290169.html?ref=rss)。

労働安全衛生法(http://www.ron.gr.jp/law/law/rouanho.htm)第六十六条による健康診断を実施していないケースは実際には少なくないかもしれない。派遣社員の場合は派遣会社に実施義務があるが、果たしてどのような状況であろうか。「結核の二次感染」について、最初の患者の感染源はどこか、感染の拡がりはどうか、注目される。というのは、派遣や短期間雇用の方々は頻繁に職場を変えている場合が少なくないからである。また、患者の医療保険がどうなっていたか、も気になる。受診の遅れが感染拡大につながるからである。そういえば、最近、結核集団感染の報道が目に付く。

「結核:集団感染発生 男性会社員と14人確認--県内・今年3件目 /広島」(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081224-00000130-mailo-l34)。<以下一部引用>
<県は22日、県内で結核の集団感染の発生が1件あったことを発表した。県内の集団感染は今年3件目。過去5年間は0件だった。県によると、東広島地域保健所管内の40歳代の男性会社員が10月3日に結核患者と診断され、接触者について健康診断を随時実施したところ、発病者の男性会社員の他に感染者14人が確認された。>

「17人、結核に集団感染 京のスポーツクラブ利用者ら」(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081225-00000035-kyt-l26)。<以下引用>
<京都市は25日、6月から12月にかけ、市内在住者5人を含む計17人が結核に集団感染した、と発表した。全員快方に向かっているという。市保健医療課によると、6月に市内の50歳代の会社員男性が結核に感染し、6月から約2カ月間、市内の病院に入院した。市が男性の家族や勤務先、男性が使っていた市内スポーツクラブの利用者ら計495人を対象に健康診断を実施。その結果、新たに4人が結核を発病、12人が感染していることが判明した。同課によると、男性と接触したが健診を受けていない人をほかに63人確認しており、受診を呼びかけている。京都市内では2005年に結核の集団感染が発生している。>

「結核感染83人に、過去最大の規模」(http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2008/20081217213914.asp)。<以下引用>
<弘前市役所に勤務する職員らが結核に集団感染している問題で、県は十七日、今年七月の結核発症者の公表後、新たに一人の発症を確認し、発症者の合計が二十二人となったと発表した。結核菌が体内にあるものの発症していない「潜在性感染症」の人は、七月から五人増え六十一人に。これにより、未発症を含めた感染者は八十三人となり、県内で過去最大の結核集団感染となった。県は「感染者のいずれも、現時点で他の人に感染させる恐れはなく、収束に向かっている」としている。>

「結核:女性社員が感染、同僚12人も--登米の会社 /宮城」(http://mainichi.jp/area/miyagi/news/20081218ddlk04040202000c.html)。<以下一部引用>
<県は17日、登米市の会社に勤める女性(20)が結核に感染し、同僚12人も集団感染したと発表した。発病したのはこの女性と、同僚2人の計3人で、他の10人は発病していない。女性は入院し、ほかの感染者は外来で治療を行っている。>

「土浦で10人が結核に集団感染 /茨城」(http://mainichi.jp/area/ibaraki/news/20081210ddlk08040130000c.html)。<以下引用>
<県保健予防課は9日、土浦市内の飲食店の男性従業員ら10人が結核に集団感染したと発表した。10~30代の男女4人が発症し、20~40代の男女6人が感染した。今年7月に男性従業員に最初の発症が確認され、他の従業員や家族、飲食店の利用客合わせて37人に健康診断を実施していた。県内の結核の集団感染は4月と6月にも確認されている。>

「結核:枚方で8人が集団感染 /大阪」(http://mainichi.jp/area/osaka/news/20081204ddlk27040436000c.html)。<以下引用>
<府地域保健感染症課は3日、枚方市内の会社で、20~60代の男性社員ら7人が結核を発症、1人が感染した集団感染があったと発表した。7人が既に完治し、1人が入院中。府によると、昨年3~4月に男性社員2人が医療機関を受診して結核と診断され判明。今年10月までに同僚ら5人が発病、1人に感染したのが確認され、結核菌の遺伝子検査で今月2日に集団感染と分かった。府内では昨年、新たに2969人が結核にかかった。>

「肺結核:県北の遊技場で16人が感染 6人発症、3人入院 /福島」(http://mainichi.jp/area/fukushima/news/20081106ddlk07040181000c.html)。<以下引用>
<県は5日、県北保健所管内の遊技場の50代の男性従業員が6月に肺結核となり、客8人を含む計16人が集団感染したと発表した。うち6人が肺結核を発症し、3人が入院。男性と接触した人の健康診断をほぼ終え、感染拡大の恐れはないという。県医療看護課によると、感染者(男性を除く)の内訳は▽客8人▽他の従業員6人▽男性の家族2人。県北保健所が7~10月に遊技場の常連客ら138人に健康診断したところ、客4人を含む6人が肺結核を発症、10人から結核菌を確認した。入院した3人のうち、男性の家族の70代の女性が現在も入院中という。>

感染症発生動向調査 週報(http://idsc.nih.go.jp/idwr/sokuho/index.html)によると、今年は12月14日現在で、結核は全国で2万6532件発生している(http://idsc.nih.go.jp/idwr/sokuho/200850/2008-50-zensu.pdf)。
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特定健診とがん検診、生活機能評価との連携

2008年12月28日 | Weblog
各保険者の特定健診・保健指導の実施率がどうなっているか、気になるが、もう一つ気になるのは、各種健診の連携がどうなっているか、である。そういえば、各種健診との連携については、事務連絡(http://www.pref.mie.jp/CHOJUS/HP/kaisei/06nendo/070320kennsinn.pdf)、Q&A(http://www.mhlw.go.jp/topics/2007/09/dl/tp0911-2g.pdf)が出ていた。昨年度まで、基本健診とがん検診、結核定期検診等を一緒に実施してきた地域が少なくないが、今年度、基本健診が特定健診になって、特に市町村国保以外の方々が昨年度と同様に受診できたかどうか、気になるところである。例えば、集団健診が行われている地域では昨年度と比べて受診者数はどうであったであろうか。また、生活機能評価との連携(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb05Kaig.nsf/0/78b09aa4a5a103924925740100254fe1/$FILE/20080303_1shiryou7_3.pdf)も気になるところである。特に被用者保険の被扶養者高齢者については、特定健診の受診券が医療保険者から発行されるが、昨年度と比べてどうだったであろうか。とにかく、市町村における今年度のがん検診、結核定期検診、生活機能評価についての実態(昨年度との比較)を早急に把握し、来年度に向けて備えなければならないであろう。
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特定健診・保健指導

2008年12月27日 | Weblog
今のところ、特定健診・保健指導の専用HP(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/info02a.html)には掲載されていないが、厚生労働省から、19日付「特定健康診査・特定保健指導の円滑な実施のために関係者に対し周知を徹底すべき事項について」、24日付「保険者協議会における情報の共有について」の事務連絡が出されている。なぜ、これらの事務連絡が出ているかといえば、当初の見込み以上に特定健診・保健指導が円滑にいっていないため、緊急に保険者協議会を通じて関係者に周知徹底をすべき、と要望されているのであろう。各保険者は、特定健康診査等実施計画に基づいて特定健診・保健指導を実施している。例えば、政府管掌健康保険(現在、協会けんぽ)の実施計画(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/info03g-1a.pdf)では、平成20年度の実施率は、特定健康診査54.4%(被保険者60%、被扶養者40%)、特定保健指導26.3%(被保険者28.2%、被扶養者20%)である。参議院で質問(http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/syuisyo/170/syuh/s170055.htm)(http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/syuisyo/170/touh/t170055.htm)されているが、各保険者ごとの特定健診、特定保健指導の実施率が、早急に明らかにされる必要がある。おそらく、悲惨な数字が出てくるかもしれない。というのは、医療機関から、昨年度の基本健診と比べると健診受診者数が減った、という声が少なくないからである。その多くが「被用者保険の被扶養者」であろう。この方々は、従来の市町村基本健診では比較的受診率が高かった層である。今年度からの特定健診では、健診の受診券が本人に届いていないケース、健診の自己負担額がかなりアップしているケース等が少なくないのではないか、と想像される。早急に実態を把握し、21年度に備えなければならない。また、特定保健指導については、特定健診以上に実施率が低調なようである。秋以降、ようやく実施し始めた保険者が少なくないかもしれない。これで少々気になるのが、24日付で更新されているQ&A(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/info03e_2.pdf)で、「年度をまたいで特定保健指導を受けている(あるいは次年度初めから特定保健指導が始まる)ときに、事業主が労働安全衛生法に基づく定期健康診断を実施することとなった場合、それを受けても差し支えないか。」に対して、「特定健診・特定保健指導の実施状況により労働安全衛生法に基づく定期健康診断(以下「事業主健診」)の受診機会を制限する法令上の規定はない。それぞれの健診の計画にあたって事業者と保険者が事前に協議するなどの方法により、効率的な健診計画を策定することが望ましい。なお、保健事業の実効性を高める観点からは、前年度の特定保健指導の終了後に受診する必要があることに留意すること。」と回答されている。各保険者・事業所では、21年度の健診も例年どおり計画されるはずである。20年度の特定保健指導の6ヵ月後の評価が終了するまで、21年度の健診が受診できないとなれば、特に集団健診で実施している場合には混乱するかもしれない。調整が難しい場合には、20年度の特定保健指導を中断するということもあり得るかもしれない。それよりも重要なことは、特定保健指導の実施機関の確保のように感じる。特定健診と特定保健指導の実施機関が異なる場合も普遍化するかもしれない。とにかく、早急に保険者協議会を通じて調整を図る必要がある。そして、地域では、地域・職域連携推進協議会(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/s0330-7.html)の役割が期待されるところである。
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精神保健福祉相談

2008年12月26日 | Weblog
「社会保障審議会 障害者部会 報告 障害者自立支援法施行後3年の見直しについて」(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb15GS60.nsf/0/1efc5daad344ecbf4925752b00164b56/$FILE/20081226_6shiryou2-2.pdf)が出ている。今の職場は全く関わりがなくなったが、平成18年度から障害者自立支援法が施行されてから、自立支援医療への切り替え、障害者施設の新法への移行、地域自立支援協議会の設置など、現場でいろいろあったことが思い出される。さて、p49では、相談体制における行政機関の役割について、「精神障害者やその家族等からの様々な相談に対し、身近な地域において、より適切に対応できる体制を確保するため、精神保健に関する相談への対応や、医療に関する相談や複雑困難なケースへの対応等も含めて、市町村、保健所、精神保健福祉センターが、適切な役割分担と密接な連携の下で、精神保健福祉に関する相談に応じ、適切な支援を行えるよう、その体制の具体化を図るべきである。」とされている。これは、先月出された「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会(中間まとめ)」(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/11/dl/s1120-7a.pdf)と同様である。以前、「精神保健福祉相談と保健所」についてブログ(http://blog.goo.ne.jp/miraikibou/e/7827f9ef1b1b015a06608cb702eb7298)ったが、今般の報告書の「適切な役割分担と密接な連携」が最も肝心かもしれない。「○○できる」「○○に努める」というのは、「あえてしなくてよい」ということではない。「できるはず」「することになっている」でもいけない。いわゆる「譲り合い」では決して対応できないであろう。それぞれの機関が信頼し合い、普段から意思疎通を図り、当事者・家族を支援する姿勢が大切と感じるところである。そういえば、医療においても「階層型構造の医療提供体制から住民・患者の視点に立った医療連携体制への転換」(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/09/s0909-3b.html)が図られている。
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がん対策HP

2008年12月26日 | Weblog
厚生労働省のがん対策HP(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/gan.html)がリニューアルされている。できれば、最近の委員会資料(がん対策推進協議会、がん対策の推進に関する意見交換会、がん検診に関する検討会、がん検診事業の評価に関する委員会、がん診療連携拠点病院の指定に関する検討会等)の掲載(リンクでも)を期待したい。また、がん関連学会(癌学会(http://www.jca.gr.jp/)、癌治療学会(http://jsco.umin.ac.jp/)、胃がん学会(http://www.jgca.jp/)、肺癌学会(http://www.haigan.gr.jp/)、乳がん学会(http://www.jbcs.gr.jp/)等)のリンクなどもあってもよいかもしれない。確かに、国立がん情報サービスHP(http://ganjoho.ncc.go.jp/public/index.html)もあるが、ここでは、行政関係資料の掲載を主に期待したいところかもしれない。ところで、厚生労働省の地域保健対策HP(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/chiiki-hoken.html)や「国内の緊急テロ対策関係」HP(http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/j-terr.html)があまりに寂しい感じかもしれない。
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保育所の市場原理

2008年12月25日 | Weblog
コムスン事件(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%A0%E3%82%B9%E3%83%B3)は記憶に新しい。これは重大な事件であった。「利益至上主義」は福祉にはなじまない、と感じた方が少なくないはずである。ところで、少子化対策特別部会(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb11GS20.nsf/vAdmPBigcategory10/3B93EC18F1AE7D44492575220022332D?OpenDocument)において、今後の保育制度の姿として、「市場原理に基づく直接契約・バウチャー方式」(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb11GS20.nsf/0/3b93ec18f1ae7d44492575220022332d/$FILE/20081217_3shiryou7.pdf)が検討されていることは、知られているであろうか。これによると、「すべての子育て家庭を対象。市町村が、就労家庭か専業主婦家庭か等の粗い確認の下にバウチャー額を決定。利用確保されにくい者には、バウチャー額を上乗せ。」「個人に一定額のバウチャーの受給権を付与。利用者が、一定額のバウチャーに自己負担を上乗せし、市中の事業者と直接契約。」「幅広く利用者が選択した事業者のサービスにバウチャーの充当を可能とする。市町村と保育所の間には 給付等に関する関係性なし【自由市場】」「事業者が自由に価格を決定。」などと説明されている。次世代育成支援のための新たな制度体系の設計に関する保育事業者検討会(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb11GS20.nsf/vAdmPBigcategory10/946548B1CA501C4C4925751D00089125?OpenDocument)では、これについて懸念する声が出ているという(保健衛生ニュース12月22日号)。市場原理の導入は評価すべき点もあるが、影の部分がないとはいえない。最も重要なことは、制度が決定される前に、懸念される点も含めてわかりやすく広く一般に説明されることではないか、と感じる。「市場原理に基づく直接契約・バウチャー方式」と聞いて、一体どれだけの利用者が理解できるであろうか。
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保健所

2008年12月24日 | Weblog
今年も終わりに近づいてきた。今年は自分自身が地域保健福祉の現場を離れて、大きな転換であった。ここにきて、改めて保健所の良さを感じることがある。一つは、様々な専門職種が、幅広い業務を行っていることである(県庁の担当部局さえ、理解していないことがあるが...)。某事件で犬猫の仕事が有名になった(但し、引取りがない動物は動物管理センターに移送)が、地域保健法(http://www.ron.gr.jp/law/law/hokenjo.htm)第六~八条や「地域保健対策の推進に関する基本的な指針」(http://www.mhlw.go.jp/topics/2003/10/tp1030-2.html)に保健所業務が規定されている。食品衛生部門、環境衛生部門、感染症対策部門、精神保健福祉部門、栄養管理部門、医事部門、薬事部門などの相互連携はますます求められるであろう。例えば、在宅医療には保険薬局の参加が望ましいが、保健所の薬事担当者の在宅医療推進への参画が期待されるかもしれない。二つには、監視や訪問など、現場に出かけることが多いことである。電話の使用量は半端ではないが、自分で、見て、聞いて、感じることが基本であり、単なる「事務所」ではない。三つには、国・県・市町村の行政関係機関や民間機関とのネットワーク、保健所相互間のネットワーク、地区組織や業界団体とのネットワークなど、様々なネットワークである。そういえば、一つの保健所内で完結する業務はほとんどないかもしれない。
他にもいろいろあるが、いい加減にしないといけないかもしれない。20年近く地域保健福祉に携わってきて、なかなか変われないものである。
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たばこ増税見送り

2008年12月23日 | Weblog
「たばこが原因で死亡、年間20万人 対策に増税必要?」(http://www.asahi.com/national/update/1221/TKY200812210181.html)。<以下引用>
<たばこが原因で病気になり、死亡する人は、年間20万人近くにのぼるとみられることが、厚生労働省研究班(主任研究者=祖父江友孝・国立がんセンター部長)の調査でわかった。研究班は「健康対策として、増税を含めたたばこ対策がもっと必要だ」と指摘している。 国内の四つの疫学調査データを解析した。80~90年代に40~79歳の男女約29万7千人に喫煙習慣などを尋ね、約10年間追跡。2万5700人が死亡していた。喫煙率は男性54%、女性8%。たばこを吸っていて病気で亡くなるリスクを、吸わない人と比べると、男性では(1)消化性潰瘍(かいよう)(胃潰瘍、十二指腸潰瘍)7.1倍(2)喉頭(こうとう)がん5.5倍(3)肺がん4.8倍(4)くも膜下出血2.3倍。女性では(1)肺がん3.9倍(2)慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)3.6倍(3)心筋梗塞(こうそく)3倍(4)子宮頸(けい)がん2.3倍などだった。 また、過去に喫煙歴がある人も含めると、男性のうち27.8%、女性の6.7%が、たばこに関連した病気で死亡していた。 こうしたデータをもとに、05年の死亡統計にあてはめて計算すると、年間死亡者108万4千人のうち、たばこ関連の死亡者は男性16万3千人、女性3万3千人。05年時点の喫煙率は男性39%、女性11%のため、たばこに関連した病気になり死亡する人は今後、男性で減り、女性で増えると予想される。解析の中心となった同センターの片野田耕太・がん対策情報センター研究員は「増税のほか禁煙治療をもっと広めるなど、総合的な対策を進める必要がある」と話している。>

以前、たばこによる超過死亡数は日本では年間9万5000人(http://www1.mhlw.go.jp/topics/kenko21_11/b4f.html)とされていたが、倍増しているようである。しかし、平成21年度税制改正大綱では、政府側が求めていたたばこ税引き上げは見送られている。

「たばこ増税を断念 自民党税制調査会」(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081211-00000092-san-pol)。<以下引用>
<自民党税制調査会(津島雄二会長)は11日、党本部で正副会長らによる幹部会を相次いで開き、社会保障費の伸びを2200億円抑制する政府方針の見直しの財源として浮上していた「たばこ税の増税」について見送る方針を確認した。税制改正大綱には来年度以降の検討課題として明記するにとどめる。税調幹部や農水族を中心に慎重な意見が多く、「たばこ税を社会保障の特定財源にする考え方はおかしい」との判断で一致した。党税調顧問の町村信孝前官房長官は町村派総会で「たばこ増税は、ないんだとご認識いただきたい」と述べた。自民党の保利耕輔、公明党の山口那津男両政調会長も同日午前、都内のホテルで会談し、たばこ税の増税の見送りで一致した。ただ、政府は3日に決定した予算編成の基本方針で、小泉内閣時代の平成18年に策定した「骨太の方針」に沿って社会保障費の自然増分を毎年度2200億円抑制する方針は堅持することを決めている。>

ところで、特定健診の階層化で「喫煙」が重視されていることは理解したい。例えば、男性で腹囲85cm、空腹時血糖100mg/dℓ、喫煙中であれば、メタボリックシンドロームに該当しなくても「積極的支援」の特定保健指導対象である。こうした方々に、必要に応じて特定保健指導と「ニコチン依存症管理料」(http://www.nosmoke55.jp/nicotine/index.html)を組み合わせてもよいのではないか、と感じるところである。そういえば、「特定健康診査・特定保健指導に関するQ&A集」の特定保健指導(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/info03e_2.pdf)では、「医師が、特定保健指導を行うと同時に、指導対象者に別途保険診療を行った場合、初・再診料を算定し請求することができるのか。」に対して、「特定保健指導の対象者が、①糖尿病等の生活習慣病以外の病気や怪我等により通院しているかかりつけ医において特定保健指導を受ける(保険者と当該医療機関が特定保健指導の業務委託契約を締結していることが前提)場合や、②対象者の選んだ特定保健指導の実施機関において特定保健指導を実施している中で、別途治療等が必要となった場合には、保険診療が行われることは十分に想定され、否定されるべきものではないことから、そのような(同一医師により特定保健指導と保険診療を実施した)場合、必要な診療報酬の請求が為されることは差し支えない。※但し、生活習慣病に関連する保険診療は、同日実施された特定保健指導と重複する内容が含まれる場合もあり得ることから、同日に実施した特定保健指導に係る請求の範囲・内容等については、必要に応じ、当該保険医療機関と保険者との間で調整いただきたい。※調整等に際し、保険者は、このように重複して実施する場合の有効性や費用対効果、あるいは特定保健指導の成果等を勘案し、適宜判断されたい。」と回答されている。
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甘い見通しと結果論

2008年12月23日 | Weblog
「PFI解除 甘い見通し 経営悪化」(http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shiga/news/20081217-OYT8T00914.htm)。<以下引用>
<近江八幡市が17日発表した市立総合医療センターのPFI契約解除。その背景には、過大な収益を織り込んだ経営計画の甘さがあった。冨士谷英正市長は記者会見で「旧市民病院時代ですら、年間の病床稼働率が最高84%だったのに対し、センターの当初計画では95%を見込むなど、過大な収益計画だった」と述べ、前市長時代の当初計画の問題を指摘し、契約解除に至った最大の原因だとした。センター幹部は「開院翌年の2007年度の医業収益84億円は、旧市民病院時代も含めて最高。現場の医師や看護師は最大限の努力をしている」と主張する。しかし、計画の年間100億円には遠く及ばないのが実情だった。PFI方式は、公共施設の建設や運営に民間資本を活用するため、起債で資金を調達する場合に比べ、利子が高くなる。それでも市は、民間に運営を委ねれば大幅な費用削減ができると判断し、導入を決めた。だが開院後は、収益が想定を下回り、利子などが経営を苦しめた。そこで市は今年7月から、契約解除に向けた交渉を、センターを運営する特別目的会社(SPC)との間で進めた。市は「病院債を発行して直営化すれば、最初の5年間は元本据え置き。その間にセンターの収支を改善できることが、契約解除の一番の効果」と説明する。一方、会見に同席したセンターの槙系院長は「資金的な余裕があれば、PFIの精神を追求できたかも知れないが、私たちにその時間はなかった」と述べ、経営難の原因とPFI方式自体の問題とを「切り離して考えるべき」とした。市は、直営化から6年後に経営は黒字になるとの見通しを示しているが、黒字だった旧市民病院時代のノウハウがセンターでも通用するという保証はなく、これから長く、険しい道のりが続く。>
 
これについてはブログ記事(http://www.izai2.net/tyokin.html)も出ている。<以下一部引用>
<市が設置したセンターのあり方についての検討委員会は、1月に出した提言書で「計画はまさにどんぶり勘定だった」と指摘した。PFIの「民間手法により、低コストで、サービスの向上を図る」という目的を達成する前に、市の計画の甘さで瓦解することになった。その代償の解決金20億円は安くはない。>

ここ数年、世の中が激変しており、見通しが行いにくいのは確かであるが、この事例が示すように、「民間」が金科玉条ではないであろう。逆に「民間」の響きで見通しが甘くなったということはないであろうか。「前市長時代の当初計画の問題を指摘」ということが、注目される。やはり、行政は結果論なのかもしれないと感じないではないところである。
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医療再建

2008年12月22日 | Weblog
昨夜のNHKスペシャル「医療再建 医師の偏在 どう解決するか」(http://www.nhk.or.jp/special/onair/081221.html)をみた。<以下引用>
<「必要な時、必要な場所で、必要な医療が受けられない。」救急や産科、小児科、外科など、特定の診療科で深刻化する医師不足。地方と都会で広がる医療格差。夜間に頼れる医療機関がない在宅の患者たち。そして、過酷な病院勤務に見切りをつける医師たち。今、日本の医療が崩壊の危機に瀕している。こうした事態に、政府は医師の増員を打ち出したが、医師の数が増えても、診療科や地域など「医師の偏在」の問題に取り組まないと現状は変わらない、という声が医療現場や専門家から相次いでいる。“必要な時に必要な医師がいる”安心をどうしたら実現できるのか。番組では、妊娠中の女性や救急患者が受け入れを断られて亡くなるケースが続出する東京都の医療現場や、崩壊の危機に直面し医療体制の全面的な建て直しに乗り出している地方の模索など、全国各地の医療現場の最前線を取材。医師を計画的に配置しているヨーロッパの事例などを交えながら、「医療再建の処方箋」について徹底討論を通じて考える。スタジオには、厚生労働行政の代表、日本医師会の代表、全国各地の患者、医師、行政担当者など。司会は、高橋美鈴アナウンサー。>

病院勤務医、開業医、研修医、患者、医師会、行政など、様々な立場から意見が述べられていた。「医師の偏在」をテーマにしており、医師を増加させるだけでは解決しないというメッセージを伝えたかったのであろう。メインは急性期医療のようであるが、大野病院事件のような訴訟リスクとその解決に向けての動きがなかったのはどういうことであろうか。全国各地で取り組まれている好事例の紹介もあまりない。かなり消化不良に感じた方が少なくないかもしれない。「医療再建」というのであれば、様々な角度からの特集番組が必要であろう。
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無保険

2008年12月21日 | Weblog
先日、無保険の高齢者についてブログ(http://blog.goo.ne.jp/miraikibou/e/39a56d580409d803236a80423980d860)った。衆議院で「後期高齢者医療保険料の滞納に関する質問主意書」(http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a170299.htm)(http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b170299.htm)、「後期高齢者医療保険料の滞納実態等に関する質問主意書」(http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a170321.htm)が出ている。この中で、「全国の主要自治体72市区で約20万人」、「約8%の後期高齢者が保険料を滞納」とされるが、実態はどうなのであろうか。このままでは、1年以上保険料滞納によって資格証明書を発行される後期高齢者が今後出てくるのであろうか。その場合、「子どもの無保険」よりも深刻といえなくもない。というのは、疾病リスクのこともあるが、子どもでは地方自治体による医療費無料化が進んでいるからである。しかし、子どもの無保険に比べて、無保険の高齢者が今一注目されないのは、場合によっては、「生活保護による医療扶助や介護扶助」がなされると思われているからなのかもしれない。実際、高齢者世帯の生活保護は1ヵ月平均49万7665世帯(平成19年度)で年々増加傾向にある(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/gyousei/07/kekka1.html)。自治体にとっては、保険料納付によって生活保護になってしまうよりも、保険料滞納のままの方がよいと思われているケースもあるかもしれない。それよりも「派遣切り」と騒がれている方々の医療保険がどうなっているのか、注目される。改正国民健康保険法(http://www.cabrain.net/news/article.do?newsId=19776)によって、子どもの無保険は解消されるが、その親の無保険が問題かもしれない。
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特定健診・保健指導と医療費適正化

2008年12月20日 | Weblog
「特定健診・保健指導制度」が高齢者医療確保法(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/hoken83b.pdf)の「医療費適正化の推進」の一環として規定(第十八条―第三十一条)されていることはどれほどの方が理解しているであろうか。参議院で問い合わせ(http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/syuisyo/170/syuh/s170055.htm)(http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/syuisyo/170/touh/t170055.htm)されているが、各保険者ごとの特定健診、特定保健指導の実施率が、早急に明らかにされる必要がある。いろいろ聞くところによると、どうも特定健診の受診率は、思ったほどではないらしい。特に被扶養者の方々の受診率は、昨年度までの市町村基本健診に比べて大幅に下がっているようである。また、特定保健指導の実施率については、保険者から対象者に案内しても受診されない方が少なくないようである。そして、その一方で懸念されるのが、「がん検診」である。従来、基本健診とがん検診は一緒に実施されてきたことが少なくなかったが、特定健診の受診率の低さが、がん検診の受診率低下につながっているおそれがある。「特定健診・保険指導制度」という国家的プロジェクトが、果たして医療費適正化になるのか、注目されるところである。
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女性の健康課題

2008年12月19日 | Weblog
「女性の健康づくり推進懇談会議資料」(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb14GS50.nsf/0/9715eb80e4c65eaf492575240008ee64/$FILE/20081219_3shiryou.pdf)が出ている。この中で、p9の「各年代における健康課題(暫定版)」が目にとまった。この年代の区切りで60歳以上を一括りにされているのが気になるが、それ以上に、健康課題として「認知症」等が挙げられていないことが気になる。平成19年の平均寿命(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life07/index.html)は、男性79.19年に対して女性85.99年である。しかも結婚する際には女性が年下の方が多く、女性が要介護になる頃には「夫は天国」のことが少なくない。嫁も娘もあてにならないかもしれない。高齢女性がいかに健康であるか、が大きな課題であろう。高齢女性も「女性」である。
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