感染症発生動向調査週報2008年04週(01月21日~01月27日)のデータが公表されている(http://idsc.nih.go.jp/idwr/sokuho/200804/2008-04-zensu.pdf)。宮崎県の結核44件は宮崎刑務所の集団感染事例(http://mediajam.info/topic/367788)(http://www.med.or.jp/kansen/ag2423.html)(http://cat.cscblog.jp/content/0000287222.html)による影響であろう。そして、やはり気になるのが、麻しんである。神奈川(87件)、福岡(29件)、秋田(16件)、大分(12件)等では集団感染はどうなのであろうか。麻しんの届出件数が、週ごとに増加していることが懸念されるところである。2008年01週(12月31日~01月06日)34件 →02週(01月07日~01月13日)90件 →03週(01月14日~01月20日)180件 →04週(01月21日~01月27日)206件。
そういえば、「はしかワクチン、確実な2回接種を」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/14371.html)の記事がみられる。<以下引用>
<いわゆる“はしか予備群”をなくすため、学齢期の生徒らを対象に国は「麻疹・風疹混合ワクチン」(MRワクチン)の定期接種(2回目の接種機会の確保)を今年4月から開始する予定だ。しかし、国立感染症研究所感染症情報センター(東京・新宿区)が高校生を対象に実施した意識調査では、はしかの症状について全体の7割以上が「知らない」と回答するなど、肝心の該当者がはしかについて十分に理解しているとは必ずしも言えないようだ。はしかは命にかかわることもあるだけに、同センター予防接種室(第三室)の多屋馨子さんは「きちんと理解して、この機会に2回目接種をぜひ受けてほしい」と呼びかけている。MRワクチンの2回目接種の対象拡大は、国が昨年8月に策定した「麻疹排除計画」の一環。具体的には、現在の1歳児(第1期)、小学校入学前年度の1年間にあたる幼児(第2期)に加えて、新中学1年生(第3期)と新高校3年生(第4期)の相当世代を2008年度から12年度までの時限措置として対象にする。はしかワクチンを受けそびれていたり、1回しか受けていないために抗体が獲得できなかったり減衰したりする、いわゆる“はしか予備軍”をなくすのが狙いで、該当者は市区町村(特別区)が実施するMRワクチンの定期接種(2回目)を4月から1年間、無料で受けられるようになる。初年度となる08年度、国はこれらの該当者について接種率95%以上の達成を目指す。ところが、はしかに関する情報が肝心の該当者に十分伝わっているかどうかが疑わしい。国立感染症研究所感染症情報センターは昨年11月、今春から2回目定期接種の対象になる某県内の現役高校2年生1クラス(36人)を対象に、はしかに関する意識調査を実施した。すると、はしかの症状に関する質問には、全体の68%に当たる25人が「知らない」と回答したほか、予防の方法についても62%(23人)が知らなかった。また、今春からMRワクチンを公費で受けられることについては「知らなかった」との回答が84%(27人)に達した。脳炎併発の可能性について「知っていた」生徒は1人もいなかった。多屋さんは「はしかというと軽く見られがちだけど、それは誤った認識」と話す。実際、はしか発症者の40%以上が入院を余儀なくされるほか、1,000人に1人は脳炎(麻疹脳炎)を併発し、最悪の場合には命を落とすこともある。たとえ一命をとりとめたとしても、脳炎併発者の20~40%には重度の後遺症が残るという。はしかに対する有効な治療法は今のところなく、ワクチン接種で予防に徹するほかないのが現状だ。同センターでは今後、より本格的な意識調査を実施し、接種率の向上策を検討する方針。今回の結果について多屋さんは「対象数が少ないのでさらに数を増やして検討する必要があるが、はしかに対する認知度の低さが分かった。本当の怖さを知らなければ予防接種を受けようと思わないのでは」と危ぐしている。多屋さんによれば、4月から公費負担で接種が受けられるようになったのはあくまで新中1と新高3相当年齢者のみ。今までに1回もワクチンを受けていない場合には、1回目として接種を受け、2回目は自費で接種することになるという。また、無料で受けられるのは4月からの1年間だけで、この期間を過ぎれば自費で受けなければならなくなる。多屋さんは「分からないことがあれば居住する市区町村や特別区に問い合わせて、なるべく早く受けてほしい」と呼びかけている。>
今年4月からの新中学1年生(第3期)と新高校3年生(第4期)の相当世代に対する麻しんの予防接種体制は果たしてどうであろうか。子ども予防接種週間(3月1日~7日)(http://www.med.or.jp/vaccine/)には、新たな対象者への啓発が重要かもしれない。